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説明員(山根東明君)
只今の御
質問の点にお答えいたします。新物價
体系が正確にいつから発足いたしますか、
はつきりいたさないと思うのでありますが、その発足の時期によ
つて私共の手持米の数量も異るわけでありますが、六月一日を取
つて見ますと、約七百万石あまりの手持米数量が
政府手持としてあるわけであります。これを
只今お話のように、新米價を基準にして消費者價格を設定いたして配給することになりますと、実は
政府の手持米による差益収入というものが相当額予定されるわけでありますが、これは昨年も同じような考え方で來たのでありますが、実はこれは、やはり千七百五十円で私共買いました米でありますので、千七百五十円に所要の諸経費を加算いたしたものを以て、從來までの消費者價格といたしておるわけでありまして、仮りに六月一日に新物價
体系が発足いたしましても、米につきましては、実はそういう
意味での差益は生じない
方針で、消費者價格を決めて参りたい、一口にいえば、米につきましては、これは中間諸経費が若干高まりますので、正確にそのままにはならんと思いますが、大体從來の消費者價格と殆んど同様な消費者價格で続けて行きたいという一つの考え方をとりたいと思
つております。ところが一方におきまして、新麦、新馬鈴薯、が出廻
つて参るのでありますが、これは新パリテイによ
つて算出されました新價格によ
つて、実は中間諸経費を加算した消費者價格を設定しなければならない、分り易く申しますと、米は大体從來の消費者價格に近いものでありますから、十キロ当り從來百四十八円五十銭ぐらいにな
つておりますが、新麦、新馬鈴薯は、麦について申しますと約三百円近い計算が出るのであります。同じ家庭に配給いたしまして、米は百四、五十円、麦が三百円近いということでは非常におかしな現象になるわけでありますが、実はその両者を、やはり麦は麦、米は米と、その價値に應じた從來の價格のまあ比率があるわけでありますが、その比率にプールいたしまして、これは正確な計算はまだできておりませんけれども、大体二百五、六十円に收めて行きたい。米を二百五、六十円で賣
つて、その代り麦をそれの八割程度の二百円程度のところに收めて行く、こういう操作をすることによりまして、具体的には各家庭に持込まれます米の價格は、代金は上ることにはなりますけれども、その
意味での
政府の差益は、これは取らない考え方を実はしておるわけであります。さように御了承を願いたいと思います。
それから第二の点の、農家が安い値段で
供出いたしたものを、この際そのままにいたして置くのはどうか。
平均賣りすれば、仮りに六月に新價格
体系が発足いたしますとすると、十月まで実は五ケ月間の月数があるわけであります。この間の値上げは、これは見てやる必要があるじやないか、こういう御
意見のように拝承したのでありますが、その点につきましては、実は大体御
意見と同じような考え方を今日まで私共いたして参
つておるわけであります。ただいろいろそのために、農村に支沸うことにいたしますと、相当多額の代價が農村へ流れ込むわけでありましてこれの扱いと申しますか、ただ單に初め
支拂つたものの不足分だという形で、これを農村に還元して、そのためにインフレーションに拍車をかけるというようなことも考えなければならんし、そういう
意味で、実は先程お話になりましたお考えには、私共全く同感の考えを持
つておりますけれども、これが実施につきましては、
只今関係方面といろいろ打合をいたしておるわけであります。これは、やらないことに決ま
つたという放送があ
つたというお話でありますけれども、やらないことに決ま
つたわけではないと私は承知しておるわけであります。さよう御了承願いたいと思います。