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政府委員(
加賀山之雄君) 先程申しましたように、本
年度といたしましては、極力独立採算制に近付くと申しますか、その方向に持
つて行くように、編成をいたそうという努力をいたしました次第でございまして、現下の情勢からいたしますと、この方向は確かに間違
つていないのでございますが、ただ現下の
財政経済の事情からいたしまして、急速に独立採算制を徹底いたしますことは、困難であるということからいたしまして、依然としてこの收支の均衡を合わすという意味からだけで申しまするところの独立採算制におきましても、尚
一般会計との関係におきまして、補給金を繰入れる措置を採るという止むなきに至
つておる次第でございます。
更にこれをいわゆる標準
原價を作りまして、各機関毎に独立採算制を徹底して行くという問題に相成りますと、これは
相当日時を要する問題でございまして、從事員を引締めて行く面からいたしますと、むしろこの問題が最も重要な問題に相成るわけでございますが、極く簡單に申せば、請負
制度のような
制度によ
つて、運用いたして行くという
方法も考えられないこともないと思いますが、これも亦現在の
予算制度からいたしますれば、これを極端に実施するということも困難なことは、すでに御
承知の
通りであります。從いまして我々といたしますれば、ここに根本的には機構の問題、つまり非常に方々の制約を受けて、
予算的に或いは資材的に或いはその他の面から、手取り足取り制約を受けて行くのでは、
國鉄の独立採算制はとても望み得べくもないと考えておりますし、更に会計の問題にいたしましても、現下の
予算制度に縛られておりますのでは、これも見込がないというふうに考えます。從いましてこれらの根本的の改善を加えますと同時に、現場の各機関の仕事を、いわゆる標準化して行かなければならないのでございますが、これは実を申しますと、現在の
経済事情の下では、非常に困難ではないか。いわゆる標準
原價を立てるということが、今の人件物件費の、この浮動の時期におきましては非常に困難ではないかというふうに考えておるわけでございます。先程から申しますように根本問題と
合せまして、今後における我々の大きな課題であるというふうに考えております。從いまして今回試案として御覧に入れましたところの五ケ年計画におきまして、その過程中において、この実現を期するというように、私共としては考えておる次第でございます。ただ本
年度といたしましては、非常な窮屈な
予算に相成
つておりまして、
收入面におきましては先程申上げましたように、見積りが非常に過大とは申せないにいたしましても、手固いとはいえない。又
支出面におきましては、極度の節減を大藏省との協議において受けておりますので、この
予算の運用は今
年度においては実に困難であるというふうに考えております。從
つて我々が好むと好まざると、又強いせれると強いられざるとに拘わらず、経営の合理化、
経済の節減ということに対しまして、極端なる
方法を講じなければならん。從
つてこの
予算の枠内におきまして、我々といたしましては、各現場機関にこの点を強調いたしまして、
從來採
つて参りませんでした手段を何か採らなければなるまい。先程も早川さんが申されました現場を引締めて行きます前に、請負
制度にして行かないまでも、何かそういつた手段を講じて働く氣持を持たせ、働いた者にはそれをよく見てやるという
方法を講じなければならんというふうに考えておる次第であります。