○竹谷
地方財政委員會
委員 先ほど私の説明がはなはだ不十分であ
つたせいか、
千賀さんにおかれては少し誤解せられておる点があると思うのでありますが、実は原始産業に対する課税は、從來営業税は課税させておりませんので、いわゆる
魚介類の賣買に從事する商業者、あるいは加工業者には当然営業税がかかつておりました。今回かけるというのは、漁夫等の
漁業者が直接海に出て魚をと
つた、その收入に課税するものでありますから、全然新しい課税でございます。
それからただいま農産物——主食ばかりでなく、養蚕あるいは畜産、あらゆるものに課税しない方がよいのではないかということになりそうな御議論を承るのでありますが、そうすると事業税を全部廃さなければならぬという議論に落ちつくかと思います。そうした原始産業商工業以外の原始産業に課税することの可否については大いに議論のあるところでありまして、私は妥当でないと考えます。しかしながらもし
地方に対して適当な財源を與えませんと、結論は先ほどのように
自治体警察の運営ができない、六・三制の学制改革もできない、そういうことになりますと、
地方團体は自然住民に対して寄付を強要しなければならぬことになりまして、
地方公共團体の住民は不適正なる寄付というようなものによつて事実上徴税されることになると、かえつて
地方自治体の円満な運営と発達を妨げられる、こういう観点から、やむを得ず次善の策として事業税というような
制度が採用せられたのでありまして、これにかわる適当な財源がありますならば、私もこれを廃止してよいと思うのでありますが、ただいま
魚介類の課税まで廃してしまうということになると、むろんくだものに対する課税、あるいは野菜、畜産すべてを廃止して、結局事業税というものは昔の商工業者に対する営業税一本しかとれないということになりますと、
地方財政の上に非常な財源に欠陥を來す、こういうことに相なる点も、
委員各位においては十分御考慮あらんことを希望する次第であります。