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政府委員(
山添利作君) 第一の
質問の点は、戰爭中は殆んど
貿易の
杜絶状況でありましたので、
人員も非常に欠けておる、
設備も荒廃をしておるという
状況でありましたが、本
年度からこれは段々整備をして行きたいと考えておるのであります。
予算的に申しましても、本
年度は
相当殖やすことにな
つております。
人員も或る
程度増加をいたすことにな
つております。その
関係のことにつきましては、多分
参考資料として配付をいたしておるのであろうと思います。
尚
植物の
檢査の
実績という点につきましては、まだ
貿易もそう盛んでございませんのでありますから、そうした件数はそう沢山あるというわけではありません。併し最近でも私共のところにときどきこういう病害を発見したという
報告が参
つております。
それから
内地における
病害虫の
駆除でありますが、
石川さんが、お述べになりましたように、これは明治三十年くらいの古い
法律がありまして、これは
ひとり法律が古いというだけでなしに、
一般の
状況も変
つて参りましたので、
是非法律の改正を近い機会にいたしたいと考えておるのであります。併しこれは
ひとり法律ということだけでなしに、
むしろ
内地における
病害虫の
駆除の
施設を充実するということが必要なのでありまして、
予算の
関係もございますので、その辺と睨み合せまして、やりたいと思
つております。現在の
施設といたしましては、郡若しくはそれ以外の小さい
区域に、それぞれ
病害虫の
発生予察の
嘱託員を設置いたしておりまして、常時そういう人が見て廻
つておる、氣象の
状況等を勘案して、これはどこどこに
発生した、これはいけないということを通報いたしまして、その情報を集めて、現在は
府縣ならば
府縣から用心せいという
天氣予報みたいなことをや
つております。こういう
施設を將來充実いたしまする外に、やはり
病害虫の
駆除の
方法といたしましても、肩に掛けて手押しのポンプのような恰好でや
つてやるのじやいけないので、もつと完備した
設備を以て、且つ廣い
区域に亘
つて機動的に活動できるような
方法を考えなければいけない。そのためには縣が、
主体になりまするか、或いは
協同組合が
主体になりまするか、或いは両方のあれを使いまするか、何らかもつと徹底した
協同防除の
方法を作る、それに対して、國の方から
相当経費を出すということを考えて行かなければならんと思いますし、又新らしい
病菌等が入りますれば、早期に徹底して撲滅をするということも考えなければ
いかんのでありまして、今年一割
増産の運動をいたしますのについても、
病害虫の問題を特別に取上げたようなこともありまして、今後、現在はこの
方面に関する
施設が極めて不十分だと思いまするので、それと同時に、又
増産といたしましても、この
方面に期待することも
相当多いと思いまするので、
十分防除施設ができますように、
予算と
法律と
相伴つて刷新をして参りたいと考えております。 それから
輸出植物の
檢査の点でございますが、これは成るほど
石川さんが仰せになりますように、國の
貿易品の
信用を保持するという点から申しますと、あれには
病菌が附いておるという非難を受けないようにする必要があるわけであります。同時に各
國共に
國内的にも亦輸出的にも
貿易制度というものが、だんだん改善されており、今の輸入の上におきましても、
外國において
輸出檢査等のあります、その
檢査の結果によるところの
病菌がないという証拠がなければ入れちやいけないということを書いておるのでありまするが、これはやはり
相互主義でありまして、
病菌があるものと雖も、これは
外國の
要求さえなければどんどん出していいという
趣旨ではございませんけれども、併し輸出しようとする人が必ず義務として國の
檢査を受けなければならないというものは、第十四條に揚げておりまする
外國からの
要求があるというようなものを以て、一應足るのでないか、こういうふうに考えておるのであります。