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1948-06-23 第2回国会 参議院 本会議 第52号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十三日(水曜日)    午前十時十四分開議     —————————————  議事日程 第五十号   昭和二十三年六月二十三日    午前十時開議  第一 國立富山病院拡充に関する請願(前会の続)  第二 看護服並び予防衣特別配給に関する請願(前会の続)  第三 國民健康保險制度改革に関する請願(前会の続)  第四 看護課設置に関する請願(前会の続)  第五 國立小浜温泉療養所拡充に関する請願(前会の続)  第六 衛生組合法制定に関する請願(前会の続)  第七 國民健康保險制度適正化に関する陳情(前会の続)  第八 藥務局設置に関する陳情(二件)(前会の続)  第九 國民健康保險制度改革に関する陳情(九件)(前会の続)  第一〇 全國選挙管理委員会委員補欠指名  第一一 地方出先機関整理に関する決議案中井光次君外五名発議)(委員会審査省略要求事件)  第一二 優生保護法案谷口弥三郎君外三名発議)(委員長報告)  第一三 予防接種法案内閣提出)(委員長報告)  第一四 弁理士法の一部を改正する法律案内閣提出)(委員長報告)  第一五 未復員者給與法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一六 たばこ專賣法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一七 農業協同組合又は農業協同組合連合会市町村農業会都道縣農業会又は全國農業会から財産の移轉を受ける場合における課税の特例に関する法律案衆議院提出)(委員長報告)  第一八 郡中港修築工事継続促進に関する請願委員長報告)  第一九 鼠ヶ関港修築に関する請願(二件)(委員長報告)  第二〇 唐津港修築に関する請願委員長報告)  第二一 三田尻港修築促進並びに佐波川改修工事促進に関する請願委員長報告)  第二二 脇岬港修築に関する請願委員長報告)  第二三 四日市港修築に関する請願委員長報告)  第二四 呼子港修築に関する請願(二件)(委員長報告)  第二五 伊萬里湾石炭積込施設施行に関する請願委員長報告)  第二六 伏古別勇拂及び鷂川の船入ま修築に関する請願委員長報告)  第二七 伊良湖岬避難設置に関する請願委員長報告)  第二八 岡山縣下港湾修築工事費並び維持工事費國庫補助に関する請願委員長報告)  第二九 宇野港既設突堤運輸省移管に伴う代替施設施行に関する請願委員長報告)  第三〇 下関港の修築に関する請願委員長報告)  第三一 酒田港修築に関する請願委員長報告)  第三二 宮古港第二期修築工事促進に関する請願委員長報告)  第三三 大船渡港修築に関する請願委員長報告)  第三四 八木港の修築に関する請願委員長報告)  第三五 利根川治水根本対策樹立に関する請願委員長報告)  第三六 入野川改修工事に関する請願委員長報告)  第三七 石狩川しゆんせつ並びに掘さくに関する請願委員長報告)  第三八 淀川、神崎川堤防災害復旧工事促進に関する請願委員長報告)  第三九 岩木川改修工事に関する請願委員長報告)  第四〇 利根、常陸両川改修工事に関する請願委員長報告)  第四一 舞阪海岸防波堤修築工事施行に関する請願委員長報告)  第四二 山國改修工事促進に関する請願委員長報告)  第四三 北海道の災害復旧費國庫補助に関する請願委員長報告)  第四四 小貝、五行両河川改修工事促進に関する請願委員長報告)  第四五 切の川えん堤築造に関する請願委員長報告)  第四六 会津川外二河川砂防工事施行に関する請願委員長報告)  第四七 会津川外一河川砂防工事施行に関する請願委員長報告)  第四八 身馴天神両川砂防工事並びに改修工事に関する請願委員長報告)  第四九 岡山縣下各河川砂防工事施行に関する請願委員長報告)  第五〇 比良山系砂防事業促進に関する請願(二件)(委員長報告)  第五一 黒川砂防工事施行に関する請願委員長報告)  第五二 岩崎川砂防工事施行に関する請願委員長報告)  第五三 静岡縣砂防工事費増額に関する請願委員長報告)  第五四 島根縣下河川の砂防工事費國庫補助に関する請願委員長報告)  第五五 川口川の砂防工事促進に関する請願委員長報告)  第五六 秋山川の砂防工事並びに改修工事に関する請願委員長報告)  第五七 大栗川砂防工事施行に関する請願委員長報告)  第五八 谷地川砂防工事促進に関する請願委員長報告)  第五九 石子沢川砂防並びに改修工事に関する請願委員長報告)  第六〇 福島縣砂防工事費國庫補助増額に関する請願委員長報告)  第六一 鬢櫛川砂防工事促進に関する請願委員長報告)  第六二 岐阜縣砂防事業施行に関する請願委員長報告)第六三 大分縣下各河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第六四 那久路川外三河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第六五 堀川外二河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第六六 鯉川砂防工事促進に関する請願委員長報告) 第六七 船津川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第六八 木津川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第六九 朝熊川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第七〇 新宮川外四河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第七一 中國山陰地区治山事業に対する國庫補助金増額に関する請願委員長報告) 第七二 塩田川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第七三 由比砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第七四 有無瀬川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第七五 稻瀬川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第七六 傳法沢川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第七七 須津川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第七八 春山川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第七九 高橋川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第八〇 佐野川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第八一 桃沢川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第八二 宮沢川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第八三 大津谷川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第八四 安倍川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第八五 家山川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第八六 菅ケ谷川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第八七 柿沢川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第八八 八鳥川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第八九 高瀬川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第九〇 葛城山ろく地帶砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第九一 壽命北両川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第九二 宮、大野両川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第九三 栗原川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第九四 本郷川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第九五 高草山水系砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第九六 飯間谷川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第九七 