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1948-11-24 第3回国会 衆議院 内閣委員会逓信委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十一月二十四日(水曜日)     午前十一時三十九分開議  出席委員   内閣委員会    委員長 小川原政信君    理事 冨田  照君 理事 田中 稔男君   理事 福田 繁芳君 理事 唐木田藤五郎君       菊池 義郎君    辻  寛一君       片島  港君    冨吉 榮二君       山中日露史君    東井三代次君       田中 健吉君    黒田 寿男君       北  二郎君   逓信委員会    委員長 原 健三郎君    理事 奥村 竹三君 理事 萬田 五郎君    理事 五坪 茂雄君       石田 博英君    磯崎 貞序君       加藤隆太郎君    本間 俊一君       森  直次君    大島 義晴君       竹山祐太郎君    宮村 又八君       太田 典禮君  出席國務大臣         逓 信 大 臣 降旗 徳弥君  出席政府委員         逓 信 次 官 鈴木 恭一君         逓信事務官   山下知二郎君         逓信事務官   大野 勝三君         逓信事務官   小笠原光壽君         逓信事務官   小池 行政君  委員外出席者         專  門  員 龜卦川 浩君     ————————————— 本日の会議に付した事件  郵政省設置法案内閣提出第二五号)  電氣通信省設置法案内閣提出第二七号)
  2. 小川原政信

    小川原委員長 これより内閣委員会逓信委員会連合審査会を開会いたします。  連合審査会委員長法案を持つている委員会委員長がこれに当ることになつている慣例のようでありますから、不肖ではありますが、私が司会をさせていただきます。  それではこれより郵政省設置法案電氣通信省設置法案一括議題といたし、審査を進めます。御意見なり、御質疑のおありの方は発言を願います。片島君。
  3. 片島港

    片島委員 質問がたくさんあるのでありますが、問題となる点を明確にしておくために、一項目ずつ一問一答の形で質疑を進めたいと思います。  まず第一に、逓信事業鉄道事業と比べましたときに、運輸は物を運ぶ事業であるし、通信は思想を運ぶ事業でありますが、國鉄をこのたび公共企業体として運輸省から切り離しておるのに、電氣通信事業官業として、電氣通信事業官業として、電氣通信省事業として残しておくということは、はつきりした理由が私たちにわからないのでありますが、この点をひとつ大臣から御答弁をお願いしたいと思います。
  4. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 片島委員の御質問にお答えいたします。実は本法案を提出するに至つたそもそもの原因は、御存じ通りマツカーサー元帥書簡に発足するものでありまして、その書簡は多分片島委員も御記憶のことと思いますが、書簡の中にはかように書いてあります。「鉄道並びに塩、しようのう及びタバコの政府專賣事業に関する限り、これらの職員普通職からは除外されてよいと信ずる。しかしながら、これらの事業を管理し、運営するために、適当な方法により、公共企業体組織されなくてはならない。」さらにまたかように書いてあります。「さらにまた、能率増進のために、逓信省の完全な再編成が実施されることが望しいと信ずる。そのためには政府郵政事業を他の業務から切り離し、逓信省にかわつて内閣内部二つ機関を設置することが考えられる。」かように書いてあるのであります。こういう意味におきまして、逓信省におきましては、先般説明申し上げましたごとくに、一昨年の三月以來、司令部と密接なる関連のもとに、研究調査をして参つたのであります。その確実なる資料に基きまして、今日郵政省電氣通信省というものを二つつくることが最も時宜に適したものである。かように考え提案したわけでありまして、這般の事情は御了承願つておきたいと思います。
  5. 片島港

    片島委員 このマ書簡は私もよく読んでおるのでありますが、これだけでは非常に不明確でありまして、ただ郵便事業を他の業務から切り離すということと、逓信省にかわつて内閣内部一つ機関を設ける。これは運輸省は現在まだあるので、その事業経営についてどんなことをやつて行くのであるかということについて触れていない。鉄道逓信を、一方は官業として残し、一方は公共企業体としてやるということについて、本質的の理由はないけれども、ただマ書簡の解釈について、関係当局内部的な交渉があつて政府としては、十分な理由を持たないけれども、そういう関係からわけたというだけのことで、区別したということになるのか。あるいは政府もこのようなことが、本質的に鉄道運営及び通信運営というものを別箇の形態でやつた方がよいと考えた、そういう信念を持つてやられたのかどうか、この点をもう一回承つておきたい。
  6. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 さらに詳しく申しますると、九月九日並びに九月十六日の二回にわたりまして、司令部よりのスキヤツピンによりましてメモランダムが來ております。それによりますると、郵政省電氣通信省のそれぞれの設置法を通達しておられるのであります。もとより片島委員のお説のごとくに、逓信事業鉄道事業というものについては、なるほど今までは國営でありまするけれども、その事業性質から申しますると、多少の相違のある点があります。たとえて申しますると、鉄道は点と線に主力を注ぐものでありますけれども通信事業は面全体に行き渡らなければならぬというような、いろいろな関係がありまして、それらの関係を考慮いたしました結果、現在の状態においてはマ元帥書簡にある、ただいま申したような司令部の通達による方法をとつて行くことが適当なことである、かように逓信省みずからも考えまして、提案の運びに至つたのでありまして、決して他から言われるから、何の調査の確信もなくして、これを提案したというような状態でありません。さらに申し上げますと、私どもの大きな抱負でありまするけれども、先般申し上げましたように、戰災のためにこうむつた逓信事業打撃は甚大であるが、その損傷をただに回復するばかりでなくて、國際的に見て、電話のごときはその普及の順位において世界の各國に比べて非常に低い。二十何番目に位するというわが國の状態を何とかして國際水準まで上げて行く必要がある。それにはこの際やはり二省に分離して、おのおの主力を專門の線に注いで行くことが必要である。こういう信念に基きまして提案したのでありまして、決して片島委員の懸念されるような憂いはないことを確信しております。
  7. 片島港

    片島委員 現在の段階では提案のようなやり方がよろしいというふうに承つたのでありますが、それでは將來電氣通信のごときは公共企業体といつたようなものに切りかえて行れるような考えを持つておられるかどうか。この点について伺いたい。
  8. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 これは國内問題のみではないのでありまして、廣く列強の逓信事業の趨勢を見て参りますると、私が今の御質問に対して明快なるところの答弁を與えて、將來公共企業体にするのだというような情勢にはまだなつておりません。しかしながら、今まで運輸省逓信省とが同じ國家事業のもとにあつたのでありまして、御指摘のような違いのあることにつきましては、私どもは十分に意を用いて、從業員の間に不平等のないようにわれわれも考えて行くことが、主管の大臣として当然なことでありまして、その点につきましては、できるだけの用意と、努力を拂つて行きたいと思つております。
  9. 片島港

