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岡本愛祐君 部隊
訓練についていろいろ御苦心の點は、本員といたしまして非常に結構なことと存じております。私は過般中井
委員と共に廣島、愛媛、高知、この三縣の
國家地方警察竝びに
自治體警察の
發足について視察に參りまして、その點についていろいろ疑問もあり、御注意もし、御
意見も伺
つてみたいと思うことがありますから、二、三點その中の主要なものを伺いたいと思います。
一つは、
國家地方警察と
自治體警察との
發足に
當つての廳舍の問題であります。これが何でもないことのようでありますが、非常に深刻な不和の原因にな
つておるのです。例えて申して見ますと、愛媛縣の
國家地方警察と、それから松山市の
自治體警察と尖鋭化しておるとい
つていい状態にあると思います。これは
警察員自身が尖鋭化しておるのではなくて、市の當局と
國家地方警察の方と尖鋭化しておる、こういうふうにも見えるのであります。成る程この
警察法によりますれば、舊來の廳舍は必要なものは
國家地方警察で取り、
國家地方警察に不要なものは
自治體警察に無償で讓るというふうにな
つておりますが、まあ有用といい、不要といい、その間でいろいろ融通もきくのじやないかと思います。で成るべく
國家地方警察で讓れるものは
自治體警察に讓
つてや
つて、申すまでもなくこの
自治體の地方財政の窮乏というものは、その極に達しておるのでありますから、その
自治體警察の方で、そのために新たな廳舍を作
つたり何かする必要のないように、國家の方で
考えてやれるだけ
考えてや
つた方がいいのじやないかと思います。所々を視察に參りましたが、これは國家の方で少し
考えれば、舊來の廳舍は
自治體警察に讓
つてやれるのじやなかろうかと思うのが澤山あります。今當局の方で御苦心のように、何とい
つても國家の
治安を
維持するためには、
國家地方警察と
自治體警察との圓滿な了解、圓滿な親和というもので必要なのでありますが、廳舍とピストルなんかの問題で悪感情を起さしてはならないと思います。ピストルの問題にしましても、松山の
自治體警察、人口十三萬くらいもあります松山市の
治安を
維持するために、た
つた一挺のピストルしか分けて貰えなか
つたというような非常に不合理が出て參ります。
もとより愛媛縣ではピストルの處置の仕方が非常に悪くて、
國家地方警察の方も割合少いようであります。併し松山市なんかじやもつと澤山分けて貰わなければいけないのじやないか。これは一例に過ぎませんが、そういう點が所々にあるようであります。この點を十分
考慮を拂
つて頂きたいと思います。
それからもう
一つ、どうも
一つの廳舍に、例えば二階は
國家地方警察、下は
自治體警察の方にという所があり、又
一つの廳舍を半分に觀念的に區切
つて、左の方は
國家地方警察、右の方は
自治體警察というふうにな
つております。これは現在の急場としては仕方ないかも知れませんけれども、署長同士又幹部の方は、お互いによく了解しておりましようけれども、下の末端に至
つては競爭心といいますか、悪い競爭心ができたり、又いろいろの猜疑心も出て來まして都合の悪いことが多かろうと思います。例えば一軒の家に兄弟の家族が住む。兄弟の方はよく了解しておりますけれども、その妻同士とか、子供同士とかいう間に自然に悪感情ができて來る。一軒の家に兄弟が住むものでないということは、常識のある方ならばそう
考えております。これは
國家地方警察と
自治體警察との間でも同じ
關係になりますから、これはできるだけ分けられた方がいいと思います。愛媛縣は同居主義、高知縣はできるだけ分けております。これは分けた方がいいと思います。この點について御
意見を伺
つて見たいと思います。
それからもう
一つ、高知縣の例ですが、人口七千くらいの町に
自治體警察が設けられておる。設けるのは當然でありますが、ところがその定員が署長以下十三人もおる。これは少し多過ぎやしないか。例を擧げて見ますと、室戸崎町という漁村があります。これは標準からい
つても、或いは
自治體警察を置かなくてもいいのじやないかと思われるような町であります。人口は七千ありますけれども、市街地を形成しておる所がそれ程多くない。そして割合平和な町でありまして、年に小さな窃盗が二件くらいしか起らない。駐在員一人で濟んでお
つた町なのであります。ここに
自治體警察が置かれて、
自治體警察が置かれることは仕方がないとしても、定員が十三名、町長が困
つてしま
つて、町の人にどう
説明したらいいか。なぜこんな澤山置かなければならんか。一人の駐在員で十分であ
つたところへ十三人置くということは、町の人にどう
説明して、どうして納得せしめるか。非常に困難な問題にな
つたのであります。私も
意見を聞かれて實は困
つたのであります。こういうのはどう
説明したらいいのか、私も
意見を持
つておりますが、止むを得ず置いたということでなくして、
一つどうしてそういうものを置いたのであるか、これは
國家地方警察の方に聞くのは筋違いかも知れませんが、お尋ねしてみたいと思います。そこでなぜ定員が多くな
つておるかということを研究して見ますと、これは先程お話も出ましたが、高知縣においては補充をするために、新規採用の教習所の採用人員が非常に多か
つた、それでそれを捌くために定員を多くした
關係があるようであります。つまり本當ならば、愛媛縣では七千の町ならば定員七人、高知縣ではそれが十三人という、その差は
訓練生で折角採用した者を捌かなければならない、だから定員が多く
なつたという
關係があるのではないかと思うのであります。若しそれが本當であるとすれば、これは
國家地方警察の方で
何とか處置してもいいのではないか。今新規採用をどんどんしておられるようですから、そういうふうにも
考えます。そういうのはよく御調査をなさり、又分
つておればその
事情を聽いて置きたいと思います。
もう一點、それは昨日も問題に
なつたようでありますが、海面における
國家地方警察と
自治體警察と海上保安廳との関係、これは國の方針といいますか、それがまだはつきりしてないと見えまして、少しも徹底してないようです。例えば申して見ますと、高知縣におきまして海上保安廳というか、海上保安廳というのはできておりませんが、運輸省で持
つております海面警備のための船が、高知市の附近に立派なのが二隻ある、そりが海上の保安のことを取締
つておる。ところが今度高知縣におきましては、地方
警察におきましては三ケ所の
警察に、それは安藝町を中心とする
國家地方警察と、高知市附近を中心とする
國家地方警察と、もう一ケ所種崎でありますか、それを中心といる
國家地方警察、この三ケ所に水上署を兼ねさせておるところがあります。それと海上保安廳との
關係はどうであるか。又その安藝町とか高知市とか、種崎町とか、申すまでもなき
自治體警察を持
つておる。
自治體警察がその町に沿うた水面における警備を擔當いたしますか、それとの
關係、
自治體警察と水上
警察と運輸省の海上保安廳との
關係、その
關係がちつともはつきりしていない。これをどういうふうにお
考えになるか。これは廣島縣におきましても、廣島縣は又
制度が違
つて、あそこの音戸の瀬戸に倉橋島という島がある、そこに音戸町という町がある、そこに廣島縣に海面全體を管轄する水上署がある。そこで廣島縣に属する海面全體を水上
警察が管轄しておる。それと今申した
自治體警察のありますところの
市町村の海面との
關係、それから海上保安廳との
關係で出て來ます。こういう諸點について御
意見を伺いたいと思います。