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説明員(
岡本禮一君) もう
ちよつと申させて貰いたいと思います。これは
委員の方に三島
先生がおられるので、私が申上げるのはどうかと思いますが、三島
先生のや
つておられるボーイ・スカウトの中にジヤンボリーという言葉がありますが、そのジヤンボリーの語原は、アメリカ・インデアンの言葉であります。古い英語の字引でも、このジヤンボリーという言葉は出て來ないのであります。アメリカ・インデアンのその言葉が今殆んど世界語にな
つているというのは、この言葉の持つ
意味は、各國の言葉に言い現わし得ないのであります。というのは、アメリカ・インデアンに
一つの種族があ
つて、その種族に各頭目があ
つて、それぞれの領地を支配している。それが三年目なり四年目なりを期して、一度その酋長の許え寄るのだそうであります。その寄
つたときの會合がいわゆるジヤンボリーでありまして、これが會議の主體にな
つておるようでありますが、會議で三年間なり、四年間なりの年間報告をする。そして次の三年なり四年にする主な
行事を決めて、その一方においてこの集合のときに、今
日本でいえばスポーツ大會、
明治神宮の體育祭のようないろいろの競技がその頭目下の人々によ
つて競技が行われるそうであります。そうかと思うと一方において展覽會があ
つて、三年間に各頭目の部族々々で作
つた物を持つ寄
つてきて、それが自然展覽會になる。例えば農作物のような物もありましようし、狩獵した物もあるし、種子その他の蒐集品、コレクシヨンを持
つてきて展覽會をする。從
つてそれが動物園、植物園、博物館、昆虫館もそこからそれぞれの所にできる。いわゆる衣食住の總ての物を持
つてきて列べ立てて、それが自然の植物園になり、動物園になるという恰好なんです。一方においては演藝會が行われる。從
つて藝能の各種のコンクールが行われて、非常に幅の廣い動きを見せておる集りなんだそうであります。これはベーデン・パウエルという人が各國を行脚したときにアメリカ・インデアンの中からこういうものを拾い出したので、パウエルは御
承知のようにボーイ・スカウトの創始者でありますから、それをその教育運動の中に取入れて、ロンドンのオリンピヤでこのジヤンボリーをや
つたときに、世界各國五十何ケ國も會議に出席し、それぞれの國の物を持
つて寄
つて今のような各種の催し物ができた。それと同じように、先程山本
先生の仰しやるように、今の
祝祭日というものが
宮中の御
儀式のように、
國民全部が休んで、唯家で寢ころぶ日、休養の日ということにな
つているのは大變面白くないことであります。全部の
祝祭日にそれを季節的にい
つてできないと思いますから、例えば春とか、秋とかというような、雨氣の少ないようなときの
祝祭日にはこういうような催し物を附隨させて行きたい。今までも
明治節などを見ますと、例えば琴の演奏會とか、長唱の會とか、いろいろな奉祝
行事がありますが、ああいうものをもつと幅廣く
國民全般に行き亙
つて動かされるようなものにしたものを作
つて頂きたい。こういうふうに
考えております。