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政府委員(
吉田悌二郎君) 先ず生活
物資配給の問題を申し上げますが、昨年度におきまする実績は、
お話のように、石鹸などは最も十分に行かなか
つた品目の
一つでございます。昨年度における石鹸の割当は、大体千二百五十万個、年間に炭坑
労務者に配給する予定でありましたが、実際入荷いたしましたのは七百三十六万個で約その六割にな
つております。あとは割当をいたしましたが、現実に入荷がなか
つたということでございます。それから作業衣類は六十七万五千着でございましたが、四十六万八千五百着を割当いたしましたが、実際の入荷は非常に悪うございまして十万着でございます。
從つてこれは本年度になりましてから、若干進駐軍から古軍服の輸入をいたして頂きまして、この穴埋めをいたしまして目下割当をいたしておるのであります。大変これは予定より少か
つたのであります。それから軍足、これは三十八万足でございましたが、大体十七万足の割当をいたしまして、そのうち二万足が入荷いたしまして十五万足がまだ未入荷にな
つております。これも非常に去年悪か
つたものの
一つでございます。軍手の方はこれも昨年度には間に合いませんでしたが、今年度において予定の物を出荷いたしまして、全部賄うという予定でございます。その外にタオル、肌着、地下足袋、地下足袋も非常に悪いものの
一つの例でございますが、これも予定は約三百万足の予定でございますが、実際入荷いたしましたのは百五十万足でありまして約半分が未入荷でございます。
こういうような状況で、昨年度におきまして炭坑
労務者に対する生活
物資の配給が非常に悪か
つたのでございますが、こういうことが
一つの
原因となりまして、本年度におきましては必ず確保すると同時に、いわゆる点数制を採りまして、生活
物資の種類を二種類に分けて、一号
物資、二号
物資といたしまして、一号
物資は主として作業そのものに関係のあるもの、作業衣とかタオル、手拭、ゲートル、靴下、手袋とい
つたものであります。二号
物資は酒、煙草、キヤラメルとい
つたような、むしろ嗜好品というような二色に分けまして、これも
労務者の稼働日数によりまして按分をいたしまして配給をする。
從つて仮に
坑内夫が二十二日なら二十二日働けば、これだけの物をやるという約束
数量でありますが、それを必ず確保するということにいたして現在や
つております。ただ四月から実績配給をするのでございますので若干今日ずれておりますが、これは安定本部を中心にいたしましてこれの
生産について極力努力いたしておりますので、昨年のような未入荷の事実は起らないで、約束した物が行けるものと
考えております。
その次に保安の問題でございます。
只今御
指摘のように、最近あちこちに大きな爆発事故が起
つております。勝田とか或いは美唄の問題、相当多くの死傷者ができまして最近珍しい爆発が続いたのであります。これは誠に遺憾のことでございますが、
只今双方に
調査員を出しまして
調査を致しております。勝田の方は最初参りました
調査員が一應帰
つて参
つておりますが、今日までに保安につきまして我々としては相当努力して参
つたつもりでございますが、最近非常に事故の少い期間を経過いたしまして若干弛んでお
つたのではないかと
考えられる点もございます。かねがね危險と思われます個所を、
商工大臣が指定いたしまして、それについては特に保安についての注意をするようにということを注意いたしまして、勝田もその危險個所に指定された地点で起
つたわけでありますが、そうして三年前、終戰後最初の
鉱山の安全週間におきまして、
商工省としては各
炭鉱に保安
委員会というものを作
つて頂きまして、
経営者も
労務者も一緒にな
つて、自分の
炭鉱の保安をどうしたらいいかということを研究し、常々その問題について推進して行くということをお願いしておるのであります。ところが、実際こういう保安
委員会をお作りにな
つている所もありますが、まだ作
つておらない所もあるようであります。又作
つておられてもその活動が何かとかく最近不十分であ
つた所もあると思います。それで昨年
商工大臣から声明を出しまして、この保安
委員会は成るべく完全に活動するように置いて貰いたいということをお願いいたした次第であります。こういうことによ
つて新らしく入ります未熟練者に対する教育なり、或いは現在採掘の現場におきまする保安についてとかく見逃されている点、或いは注意の怠り勝にな
つている点を再檢討して貰うということを
考えておるのであります。根本的のいろいろ設備自身について改善は
考えなければいかんと思いますが、幸い若干
炭鉱も材料にゆとりを持
つているようでありますから、十分その点は
炭鉱中心に使えるかと思いますので、そこらは保安委員が中心にな
つて、そういう資材を十分に使
つて貰いたいと
考えております。