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大矢政府委員 労働基準法は他人を一人でも使用している
事業には、ほとんどすべて
適用があるのでありまして、
労働基準法の第八條から第十一條を御覽下さればよくお分りのことと思います。
請願要旨中、
家庭工業の意味がはつきりいたしませんが、家族だけで行う工業というのであれば、家族同士が寄り集ま
つて仕事をしている所へ、基準法で定めた労働條件を劃一的に持ちこんで行くことは、あまりにも無理なことであり、とうてい望み得ないことであります。また、
工場とか会社から資材その他を渡してもら
つて仕事を行う、いわゆる請負の場合は、通常は基準法の
適用はありませんが、一定の会社と継続的に発注者、受注者の関係にあるような場合には、労働関係があるものとみなされて、基準法の
適用を受けることになるのでありまして、要は労働関係の有無によ
つて異
つてくるのでありまして、労働関係のないものを対象とする法規は、
労働基準法とは別途に考慮されるべきであると考へます。
労務用物資の配給につきましては、現在の日本における産業上の重要度、労働強度、労務用必需物資の消耗程度等の観点より、加配対象業種が限定されており、
労働者については、必ずしも
労働基準法上の被傭
労働者に限るものではありませんが、ある程度以上の肉体労働に従事するものに限られております。すなわち、労務加配を受けられる者は、被傭
労働者に限らないが、すべての
労働者に配給されるものでもないのであります。國民配給も僅少な現在におきまして、これをさいて労務用物資にまわさねばならぬ現状におきましては、加配対象業種を限定するのほか、二配配給等のおそれのないように、加配対象労務者数を確実に把握することは、何よりも肝要なことでありますので、この点より岐阜縣では、
労働基準法上の諸規定を利用することによりまして、確実に
労働者を把握しようとしておりまして、一應基準法上の
労働者に限つたものではないかと思われます。