    片島委員 この機構をつくるに際しまして、私たちは、事業現業がやつておるのでありますから、現業における合理的な能率的な機構をまずつくつて、しかる後に、どういうふうにやつたならば、能率が上るかというふうな監理部門をつくるべきであろうというふうに考えておるのでありますが、本案によりますと、一昨日の大臣説明の際は、上の方からずつと説明をして行かれまして、大臣の方から説明をして行かれて、本省各部局説明されて、末端の現業のところに行つたならばほとんど説明がなかつた。そのために、この法案を見ますと、監理部門は著しく拡大をせられておりまして、中央地方を通じて、部局長課所長といつたようなポストが非常に増大するものと思います。私が事務当局にお尋ねしたところが、まだどの程度増大するかこの点ははつきりしていない。はつきりしていないのは、この表にも載つておりますように、課を幾つ置くのか、課長をどのくらいポストをすえるのか、あるいは、地方郵政局地方電氣通信局といつたようなものの部課をどういうふうにするのかきまつておりませんから、これは私が今までの官廳機構常識從つて部課を分けてみますと、非常に莫大な部課長ポストがふえるというふうになつておるのであります。こういうふうに監理部門が拡大せられると、事業経営する上において官僚勢力が非常に増大して來て、官僚の非民主的な、あるいは官僚特有のセクシヨナリズムがますますひどくなつて來て、経営は非常に非能率的になりはしないかというふうに私は懸念するのでありますが、大臣はこの点についてどういうふうなお考えであるか、御答弁をお願いいたします。
  10. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 お答えいたします。私どもは、本法案提案いたしまして、二省に分割するという立場から申しましても、一般原則に逆行しようとは思つておりません。今日官僚制度については相当の批判の輿論があります。これを深く考える必要のあることは当然なことでありまして、繁文褥礼に陷り、そうして事務の敏活を欠くということについては、周到の用意をもつてその弊に陷らないようにする必要があります。この点は本案提出について十分に幾たびか論議したところでありまして、お説の趣意は了承しております。そこで、頭が大くなつて胴体や足が小さくなつたのでは、ほんとう仕事ができないのではないか、こういうお話はもちろんでありますが、これは決して私どもそう思つておりません。多分お手元にあると思いますが、電氣通信機構共同委員会報告書第一部、これによりますと、その巻頭に図解が掲げてありまして、お説のような弊害に陷らないように下部組織をしつかりするという用意をもつて立案したことを御了承願つておきたいと思います。そこで、なるほど一、二の幹部はふえるかもしれませんけれども、これは、御存じのごとくに、電氣通信事業にいたしましても、あるいは郵便仕事に致しましても、現在は決して國民に満足を與えておりません。いわんや戰災打撃によつて、われわれの日常生活は、相当に不便を感じておることは当然でありまして、この状態から、何とかして事業改善し、そうして國民大衆から愛され、便利とされるところの通信事業に持つて來るまでには、よほど内部組織改善くふうを加えなければならぬ。こういう意味におきまして大体の機構を決定したのであります。これは一つの例でありますけれども、たとえ一人の幹部を増すことがありましても、その幹部を増すことによつて、もし十万人の人々從業員能率を一分上げることができるとするならば、ここに一千人の人々給與というものがセーヴされるわけになります。もし四十万人の場合だといたしますと、四千人の給與が節約されるということになるのでありまして、組織をいかに考え、その組織をいかに有効に運行せしむるかという問題は、單なるポストの地位の問題以上にまた考える重要さがあるものと信じておるのであります。從つて質問になりました懸念につきましては、十分の考慮を拂い、調査をいたしました上に、この提案をしたのでありますから、私の考えでは、この組織によつてこそ、初めて逓信事業改善向上ができるものだ、かように信じております。なおこまかいことにつきましての説明は次官よりお答えさせるつもりでありますから、御質問を願いたいと思います。
  11. 片島港

    片島委員 私は、大臣の御答弁はありましたが、一事業経営するについて、このように部、課、所などたくさん厖大なものを置くということについて、從來の私たち経驗から見て、各部局がお互いが割拠主義を発揮して、なかなか摩擦がふえるものと思つて、このような機構ではかえつて能率が低下するであろうということを懸念しておるのでありますが、この点については、同じ質問を繰返してもいたし方ありませんから、これでとどめておきまして、次に移りたいと思います。  現内閣野党時代から、行政整理を行うということが、非常に大きな政策一つになつてつたのであります。この行政整理を行うという公約と、この機構をこの通り厖大に持つていくということについて、矛盾があるように考えられるのでありますが、この点、大臣はどういうふうにお考えであるか、承りたい。
  12. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 行政整理の問題と関連して御質問がありましたが、私の率直な考えは、こう思つております。先ほども申しましたように、逓信事業戰災によつて甚大なる打撃を受けておる。これを回復するということにも相当努力相当の人手がいります。さらにわが國の再建運動から申しますると、この中枢神経をなす逓信事業を、何とかして世界水準にまで上げて行かねばならぬ。勘の鈍い知惠のまわらないような人間は一人前の仕事ができぬ。早く日本の通信事業も勘の鋭い知惠のまわる通信事業にして行くことこそが、わが國を再建する上において重大な問題である。こう考えますると、これについても相当考える必要があると思うのであります。從つて同じ状態におる場合ならば、行政整理の問題も何割とか、あるいは何割何分と言うことができるのでありますが、こういう一つの大きな段階に飛躍しようとする逓信事業と、一つの大きな創痍を回復しなければならない重大な責任を持つた逓信事業から申しますると、この点は一概に言い得るものでない。しかしながら申し上げるまでもなく、今日歳入歳出のバランスの合わないそもそもの原因は、どこにあるかと申しますと、これは今日國会において論議されておりますように、公務員の給與原因であります。從つてこの問題はただちに行政整理の点につながるのでありまして、この点について私どもは無関心の過ぎることはできません。從つてども考えることは、單に経費を節約するために人員を減らすということだけでなしに、いかに國民に愛され、國民に便利とされる通信事業を建設して行くか。この二つの面を考慮して、行政整理の問題に行くべきものだと思うのでありまして、この点はできるだけ皆様方の御意向も聞き、國民の声も聞いて善処して行きたいと思つております。
  13. 片島港

    片島委員 非常にはつきりしないのでありますが、逓信事業については行政整理をやらないというのか。こういう機構をつくるにはつくるが、つくつてからさらに行政整理を愛されるためにやるというのか。行政整理は全然逓信事業については考えないと言われるのか、その点を明確にしておいていただきたいと思います。
  14. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 先般私が説明申しましたように、前内閣におきましても、人員は増加しないという建前でおります。この原則は私どもは絶対に嚴守して行きます。しこうして逓信事業について行政整理をするか、せぬか、はつきり言えというならば、これは逓信事業といえども他の事業、他の省と格別な待遇を受くるべき性質のものでないのでありまして、各省におきましても、他の國営事業におきましても、行政整理ということを一應建前にしております。從つて逓信事業につきましても、その範疇を逸脱するわけに行かない、かように思つております。
  15. 片島港

    片島委員 やはり行政整理対象になるということでありますが、部局長局所長といつたポストは、今こういう案を出されておるのでありますから、ただちにこの部局整理課所の減少といつたことはやられないのであると思うが、そうすれば勢い現況における職員整理ということにならなければ、行政整理対象がないと思うのでありますが、そういうふうに了解してよろしいか。お伺いします。
  16. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 現況におきましては、私どもはこう思つております。逓信事業は上ばかりで仕事はできません。下部組織下部從業員を尊重することにおいて十分でなければならない、かように思つております。從つて今日各部局におきましては、それぞれ人員でこぼこがあります。從つてども考えますることは、最初のうちは何とかして配置の轉換を行いまして、なるべく有用な人をその人々合つた職につけて行くことを考えなければならぬと思います。その後に國家財政事業能率という点から考えまして、整理しなければならぬ必要が起つたならば、これを放擲しておくということは、事業立場から申しましても、國務の上から申しましても、妥当なものでないのでありまして、そのときには十分納得の行く立場において、行政整理をするもやむを得ない。かように思つております。
  17. 片島港

