○國務大臣(冨吉榮二君) 先ず第一問の、
從業員に對する周知徹底の件でございまするが、誠に御指摘の
通りであると思います。私は
從來ややともすれば、これ等の事柄が
從業員に周知徹底されてなか
つた憾みがあると思うのでございまして、就任以來はできるだけこれを民主的に
運營いたしまするように注意をいたして參
つておるのでございますが、何樣この改革とか何とかいうような問題は、そう短日月に効果が擧
つて參らないのでございまして、遺憾な點が多々あると思います。併しお言葉もございまするので、私共は御趣旨に從いまして、ますますこの民主的な
運營を圖
つて參りたいと、このように考えておる次第でございます。
尚別途御
審議を願う筈にな
つておりまするところの
遞信省の
設置法案のごときも、その間の責任の所在、或いは
事業内容のはつきり法規に基く點、それ等の事柄についても今まで
遞信省が電信
電話、爲替、貯金などとい
つたような五つの異
つた事業を經營していて、この經營の組織が極めてごちやごちやでありましたものを、今囘は整理いたすということに中心をおいてございますので、それ等のシステムの方からも
相當周知徹底させますために、我々は意識的に
教育活動を
一つ起こして行きたいと、このように考えておりまするし、更に又勞働
組合との間の組織であります經營協議會等も、何か中絶の形にな
つておりますから、それも復活して參りたい、こういうように考えております。さよう御了承願いたいと思います。
第二の、
爭議中の自動
電話を切
つた問題に對するお尋ねでございますが、この問題は實は甚だ遺憾なことでございまするが、多少法規上にも疑義がございましたことは
只今お述べの
通りでございます。それで私は、民主主義が、いわゆる權利と義務とのはつきりした限界の上に立たなければならないという主張を持つ一人でありまするが故に、
組合員の權利はこれを尊重するが、行き過ぎたるところの
内容はこれを大いに是正するという
建前から、法規が嚴格に守られなければならないということは、これは全くお説の
通りである。併しながら今囘のことは今申上げました
通り、その解繹に多少疑義のある點が實はございましたので、そうした官側、指導者側において多少疑義のあるような問題を、直ちにこのいわゆる反動的な方法で以て處斷するというようなことは、勞働政策上これは必ずしも當を得ていないというような結論に實は達した次第でございます。それと同時に先ず勞働
爭議というものが、これは非常にデリケートな問題でありますので、この間の處置というものは單なる
法律や單なるいわゆる權利義務だけでは律せられない。殊にその點が日本人の間には厄介な感情問題とい
つたようなものもございますので、緩急自らよろしきを得て行くことが、
組合の健全化に向
つて役立つのではなかろうか。或るときは秋霜烈日のごとく斷乎としてやり、或るときは又大いに寛大なる處置をとり得ることが、我が國における、少くとも責任者が考慮しなければならないことではなかろうか、こういうふうに實は考えて參りました點等を御了承願いまして、今囘の私共の方の處置を御了承願いたいと思います。