野沢、湯船両川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第九八 濁、向井田両川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第九九 山外河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一〇〇 てん機川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一〇一 戸田村地内河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一〇二 柿船原両川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一〇三 伊佐見川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一〇四 小笠沢川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一〇五 浜松市の河川並びに海岸砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一〇六 熱海市の砂防法指定に関する請願委員長報告) 第一〇七 東山沢西山沢両川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一〇八 西大谷川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一〇九 東大谷川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一一〇 菊川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一一一 大沢沢砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一一二 鮎沢、馬伏両川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一一三 法京川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一一四 観勝寺沢砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一一五 原里村地内河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一一六 印野村地内河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一一七 肱江、多度両川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一一八 栗原川外十三河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一一九 長谷川外河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一二〇 下甑村内の河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一二一 野路川外八河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一二二 戸張川外十四河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一二三 大深田川外十六河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一二四 石子沢川砂防並びに改修工事に関する請願委員長報告) 第一二五 鳥取縣治山治水事業費國庫補助増額に関する請願委員長報告) 第一二六 島根縣治山治水事業費國庫補助増額に関する請願委員長報告) 第一二七 正法寺川外八河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一二八 津田川外十五河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一二九 井戸川外河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一三〇 保津川外十三河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一三一 山口縣下玖珂外五箇郡内河川砂防工事施行に関する請願委員長報告) 第一三二 南会津街道開通促進に関する請願委員長報告) 第一三三 縣道島地鹿野線改修に関する請願委員長報告) 第一三四 霧島國立公園観光道路促進に関する請願委員長報告) 第一三五 丸亀市内國道改良工事促進に関する請願委員長報告) 弟一三六 大竹、浜田港間の縣道改修促進に関する請願委員長報告) 第一三七 担振支廳管内道路開さくに関する請願委員長報告) 第一三八 浜厚てん、穂別慣間道路改良工事施行に関する請願委員長報告) 第一三九 國道号艦改修工事に関する請願委員長報告) 第一四〇 岡山縣地方産業開発道路改良工事費國庫補助に関する請願委員長報告) 第一四一 岡山縣下國道改修に関する請願委員長報告) 第一四二 大川町諸富間筑後川架橋に関する請願委員長報告) 第一四三 尾札部、か法華両村間道路開さく工事施行に関する請願委員長報告) 第一四四 静岡縣生産道路改修に関する請願委員長報告) 第一四五 國道一号線内由比吉原両町間の改良促進に関する請願委員長報告) 第一四六 関門國道トンネル建設工事促進に関する請願委員長報告) 第一四七 府縣道石動羽咋線改修促進に関する請願委員長報告) 第一四八 府縣道箭田西阿知停車場間の架橋並びに改修に関する請願委員長報告) 第一四九 山形縣北村山亀井田村駒籠、海谷間の道路改修工事費國庫補助に関する請願委員長報告) 第一五〇 縣道足尾柏尾間改修に関する請願委員長報告) 第一五一 戰災都市の復興事業費國庫補助増額に関する請願委員長報告) 第一五二 静岡市外三市の戰災復興事業費國庫補助増額に関する請願委員長報告) 第一五三 岡山縣森林治水事業促進に関する請願委員長報告) 第一五四 旧豊平川外河川及び開拓道路改修に関する請願委員長報告) 第一五五 石狩川河口改修工事に関する請願委員長報告) 第一五六 仁淀川改修工事に関する請願委員長報告) 第一五七 廣島縣の治山事業拡充促進に関する請願委員長報告) 第一五八 米代川改修工事促進に関する請願委員長報告) 第一五九 那珂川改修工事促進に関する請願委員長報告) 第一六〇 入間川水系河川改修工事促進に関する請願委員長報告) 第一六一 三間川改修に関する請願委員長報告) 第一六二 天川改修工事施行に関する請願委員長報告) 第一六三 利根川外河川治山治水並びに改修工事に関する請願委員長報告) 第一六四 渡良瀬川上流改修工事に関する請願委員長報告) 第一六五 國営自動車琵琶湖線延長に関する請願委員長報告) 第一六六 福島飯坂温泉間並び福島、宮下間に國営自動車運輸開始に関する請願委員長報告) 第一六七 小田、久万両町間國営バス運輸開始に関する請願委員長報告) 第一六八 鶴ケ岡、奥名田両村間を國営自動車路線認定に関する請願(二件)(委員長報告) 第一六九 尼崎市営バス路線認可促進に関する請願 (委員長報告) 第一七〇 坂上、賀見畑、秋中三箇村に國営自動車運輸開始に関する請願委員長報告) 第一七一 矢島鉄道株式会社損害賠償請求に関する請願委員長報告) 第一七二 輸送力強化に関する請願委員長報告) 第一七三 日本通運の鉄道貨物取扱独占撤廃に関する請願委員長報告) 第一七四 関西本線、東京間直通列車運轉に関する請願委員長報告) 第一七五 貝田信号所停車場に変更することに関する請願委員長報告) 第一七六 岩手縣鉄道用枕木供出に関する請願委員長報告) 第一七七 高岡、福岡両駅の中間に停車場設置に関する請願委員長報告) 第一七八 山形始発上野行客車の実現に関する請願委員長報告) 第一七九 東京鹿兒島両駅間直通急行列車運轉等に関する請願委員長報告) 第一八〇 黒磯駅を急行列車停車駅とすることに関する請願委員長報告) 第一八一 新潟港附近海岸決壊防止対策に関する陳情委員長報告) 第一八二 阿賀川改修工事促進に関する陳情委員長報告) 第一八三 災害復旧費國庫補助に関する陳情委員長報告) 第一八四 土岐川流域砂防工事費増額に関する陳情委員長報告) 第一八五 呉市の砂防工事施行に関する陳情委員長報告) 第一八六 白鳥川砂防工事施行に関する陳情委員長報告) 第一八七 熱海市の砂防法指定工事施行に関する陳情委員長報告) 第一八八 渡良瀬川砂防工事施行に関する陳情委員長報告) 第一八九 那智川砂防工事施行に関する陳情委員長報告) 第一九〇 福島外四縣の重要道路改良整備に関する陳情委員長報告) 第一九一 四箇峠縣道改修に関する陳情委員長報告) 第一九二 戰災復興都市計画事業費増額に関する陳情(二件)(委員長報告) 第一九三 中国地方主要幹線連絡路整備促進に関する陳情委員長報告) 弟一九四 國道十号線大里村西原、軽井沢町追分間の改修に関する陳情委員長報告) 第一九五 岐阜市の戰災土地区画整理事業費増額に関する陳情委員長報告) 第一九六 愛知縣戰災土地区画整理事業費増額に関する陳情委員長報告) 第一九七 鳥取縣道路改修工事促進に関する陳情委員長報告) 第一九八 土木用資材割当増加に関する陳情(二件)(委員長報告) 第一九九 治水砂防事業施行に関する陳情委員長報告) 第二〇〇 治山事業費國庫補助増額に関する陳情委員長報告) 第二〇一 新宇佐町の震災復旧土木用資材割当に関する陳情委員長報告) 第二〇二 河川並びに海岸堤防改良工事に関する陳情委員長報告) 第二〇三 野村町、中筋村関に國   営自動車運輸延長に関する陳情委員長報告)  第二〇四 末吉駅、南之郷高岡口間に國営自動車運輸開始に関する陳情委員長報告)  第二〇五 石巻、氣仙沼間並びに白石、上ノ山間國営自動車運輸開始に関する陳情委員長報告)     —————————————