    片島委員 どうもその点については、しつくり私には來ないのでありますが、それはいかなる内閣であろうとも、不必要なでこぼこがあれば、でこぼこを調整するということは当然でありまして、行政整理という一つ政策としてこれを行う場合には、二割ないし三割の減員をするということが一般常識になつておるのであります。今大臣のお答えのような点でありますれば、それは何も現内閣行政整理ということを相当大きな看板にしなくても、どの内閣であつてもそのくらいのことは言うのであります。この点については、一應質問を留保いたしましては、次に移りたいと思います。  現在逓信事業は非常に大きな赤字を出しておるのでありますが、こういうような機構になつて來ますれば、当座はまた赤字がふえるだろうと思います。私は逓信事業関係をしておりました一人といたしまして、事業が現在うまく行かないというのは、機構が悪いからうまく行かないのでなくして、資金や資材などがないために、経営がうまく行つておらないというふうに考えておるのであります。向うから來ておる覚書などを見ましても、独立採算というようなことがちよつと書いてあつたようでありますが、独立採算制を今後もずつと確立するために努力をして行かれるか、また独立採算制を確立するとすれば、現在の赤字はいつごろには解消する見込みがあるのか。また赤字克服するための方法は、どういう具体的な方法考えておられるか。この三点についてお尋ねしたいと思います。
  18. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 現在の逓信事業赤字がありまして、一般会計から繰入れをしてもらつております。そこでいつこの赤字がなくなるかというお話でありますが、片島委員御存じ通り逓信事業というものは、私どもの率直な考えをもつて申しますると、國民に奉任するところの大きな事業なのであります。そこで奉任されるところの國民の今日の状態はどういうものかというと、食うに困つておる。どうやつて生きて行くかという状態なのであります。こういう立場から申しますと、われわれはこれらの人々から、独立採算制がつくだけにお前金を拂えとは言えない事情にあるのでありまして、從つて逓信事業におけるところの赤字も、それに基因するものであると私は思つております。國家財政がめきめきと立ち直り、國民全般生活はつきりして來るならば、そのときにまた逓信事業赤字を消すことは不可能でない。かように思つておるのでありますが、現在の段階においては、逓信事業のみでなくして、今の國家歳入をいかにはかるかということについても非常に困難しておるほど、國民は窮乏しておるのでありますから、ただちに二省になつたから独立採算制がつくものだということは、私は言えないものと思います。そこで根本的に申しますると独立採算制がつくということは、今申したことも重大な原因でありますが、たとえば電報一通打つにいたしましても、手紙一通出すにいたしましても、電話一つかけるにいたしましても、そのコストほんとうに安いものになるならば——今日よりももつと安くできるならば、これは申し上げるまでもなく、事業経費というものが非常に少くなるのでありまして、その反面には事業の内容がよくなる。こういう事業形態にまでわれわれは何とかして改善向上して行く必要があるのだ。自分の事業改善もせず、充実もしないで、いたずらに独立採算制言つてもいかぬ。そういう意味から私どもは二省に分離いたしましたならば、ほんとうに專門的の知識と努力を拂いまして、割の合う逓信事業にして行く、こういうことの方が、單に赤字をどうやつて埋めるかの問題よりも大きな問題だと思つているのであります。もとより赤字は何とかして解消して、独立採算制をとつて行きたいという方向に向つて進むことは当然と思うのでありますが、しからばいつ赤字が消えるかということにつきましては、ただいま申し上げましたような、なかなか解決しにくい問題がありますから、今いつということは私言えないことを遺憾と思います。
  19. 片島港

    片島委員 一般財政歳入がなかなかうまく行かぬということでありますが、これは一事業でありますから、しかも特別会計をもつて独立採算制をとつて行こうという事業でありますから、これについては事業計画というものがなければならないのであります。大臣はただいまいかにしてコストを安くして、一通の電報がなるだけ金がかからないように、また事業を大いに改善して一般会計のごやつかいにならないように努力をする。私がお尋ねをしたのはどういう方法コストを安くするか、また事業改善して行く方法そういうものについて何らの計画も持たれないのか。また二省に分割してただやつておれば、いつかは独立採算制がとれるのではないかというような予想を持つておられるだけか。それともこの独立採算制を確立するについては、こういう方法赤字克服して行かなければならない。コストの安くなる方法考えなければならないという計画を持つておられるのか。その点を私ははつきりしておきたいと思うのであります。
  20. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 お答えいたします。実は私もその点を非常に考えておりまして、先般研究所所長を呼んで聞いてみたのであります。ところが研究所でこのごろ電話の受話器と申しますか、あれの研究をいたしまして、非常にいいものができるようになつた。この品物を使うと壽命が非常に長くなつて通信特別会計の上から言つても非常に利得するところが多い。さらに今東京あたりで使つているダイヤルの構造の問題についても聞いたのでありますが、研究所では非常にいい方法考えたと言つております。そこで電氣通信事業などというものは、非常に機械に依存する程度が高いのでありますから、そういう研究をどしどし研究所でやつてもらわなくては困る。その研究が一歩進むことによつて利得するところは非常に多くなる。そしてむだづかいをしないで済むことができるのでありますから、これは單に研究所というものを置くだけでなくて研究所の能力をほんとうに発揮するような手順にして行く必要がある。それにはどうしたらいいかということも、研究所長と相談したことがあつたのであります。こういうような意味から申しますと、この通信特別会計赤字というものは、そういう方面から非常に改善される点が多いのである。またそういうことをして行くことが、われわれの今日の務めであると思つておるのでありまして、その点についてはできるだけの努力をして行きたいと思つております。
  21. 片島港

    片島委員 受話機のいいのを研究させて赤字克服をはかるということも一つ方法でありましようが、こういう厖大事業経営して行くについて、ただ思いつき受話機研究をやるとか、はがきに廣告を刷るとか、そういつた思いつきのことではなく、そういうものをもひつくるめて、今年度はこういうふうにして赤字克服方法を立てて行く。來年度はこういうふうにやつて行く。そうすれば三年なら三年、五年なら五年すれば、これだけ復興して、これだけの收入があつて赤字克服されるという計画を持つておるべきだと思う。私はその計画についてお尋ねしたのですが、そういう総合的な計画はできていないかどうか、その点を重ねてお尋ねいたします。
  22. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 実はその点につきましても、逓信省はいろいろ考えまして、給與ベース三千七百円という建前で行つた場合に、ここ三、四年の間に赤字を何とかして補填しようという計画を持つておりました。ただしかしながら今日人事委員会において公務員の給與ベースの問題が新たに提起されておるのでありまして、この計画は重大なる変更を余儀なくされておるのでありますから、この点は御了承を願いたいと思います。
  23. 片島港

