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小泉秀吉君 折角同意の出ておるのを邪魔して済みませんが一言、私は
只今の
北條委員の二十一条の削除に反對でございます。そのわけは、随分今までこの問題が問題にな
つておる骨子をずつと吟味して見ると、
失禮ながら非常に
語解があるのじやなかいということを私は思うのです。ということは、
警察官が
港内を扱うことが工合が悪いから、それが面白くないから、そういうふうな
港長事務というようなものは、
管理運營の法で拠當するのだ。
具體的にいうと、
錨地指定だとか、
轉錨だとか、水路、
港内の安全とかいうようなものは、それはこの
保安廳でやらない方がよいのだというようなことにな
つておるようでございますが、
實情をいいますると、現在も多分そうだろうと思いますが、過去長い
間若松の港を
考えて見ると一番よく分かるだらうと思います。
若松の港は、あれは先刻
來お話のあるような、
東京と同じような性質の港でありまするが、港のそういう
航海安全のことを拠當しておるのは、
水上警察がや
つておる。そこにはいわゆる
港務部というようなものがないので、
港務部があれば、そこには
港務官があ
つて、その船の
出入その他
航海の
安全竝びに業務の
遂行が
圓滑にでき得るような
技術官を置いて、そうしてそういうことを處理しておりまするから、船の
出入に對しても理解もあるし、知識もあるというようなことであるに拘わらず、
若松では多年
水上警察がそういう事業を
行つておりますために、
航海業者は勿論のこと、船主その他關連する
海運業者も非常にその點において迷惑を感じてお
つて、
港務部の設置というようなことを
議會に對しても多年請をしたり、いろいろな
方法を採
つてお
つた事實に鑑みまして、私はこの際折角この
海上保安廳というようなものができて、そこでそういうふうな
業務に多少關しはするけれども、決して
航海の安全、
航路の
指定、
錨地の
指定というような
港内のいわゆる安全のための
秩序を保つというような、そういう
仕事をやはり
海上保安廳の吏官に管轄をさせ、それを一元的に
一つの
官廳で統轄し、統制するということが最も合理的であるし、又都合がよいのだろう、こういうふうな見地からいたしまして、單に
錨地の
指定であるとか
航路を
指定するというようなことは
業務のことだというような
お話でありますが、それじやないのです。
事實において港の一定の區域の中に大きな船が入つたりする
時分に、その混亂を防ぐためには
航路の
一つの設定もしなければならないし、又船が入
つて來る
時分に、岸壁に船を著けるときに、その船を著ける場所を
秩序正しく
指定をするというようなことは、これは當然、今現在は
港務部長といいますか、そういうような人の下にある
吏員がや
つておりますけれども、その
港長という
名前が悪ければ、
適當な
名前を置くにしましても、その歸属は、やはり
水上のことを
保安廳で扱い得るということならば、それを一元的にした方が、最も
海運を
秩序正しく進行させる上に便利だろうと思うのであります。ただ
一つ、官吏がそういうようなことをすることによ
つて、
民間でするよりもいろいろな封建的な、
強壓的な行き方があ
つて、それは民主的に行かないと言う御
議論もありますし、又私もその
點必ずしも反對でないけれども、それは
官廳だから民主的でなくて、
民間でやるから民主的だというようなこととは、おのずから
議論の觀點が違うだろうと思
つております。そういうふうに
官廳の
吏員か民主的にやらないならば、やらないこと、そのことをいろいろ改良するようにし、又改良させることは結構でありますけれども、港としては私はこの二十
一條を存置することが、最も妥當であるというような
意味で、遺憾ながら
北條さんの御
意見に反對をいたします。以上。