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國務大臣(
森戸辰男君) 第一の問題につきましては、私共もそういうことはいろいろ不安があることは非常によくないと
思つておりますので、直ぐに実は問題を提起しておるのでありまして、最近の機会にその問題が何らかの形で明らかになるようにいたしたいと存じておるのでありまして、誠に御尤もな御要求と存じております。第二の点につきましても極めて御尤もなことでございまして、
法律ができまして、できる前にも実は十分
國民に徹底させるような論議が廣汎に行われる機会がありませんでした。できても極めて宣傳の時が短か
つたのて最
末端までこの
教育委員会法案の
趣旨が徹底しないという憾みもあるのでありまして、目下私共は先程も申しましたように、
文部省は勿論諸種の團体勢力と
協力いたしまして、その
趣旨の徹底に
努力をいたしておるわけでございます。かような事態であるから、むしろ
選挙を延ばしたらいいではないかというお考えでございまして、これに対して
文部省はどういうふうに考えておるか、或いはどういうようなふうに
努力をしたかというような
お話であ
つたと思うのでありますが、これにつきましては私共も考えないことはなか
つたのでございまして、これを延ばすような
処置はできないものであろうかというようなことも、最近ではありませんが、もつと前にこの
法律の施行されるその当初には考えたのでありますが、私共も諸種の
事情でそれはなかなか困難なのであります。尚最近の事態においてこれをするということはどうかということでございますが、これは
法律で決ま
つたことでありますから、今日では我々といたしましては
法律を改めるということしか途がないと思います。ところで五日でありまするから、
臨時國会が十月、或いは九月末に開かれるということであれば、それが可能でありましようけれども、それにそれを開くということにはまだ幾多の外のいろいろな
事情もありまして、困難ではなかろうかということでございます。それではこういう問題について
関係方面から命令か何か出して頂くということはどうかということも考えられるのでありますけれども、恐らくは
日本の
國会がこれを決めてできた
法律の実際の效果が現われるのも極めて近いときに決めたものについて、そういう命令が出されるというようなことは
ちよつと期待できないことであると思うので、民主主義を尊重する上からもそのことは不可能であろうと私共は考えておるわけであります。そういうような
意味から、全体といたしますれば、この
法律の適用の下に
最善を盡してこの
選挙を
委員会法の
精神を副うように実現する方向に進むことが残された道であろうと存じておる次第であります。