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1948-02-10 第2回国会 参議院 図書館運営委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十三年二月十日(火曜日) 午前十一時四十九分
開會
————————————— 本日の
會議
に付した事件 ○
國立國會圖書館長選任
に關する件 —————————————
羽仁五郎
1
○
委員長
(
羽仁五郎
君) それでは
委員會
を開きます。本日お諮り頂きたいことは、先程からこの
委員會
で
協議
をして頂きました、新たに設立せられる
國立國會圖書館
の
館長
及び副
館長
の問題でありますが、この
委員會
といたしましては、昨年數ヶ月に亙
つて調査討議
の結果、現在の
尾道圖書館長中井正一
君を
國立國會圖書館長
として最も適任であるという結論に到達せられ、全會一致を以て
中井正一
君を
館長
に推薦せられて、
議長
にこれを報告いたしたわけであります。その後
両院議長
において
協議
の結果、最近に到
つて
金森徳次郎
氏を
館長
、
中井正一
君を副
館長
として働いて頂くというお考えで進んでおられ、
委員會
の
意見
を求められたのでありますが、これに對して、この
委員會
としては
議長
に對しても、又
中井正一
君に對しても、どういうふうに考えて行つたらよろしうございましようか。お諮りいたしたいと存じます。
小林勝馬
2
○
小林勝馬
君 大
體参議院
の
圖書館運營委員會
といたしましては、
中井
君を推薦した手前、多少その案に反對でございますが、
中井
君を
館長
として持
つて
行くのが當然だと私共は考えるのでございます。併し昨日の
打合せ會議
におきまして、
お話
がございました
通り
、これにはいろいろ
事情
がおありになるようで、尚又
館長候補
として
金森
氏を御發表にもな
つて
おるようでございますから、この際
衆議院
と参議院との
候補者
が相違いたしましたために、トラブルを起して問題にするということは、今後のこの
國立國會圖書館
の發足に當りまして、得策じやないと思います。故にこの際先輩でもあられる
金森
氏を一應
館長
として、
衆議院側
の推されておることでもございますから、本
委員會
もこれを承認することにして、
中井
君を副
館長
としてや
つて
頂く。併し
關係方面
から御指示、監督のこの
仕事
の部面、その他におきましては、私共の考えるところでは、このサービスその他を副
館長
において行い、
立法例
その他は
館長
において行うようにな
つて
おりますけれども、この點從來の
日本
のしきたりのように、
年配者
である
金森館長
が上におられて、全般的の支配をされ、尚その
アシスタント
として
中井
氏がこれも全般的に見て頂く、そうして本當に熱を入れてや
つて
頂く。若い副
館長
に
館長
の下にお
つて
本當の
アシスタント
全般的の
アシスタント
をや
つて
貰いたいと、こういうふうにお願いできれば、この
館長
、副
館長
の問題も
圓滿
に解決するのじやないかと私は思うのでございますが、この點
皆さん
の御
意見
もございましようから、
一つ
お諮り願いたいと思います。
堀眞琴
3
○
堀眞琴
君
只今小林
さんの御
意見
に至極
贊成
でございます。
金森
さんを
館長
にするということは、諸般の
事情
から見て止むを得ないものと私たちも承認するのでありますが、副
館長
としては若い能力のある
中井
君を是非御
承認願つて
、そうしてこの
圖書館
の
運營
に、一方においては
金森
さんといつたような、前
國務大臣
の肩書を持つ立派な方が總括的に
仕事
を見られ、それを助ける
意味
において、
中井
君が新らしい
感覺
、新らしい意識を持
つて
これに當られて、少なくとも
日本
におけるこの
圖書館事業
に對して
一つ
の益になる
仕事
をやられるようになす
つた方
が最もよいのじやないか、殊に
國會圖書館
は
國會圖書館法
の
前文
に規定してあるように、今後
日本
の
文化國家
として立
つて
行く上において、非常に大きな働らきをするのでありますから、そういう點から見ましても、私は
中井
君の活動に非常に多く期待されるものがあるのじやないか、こう思うので
贊成
であります。 それから今
小林
さんから
圖書館
の
機構
についての
お話
がありましたが、これも私は
贊成
であります。從來の
日本
の慣例から申しますというと、
館長
、その下に副
館長
がございますが、
館長
、副
館長
がそれぞれの
職務
を分擔するという形式は
日本
では餘り採
つて
おりませんので、
館長
を補佐して、副