  2. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 諸般の報告は御異議がなければ朗読を省略いたします。     —————————————
  3. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) これより会議を開きます。この際お諮りいたします。藤井丙午君及び山内卓郎君より病氣のため、会期中請暇の申出がございました。いずれも許可をいたして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。     —————————————
  5. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 尚小林英三君及び加藤常太郎君よりおのおの理由を附して、在外同胞引揚問題に関する特別委員辞任の申出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましてはその補欠として池田宇右衞門君及び城義臣君を指名いたします。     —————————————
  7. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) この際日程第一より第六までの請願及び日程第七より第九までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。これらの請願及び陳情につきましては、すでに前会十九日の会議におきまして、その委員長報告は終了いたしております。別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告通り採決し、衛生組合法制定に関する請願の外は、内閣に送付することに賛成の諸君起立を請います。    〔総員起立
  9. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情全会一致を以て採択し、衛生組合法制定に関する請願の外は、内閣に送付することに決定いたしました。     —————————————
  10. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 日程第十、全國選挙管理委員会委員補欠指名議題といたします。全國選挙管理委員会委員美濃部達吉君が去る五月二十四日死亡いたされました。つきましては、この際その補欠指名を行います。
  11. 小林勝馬

    小林勝馬君 只今議題となりました全國選挙管理委員会委員補欠指名成規の手続を省略し、その補欠として指名せられる者を、議長指名に一任するの動議を提出いたします。
  12. 村尾重雄

    村尾重雄君 小林勝馬君の動議に賛成いたします。
  13. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 小林君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましてはこの補欠として指名される者に岡正雄君を指名いたします。(拍手)  これより表決を行います。岡正雄君を全國選挙管理委員会委員指名することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつてその通り決定いたしました。     —————————————
  16. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 日程第一、地方出先機関勢理に関する決議案中井光次君外五名発議)(委員会審査省略要求事件)本件は発議者中井光次君外五名要求通り委員会審査を省略し、直ちに本案の審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明発言を許します。中井光次君。    〔中井光次君登壇、拍手
  18. 中井光次

    中井光次君 只今上程になりました地方出先機関整理に関する決議案につきまして提案の趣旨を申述べたいと存じます。先ず案文を朗読いたします。    地方出先機関整理に関する決議   新憲法精神に則り地方自治趣旨を徹底するため、中央各省行政事務を大幅に地方公共團体に移譲又は委任することの必要なるは今更多言を要しない。然るに政府行政事務統一処理にしや口して、夫々直轄の特別行政機関設置し、ために機構複雑化を來し、地方行政民主化を阻害しつつあることは、甚だ遺憾とする処である。昨年地方自治法を改正して、出先機関設置について、國会承認を要することに改めた所以のものは、ひつきようこれら出先機関濫設が、地方自治伸展行政運用上少なからぬ弊害があるために、これを是正せんとしたものに外ならない。   今や、全國の輿論は、一日も速かに、その徹底的整理断行を要望し、政府またその必要を痛感して、度々これが実現を声明するに拘らず、遷延今に至るもその具体案國会に提出せざるのみならず、今期國会に提出せる國家行政組織法案及び各省設置法案等によれば、政府既存出先機関に関し何等整理誠意認むべきものがない。政府は宜しく英断を以て、出先機関整理方針を再檢討し、速かに國会にその徹底的整理案を提出すべきである。   右決議する。  これが決議案の全文であります。新憲法実施に伴いまして、地方制度の根本的な且つ全面的な改革断行せられ地方自治法制定によりまして、我が國の地方行政が、著々として眞の意味における自治本義に向つて、面目を一新しつつあることは、誠に欣快に堪えないところであります。  然るに我が國地方行政民主化一眼目たる、都道府縣知事の公選実施と前後いたしまして、中央各省國政事務統一的処理の必要を理由として、それぞれ特別の地方行政機関設置する傾向が極めて顕著となりまして、これがため少なからず行政機構複雑化地方行政民主化を阻害しつつあることは、夙に諸君御承知の通りでありまして、私が今更ここに喋々申上げるまでもないところであります。  いわゆる地方出先機関整理の問題は、新憲法実施後における中央地方を通じて極めて重要なる懸案でありまして、一日も速かに解決せられなければならない切実なる政治問題であるにも拘わらず、歴代内閣が今日に至るまでその解決実施を遷延しておりますために、地方行政運用が著しく円滑を欠き、地方官民の不満は遂に極度に達し、全國の知事、市町村長を初めとし、地方議会代表者などが、一日も速かにその徹底的な整理断行せんことを要望するの声は國内を風塵し、國会及び政府に対しましては、多数の請願陳情が殺到し、山積しておりまするような次第であります。治安及び地方制度常任委員会におきましては、昨年以來、この問題につき継続的に研究討議をなし、或いは議員を各地に派遣して、その実情を調査し、或いは地方出先機関整理に関する小委員会を設け、愼重審議を盡したる結果、委員会として一應の成案を得たのでありますが、更に決算委員会とも合同協議の結果、本問題は、これを從來のごとく解決を遷延することを許さず、急速にこれが整理断行すべきものであるとの一致したる結論に到達いたしたのであります。勿論現内閣においても、この問題について多大の関心を持ち、たびたびその整理断行を公約せられておるのでありまするが、実際の情勢は、芦田総理たびたびの声明にも拘わらず、從來出先機関は少しも整理せられず、整理どころか、むしろ反対にますます官僚機構を拡大強化して、地方自治行政が著しく圧迫せられ、その民主化を阻害しつつあることは、これを事実として認めざるを得ないのでありまして、眞に遺憾に堪えないところであります。昨年地方自治法第百五十六條を改正して、中央各省地方出先機関設置する場合には、必ず國会承認を要することにいたしましたゆえんのものは、畢竟するに、これら各省出先官廳濫設が、地方自治伸展地方行政運用上に少なからざる弊害があるため、これを是正せんとしたるものであります。この地方自治法改正精神からいたしまして、國会承認なくして存在する從來出先機関は、速かに根本的再檢討を加えねばならないことは当然のことであるに拘わらず、今日に至るもその整理具体案國会に提出せざるのみならず、目下國会に提出せられたる國家行政組織法及び各省設置法等、一連の法案によれば、既存出先機関に関しては、何ら整理誠意認むべきものがないのであります。かくのごときは、新憲法の下における地方自治本義を全く無視するものであることは勿論、國家行政機構改革根本精神にも反するものであると考えるのであります。我々は、地方における官僚機構の拡大とその複雑化が、如何に地方民を困惑せしめているか、又如何に地方自治体の自主的行政を阻止しているかの実情を知ると共に、今日全國的輿論となつている本問題を速かに解決することが、國政の大局より極めて必要であると固く信ずる者であります。政府は宜しく英断を似て、出先機関整理の方策を再檢討し、速かに國会にその徹底的整理券を提出し、以てその改革断行せられんことを要望するものであり、これ本決議案を提出したゆえんであります。(拍手)何とぞ満場の諸君の御賛成を希望いたす次第であります。
  19. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 本決議案に対し討論の通告がございます。草葉隆圓君。    〔草葉隆圓君登壇、拍手
