○
淺沼委員 それで先ほど
演説は時機を見てやると言われ、また大体十日間でなるべく
公務員法を上げてもらいたいというような
お話も伺
つたわけでありますが、しかし出ている
法案をずつと
考えて見れば、十日間ではとても議了のできるような案件ではないと思います。なおかつこの賃金ベースの問題が出て來なければ、これは
裏づけのない結果になりますから、自然それができるまで
会期は延長しなければならぬと思う。しかしこれは
政府が十日間とい
つても、
政府の要望は要望として承
つて、それに対して衆
議院としてはいかようにきめるかということは、われわれ自身がきめればいいことでありますから、これ以上のことは、
政府の希望は十日間として伺
つておき、ただわれわれの方として十日間ではなかなか議了しがたいという
考えであること、もう
一つは
國家公務員法案その他の
法案が出て來ることは、これは前
内閣の引継ぎの
法案には違いはないけれ
ども、
吉田内閣ができた限りにおいては
吉田内閣の政策の一環として出て來るときに、今度の
内閣の
性格を規定すべき
施政方針の
演説を延ばして、それだけをやるということは、どうしてもわれわれとしては腑におちない。それで
政府にお
考えを願いたいことは、先例にもあ
つたように、もし
政府がどうしても
施政方針演説をやらないと言えば、齋藤隆夫君や、松田源治君のや
つたように、やはり本
会議で一ぺん問題にいたしまして、
政府にやれという発言の要求ができる。自然緊急質問ができるわけでありまして、もし今
吉田さんの
考えているようにやるとすれば、
施政方針演説は本
会議でやらぬでもいいことになる。これは將來のために惜まなければならぬと思う。
從つて議会の要求が非常に強ければ、
一つ政府でもお
考えを願
つて、この際
施政方針演説をやる。しかしいろいろの
審議を進める上において、質問を一週間もやられたのでは困るというならば、それはわれわれの方でも
考えて能率を上げて行く、そういうような点で
一つ話合いをつけるようにぜひ願いたいと思う。きようここできめずに、話わかれに
なつてしまうことは、私はいかがであろうかと思う。
それからもう
一つ聞きたいことは、われわれは
議院運営の上において、最も重大な問題は
議会解散を
政府が言
つておる現実であります。われわれが
議会運営をや
つている場合において、一体
議会の解散を
政府が言われておるときに、われわれはどういう態度で
議会運営に臨んで行くかということは、
議会人として非常に関心の強い点でありまして、この点について
政府のお
考えを伺
つておきたい。
政府の方では初め冒頭解散ということを言
つておられたようであります。しかし最近になりまして、冒頭解散でなくて、あるいは早期解散と言われておりますが、
議会の解散ということは、憲法の規定に基いて行われることと私
どもは者える。憲法の規定からいけば、天皇の大権の中にあります。天皇の大権とい
つても天皇のなし得る仕事の中に、
内閣の助言と承認によ
つて衆
議院を解散するという規定があります。これは明治憲法時代も同様でありまして、明治憲法時代には
内閣が
議会解散の策を
決定して、天皇に奏請する。天皇はこれを拒否することなく、やはり
議会の解散をや
つているのでありますから、規定の点から言えば明治憲法も今度の憲法もかわりはないと言える。しかしその時代においては主権は天皇にあ
つた。今日は主権在民と
なつて、人民が主権を持つように
なつて、
議会を解散するような場合においては当然輿論に問わなければならぬと思う。この点は
佐藤官房長官も
新聞報道に現われた言葉の中に、輿論に問うてこれをやると言
つておるが、それならば輿論に問うところは一体どこであるかということになりますれば、自然私はこの
議会の輿論に問わなければならぬことに
なつて來ると思う。そこで憲法の第六十九條の規定に
從つて、いわば不信任案が通過したとき、あるいは信任案が否決に
なつたとき、さらに他の條件を加えて見れば、われわれの方から
議会の解散を要求してこれが通過したとき、あるいは
政府の重要施策が否決に
なつた場合、こういう場合に
議会を解散する。それによ
つて初めて
議会の
意思、いわば人民の
意思というものが出てまい
つて、それで
議会を解散するという結果になろうと思う。しかし
政府としてはこの形式から行けばや
つてやれぬことはないと思います。要するに天皇に助言及び承認を現
内閣がや
つて、
議会の解散をやる。しかしもしそういうようなことをあえてやることになれば、これは私は明治憲法のやり方に返るということに
なつて、この問題は非常なフアツシヨ的な傾向を持つということが生れてくる結果になろうと思う。
從つて政府としてはこの
解釈のいずれをとるのであるか、この点を私としてはよく伺
つておきたいと思うのであります。このいずれをやるかということを、われわれに理解させておくことが、
政府が將來政治を立憲的に
運営していくゆえんであると
考えるのでありまして、私らがこの
解釈について質問をいたしましても、答弁がないということで、結果から見て、
政府の行動は非立憲的になろうという憂いを抱く結果になろうと思うのでありまして、この際
総理大臣からこれに対する答弁を伺
つておきたいと思うのであります。