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川村委員 燃油、
金融、
魚價の問題については、大体
石原委員より
質問もあり、さらにそれぞれの
政府委員の
答弁がありましたので、大体わか
つたのでありますが、私の問わんとすることは、まず率直に実例をあげて、それに対する御
答弁を願いたい。
第一に
金融の問題であります。ただいま
復金の方の御
説明によりますと、
漁業といつても、いわゆる
漁業資金につきましても、船だまりとか、あるいは
船揚場とか、あるいは
共同施設とかいうようなものに重点を置いて、
金融をなさるような氣構えであるということを伺うのでありますが、しかし今その問題も、もちろん將來の
施設として増産を目標にするのでありますから、これは決して惡いとは申しません。しかしながら今日直接
漁業の経営に、いわゆる
資材の面とか、あるいは
着業資金の面とかにおいて、漁民が困
つておるようなわけであります。
從つてこれらに対する
漁業金融を早急にしてもらわなければ、いかに
資材がありましても、いかに
漁業の
発展性がありましても、その
金融でとだえて、
漁業ができないということになるのでありますが、こうした直接の
漁業に対する
金融の面において、どういうお
考えを持
つておるかということを、まずも
つてお聞きしたい。
その次に
燃油のことであります。これは先ほど
石原委員が、今後
産業を伸ばすとすれば、
日本では
漁業よりないと言われましたが、まさにそうであります。まず最近喜ぶべきことは、
資材が大分緩和されて参りました。さらに引揚者なり、あるいは戰災漁民なりが、復興の氣運に燃えて、順次
漁業に着業し、あるいは轉業をしておるような向きもあるのであります。そうした点から、いわゆる
漁業は今後進展をするものと
はつきり言えるのでありまして、これらに対して一番問題となりますのは、まず
燃油であるということは、私から言うまでもありません。
まぐろ、
さんまのみではありません。特に北海道
方面のいかつり
漁業というものは、
資材もよけいいらずして、しかも簡單にしろとでもできますので、最近内地
方面からの船が、函館を中心に
相当に道南
方面に入り込んでおります、そうした
関係から、漁年の大体三倍
程度の船、いわゆる漁民がふえておる。
從つて三倍以上の
漁獲高を出しておるというような実情であります。これに対して本年は
燃油が三分の一
程度だから、
出漁せんとするならば、みなやみの油であります。そのやみ油のあることが不思議でなりません。ですから結局根本の問題はまず
輸入を増加することでありますが、ひ
とつこの配給の
機構の改革も、私は研究する必要があるのではないかと思います。もちろん先ほど
藤田次長が、いわゆる配給
計画というものをさらに再
檢討するということを申しましたので、これも必要でありますが、ない油であるならば、ほんとうに漁御の手に入りません。しかしながらやみで買えばあるというところに、まだほんとうに
政府の手が盡されておらないというようなことがうかがわれますので、伸び行く
漁業に対する油の配給
機構なり、あるいはこの
配分の
計画に、もう少し積極的に身を入れて御研究なさ
つてもらいたいという
考えを持
つておるのであります。
次に
魚價の問題でありますが、大体六
大都市に入りますところの、言いかえれば高級魚の
價格は、
物價廳も上げやすいものがすぐ上げる。しかし大衆魚の
魚價はどうも上げ澁るというような感じがいたします。もちろん大衆魚でありますがゆえに、大衆の生活を脅かすというような点から、そうしたお
考えになることは一應ごもつともでありますけれ
ども、しかし大衆魚は特に
資材関係をよけい使う、それからまた人もよけい使わなければならぬ、いわゆる大量に上げなければならぬという使命を持
つておるのであります。でありますから、経費の点におきましては、
沿岸漁業でいわし
漁業なり、あるいはその他の定置
漁業というものは、そうしたことにぶつつかることは明らかであります。これらの経済を緩和していきますには、何とい
つても漁民が納得していくだけの
魚價にしてもらわなければ、今日
資材が漁年の倍以上になり、
燃油も
相当の高價になり、さらに漁民の生活水準も高ま
つて來た点から言
つて、特に大衆魚を生産する北海道の定置
漁業のごときは、経営困難とな
つておるのであります。もちろん北海道の
漁業ばかりではありません。各地の
漁業はそうした行き詰まりを生じつつあることは事実であります。でありますから
價格を全面的に改訂しなければならぬ。特に歳末あるいは正解の
例外價格とい
つたようなものに重点を置かずして、全般的に
魚價を再
檢討いたしまして改訂されなければならない、かように
考えておるものでありますが、この三点についてそれぞれ
政府委員から御
説明を願いたいと思います。