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小澤國務大臣 急行列車の増加路線の問題でありますが、御
承知のように、從前は
本線と
常磐線と二本急行があつたのであ
つて、その他に仙台までの急行があつたのでありますけれども、乗客その他の
関係から現在のようにな
つております。これは
結論においてやはり
本線にも急行を置くことが平等と
考えておりますが、さしあたり現在御
承知の午前九時発の仙台行きを青森まで延ばそうという
考え方から、
事務の方で、それを檢討してもら
つております。それからスチームの問題でありますが、スチームは東海道線であると
東北線であるとを問わず、夜行
列車、ことに急行、準急というような長距離の乗客が乗
つておる
列車に対してはスチームをかけるつもりでおります。
それから
東北本線と東海道線との
差別待遇の問題でありまするが、私もずつと前からこれは
考えておつたのであります。ことに
國会における議員、中でも
東北、北海道の方々の御意見等も前から聞いておりまするので、私も就任早々この問題に対する弊害を是正すべきであるという見地に立
つて進めております。ことに過般特別寝台
列車というものを置くことに
なつたのでありますが、なるほどこれはすでに東海道線には大阪までや
つております。しかしすぐ一度に両方というわけに参りませんので、多少時期のずれはございますけれども、やはり今度はこの寝台
列車を青森までの急行につけるという建前で進むことにな
つておりまして、こうした
差別待遇、たとえば
列車の一番新しいのを東海道へ先に持
つて行
つて、
東北へはその次の古いのを持
つて行くというようなやり方は
根本的に改めまして、
東北も東海道も、かりに東海道へ新しいのが一車行つた場合には、次には
東北に、今度は
東北に先にや
つて東海道にというように、漸次
東北本線と
東海道本線との
差別待遇をなくする
方針であります。
それから
列車の取締りの問題でありますが、これは
外崎委員が第二
國会の本会議において緊急
質問され、大いに時の法務廳総裁と論議されたことも、私は記憶いたしております。
從つてこの問題についても、せんだ
つても私みずから体験して來たことでありまして、これは穏かでない、われわれのように男子で健康な人ばかりそろ
つておればいいが、あるいは相当の老人とか、子供など連れた人を夜半の二時、三時に汽車からおろして、しかもそれを調べるということは穏当を欠いておる。みな全部が米を持
つて來ておるのならとにかく、それは一部の人にすぎない。その一部の人を調べるために善良な正直な人を全部おろして、冬のさなかに今のような取調べをすることはどう
考えても穏当を欠くから、これの改革はできないかということを
関係の方に言いました。私はその取調べを中止せよというのではない。
列車からおろして調べるという方法を改めなくちやならない、取調べは幾ら調べてもいいから、
列車の
進行中とか、あるいは一定の時間
列車をとめておいて調べればそれで目的を達するのじやないかということを言いましたところが、
事務のある人が、どうも
進行中にやると米を途中から放り出したりして調べがつかぬと言いましたから、かりに米を放り出してもいい、それがなくな
つてしまうのじやない、だれかが使うのだから、そういう問題にこだわらずに、とにかくこの問題は車内で調べる方法を講じろということを言つた。殊に福島縣内は仙台
鉄道局管轄にな
つておりますので、せんだ
つての
鉄道局長会議においても、仙台の
鉄道局長に嚴重にこの問題を申し渡したところが、福島縣の
関係筋がそうした意向を持
つておられると言う。その取調べがおろさなければできぬという建前でいるからそういうことになるのであ
つて、
鉄道が責任をも
つて、あれを乗りかえしなくても必ずその筋のお
考え通りの
措置ができるようにしますという
程度まで進めれば、何とか話合いがつくのではないかということを、ことさらに私が申し添えまして、今先方と
交渉中で、すなわち
列車を乗りかえさせて調べる方法はできるだけとらぬという
方針でおりまするが、まだ最後の決定には至
つておりません。至
つておりませんが、
運輸省内におきましては、
從來はどの汽車もそれをやつたのでありまするが、最近はある
列車はそれをやらずに、汽車の中で調べているような実例もあるのであります。これを全部にそういうことをしたいと
考えております。