○國務
大臣(竹田儀一君)
只今議題となりました
厚生省官制の一部を改正する
法律案について、
提案の
理由を御
説明申上げます。
本
法律案は從來の厚生省における衛生行政
機構は、公衆保健局、医務局、予防局及び引揚援護院検疫局の四局でありましたが、その後の衛生行政の進展に伴い、この一部を改める必要が生じて参
つたので、ここに
厚生省官制の一部を改正しようとするものであります。
本
法律案の要点は、先ず藥務局の
設置であります。現下の医療問題の溢路の
一つは医薬品の不足と高價な点であり、良質低廉な医薬品の生産供給は、
國民の医療を確保するため最も重要な問題であるのみならず、医薬品及び医療
器具機械の生産は有望な輸出産業の
一つであ
つて、今後積極的に生産の増強を図る要があるのでありますが、このためには、薬学的又は医学的見地からの指導、監督に止まらず、生産に必要な金融、資材及び配給、輸出入等に関する経済的な問題について、もつと積極的な措置を講ずることが要望されておる状態でありますので、医薬品その他医療資材の専管局を局け、薬事行政の強化を図らんとするものでございます。又現在医務局の課題とな
つておりまする医療制度の改善と、全國二百五十に上る國立病院、療養所の
管理処置等の問題の合理的解決のためにも、医務局から薬事行政を切離すことが適当である次第であります。
第二に、現在全國六百七十五ヶ所に上る保健所は第一回
國会を通過した保健所法の
全面的改正によりまして、性格が予防行政の第一線行政機関と
なつた点に鑑み、保健所に関する
事務を公衆保健局から予防局へ移し、
第三に、公衆保健局の
名称を、より実態に即した公衆衛生局に改め、水道、下水道、汚物清掃の
事務は、今後共いよいよ重要性を加える点に鑑み、公衆衛生行政の一環として行うことがより適切であると考えられまするので、これを予防局から公衆衛生局に移そうとするものであります。
第四に、薬務局を新設しても、厚生省全体として行政
機構を拡大せず、且つ、定員及び予算の
増加を來さざるごとき措置を講ずるため、引揚援護院検疫局を廃止する次第であります。尚、検疫局の廃止につきましては、内局たる復員局を解散して引揚援護院に吸収する措置を、総司令部の昨年十二月の指令により、本年五月三十一日までに処理する必要かありましたので、すでにポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く
政令として廃止済みでございます。
以上の行政
機構改革案は、内閣に設けられております臨時行政機樺改革
審議会におきましても、愼重なる
審議の結果可決せられておる次第でございます。
以上
提案の
理由を御
説明申上げた次第でございますが、何卒よろしぐ御
審議下さるようお願い申上げる次第であります。