○野原委員 先般本存員会におきまして、林業対策小
委員会で協議いたしました本年の冬における薪炭の需給対策、それに対しまして薪炭の
生産並びに需給に関する政府に申入れをする案件に対しまして、いろいろ委員各位と相談をいたしましたが、その間小
委員会の試案に対しまして一、二疑問の点が生じて参りましたので、
委員会におきましていろいろと話合いました結果、一應の成案を得ましたので、これを農林
委員会として決議をお願いいたしたいと思うのであります。ただいま試案を朗読いたします。
決 議
國民
生活の安定に至大の影響を齋らず燃料
確保の問題は年次を追うて好轉しありとするも尚現下の薪炭事情は民生安定上、憂慮せらるるをも
つて政府はこの際冬期燃料対策に格段の
努力を傾倒されると共に左記事項につき適切なる措置を講ぜられるよう決議する。
決議事項
一、薪炭
價格の引上げ実施に伴い原木
價格の不当なる騰貴を予想せられるが斯くては
生産に悪影響を與うるをも
つてこれが措置に遺憾なきを期すること。
二、原木の伐採については濫伐の弊害を是正するため計画的措置を講ずると共に原木の手当については政府の責任においてこれを行うこと。
三、原木購入資金並に
生産資金については薪炭手形等の制度による融資の途を講ずること。
四、薪炭
價格については再
生産所要價格とし他の物價との均衡を図り且つ物價の変動に應じこれを改訂すること。
五、縣荷、
配給機構の簡素化を断行し中間手数料の低減をはかること。
六、滯貨の
状況に即應し適切果断なる輸送計画を実施すると共に輸送用
所要資材の増配を行い滯貨の一掃を期すること。
七、供出代金は即時これを支拂うと共に事情により前拂いの概算方式
を採用すること。
八、超過供出については
價格、報奨物資等主要
食糧同樣の措置を講ずること。
九、
生産者に対し石炭労務者同樣
食糧、衣料地下足袋等の増配を行うこと。
一〇、
生産者に対する
課税については現行の基礎控除、扶養控除はこれを廃し生計費控除の一本建てとし
生産者の
生活保証の措置を講ずること。
昭和二十三年十一月二十六日
こういう原案でございます。以上をも
つて簡單に御報告いたします。