○黒岩
委員 国語の問題でどうしても早く
解決しなければならぬ問題は、
國語の合理化の問題とそれを表現する文学の簡素化という二点が重点だと思います。その
建前からこの
二條を見ますと、最も軍規すべき問題は第一項ではないかと思います。二項も三項も
研究の
成果を保存するという
意味において重要でぱありますが、生きた政治の上から考えまずと、
一つの
國語政策の
立案上
参考になる
資料の作意ということが最も
研究所の重大なる任務であり、今日の段階におい七はさように考えられるのであります。そういういう
意味でこの
研究所を
設置することは、きわめて妥当なことであります。しかもでき土
つた研究所には、その
規模おいても
権威においても特に重きをなすものでなければならぬと思います。そういう観点から私も御
意見の
通り國語審議会との
関係が、この際十分に究明されなければならぬと考えます。一体
立案上の
資料といいますけれども、
権威を網羅して
研究しましたところの
成果が、それ以外の人によ
つていろいろと
政策上論議される余地があるようなものが、できてはならぬと思います。國をあげての一流の
権威者が
研究した
資料でありますから、それから將來の
國語政策の
方向というものも、自然に現われて来るのではないかと思います。今まで
國語の問題が時代によ
つて変化しておる。かなづかいに
一つ見ましてもこの二、三十年間にたびたび変化しておる。そのために迷惑するものは
國語教育の実際に当る者、またそれを学ぶ者であります。かようにわずかな年数の間に変轉きわまりな、結果でありましでは、日本の
國語教育はいつまでたちましても、ほんとうのものにならぬということを憂慮するものであります。こういう観点からいたしまして、先ほど
一松委員から屋上屋を重ねるという言葉をも
つて表現されました
通り、
國語審議会が不要であるということを考えると同時に、
國語審議会を不必要ならしめるほどに、この
研究所を強化したいという
意見を持
つておりますが、
政府の今までの
意見を聞いておりますと、基本線を堅持されておりますことはよくわかりますけれども、その点についてはもう一度検討いたしまして、その上で最も妥当なりという点に
意見の一致を見たいと希望いたします。文部当局としてもその点についでお考えを願いたいということを希望いたします。