○委員外
議員(中川以良君)
只今朗読になりましたところの経済統制
調査特別委員会設置に関する
決議案、これにつきまして発議者の一人といたしまして簡単に御説明を申上げます。
從來私共が経済統制によりまする今日の各生産部門又配給部門等の
状態を見まするに、最近はどうも統制によりますところのプラスの面よりも、そのマイナスの面の方が非常に大きく現われておるということを痛感するのでありまして、無論今日の敗戰の祖國といたしまして経済の再建に
國民が努力しておりまする際に、殊に諸重要物資が十分にない、絶対量が不足しておりまする際には、当然これは計画経済を以ちましてこれに統制制度を加えて、これを強化いたすということは当然とるべき方途であるのでありまするが、併しながらこれは行政のやはり能力におきまするところの限界もございまするし、又この統制の機構なり何なりその他
運営の方法等につきましても、刻々に移り行く一切の生きた経済
状態に即應いたしまするところの、
運営をして行かなければ統制の効果は挙げ得ないと存じまして、最近いろいろな矛盾をいたしまする点、不合理の点、又官僚独善になり過ぎまして、官僚が確信のない統制をしている、こういう弊害によりまして生ずるところの結果は、
國民の道義を頽廃させ又生産を阻害し、更にはこれがインフレの因を作るというようなことになるのでございまして、私共は早くからこの点何とか
國会が取り上げまして、
一つ一つにつきまして、現実の問題を捉えて檢討いたしまして、是正をすべきものは是正改善をいたしまして、今日の日本の経済の復興に役立たせるということが必要で、あろうということを
考えておつたのであります。勿論これは統制経済の原理、イデオロギーを云々いたしまして、その
是非を論ずるものでは決してないのでありまして、飽くまで超党派的立場に立ちまして、そうして公正に明朗に厳正なる
委員会の
運営をいたしまして、
只今申しましたごとく日本の経済の再建、更には
國民生活の安定に資するということが
目的でありまして、過般この点につきまして多数各派の方々の御賛同を得まして、
関係筋に参りまして私が御説明を申上げましたるところ、御了承を願いまして、更に当初私が持
つて参りました
決議案は大体前段だけのようなものであつたのでございまするが、
特別委員会を作るならば、もう少し詳細なるものを
決議案にきつちり載せなければいけないという御示唆を頂きまして、更に案文を作り直しまして一、二、三、四、五、六の項目を加えまして再度御
相談を申上げましたところ、これに対しまして何ら御
異議なく大体了承をされたような次第であります。
只今申上げましたような全く國家の現在の経済
状態の混乱するのを憂えまして、ここにかような
特別委員会を作るということは、それは
参議院としまして、本院独特の立場から最もふさわしい
委員会の存在であろうと存じて、この
決議案を提出いたしましたゆえんでございます。どうぞよろしく御
審議を願います。