  20. 草葉隆圓

    ○草葉隆圓君 私は民主自由党を代表いたしまして、本決議案に対して双手を挙げて賛成するものであります。地方出先機関は、一日も速かに整理しなければならないということは、地方自治法施行以來、強い國民の輿論でありまして、諸君も齊しく痛感されておるのであると存じます。然るに本問題が今日まで未解決のままに遷延されておるということは、どういうわけであるか、本日この決議案が本院に上程されなければならない状態に相成つたことを深く我々は考えねば相成らんと存ずるのであります。  中央官廳は地方自治が確立いたしまして以來、恰かも自分の手足がもぎ取られたような感を起して、整理どころか、むしろ増強する傾向を示して参つたのでありまして、第一回國会以來、地方出先機関の増設されましたもの  が、実に二千九百五十八の多きに達しておるのであります。現在出先機関の総数は三万二千三百十七に上り、その中一應整理の対象となりまするものは一万四千三百一千四でありまするが、これらの中におきまして、現在國民ひとしく認め、何ら議論の余地なく整理し得べきものが、実に三千六百四十九あります。私は本日これらの一々について申上げる時間を持たないを甚だ遺憾と存じまするが、これらの整理が一日でも速かであればある程、新憲法精神は暢達され、地方自治は確立し、國民の利益に資するところ誠に大なるものがあるのでありまして、これをこのまま遷延いたして置くことにおいての弊害は、例を挙げるのに遑がないくらいでありまするが、私は総括してその二三を挙げますると。第一には、行政中央集権化を助長し、地方自治を不当に拘束しておるということ。第二には、地方自治の円滑なる発達を阻害し、民主主義の進展を遅延せしめておるということ。第三には、これらの機関はみずからの手足を持つておらないため地方の実情に全く暗く、單に机上事務に陷り、徒らに手続の煩瑣と行政の二重化を來し、正常を欠く場合が多いこと。第四には、独立した権限を殆んど持たんため、結局最後には中央の決定に待たねばならないという。第五には、國民はこれらの機関がありまするため、却つて経費と時間とを浪費せしめられておるということ等でありまして、これらは地方自治体と独立して存在して置くべき必然的理由が何ら認められないのであります。或いは地方自治体に移讓し、或いは移管し、或いは廃止する等、整理によつて生じます経費の節約は、細かにこれを檢討いたしますると、経費において大体五割五分、五五%、人員において凡そ六六・八%を減員し得る状態でありますから、國家経済、國家財政に及ぼす影響は決して少いとは考えられないのであります。かくのごとく重要にして、國民全部が要望しておりまするこの出先機関を、何故政府は今日まで未解決のまま遷延せしめておるか。芦田総理は或いは大阪の大会において、或いは知事会議において、再三これを声明しておるに拘わらず、本日までこの問題が未解決のままに残されております。聞くところによりますと、巷間傳うるところによりますると、最近政府出先機関整理に対して成案を発表するかのごとき状態でありまするが、それを巷間の説によつて窺いますると、全く一應の各省一乃至二の申訳的な整理かのように聞き及んでおるのであります。私は本決議案が本院において採択されました場合、芦田総理はこの問題に対して如何なる誠意と具体的方策を有せられておるか、それをはつきりと伺いたいのであります。  最後に申し添えて置きたいと存じますることは、極く数日前に全國町村長、地方議会代表者が、本問題に対しまして縷々陳情いたしました末、その代表の一人が、私共は今まで再三再四この問題について政府陳情し、或いは請願し、歎願し、要望して参つたのでありまするが、何ら今日までその実現を見ないのであります。誠に遺憾に堪えない次第であります。このたつた一つ残されておる途、國会の皆様に、國会に訴えて、この國民の要望を達成して頂く以外に方法がないのであります。どうぞ皆様の力によつて何とかこの問題を解決して頂きたいと、声涙共に下つて訴えられたのであります。我々はこの國民の涙を以て訴える輿論を反映して、一日も速かに政府をして断乎出先機関整理をなさしむべく、強くこれを実行せなければならない義務を有すると存ずるのであります。以上を以て私の賛成演説といたします。(拍手
  21. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 鈴木直人君。    〔鈴木直人君登壇、拍手
  22. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 只今上程されました決議案につきまして、私は満腔の賛意を表するものであります。この決議案の提出に相成りました理由につきましては、同僚中井議員から、又草葉議員か縷々御説明がありましたので、私はそれを省略いたしたいと思います。幸いに本日は芦田総理大臣が御出席でありまするので、私は賛成の意見に兼ねまして芦田総理大臣に御質問を申し上げるような形式におきまして、聊か所見を申述べて見たいと思います。現内閣におきましても芦田総理大臣は、機会あるごとにその整理断行ということを声明せられ、又これを天下に公約しておられるのであります。又本議場においても再三同じような言明があつたのであります。併しながら先程のお話のように、まだその公約が果されておらない現状であります。特に私共の驚いたことは、今日國会に提出されましたところの各省設置法案によりますると、芦田総理大臣が整理断行すると申しておりますところのその出先機関が、全部一つ残らず法律の中に明かに規定されて、而もそれが拡大強化されるような形式を採つて現われて來ておるのであります。我々は総理大臣に対して非常なる期待を持つておつたのでありますけれども、この各省設置法案の内容を見まして、実は非常に驚いたのであります。そこで治安及び地方制度委員会決算委員会において連合審査をいたしました結果、むしろこの法案は、もう一度再檢討される必要があるというようなことからいたしまして、本決議案を提出するということに出席議員の満場一致を以て決定いたしたのであります。然るところその後におきまして、聞くところによりますると、必ずしも出先機関の問題ではないのでありまするが、他の理由によつてこの各省設置法案も撤回されるように御意向に決定されておるということでありまして、この問題は一應棚上げというような関係になつたのでありまするけれども、併しながら出先機関整理の問題は、これに関係なくどんどん一日も早くこれは行わるべき問題になつておるわけであります。從いまして、このものについて芦田総理大臣はいかなる所見を持つておられるか。先程草葉君の言われたように、本月十四日閣議において出先機関徹底的整理という名目の下に一應の案が決定をして、目下関係方面と打合せ中であるということを聞いておる。ところがその案たるや、我々の窺い知るところによると、殆んどこれは問題にならないお坐なりのお茶を濁しておるに過ぎないのであつて、國民乃至我々が考えておるところの出先機関整理というところの問題は、全然触れていないと言つてもよいような案であるのであります。実は聞くところによりますと、政府行政調査部において事務的の案ができておるということであります。又衆議院の治安及び地方制度委員会においても、三月五日でありましたか、この整理案の内容というものを一應決定をいたして、政府に送付しておるということを聞いております。又参議院におきましても、全く中立的な立場において、現在の國際的日本の立場において、現在の國際的日本の立場、或いは政治経済上の特殊的な現状といふものを勘案をいたしまして、参議院が立法府として、國民から、これを発表いたしましても、なるほど尤もであると思われるような成案を得ておるのであります。我々のこの決議案の内容といたしまして考えておりますところのものは、この程度の整理を要望いたしておるのであつて、先般第一次整理案として決定されておられるというように聞いておるところのかようなものは、全然期待外れであるということをはつきり申上げて置きたいのであります。(拍手)  要するに我々國会、参議院、衆議院、又行政調査部、これは殆んど内容は同一になつておりますけれども、この中正的な町厳正公平の案に副うて、そうして速かに政府におきましては具体的案を決定して、國会に提出して頂きたいということが私の念願であります。恐らく総理大臣はいろいろな関係、國際関係で、或いはそうはいかんというようなことを弁明されるのでありまするが、要するに我々の考えておるのは、弁明でなくして実行であります。要する輿実行を期待するところのものがこの決議案趣旨であります。從いまして、実行をするところの一つ御答弁をお願いいたしたいと考えるのであります。以上私の意見を申述べます。(拍手
  23. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) これにて討論の通告者は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君起立を請います。    〔総員起立
  24. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。(拍手)よつて決議案全会一致を以て可決せられました。只今の決議に対し、内閣総理大臣より発言を求められました。芦田内閣総理大臣。    〔國務大臣芦田均君登壇、拍手〕    〔「國会決議を尊重しろ」と呼ぶ者あり〕
