○小澤國務
大臣 今
赤松委員から、私がどこかで
行政整理を行わずというようなことを言明したことを前提としていろいろの
質問でございまするが、この問題は
ちようど昨日の本
会議におきましても、
米窪議員から同じような趣旨で発言があ
つたのであります。昨晩私はこれに答えようと思
つたのですが、私の求められた御
質問ではないだろうと思
つて御遠慮申し上げたのであります。私はいまだ
行政整理を行わずというようなことを申し上げたことはございません。ではその場合
行政整理をするのかと言われれば、それはするとお答えします。但しその
行政整理はどういう意味かということを
考えていただきたい。また私の
行政整理を行わずというようなことが、誤
つて傳わるように
なつた
原因は、ただちに出血を見る首切りを断行する
氣持はないと
言つたことからだろうと思います。しかし今申し上げました
通り、
行政整理を行わずという言明は、新聞記者諸君にも、また当
委員会においても申し上げたのではないのでありまして、換言すれば
行政整理は行うのであります。
行政整理という意味はどういう意味かと申しますと、大体企業体におきましては、経営の
合理化、もう少し接近して言うならば、
國民の要望しております國鉄経営の
合理化という点を、これはどうしても実行しなければならぬと深く
考えております。それではその國鉄の独立採算制、あるいは経営の
合理化という面を、どういう
方法でや
つて行くというならば、それはもちろん首切りというようなこともその中に入
つておるだろうということは、一應推定されるのであります。しかし私は順序といたしまして、まず出費というものを極力制限する。この
國有鉄道の運行経営に要する経費というものを少くするように、極度に食いとめる。これを一番元に極力断行して、なお独立採算制がとれないというような場合におきましては、ここに
考えられることは運賃の値上げ、
人員の
整理ということにな
つて來るのであります。しかし現段階におきまして、ただちに運賃値上げをするということも困難であり、また
人員整理とい
つてもいろいろ
考えられますが、ただちに出血をして、そうして首切りというようなことを
考えても、
重井さんの御
意見にも、
川合さんの御
意見にも、ありましたけれども、それは少くとも一年、二年の間は
財政上の余裕にならないのであります。たとえば一人首切れば十万円
程度の手当をしなければならぬということに
なりまして、一年間、二年間をただや
つてお
つたと同じことに
なりますから、それでは容易にこういうことはできないという
考えから、まず私は本人の
意思に反した、いわゆる出血を見るところの首切りというような問題には、容易に触れるべきではない。それでは
人員整理に少しもやらないかといえば、それはそうではない。たとえば自然に辞職する者が年に五%ないし四%あるのでありますから、この点から行きましても、一年に三万、四万の
整理はできるのであります。
それからもう
一つは、
國有鉄道の附帶事業として、かりにある事業を積極的に興したというようなことも
考えまして、その事業の方に向けることによ
つて、出血なしに國鉄の経営の
合理化、あるいは独立採算性という
目的が達成し得ると思うのであります。そういう見地を極度に
考えて、そして勘案した後に細めて首切りをするかしないかということを
考える問題でありますから、從
つて現段階では、首切りは断じて行わないということを新聞記者諸君に話したのでありまして、
行政整理は依然としてこれを行うし、鋭意私はこれは重大な責任と
考えて、今着々その構想に向
つて準備を進めておるような次第でありますから、その点を御了承願いたいと思います。