館長
も全般的に事務の統括をするというように、その
機構
を變えて行くように、若しお願いできるならば是非そうして頂きたい、こう思うのであります。
小林勝馬
4
○
小林勝馬
君 この問題は法文的に何かもうこの副
館長
の
職務
と
館長
の
職務
が
決つて
おつたのでございますか。
羽仁五郎
5
○
委員長
(
羽仁五郎
君) いや、それは法文の上では別に規定はございません……………………他に御
意見
ございませんか。
山田佐一
6
○
山田佐一
君 大體御兩君の
意見
に
贊成
でございます。
小串清一
7
○
小串清一
君 私も
贊成
でございますが、法の上に同じような資格でやるというような
意味
には解されないのじやないのですか。又そういう
希望
をつけることは私も同感ですけれども。
小林勝馬
8
○
小林勝馬
君 本日
山本議員
並びに
金子議員
が止むを得ない
事情
で御缺席でございますけれども、昨日このことにつきまして
お話
申上げましたときに、私の案に非常に贊同するということを
皆さん
にお傳え願いたい、と、こういう御
意見
でございましたから、一應お傳えいたします。
徳川宗敬
9
○
徳川宗敬
君
皆さん
の御
意見
の御開陳を承わりまして、誠に御尤もと存じます。
皆さん
の御
希望通り館長
に
金森
さん、副
館長
に
中井
さん、こういうことでこの本
委員會
は御決議になることを私も
希望
いたします。尚
機構
の點につきましても、
皆さん
の御
意見
も結構と思いますから、然るべくその方向に向
つて委員長
でお取計らい願いたい、かように考えております。
小串清一
10
○
小串清一
君 私途中から参りましたのですが
衆議院
の方ではすでに
金森
さんを推して、すでにこちらへ相談に來られたということはないんですか。
羽仁五郎
11
○
委員長
(
羽仁五郎
君) そうでございます。
小串清一
12
○
小串清一
君 これから双方の交渉を開くわけでございますか。
羽仁五郎
13
○
委員長
(
羽仁五郎
君) すでに
兩院議長
の間で懇談を進めておられます。
小串清一
14
○
小串清一
君 分りました。それならば今のようにや
つて
頂きたいと思います。
羽仁五郎
15
○
委員長
(
羽仁五郎
君) それでは
參議院
の
圖書館運營委員會
といたしましては、昨年以來数ヶ月に亙
つて討議
の結果、新らしく
日本
に生れる
國立國會圖書館
の任務とその
使命
というものが、在來の
日本
のいろいろな
弊風
を脱却して、全く新らしく
國立國會圖書館法
の
前文
に明記されておる「直理が我らを自由にするという確信に立
つて
、憲法の誓約する
日本
の
民主化
と世界平和とに寄與することを
使命
として、ここにこれを設立する。」というこの
使命
から考えて、在來の
日本
にとかく行なわれておりました人事の
弊風
を断
つて
、若い、そうして民主的な、そうして能力あり且つ
創造力
を持ち、而も手腕を持
つて
おる人として
日本
においては最も適任な
候補者
として
中井正一
君を
館長
に推薦せられて、そうして數ヶ月に亙
つて
一囘も動揺せられることなく、終始一貫この
方針
で進んで參つたわけでありますが、現在の
日本
の状況を考慮に入れて
衆議院側
で推薦せられた
金森徳次郎
君を
館長
として承認する、と同時に今までの我々の
方針
というものを最大限に生かされるために、
中井正一
君が副
館長
として起用せられるいとを
希望
するということを御
決定
に
なつ
たわけであります。 それから第二に、その
趣旨
に基いて
國立國會圖書館
の
機構
の上においても、先般一應考えらました副
館長
が主として
技術的方面
を擔當し、
立法
、
調査方面
というものを
館長
が直接擔當するということは、非常に若い
館長
がやられた場合には、その
方針
で進むことが結構であつたわけですが、現在の状態においては、若い副
館長
としての
中井正一
君が、
金森徳次郎
君を
館長
として
立法
、調査局その他全般的に各面において補助せられることが
適當
であるというふうに御
決定
になりましたが、それでは
只今
の御
決定
を
參議院議長
に報告いたしまして、その
趣旨
で進んで頂くようにお願いをいたしたいと考えます。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
羽仁五郎
16
○
委員長
(
羽仁五郎
君) それではさように取計らいます。それでは本日の
委員會
はこれで終ります。 午前十一時四十九
分散會
出席者
は左の
通り
。
委員長
羽仁
五郎
君 理事
徳川
宗敬
君
委員
堀
眞琴
君
小串
清一
君
山田
佐一
君
小林
勝馬
君