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田淵委員 私がただいま現代の
國民の
言語生活ということを申しましたが、もちろん過去の
國民の
言語生活、未來の
言語生活を予想しての
研究であることは当然のことであります。しかしそれは現代の
國民の
言語生活というものを
中心にして、これを右の延長線でしかないと私は思います。過去の
研究が何ゆえになされるか、未來を予想しての
研究が何ゆえになされるかということは、これは現代及び現代の延長であるところの未來を
一つの目標とし、基準としているからなされるのであると思うのであります。といたしますならば、現在の
國民の持
つているところの文化、民度、感覚、そうしたものと有機的な
関係を持たずして、
研究がはたして可能であるかということなんであります。もちろん売機的な
関係を持たないところの研待は
研究でないという点において、これははつきりしていると思うのであります。といたしますならば、
國語審議会の
事業と
國語研究所の
事業というものには、本質的な
相違がないのである。このことを私は強調したいと思うのであります。