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田淵委員 再び
質問が許されましたので、二、三重ねてただしてみたいと思います。先般來問題とな
つております第三條でありますが、聞くところによりますと、この第三條の
規定の
内容につきましては、相当権威のある
研究團体から申入れがあ
つて、それを
内容決定の一助として、このような
規定が案として取入れられたというふうにも聞いているのであります。そこで、そういう点を
考え合せますならば、これは
内容の
修正ということは当面ないように
考えるのであります。ただ
表現の問題に帰するというふうにも見られるのであります。しかしこの
條文は読み下したところ、見方、取り方によ
つてはどのようにでも解釈のつくような、いわば
繁文だ。であるがゆかにこれをもう少し簡素化して一本にまとめ上げるということが、われわれは望ましいのであります。そこで
社会党といたしましては他党の
委員有志の方にも三、四お諮りしたのでありますが、この
條文をこのように
修正してはどうかという議が、一應まとま
つたのであります。すなわち第三條、
研究所は必要と認めるときは、その
調査研究を他の適当な
調査研究機関または個人に委託することができる。以上でありますが、こう
規定いたしますならば、かえ
つてこの
原案に盛られておりますところの
内容は
振幅性、
融通性をも
つて余すところなくこれに包括されて、かえ
つて彈力性のあるところの
規定になるのではないかと
考えるのであります。そこで一應そういう
議がまとま
つたのでありますが、なおこれにつきましては
手続上その他の
関係もあ
つて、この
委員会において
審議されることが望ましいと思うのであります。
それから第四條でありますが、四條二項のこの
規定の
表現も、修辞的に申すならば多少難があ
つて、誤解を招く節がなくはないと思うのであります。先般の
委員会において
政府委員より
説明がありましたので一應了承したのでありますが、
所長は
一級の
文部教官または
文部事務官の中から
文部大臣が命ずる。
從つてすでに
一級の
文部教官または
文部事務官としてあるところの人よりというふうに受けとれまして、
民間人を起用して有能な
学識経驗者をそこに起用いたしまして、これを
一級の
文部教官または
文部事務官に
任命いたしまして採用するというふうには、とれないようなうらみがあるのであります。つまりこの
條文は、
所長は
一級の
文部教官または
文部事務官とし、
文部大臣が命ずるというところであろうと思うのであります。
表現はなお不十分であります。この点につきましてもなお
政府委員なりあるいは
文部大臣なりの御見解を、承
つておきたいと思うのであります。
それから第五條でありますが、「
所長は、毎年少くとも一回、
調査研究の
状況及びその
成果に関する
報告を公表しなければならない。」とな
つております。この一回を二回に改めてはいかがであるかということを申し上げたのでありますが、言葉が足りませんので、なお補足いたしますが、なぜ一回を二回にしなければならないかと申しますならば、もちろん年度一回の
報告発表ということがあらゆる
調査機関、
研究機関などの慣例でもあり、都合でもありましよう。しかしこうした
学問研究というものは、これが
成果である
といつて一年ぐらいで出されるものは比較的乏しいのでありまして、三年、四、五年も要する
研究も多いのであります。あるいはそれ以上の歳月をかけなければならぬところの
研究が、はなはだ多いのであります。といたしますと、年一回の
報告をさせるという場合に、熱心な
研究者はもちろんその任を果すでありましようが、
官公立の
研究機関にいたしましても、私立の
研究機関にいたしましても、往々にして
再々予算の食い逃げ的な
研究報告ということがあるのであります。いわゆる一夜づけとは申しませんが、
にわか仕立ての
研究報告書なるものをつく
つて、その
年度内研究活動をサボ
つているというような事実も見受けられるのであります。それで
調査研究の
成果の
報告ばかりではなくて、
状況の
報告ということにな
つておるのでありますから、年二回といたしまして、
年度内前期に一度
報告せしめてその
経過を見る形式にし、さらにまた
報告せしめてその
経過を見るということであるならば、
予算の食い逃げ的なサボタージユというものを防げるのではないかというふうに
考えましたがゆえに、私は二回とここを直していただきたいということを申し上げたのであります。この点いかがお
考えでありますか。さらに御
意見を承りたいと思うのであります。
それから第七條でありますが、「
評議員は、二十人の
評議員で組織する。」、二項は「
評議員は、
國家公務員法の定めるところにより、
学識経驗のある者のうちから、
文部大臣が命じ、又は
委嘱する。」、この
文部大臣が命ずるところのものは
部内関係、
委嘱するというのは
部外関係であるというふうに、
政府委員の
説明があ
つたのでありますが、その点は了承したのであります。ただ
文部大臣が
任命しまたは
委嘱する場合におきまして、
文部大臣一個の御判断によ
つて、
任命または
委嘱が行われることはあるまい。またあ
つてはならないのだと思うのであります。内実におきましては、ここに何らか
評議員たる者を推薦するもの、あるいは
評議員たる者を
審議して、
文部大臣にその
候補者を申告するというような
手続がふまれなかつたならば、これは民主的ではないと思うのであります。そういう
意味におきまして、どのような
手続で、
文部大臣の
任命委嘱ということが行われるのであるか。
手続上これに要する
機関というものはここに必要がないのか。
規定する要はあるのか、ないのかというようなことも、ひとつ御
意見があつたならば承りたいと思うのであります。つまり申しますならば、
人事権の
発動手続という問題が、ここになお残されておると思うのであります。これに関連いたしまして、この
規定には直接
関係がありませんが、間接的に
関係を持ちますのは、
國語審議会でありますが、これは
國語研究所ができるならば、
屋上屋を架するきらいがあるのではないかということは、十分論議されたのであります。ところが
審議会の存置の
必要性ということが、
政府委員によ
つて説明されましたので、一應了承したのであります。残る問題は、
國語研究所の
人事の
民主化ということと並行して、これを存置するならば、
國語審議会の
人事ということも、
考え直してもらわなければならないということを要望するのであります。さらに第十一條にわたりまするが、
研究所の專任の
文部教官または
文部事務官の
定員でありますが、この
定員はここにあげてあります
人教以外に、他の職員、
傭員、
雇員等を合すと五十名を越える数になると承
つたのであります。これだけの
定員が必要であるかいなかということは、この
國語研究所の
機構運営というものが、なお詳細に明らかにならなければ、実は納得が行かないのであります。しかしこれはにわかに
手続上望まれることでないといたしましても、適当なる
機会にこの
研究所の全
機構のデイコールにわた
つて一覽表のごときものをつく
つて、お示しくださるということが望ましいのであります。
なお二、三の問題につきまして
意見があるのでありますが、
機会が與えられますならば追
つて申し上げたいと思います。以上の点御
意見を承るべき節があつたならば、承りたいと存ずるのであります。