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黒田英雄君
只今議題となりました
政府が発行する
福引券の
当せん金に対する
所得税の
課税の
特例に関する
法律案に対しまする
委員会の
審議の
経過並びに結果について御
報告をいたします。
政府は
專賣煙草の「
新生」の賣行がその定價の
関係からいたしまして誠に思わしくないのでありまして(「
煙草が悪いからだ」と呼ぶ者あり)そのままにして置きますと、
専賣収入に非常な
欠陥を生ずる虞れがあるのでありまして、従いまして本年の二月から四十億本を賣ることを目標といたしまして
福引券を附けまして、
福引券は特賞百万円以下いろいろな
奨金を附けてこれを賣出したのであります。その結果その賣行が
相当に改善されて参
つたのでありまするが、併しながらこの
福引券の
奨金について
所得税が課せられますというと、非常に
所得税の額も多くなるのでありまして、この
福引券の魅力を非常に減殺することに相成るので、これが
所得税を免除するということが
本案の
規定であるのであります。これにつきましていろいろ
質疑があ
つたのでありまするが、大体
福引券は四月一ぱい賣出すつもりであるということであるのであります。三月末までの
見込であ
つたのでありますが、賣れ残りが
相当な数に上
つておりまするし、又小賣人の方でもこれを継続を希望いたしますので、四月一ぱいを
福引券を附けて賣出すということであるのであります。併しながら四月の末になりましても全部予定
通り賣れるかどうかということについての
質疑に対しましては、
政府においてもその自信はないのであります。然らば賣れ残つたものはどうするのであるかということにつきましては、これは
政府においても
考究中でありまして、或いは値下げをして
自由販賣にするか(笑声)或いはずつと値を落して
家庭配給にするかこれらの点については
十分考究中であるということであ
つたのであります。尚
財政法第三條の
関係でありまするが、大体
政府が
物價を独断的に決めるということに誤りがある。殊に
製造煙草の
値段のごときも
政府が独断で決めて、
従つて「
新生」のごとく
値段の
関係で賣れ行が悪いというふうなことも生じて來るのであ
つて、これは誠に醜態であると思われる。將來これらのことは慎重を期するために
國会の
議決を経るようにするかという質問があ
つたのでありますが、これはすでにもう
財政法第三條の
特例に関する
法律が出ておるのでありまして、
政府としては專賣品の價格につきましては、
國会の
議決を経るということに取計ろうつもりであるということであ
つたのであります。尚
專賣益金の
収入について前年度即ち三月末日までに
相当欠陥があると思うかということにつきましては、八九十億の減収があるように思われる、併しこれはひとり「
新生」ばかりではないのでありまして、
ピース等が七十四億本作るものが、六十四億本しかできなかつた。これは電力の制限その他の
関係でそういうふうにな
つたので
収入が
減つたのである。将來については、今日の五百億本というものは尚
國民需要の六割ぐらいであるからして、将来これを十分に作るようになれば、値上げをしなくても
相当な収益を挙げることができるであろうという
答弁であ
つたのであります。
かくて
討論採決に入りまして、
政府原案
通り可決すべきものなりと
決定をいたしたのであります。
次に、
地方自治法第百五十六條第四項の
規定に某き、
税務署の
増設に関し
承認を求めるの件、これは
大田原税務署を分割いたしまして、新たに
氏家税務署を設けることの必要が生じたので、
税務署官制による
税務署の設置について、
地方自治法第百五十六條第四項の
規定による
國会の
承認を求めるというのであります。
大田原税務署が管轄しておりまするものは現在那須郡、塩谷郡の二郡三十八
ヶ町村の内、三十五
ヶ町村を管轄しておりまして、その廣さは二千九百二十七平方キロにも
亘つて、
本邦屈指の廣い
税務署の管区であるのであります。
交通の上にも非常に不便があるのであります。税額は一方昨年度の租税の
収入は三億七千七百万円に上うておるのであります。殊に昨年から
所得税の
申告納税制となりましたいろいろか
関係で、非常に区域が廣く、
交通の不便のために
官民お互いに非常に不便を感じておりまするので、これを二つに分割いたしまして、新たに
氏家町に
氏家税務署を新設したいということであるのであります。
本件につきましては、
委員会におきまして、
全会一致を以て
承認を與えるべきものであるという
決定に相成
つたのであります。これを以て私の
報告を終わります。(
拍手)