  25. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 只今決議せられました各省地方出先機関整理につきましては、現内閣成立以來三ヶ月に亘つて鋭意その実施計画の勘案に努めておりましたが、今回その第一著手として取敢えず次の通り整理することに決定いたしました。順次これを報告することといたします。  第一、左の機関はこれを廃止し、その所掌事務を都道府縣知事に移譲する。甲、臨時物資需給調整法関係、総理廳部内において建設院建築事務所四十六ケ所、建設院地方駐在員四十六ケ所、文部省部内において教育施設局都道府縣出張員四十六ケ所、農林省部内において農政局駐在員六ケ所、右の措置に伴つて建設院建築出張所における建築物等の許可事務は都道府縣知事に移譲する。  乙、その他、総理廳部内において連絡調整地方事務局出張所の中、立川出張所、厚生省部内において都道府縣防疫駐在官四十六ヶ所  第二、運輸省部内において道路運送監理事務所五十二ケ所掌事務の一部を都道府縣知事に移譲する。これは道路運送監理事務所の所管事務中、臨時物資需給調整法に基く指定生産資材割当規則による割当事務以外の事務は、なるべくこれを都道府縣知事に移議せんとするものであります。  第三、左の諸機関の設置はこれを見合せる。厚生省部内において國立公園管理所、労働省部内において地方労働局八ケ所。  第四、商工省部内において商工局出張所を整理して、その数を減少する。  第五、左の機関はその機構を改組縮小する。  甲、大藏省部内において財務局地方部四十ケ所。  乙、農林省部内において木炭事務所四十七ケ所。  以上の措置により國の行政事務都道府縣知事に移譲した場合においても、右の行政事務について主務大臣が都道府縣知事を有効に指揮監督することができるよう適当な法的措置を講ずる必要がありますから、これに即應する措置は至急に取り運ぶ予定であります。尚右に伴う都道府縣の財政的負担についても便宜の措置を講ずる考えであります。  以上は第一次出先機関整理政府案でありまして、これに必要とすず諸般の手続は至急國会の審議を求める決意であります。以上御報告いたします。(拍手)     —————————————
  26. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) この際、日程第十二、優生保護法案谷口弥三郎君外三名発議日程第十三、予防接種法案内閣提出衆議院送付)以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員会理事谷口弥三郎君。    〔谷口弥三郎君登壇、拍手
  28. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 只今議題となりました優生保護法案に関しまする厚生委員会における審議の経過と結果を御報告申上げます。本法案は本院議員提出法案でありまして、谷口より提案か理由及び内容の説明があつたのでございます。その要旨を簡單に申上げますと、我が國は敗戰によりまして、その領土の四割強を失いました結果、甚だしく狭められました國土の上に、八千万からの國民が生活しておりますために、食糧不足は尚今後も当分持続するのは当然であるのでございます。尤も我が國の天然資源は、貧弱ではありますが、まだ十分開発利用されてはおりませんので、或いはその方面に対して灌漑、発電などの施設をなしますとか、漁業の開発をいたしますとすれば、相当の、約八千万くらいの人口は自給自足が將來でき、得るようになるとは思うのでございますが、現在すでに我が國の人口は昨年の十月調査によりましても七千八百万、その後の出生或いは引揚者を加えますと、現に八千万を少し越しておるような飽和状態であるのでございます。從つてこれを解決する上におきましては、或いは食糧の増産を特にやりますとか、移民の懇請をするということが必要でございますが、尚第三の対策といたし産兒制限問題も考えられるのでございます。併しこの産兒制限は極めて注意をいたしませんというと、子供の將來を考えるような比較的優秀な階級の方のみが産兒制限をいたしまして、無自覚者や低能者などが行いません結果、國民素質の低下即ち民族の逆淘汰を起す虞れがあるのでございます。又現に我が國におきましては、すでに逆淘汰の傾向が現われておるのでございます。例えば精神病にいたしましても、或いは先天性の失明者などにいたしましても、段々と増加いたしておるのでございます。尚精神薄弱兒などにおきましても非常に段段殖えて参りまして、以前は浮浪兒の約半数が精神薄弱と唱えられておりましたが、私共が先月九州各地の厚生施設設を巡視して見ますというと、福岡の百道松風園とか佐賀の浮浪兒收容所などにおきましては、その浮浪兒の八〇%までが精神薄弱即ち低能であるというような状況でございます。從つてこの際どうしても先天性の遺傳病者の出生を抑制するということが民族の逆淘汰を防止する上から申しましても、亦八千万以上に人口が増加するのを幾らかでも抑制する上において必要と存じておるのでございます。尚これまでは母性の健康までも度外いたしまして、ただ出生増加に專念いたしておりました態度をこの際改めて頂いて、母性保護の立場から或る程度の人工妊娠中絶を認めて、いわゆるそれによつて又人口の自然増加を抑制したいというのがこの法案提出の大要であるのでございます。  この法案の内容を簡單に申上げますと、これは七章、それに附則を加えまして三十七條から成つておるのでございます。  第一章の総則におきましては、本法案の目的を明らかにいたしまして、本法な優生学的の見地から、不良分子の出生を防止し、尚同時に母体の健康を保護するということを目的にいたしておるのであります。そうじて優生手術と人工妊娠中絶の定義を明らかにいたしております。  第二章におきましては、優生手術の章でございますが、この第三條に、同意を前提といたしました任意の優生手術を規定しておるのでございます。第四條から十條に亘りましては、社会公共の立場から、強制的に優生手術を行い得るという規定を挿入したのでございます。尤も任意の優生手術におきましては、本人が事の是非を十分に判断した上で、同意するということが本質的な要素でありますが、例えば未成年者或いは精神病者、精神薄弱者のように、自分だけで意思の決定ができない者につきましては、これを認めぬ。任意断種を行わせぬということにいたしております。そして以てこの制度で、相続権侵害などに惡用されぬようにというような注意を加えておるのでございます。第四章以下のいわゆる強制断種の制度は、これは社会生活をいたします上に、甚だしく不適應な者とか、或いは生きて行くことが第三者から見ても極めて悲惨な状況を呈する君に対しては、優生保護委員会審査決定によつて、たとえ本人の同意がなくてもその者には優生手術を行い得るというようにいたしておるのでございます。これは惡質な、強度な遺傳因子を國民素質の上に残さないようにというのが目的であるのでございます。この場合には社会公共の立場からとは申しながら、本人の意思を無視するのでありますからして、対象となる病名を別表として法律に列挙いたしておるのでございます。そうして、尚本人或いは関係者が不服の場合には、再審制度と、その上に裁判所の判決を求めるというようにいたしておるのでございます。尤も強制断種の手術は、專ら公益のためにしますので、その費用は國庫が負担するということにいたしておるのでございます。 第三章の母性保護の章におきましては、人工妊娠中絶ということについて規定をいたしておるのでございますが、これまでは妊娠中絶と申しますのは、医学上の立場からいたしまして、母体の生命を救うためにのみ行われておつたのでございますが、今回はこれを今少し拡めまして、そうして母性保護という方面にまで拡張いたしておるのでございます。即ち客観的にも妥当性が明らかな場合には本人及び配偶者の同意だけで人工妊娠中絶を行い得るということにいたしておりますが、荷その他の者におきましては、地区即ち保健所内にあります優生保護委員会の判定を求めるということにいたしております。  第四章は、優生保護委員会に関する規定でございますが、これにはこの委員会は自己の責任におきまして、審査決定をなし得る処理機関といたして、中央都道府縣及び地区の三種にいたしております。  第五章におきましては、優生結婚相談所、第六章は優生手術又は人工妊娠中絶を行いました場合の医師又は指定医師の届出、秘密保持というようなものを規定しますし、第七章に罰則を規定いたしておるのでありまして、これが大体の内容でございます。本法案につきまして、六月十九日以來三回に亘りまして厚生委員会の各委員は、極めて熱心なる質疑應答をされたのでございます。詳細は速記録に讓りまして、その中の質問の二三を拾つて見ますと、生殖を不能にする手術というものが、一体どういうものであるかというお尋ねがございましたのに対しまして、これは生殖腺を除去しませずに、男子では精子管、女子では卵管を結びましたり、又は切断いたしまして、そうして精子、卵子が通過することのできんようにする手術であるという答えでございます。次には精神病者の手術をする場合には、本人が非常に狂暴である場合には危險ではないかというようなお尋ねがございましたのに、この手術をやりますまでは、そういう場合には麻酔をかけて行いますので、而もその手術は極く簡單で男子でも五分、女子でも十分くらいで手術ができるし、生命上の危険はないというような答えがあつたのでございます。第三の質問には、第一條の不良な子孫というのは一体どういう意味かというお尋ねに対しまして、これは優生上の見地からの不良でありまして、惡質な遺傳性の疾患を指すのであるとの答弁でございます。第四には本法案場は、遺傳学を前提としてそれを根拠としてできておるが、白痴とか、魯鈍のような場合には、絶対的にこれは遺傳するものかというお尋ねに対しましては、遺傳につきましては特別の考慮を拂つております。