    片島委員 計画はまだできておらないように私は了承します。  次に公務員法との関係でありますが、運輸関係公共企業体となりましたために、公務員法の適用を除外せられておる。逓信事業は官廳でありますから公務員法が適用されるのであります。しかしながら末端の現業員となりますれば、郵便物を配達する、あるいはただ郵便物を区分する、あるいはもつと下では掃除などをやる人もおるわけであります。あるいは運轉手も同じ事業の中におる。そういうような人は鉄道從業員といえども逓信從業員といえども、末端の現業行つた場合には本質的にはかわらないと思う。  ただ官廳であるから公務員法の適用は受けるのでありますけれども、本質的にかわらないものであるならば、公務員法を適用しても、公務員の中の特別職というふうに指定をするならば、一般の非現業とかわる取扱いを受けるようになるのでありますが、特に逓信現業員を公務員法の一般職に置いて、鉄道從業員と本質的に何らかわらない通信現業員を、公務員法のわくの中に縛るようにされておるのはどういう理由に基くものであるか。この点を明確にしておいていただきたい。
  24. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 今の御質問は、先ほど私が申し上げたマツカーサー元帥書簡に基くことに原因するのでありまして、この点は御了承を願いたいと思います。そこで片島委員の申されました從業員に甲乙の違いがないようにしなければならぬじやないかということにつきましては、私も同感であります。そのことにつきましては、たとえ公共企業体労働関係法と國家公務員法との違いがあつたといたしましても、その点について十分なる調整をいたしまして、不平等のないように努力はして行くつもりでおります。その点だけは御了承願つておきたいと思います。
  25. 片島港

    片島委員 今の答弁でありますと、現在政府提案しております國家公務員法の一部改正の法律案には、逓信現業員は完全に高級な官僚、あるいは非現業の許認可などをやる公務員と、末端の單純なる労務に從事しておるものも、まつたく同様に取扱つているように思うのでありますが、逓信大臣としては鉄道現業員、逓信現業員というものが、本質的にかわつておらないということを認めながら、この公務員法の一部改訂についても、現業員あるいは單純な労務に從事するものは、特別職として國家公務員法の全面的な適用を受けないような方法をとるように努力するという御趣旨であつたかどうか。その点をいま一度お尋ねしておきたいと思います。
  26. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 特別職として取扱うということは、これはなかなかやつかいな問題でありまして、私は今それに対して何とも申し上げられません。ただ本質的に申しまして、両者に径庭のないように、差別のないようにできるだけ所管大臣として善処して行きたい、このことをもつて御了承願いたいと思います。
  27. 片島港

    片島委員 國家公務員法の適用を全面的に受けるとなれば、逓信大臣が自分としては何とか差別のないようにやつて行きたいという氣持がありましても、事実上できないのでありますから、もし特別職に入れて適用を除外するというふうに努力をされるというならば別でありますが、ただいまのような御答弁だけでは、私はとうてい困難なのであろうと考える。私はこの際現業について発言しましたので、いま一つ現業に関連してお尋ねしておきたいと思うのでありますが、これは職階制の問題に関連をしておるのであります。一般の官廳でありますと、二十人か三十人くらいおる官廳で、一つの課に五人くらいしかおらなくても課長制度を置いたりしておるので、新しくできるであろう職階制——現在も臨時的な職階制があるのでありますが——そうしますれば、所長とか課長とかいう格付によつて二十人か三十人おる一つの官廳でも、相当格付の上の人たちがたくさん出て來るのであります。御承知のように、現業官廳である逓信事業におきましては、百人か二百人くらいおる現業では、まだ課の制度もつくつておりません。五百人、千人というようなところにはそれぞれ課の制度をつくつておるのでありますが、ほかの官廳ではその仕事性質から見て、何といいますか、質から見て非常に重要なポストをつくるべきであるという場合に課長をつくり、係長をつくつておる。現場の場合には、百人いる現場でも、五百人いる現場でも、仕事の質には何ら関係はないのでありますが、大体十人か六十人くらいのところに課をたくさんつくつたのでは事実上仕事ができない。課をつくるようなときには、質から行かないで、その取扱いの量、それから從業員の數というものから分課制度ができているのであります。局長、所長、課長、係長といつたようなポストによつて職階制がつくられているのでありまして、現在でも地方に参りますと、特定郵便局長は七級から九級まであります。役場の村長さんは十二級、助役が十一級で、收入役は十級、なぜに特定局が最高まで行つて九級、特別に行つたときに十級まで行くかと言いますと、やはり現業の大きな局の課長が九級だからそれ以上の上るのはぐあいが悪い。これは現業課長の特質から出て來たものであろうと私は思いますが、仕事の量によつて從業員の量によつて課長をつくり、局、所長をつくるというこの現場の從業員の職階、格付というものは非常に愼重に考えなければ、上に上れない、今のままの状態で行きましても、今十五級ありますが、あの制度で行きましても、おそらくこのまま行つたならば、九級、十級のところで皆行き詰まつてしまつて、へびが大きなねずみをのんだような形になつてしまつて、先へ行かない。職階制はやはりピラミツト式に上から下の方はずつと上がるようになつているべきものが、ピラミツトのように行かないで、途中で行き詰まつてしまうというように私は考えているのであります。現業員で特に官廳として残つたの逓信関係だけであります。運輸や專賣はすでに公共企業体となる。この現場を持つ官廳としてただ一つ残つた郵政、電氣通信関係につきましては、特別の職階制をつくる必要があると私は考えているのでありますが、大臣はこの点について何らかお考えを持つておられるかどうか、お尋ねしておきたいと考えます。
  28. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 御質問の御趣意はもつともだと思います。御承知のごとく國家公務員法もその附則第十三條におきまして、特例を要する場合には別に法律または人事院規則をもつてこれを規定することができるようになつております。御趣意は私どもも十分了承いたしまして、御期待に沿うようにして行きたいと思つております。
  29. 小川原政信

    小川原委員長 片島君にちよつとお尋ねいたしますが、まだ大分ありますか。
  30. 片島港

    片島委員 まだ四、五点あります。
  31. 小川原政信

    小川原委員長 では速記者のお畫もありましようから、これで休憩して、午後一時からお集まり願うようにしたいと思います。これをもつて休憩いたします。     午後零時二十七分休憩     —————————————     午後一時三十六分開議
  32. 小川原政信

    小川原委員長 開会いたします。引き続いて質疑を行います。片島君。
  33. 片島港

    片島委員 午前中に引続いて今少しくお尋ねしておきたいと思います。先ほど逓信事業における現業員の職階制についてお尋ねしたのでありますが、十分に考慮するという御返事であつたのでありますけれども現業員については、現在でも暫定的に職階制が施行せられているのでありますが、いつごろまでにどういう方法によつて現業員に対する職階制を進めて行かれるか。具体的に進めておられるとすれば、その状況をお答え願いたいと思います。
  34. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 ただいまの御質問の御趣意はもつともだと思います。逓信省におきましても、なるべく早くその問題を解決したいと努力しております。その点だけを御了承願つておきます。
  35. 片島港

    片島委員 この問題はまことに重要な問題であつて、おそらく全逓組合においても最も眞劍に、この問題と取組まなければならぬような状態が來ると思うのでありますが、政府においては一日も早く妥当な、現業に適当する職階制について御研究をお願いしたいと思います。  次に機構の問題でありますが、電氣通信省における機構の中に、次官のもとに総務長官が配置されております。次官一人、総務長官一人、しかもこれは電氣通信事業を監督する地位でありますが、何ゆえにほかの省と違つて、また郵政省と違つて総務長官をここに置くようにしたのかこの点についてお答え願います。
  36. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 電氣通信省になぜ総務長官を特別に置くのかということは、これは御存じ通りに、非常に技術上の問題が多いのが電氣通信省でありまして、機械技術の上に相当通曉した人でなければならぬ。それと同時に政務次官、次官というものは、その立場からかなり政治上の問題に精力を奪われるものでありまして、そういう状態のもとにおいては、なかなか電氣通信事業を親身になつて、眞劍に監督して行くわけに行かぬ。そういう立場から、この者だけにはどうしても総務長官というものを置いて、ほんとうに腰をおろして仕事をして行つてもらわなかつたならば、事業の完全なる運営及び改善はできるものでないということに原因しておるのであります。この点はいろいろ御所見もあるでありましようが、逓信省におきましてはいろいろの意見を聞き、いろいろの場合を考えて、総務長官を置くことが正しいことだ。かような結論に達したわけであります。
  37. 片島港

