○徳田委員 全然知らないのですね。
終戰のときの八月、日本銀行の発行高は約四百五六十億膨脹している。
この膨脹している
原因は
軍需品の跡始末にある。われわれも監嶽から十月十日に出て來ましたが、その当時の労働者諸君の
状態から見ましても、軍需工場がどんどん金を放出して、いくらかのものをや
つて失業しても少しは食える
状態にあ
つた。労働者諸君に
食糧品、衣料、いろいろのものをや
つている。これはいい加減なものをや
つてあとは自分が隠匿した事実があるのですよ。だからこういうことに対して
軍需省がいかなる
処置をしたか。五百億になんなんとする金が膨脹するに対しては、
軍需省の
処置いかん、大蔵省の
処置いかんでこれはできているのであ
つて、あの当時この発行高を増大せしむる
原因はほかにはないのです。ですからそういう点についてあなたが日本再建の
ために誠意をも
つてお話してくだされれば、何も罪を問うとか何とか言うのではない。いかなる事態がここに発生したかがわかれば、國会としてはこれに対する
処置ができる。そうすれば再建の基礎が固
つていく。商工
次官としてあなたは非常に有名な人で才能のある人だというので軍需
次官にな
つた人です。私は監獄にいてよく知
つている。そういう人がこういうことを知らぬ存ぜぬ、忘れたというのでは私は済まぬと思う。正確な
数字をあげてどうというのではない。大体の輪廓で、あの当時こういう
状態で、こういうことをしたのだ、これが今こういう禍根を残しているから、どこを突いてどうやれば再建の目的を達することができる、そういう点もあなたは指摘する義務があると私は思います。それを知らぬ存ぜぬと言われるならこれ以上は問いません。しかしあなたの地位としてはそれだけのことは言うべきである。國会に対してそれだけのことは
証人として堂々
証言なさるべきだと思います。まあ知らなければしかたがない。