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1948-05-19 第2回国会 参議院 厚生委員会 第4号 公式Web版

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  1. 厚生諸法規の地方における実施状況 (会議録情報)

    昭和二十三年五月十九日(水曜日) —————————————————   本日の会議に付した事件厚生諸法規の地方における実施状況  等調査の視察報告に関する件 ○請願、陳情を小委員会付託に関する  件 ○兒童福祉法実施に伴う予算編成に  関する報告の件   —————————————    午前十時三十一分開会
  2. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) これより開会いたします。前囘に引続きまして視察報告をお願いいたします。中國地方視察、その中の岡本縣状況につきまして河崎委員からの報告がございます。
  3. 河崎ナツ君(河崎ナツ)

    河崎ナツ君 実は私の方どういう都合か、いつでも通知が後になります。今日のこと実は知りませんでして、そんな理由で細かい御報告を申上げられませんで、且つ又伺いますと、前の各地方の方々がそれぞれすでにお話がございましたので、余り重複することは省いて、岡山縣としての特色のあるところをというような委員長さんからのお話もございましたので、簡單に一應御報告させて頂きます。  岡本縣厚生施設各般を拜見したのでございますが、大体その社会施設と、それからその外の保健衞生栄養に関する施設、この二つに分れて考えられると思うのでございます。その視察いたしました両方共、殊に社会施設の方は、岡山縣社会事業は非常に早くから関心を持たれて実施されておりました結果もありましたし、一体に早くからこういう問題に町の人も関心を持つておりましたし、又そういう保健施設にいたしましても、民生委員の前の立場からの、そういう使命を果しております人達組織的な動き方も、直接ここに関係いたしておりませんけれども、全國のどの縣よりもよく組織的に行届いて活動せられておりましたようなことも前に視察した経驗もございまして、かたがたそれと合せまして、一体そういう氣運があつて社会施設の行届いておりますことは、外の縣よりも私共の印象に非常に強く残つたわけでございます。  いろいろございました中で、私共拜見いたしましたのは、孤兒施設と、それから乳幼兒施設と、それから特殊接待婦ですが、パンパン・ガールに対する施設と、三種類のものを拜見いたしたのでございますが、いずれもよく行届いておりまして、一つのものは縣の方の立場からの少年の丘と申します孤兒施設、そういう種類と、それから又ミツシヨンの人達にやはり縣の方で委託してやつております乳幼兒だの孤兒施設愛育園とかいろいろございましたが、その扱つている人達はこういう立場から扱つている人達でありますが、運営に当りましての理解が、どちらの團体も実によく精神実施せられておりまして、殊に乳幼兒に対しこの施設運営においては非常に効果が挙つております。乳幼兒に対しての扱い方は随分外でも拜見いたしましたが、ほんの少数の人、而も若い人達の手で行なつておりますこの岡山縣愛育園乳幼兒に対する扱い方は、非常に保健衞生的に氣を付けておられまして、誠心誠意で本当に裏表なく施設精神を活かしておりました。普通自分子供でも、日本の現在の母親の地位からいたしましたならば、あんなに保健衞生に氣を付け、行届いた世話はできないと思われますほど、二十人の子供を三人の若い人達で以て世話いたしておりました。横濱一つカソリツクの方がお世話していた所を除いては、あんなに本当に子供栄養保健とそうして教育的な方面からの心遣いとが行届いておる所はないように思いました。ああいう方面を見、又少年の丘の人達の小さな孤兒に対しての非常な誠心誠意の取扱いを見まして、そういうものに対する福利施設をこれから方々にいたさなければならんと思うのでありますが、その場合実際その場に起つておる人達信念というか、信仰というか、單なる憐愍の心ばかりでなしに、宗教團体が非常に廣い宗教的な信念に徹した立場に立つておりますし、又宗教團体でない方は社会的な信念をどこだつて感じておりますけれども、非常に皆が行届いてその使命を正確に果しておるというような、日本社会事業の例の精神的な一つの中心というようなものが感ぜられまして、これからの大事なことだと思いました。  それからもう一つ外と違う特色がございましたのは、少年の丘にいたしましても、愛育園にいたしましても、教育園報告がございませんけれども、後で町の婦人に会いましたときも調べましたんですが、少年の丘にいたしましても、愛育園にいたしましても縣全体の人達は、單に施設の人ばかりではなしに、縣の人達に非常に繋がつておる。少年の丘で申しますれば、少年の丘に母の会というものが各村々に繋がつており、組織的に作つたものではなく、村のお母さん達は村の子供に対する愛情を拡げてそういう方面へ繋がつておる、そういう繋がりは偶発的に外の縣でもないこともございませんでしたけれども、岡山縣におきましては、方々の村でそういうふうな関心を持ちまして、そして村のそういう施設への母親の心に繋がつており、愛育園ですと、施設子供達ちの心配を町の婦人人達自分子供への愛情から繋がつて、しよつちゆう事ある度に婦人のすべての手でやはり結び付いて、そういう方面の一役を果しておる。例えばでございますが、今のそういうふうな、まあ今のこの社会施設の、殊にああいう子供達を、みなし兒、浮浪兒乳兒、そういう子供達の家族主義的な一つ社会施設運営が非常によく行つておるばかりでなしに、廣くまあ賀川さんがしよつちゆうおつしやつておられるように、大兄弟主義と申しましようか、そういうふうへの拡がりへの一歩、入口から一歩踏出した形の、そこの社会施設運営がなされて、縣の人達がそこへ一歩踏出して、機会あるときに自分達の方から、そういうふうな子供施設への関心を寄せると一緒に又そういう機会ある毎に、そういう施設子供達家庭の一人として、自分の家の子供一緒に廣く、祭のとき、正月をするというようなときに預つてそして一緒にそれぞれの家庭で結び付いて行く。それが岡本縣の場合に非常に將來行亙つて、更にそれがもう少し度数が増されようとする形になつておりますことは、新らしい社会事業運営の行方の大兄弟主義への芽生えがはつきり自覚するとしないとに拘わらず踏出しておるというようなことが、特に岡山縣におきまして感じましたことの特色であつたと思います。  それから厚生施設一つといたしまして、特に子供生活関係することといたしまして、牛乳の問題、從つてその牛乳乳牛と、そして農家との関係、そういう問題につきまして、殊に牛乳からの乳製品という方の面と、それらが繋がつております一連の乳製品を、或る工場牛乳処理場、それから村においての乳牛を、どう村の農家生活と繋がつておるか、そういう酪農農村というわけでございますが、それらの岡山縣はいい企画を以て解決しようと進んでおりまして、殊に牛乳処理場といたしまして、熱処理工場が丁度岡山の西大寺の町から近所にありまして、それも拜見いたしましたんでありますが、そういうそこに縣として非常に力を入れて、そういう面から牛乳乳製品との問題を岡山縣は二十年も前から解決しようと、一歩進めて努力して來て、効果も擧げつつあつた。これはちよつと他の縣には見られない、縣のそういう方面への自覺、そういう早くからの努力でございますが、そういう面におきまして、もう實際の樣子は能力もあつてしつつあるのでありますが、今日の状態からいたしまして、乳牛の問題が、肉に賣られたり、いろいろ牛乳としてそこに、工場へ出ますまでに外に流れたり、公定價の問題のために流れたりいたしておるということのために、折角の縣の努力が、折角の縣の施設實際施設を活かすほどに材料が集らないで氣の毒でございますが、他の縣の方のそういう方の努力、又村の自覺の低さをどなたからか報告があつたと思いますが、岡山縣におきまするそういう努力が、そこの關心の高さにおいて非常に違いがあることを知りました。