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1948-06-01 第2回国会 参議院 決算委員会 第15号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十三年六月一日(火曜日)
—————————————
本日の
会議
に付した事件 ○
中小企業廳設置法案
(
内閣提出
、衆
議院送付
) ○
電波物理試驗所
を
電氣試驗所
に統合 する
法律案
(
内閣提出
) ○
決算
の
審議方針
に関する件
—————————————
午前十時三十六分開会
下條康麿
1
○
委員長
(
下條康麿
君)
只今
から
決算委員会
を開きます。
中小企業廳設置法案
を議題といたします。これはすでに商業、
鉱工業等
との
連合委員会
におきまして相当
審議
いたしまして、小
委員会
において
修正案
もできておりますのですが、尚この際若し御
質疑
でもありますれば願いまして、大体
質疑
を終りたいと思いますが、何か御
質疑
はございましようか。……それでは
質疑
は終つたことと考えてよろしうございますか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
下條康麿
2
○
委員長
(
下條康麿
君) それでは
質疑
は終つたものといたします。それではこの
法案
につきまして御
意見
をお述べを願いたいと思いますが、一應
速記
を止めまして、そうしていろいろ懇談したいと思いますが、如何でしようか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
下條康麿
3
○
委員長
(
下條康麿
君)
速記
を止めて。 午前十時三十七分
速記中止
—————
・
—————
午前十一時五分
速記開始
下條康麿
4
○
委員長
(
下條康麿
君)
速記
を始めて。それでは
質疑
は終りましたから
討論
に入るわけでありますが、その前に各党の御
意見
を予めお決め願
つて
置いた方が適当と思われますので、この
中小企業廳設置法案
については、今日はこの程度に止めて置きたいと思います。この際
逓信政務次官
から発言を求められております。
下條恭兵
5
○
政府委員
(
下條恭兵
君)
前回電波物理研究所
と
電氣試驗所
を統合する問題につきまして御
審議
願いましたところ、
前回
におきましては
採決
をお述べになるように御
決定願つたの
でございますけれども、以下申上げますような
理由
によりまして、
逓信省
といたしましては至急御
審議
の上御通過をお願いいたしたいと存じますので、その
理由
を申上げます。 第一番の
理由
といたしましては、
通信事業
における
電波研究
の
國際的協力
の問題でございます。主としまして
短波
を使用する
國際無線通信
のための
電波研究
は、
國際的規模
を要するのでございまして、
研究
の
計画
、
準備
又
実施
は
通信事業体
の中にありまして、その
運用面
と直結することが特に必要でございますと共に、又これが
研究
は
通信施設
の利用を不可欠とするものでありまして、先般の
金環日食
を契機といたしまして、
内外識者
に一日も早くこれを移管することの必要が痛感されて参
つたの
であります。 その二番目といたしましては、
通信障害
の
予報
とその
対策
でございます。
各種
の
無線通信障害
の予知は学術的には最近に至りましては一
應可能性
を認められるに
至つたの
でございますけれども、これを
通信
の
実施
に一日も早く應用して
事業障害
を未然に排除いたしまして、
業務
の円滑な
運営
を図るためには
電波物理
の
研究
を
電氣通信研究
の各
部門
と深く結合しますと共に、細部の
通信系統
に直結いたしまして、その
障害予報
の態勢を急速に整備する必要があるのでございます。かかる
関係
上、
電波物理研究所
の移管の遅延は
事業
の
運営
上から申しましても多大の不利を招來しているのでございます。最近の適例は
太陽黒点
の爆発による
対外通信
の杜絶に対する
研究
の
協力
でございます。若し
電氣試驗所
に吸收してあつたならば、もつと
業務運営
に改善を加え得たであろうと存ぜられるのであります。 その三番目は、
各種
の
國内無線
に超
短波
を採用するための
対策
でございます。
短波無線周波数
の
世界的不足
によりまして、
國内通信
に
短波
が使用できなくなり、その代りに超
短波
を採用せねばならんのは昨年來、世界的に
國際会議
によ
つて
論議せられ、その
実施
は必至の情勢にあるのでございます。そのための
計画
、
実施準備
は本年初頭からすでに進行しつつあるのでございますが、その
準備
といたしまして重要なる部面をなす
電波関係研究部門
が今尚
逓信省
の
管轄外
にありますことは、右の
綜合準備活動
の円滑有効なる遂行に支障を來す虞れがあるのでございます。一日も早く
綜合運営
のできますよう、
関係方面
で希望しておるような次第でございます。以上のような
理由
によりまして、至急御
審議
あらんことを重ねてお願いする次第でございます。
下條康麿
6
○
委員長
(
下條康麿
君) 何かお尋ねございませんか。
山下義信
7
○
山下義信
君
政務次官
以外の方にお聞きしたいのですが、
電氣通信研究
の一元化ということの御趣旨でよく分
つて
おるのでありますが、
無線電信研究所
というものは、あれは
文部省
の方でやられますのですか。
山岸重孝
8
○
説明員
(
山岸重孝
君)
無線電信研究所
は
文部省
でやりますが、
無線電信講習所
でありまして、学校なのでございます。あれは
研究所
ではないのでございまして、
一般
の
無線電信
、例えば船に乗
つて
おりますオペレーターでありますとか、
無線
の機械を操作いたします
技術者
を養成しております
教育機関
に
なつ
ております。
山下義信
9
○
山下義信
君 この
電波物理研究所
