○中村正雄君 今
佐々木君の言われました最後の点ですが、私も申上げようと思
つておつたわけですが、
裁判所から
逮捕要求が出た場合に、我々の院の許諾が必要であるという点につきましては、昨日も私は申上げたと思うわけなんですが、私達がこれに許諾を與えるかどうかという点は、
裁判所又は
檢察廰が
逮捕状を出すか出さないかを決定するのと違つた観点から、私は決定すべきものであろうと思うのです。いわゆる
裁判所が
逮捕状を出すか出さないかということは、
檢察廰の
要求に対して、これは
逮捕の要件を、いわゆる刑事訴訟法に定めてある
逮捕の要件を具備しておるかどうかという点を檢討した上で出すべきもので、
從つて逮捕状を出すか出さんかはこれは
裁判所が決定すべき問題である。
國会の決定するのは、この
檢察廰の
逮捕要求なり、或いは
裁判所の
出しておる
逮捕状というものが、これが政治力を利用して
議員の政治行動を束縛するような政治的理由があるかないかという点に根拠を置きまして、許諾するか否かを決定するべきものであります。憲法に規定がありますのは、これは
議員というものは
如何に
犯罪が濃厚であろうとも、
逮捕されない特権を與えられておるという憲法の規定ではありません。これは憲法におきましても、
議員も一般國民と同じように、刑事訴訟法に規定される
逮捕要件があるならば、当然
逮捕されるべき問題なんであります。
ただときの
政府が政権の力を以て
議員の行動を束縛する、或いは
議員の政治行動を制限するということがあ
つては困るという
関係から、議院の許諾を求められておるわけであります。今までのいろいろな議論を聴いておりますと、
國会が
檢察廰に
なつたり、
裁判所に
なつたりする観点から議論されておると思います。
從つて一番最初の
議員の
逮捕要求であります
関係上、これもはつきりと
参議院は今後こういう問題があつた場合に、どういう観点からこの許諾か否かを決定すべきかというのでありますが、最初からの議論を聴いておりますと、私の憲法の解釈が間違
つておればともかくといたしまして、納得できないところであります。この点につきまして今後の
運営方針を決めて頂きたいと思います。