そこでの結局酪農的な、有畜農業酪農的な解決岡山縣は永年の努力でありますが、更に今日それを解決するために二つ要求を政治的に申しておりましたが、これは政府としても、当局としても考えて頂かなければならないと存じます。一つ牛乳公定價割合に外の卵だとか……卵には公定價がない。そういう牛乳公定價割合に低い。そういうわけで結局農村は鷄を飼うけれどもそういうふうに牛乳公定價が低いために乳牛を飼わない。飼うことを喜ばないという傾向についなり易い。それが随分乳牛の問題に係わつておりますと共に、乳牛飼料としての岡山縣の場合でありますれば、飼料解決の一助としましての岡山平野においての水田裏作としましての問題が、今やはり食糧関係から、裏作においての農作物の種類及び耕作反別、作付の反別が何かと指定されておりますが、あの裏作を、乳牛をしておる、酪農農業をしております家庭におきましては、裏作飼料に適当するようなものを自由に植えられるというような……裏作の解放という言葉を使つておりましたがそういうふうな問題をやはり農家のために当局として考えて欲しい。そうして飼料の問題を解決したいというふうな希望がございましたことは多少考えなければならんのではないだろうか。御報告があつたかと思いますけれども島根縣におきましてのそういうふうな問題は、やはり島根縣もそういうことを言つておる方もございましたけれども、島根縣の場合はもう非常に牧場としての適当な所が他にありますので、岡山縣のような、ああいう岡山平野の本当に水田農村においての、又酪農農業としましての裏作の問題は非常に重要な問題だと私共も痛感いたして参りましたが、そういうふうな問題を一つ提出いたしておりましたことを御報告申上げたいと思つております。と一緒に、その後も実際に当つておる人からも聞きましたのでございますが、乳牛を飼う。今の農家におきまして役牛を飼つております。乳牛役牛を合せておきますということにつきましての農家負担というものから考え、又役牛というものの使命というものは、平生使用します農家として使用します時間が少いその使い方を考えますれば、乳牛役牛程に使うことはできませんけれども、乳牛は又一定度におきまして非常に過労でない、過重ではない程度で使うことにおきまして必ずしも役牛乳牛との区別をしないで、乳牛使いようにおきまして役牛の労力を負担して行けるような指導方法というものはやはり考えられて、もつと農業におきましての乳牛の在り方というものを通しましての酪農業というものにつきましての御指導というものを願わなければならない。それらを通しましての乳製品を通しての子供栄養というもの、或いは子供に対して米の一合五勺の配給赤ちやんの八勺の配給とかいうような、大人の食事におきましての子供食糧配給の問題が簡單に考えられておりますけれども、年齢に應じて、又成長に應じましての子供食事という問題を將來日本の問題としまして考えなくちやなりませんときにおきましての、農家酪農の問題と申しますか、酪農業の問題は大きい問題でございますが、岡山縣はそこへの一歩を早くから努力しておりますことにおきまして、非常に私共に考えさせるものが多うございまして、今当面している問題が又そういう以上のような問題でございましたようなことにおきまして、折角努力効果を挙げずに機会が眠つていなければならない立場にありますことを非常に國家のためにも惜しいことだと思つて帰りました次第でございます。  只今の二方面のことが一番目立つた又縣として非常に他の縣に優れた面におきまして一層しつかり活かして貰いますれば、縣としましても又國のためにもいいんじやないかというふうなことを感じて参りました次第でございます。
  4. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 次に島根縣報告木内委員から、山口縣報告安達委員からお願いすることになつておりましたが、両氏共見えませんので私が代つて記憶に存するところを簡單に御報告申上げたいと思います。  厚生行政に関する地方機構状況でありますが、これは各地とも大体一樣であるから省略いたしますが、ただ山口縣で聞きました中に、兒童福祉法実施に伴いまして兒童課というものを設けたのであるが、ここに働きます何といいますか從事者に対しまする給料というものが、基本給半額だけ國庫から補助になつておる、この基本給半額補助ということは全く無意味であり、もう少し國庫補助を増して貰いたいというような要求山口縣でありました。それから新法の実施に伴いますることでありますが、兒童福祉法のことにつきましてはすでに各地方の事情について御報告のあつた通りであります。山口縣におきましても島根縣におきましても同樣でありまして別段変つたことはございません。ただ着々として法実施に伴いまする準備が進められつつありました。  それから災害救助法のことでありますが、これも救助隊編成であるとか対策協議会委員の構成であるとかいうようなものは、大体各地とも終了いたしておりまして、岡山縣では御承知の通り牛窓事件といいますか、牛窓沖におきまして女王丸が遭難いたしましたことがありましたが、そのときに初めて災害救助法による救助隊の十分なる活動を見て、この成果を挙げたような報告を受けました。それからこれは視察中ではありませんが、これに関連して私一言申上げて置きたいのは、災害救助法の施行に伴いまして日本赤十字社が奉仕團組織することになつておりますが、この奉仕團組織につきましてはとかく非難の声が各地にあるやに聞いておるのでありますから、当局においても十分留意せられることが必要だと感じます。  それから日本医療團の解散後の処理につきましては、大体各地におきまして順調に進んでおるようであります。  保健所法改正に伴いますその後の改正でありますが、我々が保健所改正に協賛を與えました氣持というものが十分に各保健所において実現しておらない憾みがあるのであります。例えば保健婦定員増加の問題にいたしましてもまだ不十分でありますし、保健所活動というものもまだまだ改正精神に副い兼ねている点が多々あると思います。今後一層の努力を要するものと考えるのであります。殊にこの保健所に働く人々、これは保健所ばかりでなく、國立病院等にもあることでありますが、從事員の待遇というものを一層向上せしめなければ所期の目的を達することができないのではあるまいかと考えられるのでありますが、いずれにいたしましても保健所機構をもつと拡充し、そしてこの予算を増額することが必要であります。又戰災保健所復興等も十分に徹底して行われていない所もありますが、これらに対しましても國庫補助を以ちまして、速かなる復興を図つて貰いたいと考えておる次第であります。  それから病院事柄につきましてただ一つ山口縣徳山におきまして、徳山保健所に附属しまする徳山博愛病院という病院がありますが、この病院アメリカ等において行われておりまするいわゆるオープンシステム組織を採入れて非常に成績を挙げつつあるということを御報告申上げたいのであります。徳山におきましては、殆んど全市罹災いたしまして関係からいたしまして、全医師が起ち上ることがなかなか容易でなかつた事情等がそうさせたと思うのでありますが、徳山保健所に附属設立せられておりまする徳山博愛病院というものをオープンシステムによりまして全市の医師がこれを共同に利用しまして、各個人が設備しまする設備等もしないで、皆博愛病院施設を充実いたしまして、そうしてそこの医意各地の開業医が交替で以て勤める。看護婦さんも同樣なふうに勤めさせる。そうして医者が取扱つておりまする患者も入院の必要のある者はそこに入院せしめて、そうして関係しておりまする医者全部が共同の責任においてそれを癒してやるといつたように新らしい方法を採用しておられるのであります。私もこういう組織というものができるだけ全國に普及することを望ましいと感じた次第であります。  