というのは
職員
は何人ぐらい居りますか。
山岸重孝
10
○
説明員
(
山岸重孝
君) 全國で三百人くらいでございます。これは全國に
観測所
がございますので、その
職員
全部を合せまして三百名余りでございます。
下條康麿
11
○
委員長
(
下條康麿
君)
本案
はこの前
行政組織法
にある建て方と、この
試驗所
に関する
法律案
の建て方と違うから、
行政組織法
と相俟
つて
審議
すべきものだというようなことにな
つたの
ですが、その点はどういうふうに……、何か考えが変られたのでしようか。
山岸重孝
12
○
説明員
(
山岸重孝
君) その点はこの
電波物理研究所
と
電氣試驗所
を統合する件につきましては、実は
國家行政組織法
がまだ実は
國会
に
提案
される前に問題が起きておりまして、いろいろその他
関係方面等
とも折衝いたしておりまして、
提案
が相当遅れまして、
國家行政組織法
が出たあとにこちらに
提案
に
なつ
たような次第でございますが、まだ
國家行政組織法
が
法律
として成
つて
おりません今日におきまして、この
電波物理研究所
を一日も速やかに
逓信省
の
電氣試驗所
に移管する必要が、今
政務次官
からお話があつたような次第でございますので、その際には
只今
の
建前
といたしまして、二つの省に跨がりまする権限といいますか、
事項
でございまして、
一つ
の省から他の省へ
一つ
の
研究所
が移るという問題でございますので、これは
法律事項
であるということに
只今
のところは一應
なつ
ておりますので、
法律案
として出されておる、こういう
関係
にございます。その点
関係方面
ともいろいろ折衝しました結果、そういう形に出すということになりまして、
只今行政組織法
の問題も出て参りましたので、問題がちよつとその点矛盾するような形に
なつ
ているのでありますが、もともとの形はそういうことで、先へ実は進んでお
つたの
であります。今まで遅れました現実の
建前
から申せば、これを一日も速やかに現実さして頂くためには、
法律
でや
つて
頂くより外はないというのであります。
下條康麿
13
○
委員長
(
下條康麿
君) 大体
質疑
は終つたことにしてよろしうございましようか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
下條康麿
14
○
委員長
(
下條康麿
君) そうしますと、引続き
討論
に入
つて
よろしうございましようか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
下條康麿
15
○
委員長
(
下條康麿
君) どうぞ御
意見
をお述べ願いたいと思います。
小野哲
16
○
小野哲
君 この
法律案
を見ますと、
電波物理研究所
を
電氣試驗所
に統合するということで、
只今政府委員
からの御答弁もありましたような考え方で作られたものと思うのであります。で、この
法律案自体
につきましては、内容その他において別に反対すべき筋合のものでないと考えます。ただ
前回
の
委員会
において私から発言いたしましたように、
國家行政組織法案
の
審議
に当りましては、この
種試驗所
或いは
研究所等
の
施設
の設置に関する取扱につきましては、十分に檢討を加えられる必要があろうと考えております。
從つて一般論
としてどう処置するかは
國家行政組織法案
の
審議
に委ねることにいたしまして、この
法律案自体
は私は可決すべきものと考えて賛意を表したいと思います。
北村一男
17
○
北村一男
君 私も
小野委員
と同様の見解で、これは今
政務次官
から御
説明
があつたように早急に可決さるべきものと考えております。
下條康麿
18
○
委員長
(
下條康麿
君) それでは他に御
意見
もなければ、この案に対しての
採決
をいたします。この案に対して賛成の方の
挙手
を願います。 〔
総員挙手
〕
下條康麿
19
○
委員長
(
下條康麿
君)
全員一致
と認めます。
本案
は可決せられました。各員の御
署名
を願いたいと思います。 〔多数
意見者署名
〕
下條康麿
20
○
委員長
(
下條康麿
君) 尚この案の
委員長報告
につきましては
委員長
に御一任を願いたいと思います。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
下條康麿
21
○
委員長
(
下條康麿
君) それから
決算
の方の
審査
の予定を作りましたから、かような方法にいたしたいと思います。昨日御
出席
にならない方もございましたから申上げますが、
從來決算
の
審査
は
分科
に付託してお
つたの
でありますが、第一回
國会
における
経驗
によりまして、
分科会
に御
出席
の方が極めて少いので、むしろ
委員会自体
でやつた方が適当であろうというふうに考えております。衆議院においてもそういうふうにや
つて
おります。で、今回は
決算委員会
で直接全部
審議
に当りたい、かように考えまして、さように御
決定
を
願つた方
がよろしいと思います。ついては木曜から連日
省別
の
審議
に入りたいと思いますが、六月三日の木曜午後一時内務省、外務省、
大藏省
、これが実は大部分らしいのです。翌日六月四日の金曜の午前十時から司法省、
文部省
、午後一時から厚生省、農林省、
商工省
、六月五日土曜午前十時から運輸省、
逓信省
、そういうふうに願いたいと思いますが、どうぞ御承知を願います。それでは
決算委員会
は散会いたします。 午前十一時十九分散会
出席者
は左の通り。
委員長
下條
康麿
君 理事 西山 龜七君
山下
義信
君
委員
岩崎正三郎
君
吉川末次郎
君
北村
一男
君
平野善治郎
君
深川タマヱ
君
小野
哲君
伊達源一郎
君 山崎 恒君 千田 正君 西田 天香君
政府委員
逓信政務次官
下條
恭兵
君
商工事務官
(
生活物資局
長)
細井富太郎
君
説明員
逓信大臣官房
秘 書 課 長
山岸
重孝
君