尤も両親が白痴のような場合には約七%くらいは白痴の子供が生れるということになつておりますので、この点は審査委員会で愼重に審査をいたしました結果、手術を決めるということにいたしたいという答弁があつたのでございます。  又優生保護委員会委員に裁判官とか檢察官を入れる理由はどうかというお尋ねに対しまして、例えば強姦などによりまして、妊娠した場合には、民生委員とか医者だけでは不十分であるから、どうしても裁判官、檢察官を加えて置く必要があるというような説明があつたのでございます。その外優生結婚相談所には私立は認めんかというお尋ねがありましたが、これは國立以外にも厚生大臣が認可によつて許すことができるようになつております。一定基準の設備をしますというと、申請をして私立でやることができる。ただ余り廣告的にならんようにというような説明があつたのでございます。その外貧困の理由のみで本手術はできんかというお尋ねがございましたが、貧困というのみでは本手術は受けることはできん。又外國におきましても、そういう例がないという答えであるのでございます。その外社團法人であります都道府縣の医師会をしてこの医師を指定させる、指定医師という制度がございますが、それで医師を指定せしむるよりか、都道府縣の優生保護委員会その他のもので指定させた方がよくはないかというお尋ねがありましたに対しまして、社團法人であります医師会は、現存都道府縣に一つずつ設置せられておるのでありまして、いずれも公的の存在でありまして、会員は任意加入でありますために、全医師には及んでおりませんけれども、役員は官公私立又は組合立の病院、医院の医師とか、或いは学界人でありますから、指定の際には会員であると否とに拘わらず、必ず公平に医師の技術と設備等を参酌して指定しますので、医師の技術とか設備などを最もよく知つておるのは医師会でありますので、從つて医師会をして指定せしむるのが妥当であるというような答えであつたのでございます。又優生保護法を実施した場合には、予算はどのくらい要るかというお尋ねに対しまして、約二千八百万円程度要る予定であるという説明がございました。その外の質疑應答は省略書さして頂きます。  以上の質疑がありました後に討論に入りましたが、格別討論も申出がありませんので、直ちに採決に入りました。全会一致を以て原案の通り可決すべきものと議決した次第でございます。以上簡單でありますが、これを以て御報告を終ります。(拍手)  第二に予防接種法案につきまして御報告いたしたいと思います。予防接種法案の厚生委員会におきます審議の経過並びに結果を申上げますと、この法案は六月十日に厚生委員会に本審査付託となりまして、六月二日及び十九日の二回に審議をいたしたのでございます。六月十二日厚生大臣からいたしまして、この予防接種法につきまして提案理由及び内容の御説明があつたのでございます。  その概要を申上げますと、我が國の傳染病発生の趨勢は戰爭末期からだんだん増加の傾向でありまして、終戰後の社会的混乱の結果昭和二十年、二十一年と引続いて傳染病の爆発的発生と蔓延を惹起したのでございます。加うるに戦争によります疲弊、特に衛生施設の不備とか医薬品の不足というような惡條件を伴いましたために、誠に憂慮すべき状態になつたのでございますが、幸いにも連合諸國の強力な援助を受けまして、又國民の協力、当局の努力などの結果によりまして、昨年に至りましては極めて急速に非常な減数を見たのでございます。かような傳染病の流行の終熄いうことに対しましては、外國からも非常に賞讃の言葉も得ておるような次第であるのでございます。併し本病が昨年におきまして可なり減数をいたしまして、而も大水害のありましたにも拘わらず少かつたということは、これは主として予防接種が可なり廣く行われたという結果が非常に効果をもたらしたものであると思つておる。從つて政府としては傳染病対策としてこの予防接種を十分に行いたい、今後は天然痘に限らず傳染病の虞れあるというような疾病で、学界におきましてその免疫の効果を確認されておりますものに対しては、全面的にこれを行いたいということが希望であるというように説明をされたのであります。  この法案の内容を簡單に申上げますとこれには先ず第一に定期に予防接種を行いまするのには、痘瘡、ジフテリア、腸チフス、パラチフズ、百日咳、結核などであります。臨時に行いますところのものは発疹チフス、ペスト。コレラ、猩紅熱、インフルエンザ、及びワイル氏病ということにいたしてあります。第二に予防接種を行います義務を市町村長といたします。市町村長は保健所長の指示を受けてこれを行うことにいたしておるのであります。併し厚生大臣が必要と認めました場合には、都道府縣知事に命じて臨時の予防接種を行うこともできるというようになつております。又都道府縣の知事も病氣が蔓延するような場合には、臨時に市町村長に予防接種を行うように規定をいたしております。予防接種を受けました者に対しましては、証明書を與えて、市町村には台帳を作りまして記録をはつきりといたしております。(「簡單明瞭に願います」と呼ぶ者あり)以上が法案の内容でございます。  これに対して熱心な質疑應答があつたのでございますが、例えば各注射をやるということに対しては、可なりの人数を要するのだから、できるだけ簡單に、或いはこの注射の時期などに対しては、多数の人数を用いて、短かい時間にやらせることが必要であろう、又これに対しては、生活費のない者にはどうするか、或いは生活費のある者から、幾らくらい取る予定であるかというようなことに対しての質問がございましたが、それに対しておのおの説明があつたのであります。例えば金のある方に対しては、ジフテリアの場合は三円二十四銭とか、痘瘡は九十銭取るなどの説明がございました。両今後予防接種をいたします場合には、母子手帳にこれを書いて置くというようなことにいたしております。以上その他詳しいことは御迷惑であるけれども、速記録を見て頂くことにいたしまして、これで省かせて頂きます。  質疑を終えまして討論に入りましたけれども、格別の討論もございませんので、直ちに採決に入りまして、全会一致で原案通り可決すべきものと決定した次第でございます。以上を似て終ります。(拍手
  29. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君起立を請います。    〔総員起立
  30. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。(拍手)     —————————————
  31. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 日程第十四、弁理士法の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。鉱工業委員長稻垣平太郎君。    〔稻垣平太郎君登壇、拍手
  32. 稻垣平太郎

    ○稻垣平太郎君 只今議題と相成りましたる弁理士法の一部を改正する法律案につきまして、委員会の審議の経過並びに結果について御報告申上げます。本改正法律案は、今日の経済情勢に帥即應いたしまして、弁理士の登録料並びに同法案中にありまする各種の過料につきまして、増額を行わんとする極めて簡單な法律案でありまするので、委員会においても別段異議はなかつたのでありまするが、先般当院におきまして可決いたされました特許法の改正に伴いまして、訴訟事件に関して弁理士を訴訟代理人とすべしとする修正動議が、民自党の小林英三君より提出いたされたのであります。この修正案を朗読いたします。第九條のに次のような項を加えたいというのであります。「第九條ノニ弁理士ハ特許法第百二十八條ノ二並二実用新案法第二十六條、意匠法第二十五條及商標法第二十四條ノ規定ニ依リ準用スル、特許法第百二十八條ノ二二規定スル訴訟ニ関シテ訴訟代理人タルコトヲ得」、「前條第二項ノ規定ハ前項ノ訴訟代理人ニ付之ヲ準用ス」、こういつた修正案が提出されたのであります。  その理由とするところは次の二点であります。特許事件は御承知のように、高度な技術的な問題を内容といたしておるわけでありまして、從つて技術的、専門的の知識を要することは勿論でありまするが、從來大審院におきまして、訴訟事件に関しては單に法律審のみでありまして、事実審を行わなかつたのであります。その結果弁護士が訴訟代理人となりまして、弁理士は單に補佐役たるところの資格に過ぎなかつたのでありますが、今回裁判所制度の改正に伴う特許法の改正に伴いまして、東京高等裁判所におけるところの審理は事実審と相成りました結果、専門的な知識を持つておりますところの弁理士を訴訟代理人といたしますることが、本人の利益主張の上におきましても、亦裁判所の便宜の上から申しましても必要ではないか、かような点が第一点であります。  第二点は、現行の訴訟に関しまして、現在は訴訟事件の特許事件に関しましては、特許局において二審を経過いたします。この間弁理士が訴訟代理人になつておるのでありますが、一度事件が出訴されまして裁判所に参りますと、これは弁護士がこの事件を担当するということに相成るわけであります。然るに裁判所で審決が取消されて、再び特許局に廻され來ますと、特許局が審理審決をいたしますので、弁理士が代理するということになりまして、同一の事件が継続されておるにも拘わらず、先ず弁理士、弁護士、弁理士、こういつたように担当者がしばしば変るということは甚だ不都合ではないか、一貫して弁理士が事件を取扱うことが必要ではないかというのが修正の第二点であります。  以上二つの理由によりまして修正案が出たのでありますが、本修正案は、特許法に関しましては非常に重要なる意義を持つておるものでありまするし、又弁理士にとつては根本的な改正でもありますので、委員会におきましては愼重審議をいたしたのであります。又関係当局の意見を徴したのでありますが、多数を以て本修正案を可決したわけであります。右御報告申上げます。(拍手