それから結核予防対策としての諸般の事柄につきましても報告を省略いたしますが、島根縣におきまして乾燥BCGをできるだけ多く造つて貰いたいという要望がありました。これは結核予防対策として極めて重要な事柄であると考えるのであります。各地ともBCG接種は相当盛んに行われておるようであります。そういつた関係でありましよう。これは全國的な統計を見ましても最近結核患者の数というものが減少しつつあるようであります。殊にこのBCG接種年齢の層におきまして、それが顯著に現われておるようであります。性病予防のことについても大体各地とも同樣であろうと思いますから、これを省略いたします。  それから序でに医療の関係で申上げて置きたいのは今河崎委員から報告になりました岡山縣においても同樣でありましたが、山口縣におきましても大体今日無医村というものは解消せられておる状態であります。殊に岡山縣のごときはむしろ医師の過剩の状態を現わしておるようであります。都市衞生の問題中、上下水道の問題であります。島根縣におきましては松江、出雲、濱田三市とも大体上水設備がありますが未だ下水設備がありません。それから山口縣に参りましても、上水設備は一二見ておりますけれども、下水設備はまだどこもできておりません。かような状態は國においても更に更に関心を持つてこれが充実して行かなければならんと考えるのであります。國民保健衞生の上からは上水下水ともに重要な関係を持つておるということは閑却してはならないのであります。山口の萩におきましては、市内を流れておりまする新堀川、これは非常に汚泥が堆積いたしまして不潔な状態になつておりますが、二ケ年の継続工事としてこれの浚渫に著手すると言つておりました。誠に結構なことと考えます。勿論これは國庫補助によつてやる計画であります。又萩市におきましては、上水の問題におきましても、今日時間給水をやつておりますが、そういうことのないように上水工事の拡張を現に行いつつありまして、資材等も十分に用意がせられてあるような状態であります。  それから医藥品衞生材料関係におきましては、各地とも医藥品がまだ十分でないという現状とどこでも同じことだろうと思うのであります。製藥材料にいたしましてもまだ十分に思うような入手ができないというような状態に置かれておるようでありまして、尚一段と改善を要するものがあるわけであります。  それから生活保護法でありますが、これもどこでも大体同じことだろうと思いますが、第一に給付金というものの額を引上げて行かなければならんようなことが考えられます。それから濫給というものが相当に行われておるのではないかということが考えられます。それは或る所で要保護者というものを十分に調査いたしました結果、保護の必要がないと認められた者が相当あつたという報告を受けております。  それから民生委員制度並びに民生委員の改選についてでありますが、これも大体各地とも同じようなことだろうと考えますが、各地において婦人委員進出要望される声は聞いたのでありますけれども、選出の結果においては、その希望を充すような状態にまで達していないのであります。甚だ遺憾とするところであります。併しながら從來に比べますると、その進出が著しいものがあることは、これは認めなければなりません。ただ私共はなぜ婦人進出が意のごとくにならなかつたのであろうかということについて、いろいろ見聞して見まするのに、これは日本家庭生活改善に持たなければならんものが一つあると思うのです。日本家庭生活の実情からいたしまして婦人がそういつた方面に進出することを不可能な状態に置いておるということが重要な一つ原因であると思います。婦人の間にそういう点について覚醒しつつあり、進出したいと考えておる者が段々殖えておるようでありますけれども、それが現実において殖えて來ないのは、日本家庭生活というものが、婦人社会に解放するような状態に置かれていないことが一つ原因であるやに考えて見たのであります。それから民生委員事柄につきましては、この民生委員指導、專任の職員というものを各縣の地方事務所に増員する必要がないかと考えました。それから民生委員待遇につきましても、今のような待請では甚だ不十分ではないかと思われます。それから又民生委員活動しまする経費推薦委員会経費、そういうものも甚だ少額であつて、十分な活動をするのに不十分であるのではないかと考えられた次第であります。  それから全般を通じまして、私設、公営を通じて、社会事業というものが都市に偏在しておるように私は見たのであります。もう少し農村方面にも農村社会事業というものが振興を図らなければならんと考えたのであります。保育所施設等農村にも相当普及しつつありまするけれども、まだまだ不十分である域を脱していないと考えるのであります。  それから報告は前後いたしまするが國立病院につきましても、市町村負担金が今日一割である。併し又これは一應分與税という形において還つて來るようなふうにもなつておりまするけれども、その区分が甚だ不明であるから、もう少しこれをはつきりとこの区分をして貰いたい、それから市町村負担金をできるだけ軽減して國庫負担を増して貰いたいという要求、それからこの施設收容所扶助費というものが市町村負担になつておるのを廃止して貰いたいということ、それからその他生活扶助以外の扶助費、例えば授産であるとか、或いは成業扶助であるとか、或いは葬祭扶助であるとかいうような金をもう少し増額する必要がある。更に又一時扶助金の範囲も拡大してその限度を引上げて貰いたいというような要望國立病院患者並びに從事者の方からそういう要望がありました。  それから各地授産所視察いたしまして感じましたことは、今日授産所厚生省の下におきまする授産所としては、この授産に必要なる資材入手が十分でない、むしろそれは労働省関係失業対策その他によつた方資材入手が樂であるといつたような面があつたり、今日の授産施設につきましてはまだまだ檢討を要するものが多々あると考えたのであります。  それから私は実は最初に計画によりまする日程を終了しました後に、山下委員の要請などもありまして、廣島縣を二日間視察をいたしまして、廣島戰災兒育成所、これは山下委員の経営しておられるところでありますが、この戰災兒育成所、それから六万学園引揚者孤兒を收容しておりまする新生学園母子寮授産所並びに戰災兒教育所としての似島学園等視察して参りました。これらの施設は第一國会中において出張せられました委員によつて十分に御視察なつたところでありますが、私その際参加しておりませんので一ケ年の間にどのように成長を遂げられたかという比較を申上げることが十分にはできないのでありますが、報告によりますると、似島学園のごときも非常にその規模が拡大せられ、施設が拡充せられておるようであります。その他につきましても廣島全体においてかくのごとき施設が段々と充実せられて來つつあることが窺われたのであります。殊に廣島におきましてまだ建築中でありまして、中は見ませんでしたけれども、廣島市の兒童文化会館という豪壯なものが建設せられつつあるのを見たのであります。敷地が四百五十坪ありまして、工費が六百五十万円の予算を以ちまして、兒童文化会館が建設中でありました。これは先月工事が竣成して開館式が挙げられた筈であります。これは実に立派な施設たることをその外観から見て窺い知ることができたのであります。  大体以上を以ちまして、十分とは言えませんが、時間の関係等もありまして一應素通り視察した状況を御報告申上げた次第であります。  つきましては、本日政府委員といたしまして、公衆保健局長の三木氏、それから説明員といたしまして公衆保健局保健課長の楠本氏、同じく栄養課員の池田氏、それから兒童局の事務官の徳永氏、社会局庶務課長の水野氏、保健局事務官の仲田氏、以上の方々が見えております。この際同じく説明員といたしまして医務局藥務課事務官山田氏、技官大石氏、製藥課事務官戸川氏、技官奥富氏、以上見えております。つきましては暫くの間皆さんが視察せられました結果について、当局から何かお伺いし、且つ又皆さんから質問等がありましたらこの機会に政府委員お話願います。
  5. 草葉隆圓君(草葉隆圓)