    片島委員 現在の逓信省のように、いろいろな事業を管掌しておる場合でありますれば、現在の機構のように電氣通信監というものがありましても、お答えのような趣旨から妥当であるかと思うのでありますが、電氣通信を一本にしまして一つ事業としました場合には、電氣通信事業は仰せの通りきわめて技術的な面が多い。それだけをやるところでありますから、その電氣通信省の性格から見て、そういう事業に適当した人を次官にすえればいいのである。次官の上に政務次官があつて政治的な交渉取引はやるのでありますから、こうなれば次官というものは浮く。必要がない。むしろ総務長官がお説のような性質であるならば、次官を各省の組織法に合わせて、そういうことに適当な人物を事務次官に置けば事足りるのではないかと私は考えるのでありますが、いま一度この点について質しておきたいと思います。
  38. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 お手もとに配付してあります電氣通信機構共同委員会報告書の中にもこの点は詳しく述べてあるはずであります。お説のごとくに、もし電氣通信省郵便省に総務長官を置くということだと別問題でありますが郵便省には別に総務長官を置いておりません。しからば何がゆえに電氣通信省に特に総務長官を置くかということは、事業の内容から申しまして、特に必要であるという結論に達したのでありまして、この点は詳細申し上げる必要もあるかしれませんが、提出せる資料によつて御判断がつくと思いますので、御了承願つておきたいと思います。
  39. 片島港

    片島委員 この点はまつたく私は了承できないのであります。特に大臣官房というのがあつて、そのほかに総務長官官房というのがある。一つ事業で、電氣通信省の中に次官の下に総務長官があつて大臣、次官の下に大臣官房があり、総務長官の下にまた長官官房があるのであります。そうすれば必然的に総務長官官房において電氣通信事業における官房事務といいますか、機密な事務をやつて行くということになりますと、大臣官房というのは一体何をやるために大臣官房があるのか。運輸省などのごときは、現在の運輸省におきましても鉄道総局というのがあります。しかしそのほかに海運総局というようなものもあつて、いろいろな部門があるから、大臣官房というものも比較的存在の價値があるのでありますが、こういうふうにはつきりと一人一党の総務長官というものを次官のほかに置いて、そこで官房事務を取扱うということになると、大臣官房の官房事務というものはほとんどなくなるのじやないか。総務長官が長官官房を握つて、その一切の各局を握つてしまたならば、一体次官は何をするのか。先ほど申された政治的方面に働くということは、報告書にもこの点を書いてあるようであります。政治的な事務をやるのには、政務次官というのがあるのであります。私たちが先般いただきました資料の中に政務次官というものが載つていなかつたので、おそらくこの次官というのが政務次官のことだろう。あの報告書に書いてある内容は、あれは事務次官のことを指すのじやないかと考えておつた。今度出て來ましたら政務次官もある。その下に次官もある。そこに大臣官房があり、総務長官は総務長官でまた官房を持つている。一体大臣官房というのはどういうことをやるのか。この機構の内容、官房の事務についてひとつ御所見を承りたい。
  40. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 ただいまの御質問に答えますが、お手もとにある電氣通信省設置法案というのをごらん願いたいと思います。その十六ページを開いていただきます。その中の四行目に「大臣官房の事務」、次の十七ページに「総務長官官房の事務」と二つにわけてあります。この二つを対照いたしますと、大臣官房の事務と総務長官官房の事務と重複いたします点は、「機密に関すること、」「総合調整をすること、」「法令案の審査その他法務に関すること」この三つがダブツている以外に、おのおのその特徴ある仕事をすることになつておりますから、御了承願つておきたいと思います。
  41. 片島港

    片島委員 それは文書に書けばこうなりますが、普通の官房の機構として見ました場合に、またこれはおのおのそこにすわる人は官吏でありますから、総務長官というところに官房を置きましたならば、内容的に総務長官の官房がすつかり握つてしまつて、それは大臣に出すための経由機関にしかすぎないようになるであろうと私は考えておる。これはこのまま実施せられて見て、まつたくその通りであつたということが私はわかると考えるのであります。この点について議論をいたしましても、これは時間を食うだけでありますから、いずれまた機会を見て、もつと本質的に質してみたいと存ずるのであります。私一人であまり時間を食い過ぎますので、本日の質問はこれで打切りまして、なお関連した問題について御質疑を続けたいと存じます。
  42. 小川原政信

    小川原委員長 他に御質疑の方ありませんか。——それでは三十分休憩いたしまして二時十五分から始めます。暫時休憩いたします。     午後一時五十三分休憩     —————————————     午後二時三十一分開議
  43. 小川原政信

    小川原委員長 再開いたします。  引続き質疑を行います。原委員。
  44. 原健三郎

    ○原(健)委員 二、三の点をお伺いいたしたい。なるべく簡單にお伺いいたします。第一にお尋ねいたしたいことは、しばしばこういう委員会においてわれわれ質問し、政府からも答弁があつたのですが、官業はどうも能率が上らない、これはもう定評がありまして、いくら議論しても上らないことは事実であります。しかし官業に対して何とかこの際手を打たなければ、これほど能率が低下して、しかも必要以上に賃金を高く要求しており、独立採算制をとなえておりながら、國民の租税のやつかいにならなければ、それを運営できないというようなことは、はなはだ醜態の限りである。そこで新逓信大臣に、逓信事業全般にわたつて、どうしたらもつと能率が上るか、その具体的方法を承りたい。ただ能率を上げるという抽象論でなく、どういう方面に向つて、どういう手を打つて能率を上げようとするのであるか、その具体的方策を承りたい。
  45. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 ただいま原委員よりの御質問に対しては私も同感です。そこで一体この二省分離の案についてどういう方法をとつて來たかと申しますると、これは決してわれわれ官僚のみが考えてやつたわけではありません。これには司令部側におきましても非常な関心を持たれまして、現にお手元に配布してある電氣通信機構共同委員会報告書第一部の十ページを御覧になつてもおわかりになりますが、アメリカにおける相当有力な人々が、この事業経営して行く上においてどういう採算でやるべきか、どういう組織でやるべきかということを、つぶさに研究調査された結果によるのでありまして、あくまでもむだな費用を排して行くということについては、非常な注意を拂われたのであります。  そこで独立採算制の問題でありまするが、先刻片島委員にも申し上げた通りに、國民生活が安定しており、経済が安定しておりまするときには、独立採算制をとることは当然であります。ただ惜しむらくは、戰爭によつて國民生活國家財政が非常な動揺をこうむつておりまするときに、通信事業がこれだけかかつたから、これを利用する國民にもそれだけのものを拂えと申しましても、なかなかそれができないことが多いのです。從つて今日赤字を計上しておるのも、そういう事情によることを御了承願いたいと思います。さらに賃金ベースが高まつた場合に、逓信省がどうするかということについては、これはひとり逓信事業の問題のみでなく、政府としても廣く考えて行かなければならぬことであります。從つてさらにこれ以上赤字を増加せしむることは、極力これを抑圧して行かなければならないことであります。官業が振わない、成績の上らないという点については、お説の通り、今後十分なるところの戒心と努力をして行くことをお誓いしてはばからないつもりでおります。
  46. 原健三郎

