○山下義信君 只今上程せられましたる
請願の
請願者は、財團法人日本
社會事業協會長中川望でありまして、
紹介議員は塚本君、宮城君竝びに自分でございます。現状私から簡單に
請願の
趣旨を陳述いたします。要旨は兒童福祉法が
制定せられましても、まだその
法律の效果が十分徹底せられていないのでございまして、もとよりまだ短期間でございますから、今直ぐに十分その徹底的な效果を望むということは望み難いことではございまするけれども、併しながらこの兒童福祉法の實施状況が、只今の
状態では憂慮に堪えませんので、是非共この
法案が、折角
制定せられましたる
趣旨が徹底せられまするように、
政府におきまして、諸般の對策を講じて頂きたいと、こういう大體の筋でございます。殊にこの
請願の趣意書の中に特筆大書してございますことは、我が國の將來が、これらの兒童にかか
つておりますことは言うまでもございませんが、この可憐なる兒童の今日の現状は、誠に可哀そうなるものがございまして、而もこれらのいたいけな子供達は、聲を上げて、叫びを上げて訴える術も、途も持たないものでございます。それらの者に代
つて、福祉の保護をいたしまする聲が、即ち兒童福祉法でございますから、是非共その徹底につきましては、
政府において一段の御努力を煩わしたいと陳述いたしておるのでございます、この日本
社會事業協會は、去る五月七日、八日の兩日に亙りまして、全國兒童福祉
關係者
會議を東京に開催いたしましたが、その時多數參列いたしました會員一同がこの要望に對しまして熱烈に意見の一致を見たのでございます。どうか、次に述べまするような諸點につきまして、
趣旨の存するところを御了承下さいまして、速かにその實現に關しまして、
國會におかれては格段の御配慮を煩わしたいという
請願の
趣旨でございます。その要望いたしまする第一點は、兒童福祉通の實施に必要なる國家の
豫算は、絶對にこれを確保して貰いたいというのでございます。
説明は省略いたします。第二點は、
兒童福祉事業に對する寄附金につきましては、所得税の源泉からこれを控除するような取計いを實現をして頂きたいというのであります。第三點は、
兒童福祉事業に關しまする民間施設の事業資金の募集のために行いまする各種の演藝、その他の興行に對しましては、その入場税を免除せられるような御對策を講じて頂きたいというのでございます。第四點は、兒童福祉施設に對しまする農地法の
適用を緩和して頂きまして。兒童福祉施設の完全なる發展のため寄與えるように、農地法の
適用の緩和を圖られたいというのでございます、第五點といたしましては、これは實に重大な要望でございますが、兒童福祉
行政は、兒童福祉法によ
つて統一をして頂きたいという要望でございます。兒童福祉法は、滿十八歳末滿の兒童にすべて
適用されるものでございますが、且又犯罪少年は裁判所法によりまして、裁判に俟つことは當然ではございまするがそれ以外の兒童の處置に關しましては、すべて兒童福祉法によりまして統一的な
取扱をするようにして頂きたいという要望でございます。最後に第六點といたしましては、中央及び地方を通じましての兒童福祉
委員の選任竝びに兒童
委員の人選につきましては、適正を期するよう
萬全の處置を考慮されたいという要望でございます。以上六點を、この際當院におかれまして、
請願者の申述べまする
趣旨を御了察下さいまして、何とぞ十分御盡力を仰ぎないという
趣旨でございます。