    ○草葉隆圓君 その視察の結果による本省なんかの方針その他について伺つてよろしうございますか。
  6. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) どうぞ。
  7. 草葉隆圓君(草葉隆圓)

    ○草葉隆圓君 それでは前囘の委員会に私ちよつと差支えて出ませんでしたが、その報告の詳細を、或いは重複しておるかも知れませんけれども、二三の点につきまして、特に政府委員関係の方にお尋ねをし、又その御意見等を拜承いたしたいと思います。  第一は、ややもすると立法の精神が行政を通じてやつた場合に、十分徹底をいたしておらないという感を持つたのであります。殊に兒童福祉法実施につきましてはその感を深くいたしたのでございますが、これは詳細な実例について二、三を上げて御説明を申上げると徹底するとも存じまするけれども、この際は余り時間を取りますのでそれは割愛いたしたいと存じまするが例えば府縣の府縣廳でいろいろな兒童福祉法実施についての指示等がありまする場合におきましても、直ちにそれが十分なる法の実施地方においてはできにくいような指示が現実において或いはなされ、或いは準備不十分等のために地方は随分困つておるという状態でありました。現にまだその中においても未解決等の部分もあるようであります。殊に大都市を控えておりまする府縣等におきましては、或いは民生部の所管に属する事務なる或いは衞生部の主管する事務なりについての本省の指示の上において、誠に遺憾な点が多々ありはしないかと考えられて、從つてそのために随分府縣では困つておる。これはまあ直接兒童福祉法関係についての問題であります。第二の問題は、これ又同樣行政の明確さを欠くために、地方廳においては随分困難をしておる問題、或いは住宅の建設についての問題、仮に一例を取りますと水道の監督指導についての問題等につきましても、厚生省と建設院との行き方の上において随分重複をし、ダブつており、或いは明確なる事務の分担が不十分なのがありはしないか、從つて府縣並びに水道を持つておる都市では誠に困つておる実例であります。これもこの程度でより以上の説明は割愛さして頂きますが、まあそういう状態になつております。こういう問題につきましては、もう少し何か実際の問題としてやり得ないかどうか。殊に第一に申上げた問題等は、これは十分厚生省自体において、一つ連絡提携なり方針をお定め願うと、そのために地方廳は随分た易く兒童福祉法実施等ができ又準備等もできるのではないか。これはいろいろな方面関係もある場合もありましようが、私の聞き及びましたところでは、むしろ内部的な問題においての困難性が相当あるように伺つておるのであります。それからもう一つは第三の問題といたしまして、極く全体としまして、從來の社会事業社会施設に対する政府の態度方針というものは、或いはこの新憲法以後におきましては相当変つて來たと存じまするし、又変つて來ることが妥当であると存じまするが、併しそれは必ずしも監督権限を振廻して、そうしてやつて行く行かんという問題ではなく、やはり政府として一つの法制の実施についての責任を持つて行く、行政についての責任を持つて行く場合におきましては、やはり十分その法律の精神が徹底するような指導と助力とを地方にして頂く方が必要ではないか。然るにどうかいたしますと、殆んど地方には如何なる施設が如何なる内容を以てやられておるかということすら中央で御存じないような結果が地方で見られておる。これは誠に遺憾ではないか。府縣等によりましては、全く独善的な行き方でこれが最上なりとしてやられておる。たまたま我々が見ますると、誠に遺憾な状態のものがある。さようなふうな考えを以てやられておる現実を一、二見たのであります。將來希くはもう少し地方の実態についての易しい御援助と申しますか、本当の指導というようなことは妥当ではないかも知りませんが、法律が十分に、そうしてその精神が正しく執行されるような、行政的な諸々の処置をもう少し政府においてお取り願いたい、そういう氣持を相当強くいたして視察を終つて参つたのであります。一々具体的に申上げることを差し控えたわけでございますが、以上のような点につきまして、殊に現在の問題將來の問題についての政府のお考えを承ると結構だと存じます。
  8. 中平常太郎君(中平常太郎)