    ○原(健)委員 大臣答弁は大分食い違つておる。私のお聞きしたのは、能率をもつと上げて、逓信事業をやらなければならぬというわけで、たとえば手紙にしても、はがきにしても、前に比べて遅れることはあつても早まつた話がない。電信電話にしても到着が遅れても早まつた話がない。電話のごときに至つては、東京市内なんかは故障だらけでほとんど用をなさない。こんな低能率なことをやつてつて、しかもその上賃金はよけいとる、足らぬところは國民の税金にかかつて來る。これではこういう能率の上らぬ官業は、われわれとしては安閑と見ておれない。官業でやりたければ、どうして能率を上げるかという方法を聞きたい。手紙でもはがきでも電信電話でも、今日のていたらくは、低能率というか、ほとんど問題にならぬ。それに從業員は月給をよけい上げてもらう。足らぬところはわれわれ國民の税金をもつて負担する。そういうことで非常に遺憾千万である。この能率を上げるということは、單なる掛声や氣構えでなく、具体的にどういう手を打つべきであるか。こんな郵政省電氣通信省二つにわけてみたところで、能率が上るとは考えられない。そう言うと、すぐこれはマ司令部の意見であるとおつしやるが、マ司令部の意見でも何でも、われわれはこれを審議するにおいては、これは正当なりや、正当ならざるやという点を明らかにして、黒白を明快にいたしたいと考える。一体どうして能率を上げるつもりであるか、もう少し具体的にお聞きしたい。
  47. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 ただいまの御質問につきまして申し上げますが、この二省分離の問題が、マ元帥書簡によるから、それでわれわれがいろいろの考慮を拂わないでやつたようにとられますことは、はなはだ残念なことでありまして、私どもはその趣意を十分に咀嚼吟味いたしまして、今日世界通信事業の情勢から参りますと、郵政事業電氣通信事業は大きく二つに分離されて行く傾向にある。その傾向からわれわれのみがひとり離脱することはできるものでない。こういう点に私どもは思いをいたしておるのであります。そこで今日の郵便、電信電話がまことに不便でしかたがないじやないかということにつきましては、私はこれを否定できません。しかしながら御存じ通りに、戰災がいかにわが逓信事業打撃を與えたか、一つの例をもつて申しますならば、戰災前に全國で百十万口くらいの電話があつたものと思うのでありますが、これが戰災によつて五十二、三万に減少しております。すなわち半分近くのものが損傷をこうむつたのでありまして、こういう状態においてさらに電線がいたみ、その他の施設が破壞される。この中からとにかく逓信事業陣が、今日総八十數万にまで電話機を増加したということも、御了承願つておきたいのでありまして、これらの損傷、故障があるがために、電信電話郵便といえども、そういうような意味で非常に困難な状態にあることだけは御了承願つておきたいと思う。そこで私どもはこれをただ直す、戰前に復旧するというばかりではなく、いつか申したのでありますが、世界の水準の程度にまで日本の逓信事業を持ち上げて行きたい。そうするには二省を分離して、おのおのその專門的の力を傾注することが正しいことである。かくするならば、手紙一通についての單價、電話一通話についての喜價、電報一通についての單價、そういうものが安くなるのだ。そういう能率を上げることに全力を盡すにあらざれば、逓信関係の独立会計も、あるいは國民に対するサービスも十分に行くものではない。もしこのことを達成するならば、先ほど原委員の申されましたごとくに、あえて一般会計から赤字を補填せずとも、あるいは從業員に十分な給料を拂つても、決して不都合のないような状態になる。これを目指して、進んでおるのであります。その方法につきましては、いろいろの具体策はあるのでありますが、その根本としてはどうしても二省を分離しなければならぬ。そういう状態で二省を分離したのでありまして、二省を分離する構想の中には、今私が申し上げました、いかにしてコストを安くするかという大きな野心が含まれておることも御了承願つておきたいと思います。
  48. 原健三郎

    ○原(健)委員 二省を分離するということは世界の趨勢だから、そういうふうにした方がいい。また專門々々にわけた方が能率が上るとおつしやられるが、世界の趨勢はそうかもしれませんが、日本などはどつちかといいますと、アメリカその他の國に比べて、世界の趨勢とはおよそかけ離れた特殊事情にある國である。こんな國が世界の趨勢のまねをしても、能率を上げるというような点から考えると、ほとんど話にならぬ。私はその点、どうして能率を上げて國民の負託に沿うかという点の納得が行かないのでありますが、さらにもう一つついでにお聞きいたしたいのは、どうもわれわれ民主自由党から言いますと、さつきほかの委員からも質問がありましたが、行政整理をやるということを非常に叫んで來ておるのであります。また今日におきまして國民が一番苦しんでおることは、ことに都会地においても、農村においても、もう税金が拂えなくて差押えを食つておるというようなことは、歳末とともに全國的な大問題であり、危機に直面しております。その根本を尋ねてみると、こういう官業をやつたり、役人その他に費用がいつて、それが國の財政の大半以上を占めて、そのためにまわりまわつてだれが苦しむか。八千万國民がみな苦んでおる。いろいろ議論しておつては切りがありませんが、國民が今一番困つておる税金をもう少し安くするという根本的な点から見ても、日本今日の最大の問題は、一大英断をもつて行政整理を断行するということである。吉田内閣行政整理が断行できないようなことであれば、選挙管理内閣などという内閣をつくつてもほとんど意味がない。私はこの点、ぜひとも新しき逓信大臣は、強力に行政整理をやつてもらいたいと思う。これをやらなければ日本の局面の打開はありません。ただ郵政省電氣通信省二つにわけて行くことで、これがどうも世界の趨勢に合致しておるとか、関係方面からこういうことを言うて來るからとか言つておりましても、何としても今日國民の苦しみを目の前に見るときにおいて、こういうことでは断じて行政整理は行えるものではないと私は思う。またこの法案を見ましても、郵政省電氣通信省二つにわけるがごときことは、行政整理という趣旨から言つて明らかに相反しておる。行政整理どころの騒ぎではない。役人をふやすことは明らかであります。ふやさぬ、ふやさぬと言いますけれども、われわれは議会において、委員会においていつも議論するが、政府答弁はきわめて上手に言いますが、あとになるとそういうことはまつたく顧みない。こういう二つの省をやつて人員をふやさぬなどと言いましても、ふやすことは明らかであります。それほどわれわれは瞞着されるものではないのでありまして、行政整理をやらなければならぬ刻下の重大時期に直面して、こういう二つの省を起すがごときは、よろしく思い止まつていただいた方がよいと思う。関係方面がおつしやられたかもしれませんが、その事前に交渉もあつたであろうし、あるいはその衝に当つた人もあるから、もう少し日本の実情をよく話されて、アメリカのような富強な國ならば、おそらくわけていろいろやることもけつこうだろうが、日本なんかにおいてはやらぬ方がよいと思う。これは行政整理という面から言つて、われわれは賛成できないと思うのでありますが、はたしてこれを両省にわけても行政整理がやれるか。さつきのお話も、大臣答弁も聞きましたのですが、どうもしつくりこない。この点をひとつ明快に御説明願いたいのであります。
  49. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 この際特に御注意願つておきたいことは、同じ公務員と申しましても、現業員と非現業員との間には相当の違いがあります。それはさらにはつきり申しますと、前会も私は申し上げたのでありますが、日本以外の欧米の先進國におきましては、電話四十六個について從業員が一人、悲しいかな日本は電話五、六個について從業員が一人、こういうような低能率なんです。この一事もし彼のごとく改良できるならば、これの人員整理なんというものは実に樂なことです。それだからといいまして、民主自由党が野にありますときに行政整理を強く叫んできておつた事情を、政権をとつたからといつてこれを否定するような考えは毛頭ないのです。從つてこの現業及び非現業の情勢をよく見ることと、そうして今日の逓信事業の現状を理解することによつて整理すべき人員は、当然これを整理するという決心においては私はちつとも違つておりません。ただ申し上げるまでもなく、二省に分離したから、うわべは何と言つても人間がふえるだろう、こういう御説は、先ほども私しばしば繰返して申しましたように、前内閣の閣議において決定した点は、人員をふやさぬということなんです。私どもは剩員を増加するような考えは絶対ありません。もし剩員があるならばこれを整理しようという考えは持つておりましても、剩員を増加しようなどということは絶対に考えておりません。この点をどうか御了承願つておきます。
  50. 原健三郎

