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中山説明員 大北電信の
関係について御
説明申しますと、これはいろいろ今までいきさつがございまして、ごく
簡單に申し上げますると、御承知のように大北海底線会社は明治の初年から
日本の長崎に陸揚権をも
つておりまして、戰爭直前までその
業務を
日本において
行つてお
つたのであります。戰爭前
日本政府と会社と契約を改訂いたしまして、一九四〇年であ
つたと思いますが、そのときの改訂協約に基きまして、四三年を期しまして、これらの権益を全部消滅せしめるということにいたしておりまして、戰爭に入
つたわけであります。從いまして事実上戰爭中は海底線の通信もとだえましたし、また條約と申しましても、それらの特許上の海底に関する
協定も、そのまま時期を経過いたしたのでありますが、
終戰後GHQの指示がございまして、昨年の十一月に
日本政府といたしまして、会社施設の維持運用について戰爭前、四〇年の当時と同じような状態で、
日本政府が
業務を開始しろということを
言つて來られたのであります。そこでその後逓信省といたしましては
司令部の覚書に基きまして、長崎におきまする局舎その他の設備を整備いたしまして、海底線の
日本の
地域につきましても修理いたしまして、大体整備ができましたので、会社の方と新しい
協定いたしまして、再開後六箇月間の有効期間をもちまして、新しく
日本の逓信省といたしましては長崎における
業務を行う。また大北会社は長崎・ウラジオ間の海底線によ
つて、シベリヤを経由しまして、
日本と欧州との間の通信の疏通を受け持つということに
なつたわけであります。ただ私
どもといたしましては、今
日本の対外無線
関係を見ますると、何といいましても戰前のような利用率といいますか、まだ戰前の施設を十二分に使
つておりませんので、もつと無線を使いましての対外通信が発展いたしますれば、
日本の收益、取り分といたしましても相当有利な
関係上、なるべくならばこの海底線を再開する費用を少くいたしたいというふうに
考えまして、そういうふうに会社と交渉いたしましたところが、当分の間は会社はその長崎における逓信省の経費の赤字をしりぬぐいするというようなかつこうにいたしまして了承いたしましたので、そういうような
内容に基きまして
業務を再開することにいたしました。この十五日にとりあえず
業務を再開するという段取りにな
つておる次第でございます。