    ○中平常太郎君 質問がありますが、今の答弁の後にしましようか。
  9. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 兒童福祉の関係なら一緒にして下さい。
  10. 中平常太郎君(中平常太郎)

    ○中平常太郎君 衣料の問題です。
  11. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 兒童局の方から局長は今日見えておりませんから、徳永事務官にとりまして責任を以て断言することができないような事柄でありますから、機会を変えて後日にいたします。
  12. 中平常太郎君(中平常太郎)

    ○中平常太郎君 今草葉委員お話なつたことは悉く私もそう感ずるのでありまして、この点はあとから又政府当局から責任のあるお答えを願つていいと思いますが、私はこの際、鹿兒島縣の敬愛園、國立の癩療養所の問題だけを具体的に政府要望し、又質問したいと思うのであります。簡單に要領だけ申上げます。  敬愛園は國立癩療養所といたしましては実に立派な癩の收容施設でありまして、今八百五十人程入つておるのでありまするが、その國立療養所にはいわゆる一つの危機が迫つておるような氣がいたして帰つたのであります。この点を政府はどう処理するか、第一番に職員の待遇法でありますが、看護婦は減少する一方であります。正規の看護婦というものは僅かに十二名しかおらん、四十何名は何だか分らないような恰好で臨時にやつておるというものである。それから医者がどうも轉任を好んで、一人の医者を足留めする際にはとてもやり切れない程院長が慰留慰問に掛かつておるけれども、それでも子供の教育の関係上出て行くと言う。癩療養所は元來一般に好まれていないのであります。職員に今の待遇に対して相当なよい待遇を與えなければそこにおつて呉れない。然るに今日の官公職の待遇法というものは癩療養所の人なるが故に、といつて十分なる、余分なる待遇が與えられていないのであります。そのためにこれを嫌つて他の方面に轉職せんとする者が踵を接して出て來るという状態でございまして、これは実際癩療養所の危機が迫つたような感じがしたのであります。  それから入院者の中で夫婦舎が誠に少い。それであそこは一つの民主的慣例といいましようか、あそこに入つて後に夫婦関係ができて來るのでありますが、とかくそういうことで順々にどうもできて來るらしい、入院者の関係でそういうふうになつて行くのでありますが、一室に三組四組の夫婦の者が生活しておるのであります。これは夫婦舎を三疊敷でもよろしい。一組ずつの夫婦舎をしてやらないと、病院で夫婦になることを認めておるのに、それを六疊の間や八疊の間に二組三組の夫婦を入れて置くということは人道上許すべからざることであると思うのであります。それが相変らず行われておつて、そのままに慣習的になつておるということは、どうしても忍ぶべからざることでありまして、入院患者からも強くこの夫婦舎の新設を要望されておりましたことは無理からんことであると思うのでありますが、この点は政府当局といたしましても、粗末でもよろしい、三疊敷でもよろしい、夫婦舎を作つて、いわゆる夫婦生活のできるようにしてやることが極めて必要であると思うのであります。これは卒直に申上げて置きますが、成るべく早く実行されて頂きたいと思うのであります。  それから作業をいたしましても、一日十円ぐらいの作業費しか取れないのでありますが、あれでは小遣いも足りない。インフレの今日患者の作業費が十円ではどうしてもいけない。又その作業費の値上げをする必要がある。次にもう一つは慰安費というものは額が一ケ年四十円、月に三円なんぼですがこれが患者の慰安費です。彼らは彼ら自体慰安をすることさえもできない。悲観に陥り勝ちな患者であるのでありますから、この慰安費というものはもつと増額する必要がある。書物なんぞも入れてやつて十分慰安材料というものはやつてやらんというと、実際それでなくとも悲観に陥り易い病氣でありまするから、この点は慰安費の四十円なんというのは余り兒戯に類したものであると思うのであります。それから結核患者があるのでありますが、これが病棟が新設されていない。ごちやごちやになつて今ではおります。患者の中には結核の者と結核でない者とがございます。この点は十分に結核の者は別の病棟でやる必要があると思うのであります。  それから子供保育所の將來が甚だ氣遺われる点にありますが、これももう少しよく考えて、まあ今のところ小さい生垣を以て区別いたしまして、職員の方の子供保育所患者保育所とは別になつておりますが、これはもう極めて危險性があり得るのであります。そういう点なども改正することは職員を優遇する意味において必要があると思うのであります。  ともかくあの敬愛園は立派な施設でありまして、幸いにして患者割合朗らかにやつておりますから、どうかそういうふうなところを改正してやるなれば非常に患者が喜ぶことであると思います。職員の待遇につきましても、どうしてもこれは一つその種類のものとして特に優遇の途を講じられない限り、看護婦でも職員でもなくなる一方であつて、八百人も千人もおろうという患者を入れておるその職員に対して一大危機が迫つておると感じたのでありますから、どうぞこの点を早く事の起きない中に善処されることを希望いたします。他に沢山話すこともありますけれども、今日はこの敬愛園のことだけを一つ申上げて置きます。
  13. 谷口弥三郎君(谷口弥三郎)