    ○原(健)委員 大臣の意向としては、二つの省にわけても増員をしない、しないだけでなく、進んで剩員がある場合にはこれを整理し、行政整理の線に沿うてやるというお考えでありますが、願わくばそのお考えに沿うて、ぜひ着々その点を実行していただきたいと私どもは切望するのであります。  もう一つお聞きしたいのは、郵政省電氣通信省と両方にわかれたのでありますから、將來において——私どもこういうふうに理解するのであります。よその國は別といたしましても、日本においてはどうも官業能率が上らぬということは定則であります。それを内閣がかわるとか、大臣がかわつたからというて急に改まるものでもなく、ことに官尊民卑の日本においては、よけいに私は改革の望みはないと思つている。それで思い切つて電氣通信省の方の電信、電話というものを、將來民営に移管した方がはるかに能率も上るし、経営の面からいつても、今のような独立採算制でやれないというような、一般國民の租税におおいかぶさつて行くという醜態もなくなるし、いろいろ考えて電信、電話の民有民営を断行した方がいいと思いますが、この点について大臣はどういうようにお考えになつているか、お伺いしたいのであります。
  51. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 逓信省の中にあります郵政の事業電氣通信事業の收支の状態については、原委員も御研究になつていることと思いますから、私からこれを申し上げません。さらに將來電氣通信事業を民営にしたらどうか、こういうお考えについては私もそういう考え、あるいは計画を聞いておらないわけではありません。しかしながら今日政府といたしましては、そのことについてどうしたらいいかということを発表することは差控えたいと思います。とにかく二省を設置するということが目下の重大なる問題であり、責任でありますから、これをとにかく仕上げてしまわなければならぬ。しからば民営ということを否定するのか、こうおつしやるかもしれませんけれども、民営のことについても極力政府といたしましても調査研究をして國利民福のためにあやまちない道をとつて行くという用意だけは必要だと思つております。
  52. 原健三郎

    ○原(健)委員 政府としてはそういうふうに御答弁なされるよりしかたがないと思いますが、それではもう一つつつ込んでお聞きいたしたいのですが、これは司令部からの書簡に基いて法律案をつくつて出されたそうであります。司令部との折衝の最中において、向うから將來民有民営にする方がいいという示唆、その他確定的なものでなくても、そういう言質とか、意向とか、氣分とかという何ものかがあつたであろうか、なかつたであろうか、その点をお聞きしたいのであります。
  53. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 そういうことについてはいまだはつきりしたお話を聞いておりません。
  54. 原健三郎

    ○原(健)委員 もう一つお聞きいたします。法律案に直接関係はないのですけれども逓信のことに関係があるのですが、このごろ進駐軍の檢閲を盛んに強力されております。これは進駐軍の占領政策として、万やむを得ないということはわれわれも十分承知し、納得いたしております。しかしわが國の憲法上から言うと、少くとも憲法に保障されていることを、今日占領下であるから特別にこれを行つているというのであります。しかし國民側から言いますと、この檢閲は非常に數多い。こういう占領下では言いにくいところでありますが、封書その他の檢閲はできることならもう少し緩和してもらいたいというのが、日本國民全体の偽らざる氣持であろうと私は思うのであります。初めのころから比べますと、このごろは非常に檢閲が多い、檢閲が多いということは、國民側から見ると必要な通信が必要な日時に到達しない、非常に遅れる、それで困ることは言うまでもないのであります。進駐軍の方とすれば、これは必要やむを得ないでやつておられることは万々わかる。日本國民側から言うと、その点はもう少し緩和してもらえることはできないものか。みな望んでいるが、これを言うことをみな恐れて言わない。こういう特別な衆議院の委員会でありますから、私は國民の声として申し上げるのでありますが、進駐軍のため万やむを得ない、必要であることは十分認めますが、このごろ非常にふえておる檢閲をもう少し緩和していただくことはできないものであろうか。それができるかできないかは大臣は知るはずはありませんが、もう少し緩和してもらいたいという國民の声を進駐軍当局に傳えてもらいたいと思うが、傳えてくれる意思があるかどうか伺いたい。
  55. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 私は思うのですが、國家の公安、天下の治安を完全に維持するところにほんとう國民の声があるのだ。そういう意味から申しまして、なるほど原委員の申されましたごとくに、憲法の上に保障された條項があるに違いないのであります。しかしながら憲法の條項も、國家の治安を維持するという意味において憲法ができていることも御存じ通りでありますがゆえに、その意味において私は檢閲制度を國民も了承しておる。かように思つております。そこで御希望の点につきましては、もとより司令部がいきなり自分の横車を押しておるものでもなく、こういう問題については監督官廳であるところの逓信省ともお話合いの上でやつておることは当然のことと思いますがゆえに、原委員の御希望はよく体得いたしまして、なるべく物議の起らないように進めて行きたいと思つております。
  56. 原健三郎

    ○原(健)委員 その点ひとつよろしくお願いいたします。
  57. 福田繁芳

    ○福田(繁)委員 私は都合上本日は同僚議員の御質問なすつたことに対する御答弁に関連して、二、三の点を逓信大臣から伺い、そうして本法案審議の参考にいたしたいと思います。  まず第一は、ただいま原委員の御質問に対しましても、大臣本案行政整理の関連する点において、新機構においても、現在の定員の範囲にとどめるということをしばしば言われておることは、われわれもよく了承しておるのであります。しかしながらこの図解を見ますと、二省になつたがために、部局が大体四倍近くふえておりますので、勢いそういうことになる結果、中央機関のみにおいても、部局の平均定員を三分の一以下に減じなければならないということになるのです。そうなれば必然的に執務方法の大変革を伴うことになるわけですが、これに対してどういうお心組みがあられるか。言いかえれば御準備があるか、大臣もしくは次官からでもお伺いできれば非常にけつこうと思います。
  58. 鈴木恭一

    ○鈴木(恭)政府委員 ただいま御指摘のように、機構といたしましては、二省にわかれました以上、監理機構二つになります。從つて監理機構としては倍になるわけでございますが、実はここに電氣通信事業共同委員会報告書第一部の十二ページをごらんになりますと、ここに十四項目にわたつて調査事項がございます。結局こういうふうな結論になつたのでございまして、この線に沿うて現在の電氣通信事業を再檢討いたしました結果たとえば現在工務局の一つの課のごときは百數十人ないし二百人というような課がございます。そういうのを能率増進のためにいろいろの仕事を分割いたしまして、しかもその仕事が両者交錯しないように末端にまで行くというふうな計画を立てまして、今のピラミツト型の表にもございます通りで、從つて末端の仕事というものは、上まで全部通つておるというふうな結果からいたしまして、一見組織といたしましては厖大のようになつておりますが、仕事がそういうふうに整理されておるということを申し上げた方が、一番はつきりするのじやないかと思つております。
  59. 福田繁芳