  33. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告通り、修正議決することに賛成の諸君起立を請います。    〔総員起立
  34. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て、委員会修正通り議決せられました。     —————————————
  35. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) この際日程第十五、未復員者給與法の一部を改正する法律案、(内閣提出衆議院送付)、日程第十七、農業協同組合又は農業協同組合連合会市町村農業会都道縣農業会又は全國農業会から財産の移轉を受ける場合における課税の特例に関する法律案衆議院提出)、以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。財政及び金融委員長黒田英雄君。    〔黒田英雄君登壇、拍手
  37. 黒田英雄

    ○黒田英雄君 只今上程されました三法律案につきまして委員会におきまする審議の経過並びに結果について御報告をいたします。  先ず未復員者給與法の一部を改正する法律案について申上すます。未復員者給與法は晦年制定せられましてそれぞれ支給をしておるのでありまするが、昨年七月以降そのままに相成つておるのであります。今日の物價事情に鑑みまして適当でないという点があるのでありまして、これを増額しようというのであります。即ち扶養手当と帰郷旅費を五割増、遺骨引取経費と遺骨埋葬費を約三倍に増額するのであります。そして昭和二十三年四月一日以後給與事情の生じた給與に適用しようというのであります。これに要しまする経費は六億六千万円でありまして、これは目下提出の本予算に計上されておるのであります。  質疑に入りまして、終戰当時海外にあつた一般人の中で、強制徴用の上收容せられた者とか、又は技術者として強制留用された者等も相当あるのであるが、これらの留守家族は終戰以來何らの給與も救済も受けていないので、これらの者と本人についても未復員者と同様の適用を受けるようにして貰いたいとの希望があるが、政府の所見はどうであるかという御質問があつたのでありますが、これに対しましては、政府は速記を止めまして説明をして、困難であるというような答弁があつたのであります。  採決の結果本案は全会一致を以つて可決すべきものなり決定いたしたのであります。   次にたばこ專賣法の一部を改正する法律案について申上げます。煙草專賣益金の確保を期しまするために、いろいろの方法を講じて專賣法違反行為を防止せんとするのが、この法律の提案の理由でありまして、先ず罰則を強化いたしまして、從來最高の刑といたしまして五万円の罰金が科せられることになつておりますので、最近の経済情勢と他の法令との権衡を考えまして、更に三年以下の体刑をも科することにしようとするのであります。次に闇撲滅のために、その根源においてこれが防止を図る必要があるところから、煙草耕作者の耕作する葉煙草の横流しを防いで、政府に完納せしむるという必要があるのであります。從來の収穫前におきます改穫量目の査定だけでは不正確なので、今回葉煙草の葉数を檢査決定をして、その査定数量の葉煙草を納付しない場合の追徴金とを引上げるというようなことをして、以て完全收納を期せんとしておるのであります。次に私製煙草を根絶しまするために、その原料であります葉煙草のみならず、煙草苗につきましても、毎年苗床の位置、坪数を定めて政府の許可を受け、讓渡又は讓受の場合も同じようにしよう、又煙草は種子は煙草耕作者でなければ所持できないということにして、取締を徹底しますると共に、密製造の慮れがあります煙草製造用の機械、即ち煙草製造用又は煙草巻紙製造専用の機械等につきましては、これらを使用させないように、現行法の不備を是正しようとするのであります。次に未成年者につきましても、直接行爲者は所罰することができるようにしようというのであります。   質疑應答に入りまして、その一二を御紹介いたしまするが、前回のたばこ專賣法の一部改正の審議の際に、山田委員から五万円の罰金では軽きに失せないか、体刑を科する必要はないかという質問をしたのであるが、今回これを引上げようとするようになつたのは、その前のは誤つたことを認めるのかというような意味の御質問があつたのでありするが、それに対して政府委員は、これは誠に私共の不明であつたのである、その後の情勢並びに統制法令の関係から、体刑も科するようにしたということであつたのであります。それから農村等に報奨用として出ておるところの進駐軍用の外國煙草が、横流しされる虞れがないか、取締を嚴にする必要があると思うが、これらの報奨用としては日本政府の煙草を以てするような考えはないかというふうな質問に対しまして、米穀供出者等に対しまして報奨用として、外國煙草の代りに「きんし」ぐらいの値段で報奬用の煙草を製造しまして、これに進駐軍の意思の現われるような証票を附けて安く出したらと考えたこともあるのであるが、未だ実行されておらん、併し今日報奨用の外國煙草には特別のマークがしてあり、又別に所持する権利を現わす証票が與えられておるのでありますから、横流れ等は先ずないと思うのであるが、取締は十分したいと思つておるということでありました。尚闇煙草の生産費はどれくらい掛かるかというような御質問がありましたが、これに対しては、煙草の葉を手に入れるのに大体一貫目が七八百円から三千円も掛かるのであるがまあ平均二千円として、四千本が巻けるのであるが、そうすれば一本五十銭となるのであります。これに巻賃、運賃、紙代等を加算しますると、一本八十五銭くらいになるのでありまして、これに仮に五割儲けるとして十三円余となり、倍儲ければ十七、八円となるというような答弁であつたのであります。次に二三十円程度のものの数量を増せば自動的に闇煙草を防ぐことはできるのではないかという御質問に対しましては、高級品の数量を増さなければ益金がどうも出ないのでその方を殖やすことができないのは残念であるが、今回新製の憩は二十二億本、ハツピー四十五億本、ききようは、十グラムを一本と換算しまして、二十二億本製造するつもりであるというふうな答弁があつたのであります。その他の質疑應答は、速記録に讓ることをお許しを願いまして、省略いたします。  採決に入りまして、全会一致を以て、原案通り可決すべきものなりと決定をいたしたのであります。  次に農業協同組合又は農業協同組合連合会市町村農業会都道縣農業会又は全國農業会から財産の移轉を受ける場合における課税の特例に関する法律案について、御説明をいたします。  この法案は衆議院議員内藤友明君外三名の提案にかかりまして、衆議院において可決せられまして、本院に回付されたものであるのであります。先ず提案者の説明を聽いて審議に入つたのでありまするが、本法案は、農業協同組合法の制定に伴いまして、從來の系統農業会は來る八月十四日までに解散することになつております。この農業会の財産の中、新らしくできた農業協同組合で必要なものは、これを散逸させないで農業協同組合に移讓することができることになつておるのであります。併しこれらの財産を移轉しまする場合に、各種の税制によりまして、新取得者であります協同組合が、國税及び地方税を負担しなければならない。このため農民に新たな負担をかけることは妥当でないと思われ、又新たに発足いたしまする協同組合にとつて相当な税金負担となつて、健全な発達の障害どなる虞れがあると考えられるので、財産の移轉について特に有價証券移轉税及び地方税を課せないこととし、又不動産又は船舶等に関する権利を承継しまする場合に、その取得について登記を受ける際の價格は、讓渡直前の帳簿價額によつて、時價によらないことにしようというのであります。  本法案につきましては、大藏省、農林省両当局からいたしまして、両省相談の上で、この案であれば適当であると考えるのであるという答弁があつたのであります。質疑應答は速記録に讓ることをお許しを願いまして、採決に入りましたところ、全会一致を以て可決すべきものなりと決定をいたした次第であります。これを以て報告を終ります。(拍手
  38. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。三案全部を問題に供します三案に賛成の諸君起立を請います。    〔総員起立
  39. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて三案は全会一致を以て可決せられました。     —————————————
  40. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) この際日程の順序を変更して、日程第十八より第百六十四までの請願及び日程第百八十一より第二百二までの陳情を、一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。國土計画委員長赤木正雄君。    〔赤木正雄君登壇、拍手
