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証人(
中川勝太君) 鈴木正義というのですが、この
人間も私は買い被
つておりまして、集ま
つて來た
人間が鈴木という
人間を武井君、武井君と呼ぶのです。それから、ははあこれは贋の
名前を
使つておるなと私は見たのです。それから私は臭いなと
思つてだんだん聞いて行くと、武井保というのが本名らしいのです。鈴木という男はこれはいかんぞ、これは
眞木のためにもよくないし、これは
大衆党のためにも駄目だぞ、こう思
つたのです。それからおれは先に帰るからとい
つて、それで私は九月の二日に
帰つて來ました。それであの調子では支部はできつこないから、放
つて置いたらいいじやないか、誰か來たらそれとなく教えてや
ろうと
思つてそのままにしてお
つたのです。その後その話は全然ありませんので、まあ支部も結成できなか
つたんだ
ろう、あの
連中ならできつこないと
思つておりました。ところが十二月
新鋭大衆党の
解散騒ぎのときに、
新鋭大衆党の仙台支部の支部長と称して一人の妙な男が見えまして、それで
新鋭大衆党は仙台支部なんかある筈がないじやないか、何時拵えたかと
言つたら、いや鈴木君が創
つたというので、あんなものは駄目だ手続きはしたのかと、いうといやしてないしてないならいいけれど、こんなものは駄目なんだ、それで済んでしま
つております。
それから私法務廳に行きました、ところ法務廳で、
新鋭大衆党は南多摩支部がある。それから仙台支部もあるというようなことを法務廳で言いましたから、仙台支部はこういうことにな
つておるからこれは駄目だ、これは全然違うからこれは消して置いて、下さいよ、仙台には支部がないのですからと、今の事情は私は法務廳でも申上げました。そういうわけですから仙台支部というのは嘘です。