    ○福田(繁)委員 次に伺いたいのは、これも午前中の委員の御質問に際して、本案独立採算制に関する点において相当うがつた御質問があつたのでありますが、私が一應この点参考に伺つておきたいのは、いわゆる通信料金の値上げをはかつて、そして増收をはかるというような御意図が、逓信大臣にはあられないかどうかということを伺つておきたいと思います。
  60. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 その問題につきましては、私ども非常な関心を持つております。そこで率直に申しますと、料金を二倍に上げれば二倍の收入がある、三倍に上げれば三倍の收入がある、こういうことはなかなかむずかしいのでありまして、値が高ければ買手がないというりくつはやはり逓信事業にも当てはまることなのです。從つて國家歳入が少くなつたから逓信料金を上げようと言つても、そうそろばん玉のように國家收入を増大するわけに行きません。先ほど私が申し上げましたように、逓信事業というものは、國民の利便のためにあるものだということを考えますと、料金の値上げということにはなかなか賛成しがたいのであります。從つて現在におきましては、逓信大臣として料金の値上げということについては考えておりません。
  61. 福田繁芳

    ○福田(繁)委員 そこでもう一点御参考に伺つておきたいのですが、逓信省の從來の実績によりますと、電氣通信系統の方は非常に收支の均衡がとれておるようでありますが、郵政系統は四、五十億の赤字を免れない、こういうことを耳にするのでありますが、もしさようでありますれば、両省が独立した場合には、この点いかに処理される御方針であるかということを伺つておきたい。
  62. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 そのことにつきましてはお説の通りであります。ただ諸國の例について言いましても、電氣通信事業郵政事業につきましては、おのおのそれぞれの特色を持つておるのでありまして、郵政省赤字だから料金を上げて赤字を埋める、こう言つてもなかなかできないと思います。そこで郵政省赤字はこれは何とかして國家財政の上から処理すべきものでありまして、ただその赤字國家財政の建前から申しまして、あるいは郵政事業立場から申しまして、妥当であるかいなかという問題だけは強く檢討さるべきものだ、かように思つております。
  63. 福田繁芳

    ○福田(繁)委員 もう一点伺いたいのですが、この案によりますれば、最末端機関はおおむね一元化されているようでございますから、利用者側の不便はないようでありますが、郵政省の監督が省の境を越えて、電氣通信省の所管の事務に及ぶという形は、監督系統の紛糾から、運営の円滑を害するおそれがあるのではなかろうかと思うのでありますが、運用上の御用意を伺えれば非常にけつこうであります。
  64. 降旗徳弥

    降旗國務大臣 福田委員のおつしやつたことにつきまして、最末端の郵便局でありまするが、これは全國で一万四千ばかりあるわけです。そこでそれまで電氣通信省仕事郵政省仕事とわけるということは、なかなかむずかしいことでありますから、その一方四千近くの郵便局に対しましては、監督上は郵政省がこれをするけれども電氣通信省事務はこれを委託するということにして、その收支業務の区別を明らかにするということだけは嚴然とやつて行くつもりでおります。  続いてその指揮系統はやはり最末端まで二省が——電氣通信省電氣通信省郵政省郵政省として通つておるのですから、その点は御了承願いたいと思います。
  65. 福田繁芳

    ○福田(繁)委員 そういうふうになりますと、從來の通信事業が比較的有利健全に経営されて來たのは、非常に簡素な機関によつて事業を総合的に経営して來たからこそそういう收穫があつたので、今言われたような最末端が非常に複雑になつて参りますと、かえつて從來の妙味と申しますか、そういう点がなくなつて経営費のみが非常に膨脹して來、あるいは非常に複雑になるというようなことになりはしないかを懸念するのですが、それに対して何かお考えがあれば、伺つておきたいと思います。
  66. 鈴木恭一

    ○鈴木(恭)政府委員 もちろん二つの省になりました場合に、末端におきまして事業二つにわかれるだけ複雑になるということも一應申されるのでございますが、末端の方の窓口は、なるべく一般利用者の便利になるように一つにしているのでございます。現在でも少し大きな局になりますと、電信電話はつきりと独立しているのでございます。電信電話はつきりと独立しているのでございます。あるいは電信課、電話課といつたようなものもありますし、特にまた大きな局では、電話局は分離しておりまして、電信局も最近相当できております。ただ末端の小さな特定局のごときに至りましては、二つにわけますと、経営上非常に経費もかさみますし、公衆の便、不便もいりますので、郵便局で一つの窓口を持つということは、そういう面から出ているのでありまして、私ども仕事経営して参りますときに、経営費がかさむというようなことは、それだけでは直接にはないのでございます。むしろ経費を節約しようとする面も多分にここにあるのであります。  なお郵便赤字であります原因等は、両省が相互に経営しているとこの赤字がなくなるかと申しますと、実はそうではありません。現在でも郵便電氣通信というものは二つに分家をして行つております。もちろん通信事業特別会計としては一本になつておりますが、私どもがいやしくも郵便事業電氣通信事業二つの大きな事業経営して行きます場合に、その收支をはつきりいたすことは、これは当然だと思つているのでありまして、たとえこれが省がわかれなくても、その点は明確に区分して行くのが、企業行政としての当然の道ではないかと考えられるのでございます。しからばどうして郵政はそれほど赤字が出るかと申しますと、御承知のように、郵便事業といたしましては、八千万の國民を相手にしておりまして、そのお出しになる通信を運ぶのが郵便仕事でございます。しかもいろいろの國民生活の状況あるいは経済面あるいは産業面におきます今日の趨勢からいたしまして、通信量が一般に落ちております。しかもわれわれの方の設備といたしましては、逓送車にしても、あるいはその他の施設あるいは集配の度數等においても減らすわけに参りません。從つてやはりコストはかかつて参りますので、通數の減ということが、ただちに電氣通信よりも、事業面に結果として現われて参るのでございまして、戰爭前におきましては、郵便ももちろん黒字で今日まで來ておつたのであります。
  67. 小川原政信

    小川原委員長 御質疑はございませんか——なければこの際お諮りしておきたいのですが、連合審査はこれで今日限りにいたしておきたいと思いますが、いかがでございましようか——それでは御質疑もないようでありますし、本日一日をもちまして連合審査を終りたいと存じます。
  68. 福田繁芳

    ○福田(繁)委員 ちよつと御質問しますが、理事会で打合せになりました專門員を招致して参考意見を聽取することの予定はきまりましたか。
  69. 小川原政信

    小川原委員長 予定は二十六日にいたしてあります。そして今その方々に御了解を得つつあります。もう一、二名で大体こつちの予定通り御了承を賜わるものと思います。
  70. 福田繁芳

    ○福田(繁)委員 それでは動議を出します。本日はこれで散会しまして、明日は内閣委員のみにおいてこの質問を続行されんことをお願いします。
  71. 小川原政信

    小川原委員長 御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 小川原政信

    小川原委員長 それではその通り決します。  これにて散会をいたします。     午後三時十二分散会