    ○谷口弥三郎君 敬愛園のことでちよつと附加えます。只今中平議員から敬愛園のお話がございましたが、私も至極同感でございます。尚もう一つ附加えて序でにお聞きしたいのですが、療養所の患者希望でございますが、御承知のように癩の治療藥というのは現在ありませんために、まあこれまで大風子油が用いられておつたのでありますが、併し患者用として大風子油は非常に困乏しておる。この大風子油がこれまでの配給量よりか非常に少いのでそれに対する希望が満たされぬために余程大風子油の増額を切望しておつたのであります。併し今の事態ですから大風子油がなかなかむずかしいということも私共存じておりますが、最近御承知のように紅波が癩病に、殊に結節性の癩にはかなりの効果があるということは、熊本の癩療養所で宮崎所長あたりが頻りと実驗して、研究した結果を発表しておるところによりますと、かなりの効果がありますからして、却つて私共は大風子油より紅波の方がよいと思つておる状況でございますから從つてそういうようなやつができればこれも一つ折角まああすこに入つて一生暮そうという人間で、而も治療藥のできることを切望しておるのでありますから、是非一つ紅波くらいはおやりになるようなふうの、これはまあ予算関係もございましようが、そういうところにまでやつて頂いたら非常に結構であるということを一應附加えて置きたいと思います。尚外の方から……。
  14. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 今の癩予防並びに癩患者收容所の諸般の問題につきましては、本日予防局長が見えておりませんので、事務官の方から今の質問の点をお傳え願いまして、次囘に御答弁願いたいと思います。(「よろしいです」と呼ぶ者あり)それから私の報告の中で大分漏れておるものがありますが、特に重要な点だけ一つ補足して置きたいと思います。各地におきまして國民健康保險の運営状況が甚だ悲観すべき状態にあつて、これは何とか再建するようなふうに努力しなければならないということが痛切に考えられたのであります。大体今ありまする國民健康保險の組合のうち約半数のものが大体どうなりこうなり活動しておりますが、その他の半数即ち四分の一くらいのものは休止の状態にあり、四分の一くらいのものは甚だ不振の状態に置かれておるというのが大体の今日の姿であります。これにつきましては何とか起死囘生の方法を講ずるような必要があると思うのであります。各地におきましてもこの点について政府の一段の努力を要請するように要望されておつたのでございます。その方法としましては第一この國民健康保險法の趣旨の徹底が不十分である。即ち組合員が國民健康保險法というものが如何なるものであるかということの理解が足りないということが一つ原因であろうと思いますので、この点について一段と國民健康保險法の趣旨の普及徹底ということに努力する必要がある。それから今日の保險料というものが甚だ今日の経済諸事情から見まして低き状態にある。そうして医療費というものが非常に高まつて、医療費の高きに比して保險料の徴收が少額であるということが組合の経済をして困難ならしめておるのでありますから、この点は又同時に國民健康保險法の趣旨の徹底が足らないために、保險料を増徴することができない事情も併せてあるわけであります。そこで第一番には保險料を増徴するということのできるような状態に持つて行かなければなりませんが、更に又國といたしましては、これらの補助金というものを増額する必要があることが認められるのであります。それからこの活動しつつある組合、不振な不活溌な組合、或いは全然活動しておらない組合、こういうようなものは一樣に建直すということは甚だ困難でありましようから、それぞれに適当するところの方策を講ずる必要があると考えるのであります。この点につきましては政府の方で大体の方針がすでにできたようであります。大体國民健康保險法は市町村の経営に移す。そうして市町村がやるとやらないとは任意であるけれども、市町村がこれをやるについてはその一定地域の強制加入を必要とするといつたような方法で以て、建直しを図ろうとなさつておるように伺つておるのであります。それも一つ方法でありますが、やはり國庫補助金を増すということも併せて行われなければ、それだけでは到底今日の健康保健を建直して行くことができないのではないかと考えられます。  それからもう一つの点は、住宅問題についての報告を落しましたが、これは戰災を受けました府縣、都市におきましては、これはもう説明するまでもないところでありますが、島根縣のごとき非戰災縣におきましても、やはり住宅問題は非常な苦しい状態に置かれておることの報告を聞いたのであります。それは引揚者が非常に増したこと或いは都会における罹災者が帰村したこと、帰郷したことなどからいたしまして、やはり住宅の拂底に悩んでおる。島根縣のごとき非戰災縣におきましても今日約三万戸の住宅不足の状態に置かれておるようであります。政府といたしましても、住宅問題の解決に一段の努力を要することを痛感した次第であります。以上補足して置きます。
  15. 宮城タマヨ君(宮城タマヨ)

    ○宮城タマヨ君 今日は厚生省の医藥に関係していらつしやる方が見えておられるようでありますから、ひと口お願いして置きたいことがございます。それはこの間四月の中頃から二週間程私は九州全体の刑務所を視察して参りましたのでございますが、どこの刑務所へ参りましても異口同音に訴えられますことは、病人に対しての藥の不足しておりますことでございます。殊に今非常に盛んで困つておりまする性病、それから結核、この二つに対します藥が殊に不足しておりますので何とかならないかということでございますがどこの刑務所も過剩拘禁でございまして、そこで性病なんかとつても言葉にも盡されないような惨憺たる樣子なのでございますから、おむずかしいことでございますけれども、刑務所の方にも何とかして一つ藥を廻して頂きたいということを、この際特にお願い申上げて置きます。
  16. 河崎ナツ君(河崎ナツ)

