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田中(稔)
委員 社会党を代表したしまして両
省設置法案に反対の意を表します。社会党といたしましては、実は詳細な、きわめて具体的な修正案を
研究中であ
つたのでありますが、何せ審議の時間が限られました
関係上、責任ある修正案を提案することができないのを、はなはだ遺憾に思
つております。それで反対の
理由を若干述べてみたいと思います。
両
法案の内容について檢討いたしますに、案自体としては合理的であり、よく
研究されたものと
考えるのであります。しかしながら案自体がどんなによくとも、これが
日本の國情、特に官吏の
生活と財政の現状とに適合していないうらみがあります。さらにまた
職員の身分や給與の問題を全然無視している。それから
独立採算制確立について何らわれわれを首肯させるに足る根拠を示していないのであります。こういうふうな点がまず一般的な私
どもの反対
理由であります。さらにこれをもつと具体的に申し上げてみますならば、
機構図を見ましても一見明瞭なように、局部が非常にふえている。それにまたあまり必要でないと
考えられますところの高級官吏、たとえば
電氣通信省の
総務長官というようなものが設けられておりまして、全体としまして頭でつかちの一個の怪物的な
機構であります。
次に
政府は
國家公務員の改悪を行うことにな
つているが、そのことによりまして、團体交渉権や罷業権を剥奪し、團結権を骨拔きにして、
職員の憲法によ
つて保障されておりますところの基本的人権を否認しようとしているのであります、のみならず
職員の給與の改訂につきましても眞劍な努力を怠り、財政権を口実といたしまして五千數百円という低
水準に押えつけようとしているのであります。これではどんなに
機構を改革いたしましても、
職員の滿足な協力を得ることができないならば、新
機構を円滿に運営するということはほとんど不可能であると私
どもは
考えるのであります。
それから一体この両省というものは
國民に対するサービスを業務とすることはもちろんでありますが、そのことの結果といたしまして、当然に両省の
機構には民間、学界の代表者、特に労働組合の代表者などを含むところの民主的な運営
委員会というような
組織が当然用意されなければならぬと思うのでありますが、そういうふうなことは片鱗も示されておらない。ま
つたく官僚主義をも
つて貫かれた
機構であります。それからまた
政府は、一省を二省にわかち、それから局部を數倍にふやしても、
職員の定員については今まで
通りで絶対にふやさないというようなことを、
逓信大臣は断言しておられるのでありますけれ
ども、私
どもは
政府の言明をにわかに信頼することができないのであります。どうしましてもこういう厖大な
機構になりますと、必然的に人員はふえるのであります。別に
法律で定めるというようなことを言
つておりますが、そりはわれわれは内容を全然承知しておりませんから、どうしてもわれわれはその点が不安なのであります。
こういうふうないろいろな
理由からしまして私
ども反対でありますが、最後に申し上げたい点は、
民主自由党は在野の時代におきましては、
行政改革や
行政整理というようなことを強く主張されたのであります。(「その
通り」)おそらく
降旗逓信大臣もそのお一人だ
つたと思うのであります。にわかに政権をとりますと、この極端に厖大な
機構を持
つた両
省設置法案を國会に
提出いたしまして、怙然として恥じないのであります。私はこの点において
民主自由党の出身閣僚である
降旗逓信大臣の政治的な無節操を痛感するものであります。私
どもは
行政簡素化を……
〔発言する者あり〕