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河野正夫君
大藏大臣にお伺いいたします。今回の
豫算に關連してでございますが、前
内閣のとき
片山總理が
言明せられ、
森戸文部大臣が更に本
委員會においても他の
機會においてもしばしば
言明せられ、そうして更に
文部省内部においては、各
地方廳に大體の内示さえ與えたところの
新制中
學校舎建設費の三十一億なにがしかの金額の内、七億を
國庫が補助しておりますが、殘額六億四千
萬圓は最も近い
機會に
追加豫算として計上する。こういう
言明があ
つたのであります。然るに先年末におきましては、この二・八ケ月の
官廳給與の
豫算案が、
職員給與の
豫算案が出ましたときにも、その二カ月分の場合も
機會を得ず、更に〇・八の
追加豫算のときにも
機會を得ず、遂に
内閣の更迭とな
つたのでありまするが、今囘の
内閣は、その三黨の
政策協定におきましても、更に閣議として最近決定されたと聞きおりまするが、
内閣の
方針といたしましても、六・三制の
完全實施ということを標榜しておると思うのでありまするが、その
意味において、
片山前
内閣からこの
方針は引繼いでおると了承するのであります。然るに本
年度における最終の
追加豫算を提出せられたのを見ますると、そこには、そういう種類の
經費が見込まれていないことは、二十三
年度の四月かち始まるところの
新制中學第二
學年用の教室及びその設備についてでありまするが、
年度末に
至つても、尚且つその
豫算が組まれていない。
文教委員會等におきましても、
文部當局からいろいろと
言明をして、更に我々の方からも
質疑をしておりまするところによると、事柄は、經済安定本部乃至は
大藏省の方においてつかえておるという
ような
状態であるのであります。もとより不時の水害があり、或いはここに上程せられておる
ような
給與の増額という
ような
當然の
支出増があるが故に、
文教費も特に今何とか遣繰りが付いておるから足許に火がついておる
ように感じなか
つたのかも知れませんけれども、そういう
意味において、輕視されておるのかも知れませんけれども、一體この前の
内閣における約束は、この
内閣において、如何に引繼がれたのであるか、特に前
栗栖大藏大臣も、大體において私が今申上げた
ような線において、話を我々にもせられてお
つたと思うのでありまするが、この
内閣における
大藏當局としては、この六億何千
萬圓という
國庫補助の殘額をいつ
國會に提出して、
承認を求められるものであるか、我々の希望といたしますれば、
當然今日においては、
追加豫算として出すということが不可能であるとしますれば、
當然四月分の
暫定豫算の編成の際優先的に組入れられるべきものであると
考えられるのでありますが、この點について、御
答辯を承わりたいと思うのであります。しばしば
財務當局は
財源がないということを言われるのでありますが、確かに
財源がないかも知れませんけれども、
片山内閣の最後におきまして、
鐵道料金又は
通信料金の値上げという
ようなことを
以つて、〇・八の
官廳職員給與を出すより外に
方法がないと言われたのは聽き間違いなければ、これは
大藏當局ではなか
つたかと思うのであります。然るに蓋を開けて見ますれば、その〇・八はそういう
方向でなくして解決しておるのであります。あれやこれやといろいろな
財源を求めることについて御苦心の點はいろいろ分りますけれども、ないと言
つたものが出て來ております。この
意味において二千億を突破する
年度豫算の中において、た
つた六億何千
萬圓という金がないということは、我々には了承いたしかねるのであります。すでに本院におきましては、
新制義務教育の費用の
全額國庫負擔ということの請願を採擇し、
政府にこれを通告しておる筈でありまするが、今日の
財政状況から今直ちにそれを行なえと申すものではありません。けれども六千何億か、初めに
文部當局でも計上せられた
新制中學の組織が、三十一億に壓縮せられ、而もその内
國庫の支出僅かに七億というのであ
つて、その後の六億二千
萬圓が未だに宙に浮いておること八ケ月に及ぶということを我々としては甚だ
不満に思うところであります。それ故に
昭和二十三
年度の
暫定豫算の第一にこれを計上するお見込であるかどうか、この點について
大藏當局としての確實な御
答辯を得たいと思うのであります。