    河崎ナツ君 そのことでちよつと私も……。私はこの間から四月にずつと四國、山口縣の繊維産業の工場をずつと廻りましたのでございますが、やはりそちらでは随分沢山工場に宿舍生活して、密集した生活をいたしておりますが、そこでやはり藥の方で、女の子ばかりですから脱脂綿の問題、それから虫下し、それからちよつと私この問題が出ると思いますが、もう一つございますのですが……そういうふうなものをどうかああいう集團生活の所へ特に御配慮を願いますように、もう一項目後で申上げることにいたしまして、是非御考慮願いたいということを伺つて参りました。それと一緒に藥のことで虫下しが工場へも出ておりますのですけれども、他の方でも虫下しの問題が、殊に私は日教組の方の関係で、教員組合の人達と面接いたしまして、子供たちの虫下しの問題をしよつちゆう聞かれるのでございますが、この間十七トン沢山虫下しがアメリカから日本厚生省を通して來たのじやございませんでしようか。あの藥はどちらの方にお使いになるのでしようか。この間或る保健所に参りましたら、保健所厚生関係の人が來ており、村の欲しい人達に分けてもいいのじやないかと言われておりましたと言つておりますが、厚生省としましてはあの纒つた藥をどういうふうに國民に飮ませようと思うのでございましようか。そんなことを少し伺いまして、こちらのお願いも申上げたいと思うのでございます。
  17. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) それでは今の宮城委員河崎委員の質問に対しましては医務局藥務課の大石技官から御答弁を願います。
  18. 説明員(大石稔君)(大石稔)

    説明員(大石稔君) 藥務課の大石でございます。只今医藥品の話が相当出ましたが、これに対しまして、先程大風子油のお話もございましたが、これは厚生省で医務局の整備課でやつておりますから、私の方からそちらに……。  医藥品に関しましては刑務所の方に医藥品を全体に増配するという、こういうお話がございましたが、これは特に性病用、結核につきましては……最近特に性病の方の藥は増産されまして例えばスルフア・チアゾールは國内の生産だけで十分間に合うという状態にまで参りまして、二十三年度のスルフア・チアゾールの藥は輸入計画から落している、こういう状態であります。これは大体十二トン輸入懇請は前年通りやるということを決定して、司令部と折衝に行つたわけであります。それからこれに対しましては特に刑務所の方に少いという話もありましたが、我々といたしましてもこういつた点は、特に医藥品配給状態に関しましては縣の方へ通知を出しまして、刑務所の方に相当なる医藥品を出す、殊に性病の藥を出し得るということは確言できると思います。問題は結核の藥でありますが、今のところいろいろな生産から見まして、そういう確約はできないと思います。ただ性病の藥はチアゾールを例に採つて見ましても、そういう状態でありますから、それはできるとこう思います。  それから虫下しの話なのでありますが、只今十七トンが入つた、こういうお話でありますが、我々としまても十七トンのヘキシル・レゾルシンをアメリカの方から二十三年度に懇請いたしまして十七トン入れるという了解を得ただけでありまして、未だに現物は入つておりません。サントニンはアメリカの方の好意によつてつているのでありまして、十七トンというのは二十三年度の懇請の数量でありまして、これは九月十月に遅くとも入ると思つております。これは只今司令部の方と配給方法を決定しつつあります。一週間以内に決定いたしまして、國内の生産と同樣に、輸入のものも流したいと思つております。サントニンに関しましては國産の方も相当生産されまして、第一・四半期におきまして四月から六月までに大体千四百万錠各府縣に配給いたしました、第四・四半期即ち一月二月三月分としまして、一千万錠現在各府縣に配給している次第であります。大体國内の生産もずつと上りまして、最近京都の日本新藥の方で月産四百万錠は完全にできる、こういう状態でありまして、今後の輸入の虫下しの方も十七トンと共にどんどん解決されて行くのじやないか、こう思つております。
  19. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  20. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 速記を取つて下さい。山口縣の岩國、徳山、宇部、下関の各戰災保健所、そのうち徳山保健所に対しまする工事費九十八万円のうち昨年國庫補助として二十六万円出された。あとの岩國、宇部、下関等の保健所の復旧を漸次進めて行きたいので、これに対しても國庫補助を交付して呉れという希望がありましたが、これはただに山口縣だけではなく、各府縣にも同樣の希望が沢山あろうと思うのでありますが、二十三年度予算でこの戰災保健所復興費はどのくらい計上されてありますか。
  21. 政府委員(三木行治君)(三木行治)

    政府委員(三木行治君) 戰災保健所復興につきましては、今年度予算におきまして、二十三年度の公共事業費といたしまして百八ケ所を要求いたしました。金額といたしまして二億九千万円でございますが、それが尚目下折衝で中ございまして、最後的に決つておりません。決りましたならば、早速これを地方廳に補助支給をいたしたいかように考えておる次第でございます。
  22. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 時間の関係がありますので、兒童局関係、予防局関係の答弁、これに対しまする又質疑等を次囘に延しまして、本日は調査報告に関しまする質疑をこの程度で終りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) この機会に前囘の申合せによりまして、本日までに出ておりまする請願並びに陳情等をそれぞれ小委員会に付託したいと思います。医療小委員会に請願第八号、同八十九号、同百十三号、同三百四十九号同三百九十九号、同四百四十号、同四百九十一号、同四百九十三号、同五百十五号、同五百六十三号、同六百二十六号、同じく六百三十一号、同じく六百四十号、以上十三件を医療小委員会に付託することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。さように決しました。  次に陳情第二十五号同じく百四十六号、同じく百五十七号、同じく百六十五号、同じく百八十五号、同じく百八十七号、同じく二百一号、同じく二百二十三号、同じく二百五十七号、同じく二百九十八号、同じく三百二号、同じく三百十四号、同じく三百十七号、以上の陳情を医療小委員会に付託することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 御異議ないと認めます。以上を決しました。  請願第百六十八号、同じく二百四十五号、同じく二百六十四号、以上の三件を住宅小委員会に付託することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。以上三件を住宅小委員会に付託いたします。  陳情第五十一号、同じく第五十六号、第百九号、第二百三十四号、第三百三十三号、以上五件を住宅小委員会に付託することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。よつて以上五件を住宅小委員会に付託いたします。  請願第三百六十六号、第六百六十四号、以上二件を社会事業振興に関する小委員会に付託することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。よつて以上二件を社会事業振興に関する小委員会に付託いたします。  陳情第五十七号、第七十一号、第百三号、第二百十二号、第三百二十三号以上五件を社会事業振興に関する調査小委員会に付託することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。以上五件を社会事業振興調査に関する小委員会に付託いたします。  請願第二十四号、第三十九号、第七十八号、第三百二十三号、第三百七十五号、第五百十八号、第五百十九号、第六百四十四号、第六百四十七号、第六百八十八号、以上十件を厚生委員会において審議することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。  尚陳情といたしまして他に六件出ておりますが、これは厚生委員会において審議することにいたします。  この際小林君より発言を求めておりますので、許可いたします。
  31. 小林勝馬君(小林勝馬)

