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堀末治君
最後の点は別に
質問ではございませんが、一言申上げたいと存じます。先日來の本
委員会の
質疑に、又それに対する
大臣並びに
政府御当局の御
答弁で、それぞれよく御趣旨のあるところは了解いたしました。ただ私共として、いわゆる
労働ボスの
排撃、これは今日の
日本の民主化の上から言えば最も大切なことだと思うのでございますが、併し私共は御
承知の
通り経営者の立場におりまして、まだ
労働者が本当に目覚めない。
從つて今日の
労働組合もまだ発達途上、非常にまあ行き過ぎの点もあるということに対して遺憾にも感ずるのでありまするが、併し又私達経営者の側にも、相変らず在來の因習に捉われて、本当に封建的な
考えということも、これ又認められないのであります。さようなことでございまするが、これは両者どこまでも相
協力して
日本の民主化を図り、尚又
産業の興隆を図らなければならない。これはもう独り私ばかりでなく、全経営者としては念願しておるところでございまするが、ただこの
労働法規は悉く新らしくできた
法律でございまして、まだ一般に徹底いたしておりません。殊にこの
職業安定法案のごときは、まだ施行されて六ケ月も経たない、かような状況でございまするなら、なかなかこの徹底が困難なことであろう、実はかように存ずるのであります。從いまして多少なりともこの
サービス官廰に
監督行政のような色彩の入ることに対しては、
山田委員と同樣に、私共も同じく多少その
監督を受けるというような立場におる者としては、非常に在來のいわゆる官吏の在り方に対して疑念を持つものであります。尤も新憲法ができ、公務員法が制定されて、いわゆる官吏なるものは公務員として、國民大衆の奉仕者であるということは
はつきり定義されておりまするが、なかなかいわゆる今の官吏
諸君は、公務員として全國民に対する奉仕者であるという根本的
観念に対して非常に欠けるところが多い、どうしても昔ながらの官尊民卑の風で、上から臨むという気風が今以てなかなか改まらん、恐らく民主化の最も遅れるのは、この階級ではなかろうかと、私共はこういうふうに心配いたしておるものでございます。從いましてこの
四十九條の制定につきましても、どうぞ
大臣が仰せられましたような、いわゆるいささかも
監督行政にならない、どこどこまでも
サービス官廰の一歩前進だという、こういう御
方針においてあなたの御
監督にある公務員
諸君には、十分にその趣旨を御徹底して頂くことを特にお願い申上げたいと存じます。私らは私らで、又経営者は経営者としていろいろな
連繋を以て、できるだけ早くこういうような法を適用されることのないように盡したい、かように存ずる次第でございます。この法案も
最後になりましたからただ一言希望を申上げて、これで私の
質疑を打切りたいと存じます。