  42. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 只今議題となりました請願第十八より第百六十四まで、陳情、第百八十一より第二百二までの委員会の審議並びに結果について御報告申上げます。  これらの請願並びに陳情の中、港湾に関しては、工費が少額で十分な修築ができないために、その増額を願い、或いは今後機帆船の増加するに從つて、避難港の施設を要望し、又は災害を被むつた港湾の一日も復旧の早からんことを訴えたものであります。又河川に関しては、生活の安定、殊に食糧の増産の見地からしても、それぞれ地、方においては重要な河川改修不十分のため、或いは未だ改修に着手されていないため、一朝降雨に遭遇すれば甚大な被害を招くことは明らかな状態であるから、これらの河川の急速なる改修を要望したものであります。又砂防並びに治山治水に関しては、昨年の大水害の結果、治山治水の緊要性が一般國民の間に深く認識されて、かように多数の請願陳情に出たことと考えますが、いずれも工費が極めて僅少なために、從來一度工事に着手したものが、現在中止の状態に置かれ、これが速かに継続施工されんことを要望し、或いは治水上重要な箇所が放置されているために、その施工を願つたものであります。道路に関しましては、地方産業の発達のために、或いは國道として、交通上重要なる幹線道路が、今以て不完全な状態にあるがために、これを速かに改修されたい。こういう熱望であります。戰災都市に関しては、國庫の補助金一が誠に不十分で、折角種々復興計画をされても、徒らに机上の計画に終つて、いつになつたら復興するのか、今後の見通しが付かぬ有様であるのみならず、逆に種々復興を阻む事態が発生する状態であるから、國庫補助の増額を訴えたもの等であります。これが討論に入りまして、一委員から、関門トンネルのごとき、毎年数千万円を投じても、今まで施工した箇所を單に維持するに過ぎぬ現在の有様では、誠に不経済であるから、積極的に工費を増して、一日も早くこれを竣工すべきである。こういう発言がありました。又多くの委員から、二十三年度の治水の予算を見るに、昨年の水害に対して、昨年九月三十日の本院の決議に顧みても、治山治水に対して政府は相当の予算を計上すべきであるが、その点が一向現われていない。これは政府として十分今後考えるべきである。こういう強い発言がありました。かくて採決に入りまして、これを採択の上、院議に付して内閣に送付するを要するものと決定いたしました。以上ご報告いたします。(拍手
  43. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君起立を請います。    〔総員起立
  44. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は、全会一致を以て採択し内閣に送付することに決定いたしました。     —————————————
  45. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) この際日程第百六十五より百八十までの請願及び日程第二百三より第二百五までの陳情を、一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸及び交通委員会理事小野哲君。    〔小野哲君登壇、拍手
  47. 小野哲

    ○小野哲君 只今上程になりました請願第十七号矢島鉄道株式会社損害賠償請求に関する請願外十五件、陳情第五十三号、野村町、中筋村間に國営自動車運輸延長に関する陳情外二件の、委員会におきまする審議の経過及び結果を御報告いたします。  各請願及び陳情につきましては、政府より詳細な事情を聽取いたし、又各請願につきましては、紹介議員の熱心な説明がありました。委員会は、これらの陳述を基として愼重に審議いたしましたが、ここではその要旨を御報告するに止めたいと存じます。先ず請願第十七号、矢島鉄道株式会社損害賠償請求に関する請願趣旨は、矢島鉄道は鳥海山麓の開発を目的として大正十三年に設立せられ、その後國鉄矢島線着工の発表があつたため営業は不可能となり、補償の申請をしたが、却つて特許取消処分を受け、破算の止むなきに至つた。國家は損害賠償に應ずる義務があるという趣旨であります。これに対し政府は、この請願についてはたびたび説明している通り、法律の定めるところにより特許の取消しをしたのであり、更に会社は行政訴訟を提起して敗訴したのであつて、國家が賠償に應ずることはできないという趣旨の答弁でありまして、審議の結果は、この問題は從來長年継続しているのであるから、政府は更に研究の上解決を促進することが必要であるという趣旨で、内閣に送付するを要するものと議決いたしました。  次に請願、第二十八号、福島飯坂温泉間並び福島、宮下間に國営自動車運輸開始に関する請願、第百九十一号、小田、久万両町間國営バス運輸開始に関する請願、第二百四十七号及び第二百七十八号、鶴ケ岡、奥名田両村間を國営自動車路線認定に関する請願、第三百八十七号、坂上、賀見畑、秋中三箇村に國営自動車運輸開始に関する請願、第四百十九号、國営自動車琵琶湖線延長に関する請願陳情第五、十三号、野村町、中筋村間に國営自動車運輸延長に関する陳情陳情第九十三号、末吉駅、南之郷高岡口間に國営自動車運輸開始に関する陳情情第二百四十五号、石巻、気仙沼間並びに白石、上ノ山間國営自動車運輸開始に関する陳情の以上九件でありまして、これらの地方はいずれも或いは鉱産、林産、水産等の資源に富み、或いは景勝地で交通量が多いのに拘わらず、自動車輸送力が不足であるため沿線住民が甚だしく困却しているから、國営自動車を運轉して欲しいという趣旨請願であります。審議の結果は、願意は誠に妥当と思われる、併しこれらの地方には、既存の民営自動車業者がすでに営業している地方も多いから、直ちに國営自動車路線を設置して民業圧迫となつてもいけない。よく事情を調査して、これら地方の自動車輸送力を強化して、地方民の熱望に應えることが必要であるという意見を附して内閣に送付することが至当であると議決いたしました。  又請願第二百五十五号、尼ケ崎市営、バス路線認可促進に関する請願は、政府においてすでに願意の通り取り運んでおるとのことであり、内閣に送付することが至当であると議決いたしました。  次に、請願第百四十三号、輸送力強化に関する請願は、南九州地方は木材、木炭等の林産物の生産が増加しているにも拘わらず、輸送難のため滞貨が山積している。鉄道輸送と海上輸送とを強化して、輸送難を緩和せられたいという趣旨請願でありまして、審議の結果は、実情は請願通りであり、物資不足の折柄急速に輸送力を増強して滞貨を一掃することが極めて肝要である。政府は願意に副うよう努力を拂うことが必要であるという趣旨の意見を附し、これを内閣に送付することを要するものと決定いたしました。  次に、請願第三百四号、日本通運の鉄道貨物取扱独占撤廃に関する請願でありますが、その願意は鉄道貨物の取扱いが現在は日本通運の一駅一店制で独占せられ、人吉駅で多大の不便を感じているから日本通運の外に新会社の設立を免許せられたいという趣旨でありまして、これに対し政府よりは、廣く小運送の制度及び日本通運に関し、独占を排除するよう法律の改正を審議しておるという答弁がありました。審議の結果これを内閣に送付を要するものと議決いたしました。  次に、請願第三百四十一号、関西本線、東京間直通列車運轉に関する請願、第六百五十七号、山形始発上野行客車の実現に関する請願、第七百二十五号、東京、鹿児島両駅間直通急行列車運轉等に関する請願は、いずれも旅客に対するサービス向上に関する請願でありまして、近年旅客が急増して、東京方面への旅客の乗車できない場合が多いから、特に長距離旅客を優遇する意味で客車を増結し、或いは直通列車の運轉を開始して欲しいという趣旨でありまして、政府当局も極力実現に努力する旨の答弁があり、審議の結果、願意は大体妥当と思われるから、政府は最近の長距離旅客の急増に鑑みて、請願趣旨達成を促進するようにとの意見を附し、これを内閣に送付を要するものと議決いたしました。  次に、請願第四百四十六号、貝田信号所停車場に変更することに関する請願、第六百五号、高岡、福岡両駅の中間に停車場設置に関する請願でありまして、その趣旨はいずれも駅間距離が長い上、近年急に人口が殖えたため甚だ不便を感じているから、停車場設置して欲しいというのであります。審議の結果、願意は大体妥当なものと思われるから、これを内閣に送付を要するものと議決した次第であります  次に、請願第七百七十五号、黒磯駅を急行列車停車駅とすることに関する請願でありまして、願意は黒磯町は栃木縣枢要の都市で、商工業も発達し、人の往來も多いから、急行列車を停車せしめて欲しいという趣旨でありまして、政府はこれに対し、黒磯駅は夏季において特に旅客が増加するから考慮する旨の答弁があり、審議の結果、願意は大体妥当であると認め、これを内閣に送付を要するものと決定いたしました。  次、請願第四百六十九号、岩手縣鉄道用枕木供出に関する請願でありまして、願意は岩手縣下で本年生産された鉄道用枕木は八十七万本に達しているが、割当は僅かに三十五万本で、五十二万本が來年度に持越しになるので、甚だ困つているから全部買上げて欲しいという趣旨でありましてこれに対し政府の説明は、二十二年度の枕木の生産が好成績であつたのと、下半期に多く納入されたため、約三百万本の使用残高を生じた。岩手懸は過去の納入成績もよいから、極力便宜を考慮するという意味の答弁があり、審査の結果は願意は妥当と思われるから、これを採釈し、内閣に送付することを要するものと議決いたしました。以上簡單に御報告申上げます。(拍手
  48. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君起立を請います。    〔総員起立
  49. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。これにて本日の議事日程終了いたしました。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十一分散会