    ○小林勝馬君 先般來療術行為をすることが禁じられて困るというような陳情、請願その他各議員に対しましていろいろ申出があるようでございます。本厚生委員会の委員の皆樣方は昨年第一國会において審議、審査いたしました「あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法案」によりまして、よく御承知のことと思いますけれども、非常にこの問題につきまして、各議員から問合せがあるようでありますから、是非とも皆樣方から各議員の方々に御説明願いたいとかように思うのでございます。現在葉書その他によりまして、皆樣方にお願い出ておりまする人々はあん摩、はり、きゆう法案の第十九條によりまして、昭和三十年まで存続を許可されておりまするところの指圧療法その他療術行爲の人々でありましてあん摩、はり、きゆうの人が、尚又禁止せられて困るという問題とは全然違うのでありますから、或る議員のごときは盲人の人が折角昨年法律を作つてやつたと思つておるのに、また禁止されたというような誤解をされておる方方が非常に多いのでございますから、その点を皆さんから、この厚生委員の皆樣方はよく承知の筈でありますからよく各会派におきまして御説明を願いたい、かように思いますので、一言ちよつと御説明して置きたいと思うのでございます。以上でございます。
  32. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) それから私から一つ報告を申述べて置きます。実は兒童福祉法実施に伴いまする予算が目下編成中でありますが、聞き及びまするところによりますと、兒童局から要求いたしておりまする予算というものが、大幅に削減の運命に陷るがごとき情勢にありやに道途傳えられますので、これが眞相如何、そういうことがあつては相成らんと考えまして十一日でありましたか、在京の方々のお集まりを願いまして、いろいろこれについての協議をいたしたのであります。それから十二日、兒童局長の出席を求めまして、予算編成の経過についての説明を聽取いたしました。更に十三日、大藏政務次官、安本政務次官の出席を求めまして、この予算要求通り予算編成の中に入れられるように我々からいろいろお話申上げたのであります。そういうような事柄がありましたが、在京の委員各位は少数でありまして、御存じない方もあつたかと考えますので、以上の事柄があつたということだけ御報告申上げて置きたいのでございます。詳しい事情は、時間がございませんので申上げ兼ねますが、重要な点三つだけ申上げますと、兒童相談所及び一時保護所であります。これの中央相談所を三十六ケ所、一時保護所を三十六ケ所、これの予算額四億四千四百六十四万円、そのうち國庫補助を要する額二千二百三十二万円というものが、大体削減のような状況にあります。それから保育所及び母子寮、この関係におきまして、一部要求が通つておりますが、尚保育所において百六十五ケ所、母子寮において六十六ケ所の設置が、予算から削られるような状況にあるのであります。これに要する國庫の方の補助額は一億二千四百十七万五千円であります。それから乳兒院三十ケ所設置の経費國庫補助額千五百万円以上のものが行悩みの状態に置かれておるのであります。大藏政務次官並びに安本政務次官から聞き及びますと、これらのものにつきましてもいろいろな込み入つた経緯があるようであります。この点につきましては尚兒童局の局長等から詳細に説明を聞きまして善処したいと考えておるような状態でございます。以上簡單に御報告申上げます。
  33. 宮城タマヨ君(宮城タマヨ)

    ○宮城タマヨ君 この問題は、大変大事な問題でありますから、次官でなくて、関係閣僚にお出でを願つて、一度よく伺つて見たら如何なものでございましようか。たびたびでは御迷惑でございますから、衆参両院の厚生委員会の者が一緒でも結構だと思いますけれども、是非そうお願いしたいのでございます。
  34. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 実は十二、十三日各大臣の出席を要求したのでありますが、それぞれ事情があつて目的を達することができず、止むを得ず、次官に我々の意をお傳えするというような状況に止まつておるのでありますから今宮城委員から仰せになりましたように、これは非常に大事な問題でございますから、適当な機会に適当な方法を講じたいと思います。
  35. 宮城タマヨ君(宮城タマヨ)

    ○宮城タマヨ君 賛成であります。
  36. 小杉イ子君(小杉イ子)

    ○小杉イ子君 井上委員も、先程から感想を申出られたい御希望でありますが、私もああいう長いことを申上げましたが、一言感想希望を申述べたいと思います。申込んで置きますから、この次にどうぞ発言する機会を與えて欲しいと思います。
  37. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  38. 委員長(塚本重藏君)(塚本重藏)

    委員長塚本重藏君) 速記を始めて。本日はこれを以て散会いたします。次囘は公報を以てお知らせいたします。    午後零時八分散会  出席者は左の通り。    委員長     塚本 重藏君    理事            谷口弥三郎君            宮城タマヨ君    委員            河崎 ナツ君            中平常太郎君            三木 治朗君            草葉 隆圓君            中山 壽彦君            小林 勝馬君            小杉 イ子君            山下 義信君            井上なつゑ君            小川 友三君   政府委員    厚 生 技 官    (公衆保健局    長)      三木 行治君   説明員    厚 生 技 官    (医務局藥務課    勤務)     大石  稔君