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大藏省銀行局次長(
三井武夫君) 初めの
復興融資の
計画の中で、この
民間放送事業の
所要資金を十分に
考えて貰いたいという御
希望につきましては十分御陳述の点を了承いたしました。ただ私念のために申上げて置きたいのでありまするけれども、先程申上げましたようにこの
復興金融金庫に対する
資金の
需要が非常に莫大な額に上
つておるのでありまして、その各
需要を十分に満たすだけの
資金というものを到底得られないというような
現状でありまするので、そうした
現状、又その中に新らしい御
要求が入るということになりますれば、ますますこの全体の御
要求を満たすことが困難になるという、誠に止むを得ない
現状であるという点を十分に御
承知願いたいと存ずるのであります。
尚もう
一つ念のために申上げて置きまするけれども、
復興金融金庫の
供給いたします
資金は、
日本の
経済の
復興に必要な
資金ということにな
つておるのでありまして、この
経済の
復興に必要な
資金という
言葉の
範囲は、どこまで含まれるのかという点は、常に問題になる点でございます。例えば
教育事業とか、或いは医療の
施設とかいつたようなものまで、
考えようによりましては勿論この
経済の
復興に必要な
施設であり、
事業であるに違いないのでありまするけれども、一應の
金庫法の解釈といたしましては、さような間接的なものまでは含まれない、一應直接にこの
経済復興に必要な
資金という
範囲に限定をいたしておるような実情でありますので、その点この
放送事業の
経済の
復興に対する関連性
如何というような点が、一應問題に相成るかと存ずるのであります。さような問題が
関係当局の中で解決されまして、この
資金計画の中にどういうような順序で、どういうような
金額の
程度で組入れるかということに協議がつくと思いますれば、その
計画に基いて十分の一この
民間放送事業につきましても
資金的に
援助をいたして参りたいという
考えであるわけであります。それで念のために申上げて置きました。
それから尚第二のこの
放送債券の問題でありまするが、この点につきましては
理財局の方からも或いは
答弁があつたかと思うのであります。私の直接の担当ではありませんので、一應私の
只今考えました点だけを申述べて置きまして、尚
関係の方に連絡いたしたいと存ずるのでありますが、この
債券につきましては、可なり
長期の
期間を
前提としておられるのではないかと想察するのでありますが、
只今この
起債市場の
現状から申しますれば、
國債、
地方債以外につきましては
長期の
事業債の
発行ということは可なり困難な
状況にな
つておるのでありまして、暫く前に
配電会社の社債が出された例があつたかと思いまするけれども、それも随分前でありまして、その後はこの
長期債の
発行ということが中絶いたしております。又
長期債の
発行條件というようなことにつきましても、具体的な基準が定
つておらないというような
状況でありまするので、そうしたところへ持
つて参りまして、この
放送債券を出すということは実はなかなか
実行上困難な点が多いのじやないかと
考える次第でございます。
從つてこれを
発行するということになりましても、その
條件の
如何によると思いますが、これを
如何なる
方面で
消化できるかということにつきましては、卒直に申上げまして、
只今私といたしましてもちよつと途方に暮れる次第でございますが、そうした場合に何らかの特別の
消化方法を
考えなければならないかというようなことにつきましては、私一存では
簡單に御
答弁申上げかねますので、そうした必要がありまする場合にはその特別の
方法につきましては、
関係方面と
愼重に協議いたしまして、十分に
実行可能の
方法も
考えなければならない。普通の
方法で参りますれば、
現状といたしましては、こうした
長期の
債券はなかなか
消化が困難ではないかというふうに存ぜられる次第であります。