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1948-02-23 第2回国会 参議院 本会議 第14号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年二月二十三日(月曜日) 午後一時三十九分
開議
議事日程
第十二号
昭和
二十三年二月二十三日 午前十時
開議
第一
両院協議会
の
協議委員
の
選挙
━━━━━━━━━━━━━
松本治一郎
1
○副
議長
(
松本治一郎
君)
諸般
の
報告
は御
異議
がなければ
朗読
を省略いたします。
—————
・
—————
松本治一郎
2
○副
議長
(
松本治一郎
君) これより本日の
会議
を開きます。
日程
第一、
両院協議会
の
協議委員
の
選挙
を
議題
といたします。
協議委員
の数は十人でございます。
青山正一
3
○
青山正一
君
只今議題
となりました
内閣総理大臣
の
指名
に関する
両院協議委員
の
選挙
は、
成規
の手続を省略いたしまして、その
指名
を
議長
に一任するの
動議
を提出いたします。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中川幸平
4
○
中川幸平
君
只今
の
青山
君の
動議
に賛成いたします。
松本治一郎
5
○副
議長
(
松本治一郎
君)
青山正一
君の
動議
に御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松本治一郎
6
○副
議長
(
松本治一郎
君) 御
異議
ないと認めます。
両院協議委員
の
氏名
を
参事
に
朗読
いたさせます。 〔
宮坂参事朗讀
〕
両院協議委員
板谷
順助
君 岡本
愛祐
君 河井 彌八君 楠見 義男君 黒川 武雄君
左藤
義詮君
下條
康麿
君
田中耕太郎
君 東浦 庄治君 山下 義信君
松本治一郎
7
○副
議長
(
松本治一郎
君) これより直ちに
両院協議委員
の正副
議長
を
選挙
せられんことを望みます。本日の
議事日程
はこれにて終了いたしましたが、
両院協議会
の結果の
報告
を待つため、暫時
休憩
いたします。 午後一時四十一分
休憩
—————
・
—————
午後五時五十八分
開議
松本治一郎
8
○副
議長
(
松本治一郎
君)
報告
をいたさせます。 (
寺光参事朗読
〕 本日
内閣総理大臣
の
指名
に関する
両院協議会
の
協議委員
において当選した正副
議長
の
氏名
は左の
通り
である。
議長
下條
康麿
君 副
議長
板谷
順助
君本日
両院協議委員議長
から
内閣総理大臣
の
指名
に関する
両院協議会
の
成案
を得なかつた旨の
報告書
を提出した。
—————
・
—————
松本治一郎
9
○副
議長
(
松本治一郎
君) これより
休憩
前に引続き
会議
を開きます。この際、
内閣総理大臣
の
指名
につき
両院協議委員議長
より
報告
を求められました。
両院協議委員議長下條康麿
君。 〔
下條康麿
君登壇、
拍手
〕
下篠康麿
10
○下
篠康麿
君
両院協議会
の
協議
の経過並びに結果につきまして御
報告
申上げます。先ず
両院協議会
を開くに先立ちまして、
両院
の
協議委員
が打
合会
を開きました。
両院協議会規程
第三條によりますと、
両院協議会
は
両院
の
協議室
で開くことに
なつ
ておりまするが、たまたまその部屋が他の目的に使用されておりますので、これを取片附けまして、
規定通り両院協議室
において開くことにな
つたの
であります。
両院協議会
の初会の
議長
は籤で決めることに
なつ
ておりますので、
協議会
が始まりましてから、先ず最初に
議長
の抽籤を行いました結果、
衆議院側
の
協議委員議長
の淺沼君が
両院協議会
の
議長
に当選されたのであります。
議事
に入りまして先ず
参議院
において
吉田茂
氏を
内閣総理大臣
に
指名
した
理由
につきまして、私からその
理由
を述べたのであります。その
理由
を申上げますと、第一に
内閣
が総辞職をいたした場合におきましては、
政権
の
帰趨
は、
國民一般
が事前に予想し、見通しができ、納得ができるような、從いまして種々の臆測とか疑惑の介入の余地のないような、極めて明朗な筋道によつて、又さような結果に落著くように、
内閣首班
の
指名
を行わなくてはならないというように考えるのであります。(
拍手
)第二には、
内閣
の
首班
が例えば
病氣
その他の
個人的理由
で辞任した場合は、これは別でありまするが、
内閣
が
諸般
の事情から桂冠せざるを得なく
なつ
たような場合におきましては、
後継内閣
は必ずしも
議院
に多数を占めている
党派
、又は連繋が成立して多数を占め得るような政党に対して、
内閣
の
首班
を
指名
すべきものということは必ずしも当然ではない。この種の場合におきましては、辞職した
内閣
の
政権
に
関俸
のなかつたところの、即ち現段階の
政治
について全然
責任
のなかつた
党派
というものは
純然
たる在
野党
でありまして、而してその中最も有力な
党派
が
政権
を担当すべきものであると考えるのであります。(「一方的解釈だ」と呼ぶ者あり)以上の
理由
から考えて見ますると、
純然
たる在
野党
である自由党の
総裁吉田茂
氏が
次期内閣
の
首班
たる
條件
を具備しており、その以外にはこの
條件
を具備する者はないと考えるのであります。(「越権だ」と呼ぶ者あり)前にも申しましたように、この
二つ
の
原則
、即ち
政権
の
帰趨
についてわかり易い明瞭な方式を取るということ(「必要なし」と呼ぶ者あり)並びに
責任
の
政治
の
原則
、この
二つ
は(「
参議院
の
意見
でない」と呼ぶ者あり)今後の
政治
の運用上確立して置きたい。かような趣意を以ちまして
吉田茂
氏を
内閣総理大臣
に
指名
したのであると述べたのであります。(「君の
意見
だ」「
個人
の
意見
だ」と呼ぶ者あり)(
拍手
起る) これに対しまして
衆軸議院側
から
芦田均
氏
指名
の
理由
が遠べられました。例えば客観的諸情勢、
ポツダム宣言
の履行、
民主主義
の
徹底化
、
政爭休戰等
の
理由
が挙げられましたが、
協議委員
たる我々
参議院側
においては納得し得なか
つたの
であります。 かくて論議が盡きまして採決に入りました。
吉田茂
氏を可とする者が十名、
芦田均
氏を可とする者が九名で、いずれも
國会法
第九十二條第一項に掲げてあります
出席協議委員
の三分の二の多数を得られなか
つたの
であります。從いまして
成案
とならなか
つたの
であります。誠に残念でありまするが、
内閣総理大臣
の
指名
につきましては、結局
両院協議会
におきましては
成案
が得ちれなかつたという結果にな
つたの
であります。この段御
報告
を終ります。(
拍手
)
松本治一郎
11
○副
議長
(
松本治
一君) これにて本日の
議事日程
は終了いたしました。明日は午後三時より開会いたします。
議事日程
は決定次第公報を似て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後六時五分散会