○
山花委員 大体新
賃金水準の
政府当局のお考えになる意向はわか
つたのでございますが、この前の千八百円
ベースのときに的確な
数字をいろいろ表わして、
安本長官は十一月になれば四百何十円の
黒字になる、千八百円
ベースのあの
水準に四百何十円の
黒字が出る、こういうふうに言われておりましたが、それが何ら実現せずして崩れてしま
つたということは御
承知の
通りであります。今承
つておりますと、
相当幅のある
賃金形態をきめておる。二・五のときには若干——些少なりとも
赤字が出るけれ
ども、四・二のときには
相当四百円何がし、五百円何がしという
黒字が出る、こういうふうに言われておりますが、從來の
経驗からして
一般の勤労階級はその説明にはおそらく信を置かない、こういうふうに私考えておるのであります。問題は
賃金ベースいかんというものでなくして、本質は働く者の協力を得て、そうして日本の
生産再建、生増産強をはかるということが、いかなる場合でも
賃金裁定の狙いでなかろうかと思うのであります。ここで問題になりますのは、今日たとえば全
官公廳関係の各労働組合の勤靜をうかが
つておりましても、大体の基準というものは、あちらこちらで大会を開催されておりますが、
手取り五千円をもらわなくては絶対引かないというような大会の決定を各地で行
つておるのであります。私
どもが
関係しておりますところの
民間企業においても、最近の労働協約あるいは
賃金提携はおおむね
平均六千円という
賃金ベースをきめておるのであります。五月から六月初頭そういうような動きが実際の
賃金の動きとして現われておるのでございます。そういうふうに考えてまいりますと、この三千七百円
ベースがはたして堅持できるかどうかということにつきまして、一抹の不安をわれわれは感じておるのであります。それで問題になりますのは、結局は
名目賃金より
実質賃金で、ひ
とつこういう問題を解決してもらいたい。先ほどの商工省当局の連合軍に対する輸出の不的確品拂下げの問題に関連してもそうでありますが、十一月から主食の
配給を三勺ぐらい殖やすことができるというようなことを、たびたび
政府の方で放送しておるのでありますが、私
どもはそう樂観はできない食糧事情ではないかと思うのであります、
一般國民の三勺の増配ということが可能が不可能かということ、これは
見解の相違、
議論の相違ということになりますが、現実に二合五勺の
配給ですら主食以外の砂糖なんかを加味して賄
つておるというのが今日の現実でありまして、もし多少の
余裕ができますならば、
勤労者を
中心とする
実質賃金確保のために、
労務加配に重点をおくような対策をとられたいと希望するのであります。特に運賃
関係が
勤労者に及ぼす影響がいかに甚大であるかということは、
勤労者の声を聽いてみればはつきりわかると思うのでありますが、運賃は國会においてどの
程度の値上げにきまるか、はつきりほかりませんが
政府原案は三倍半ということにな
つております。せめと
勤労者の通勤バスだけは現状すえおきができないものであろうかどうか、
物價廳においてその点をはつきり
数字的に、何らかの形で、
勤労者の定期も
一般と同樣に絶対値上げしなくてはならないものかどうか、特に
勤労者の
実質賃金確保という意味ですえおきできないものであるかどうかという点を、おわかりになればひ
とつお答え願いたいと思います。せんださて鈴木法務廳総裁がおいでにな
つたとき、やはり
実質賃金確保というような意味で
やみ市場の徹底的撲減をひ
とつや
つてもらいたいということに対し、断固やる、こういうように
お答えにな
つたのでありますが、最近聞くところによりますと、たとえばその辺の
やみ市場を一齊檢挙をやる、現品を押收する。その押收された現品はいろいろあるが、食糧
関係が大体
中心であります。それをその辺の小学校の生徒に
マル公配給で行
つておるというようなことを聞いておるのでありますが、傳えるところによりますと、一旦押收した現品の九割までは元の商店主に返し、一割だけ小学校とか町会とかいうところを通じて
配給するといううわさをときどき聞くのでありますが、そういうようなことがあ
つていいことか、もしそういうこが事実あるとしたら、檢察当局の担当者はどういう処置をとられるか、
法務政務次官も來ておられるので、その方からそういう問題について檢察当局の御
見解を聽かしていただければ結構だと思います。酒、タバコ等々も
相当の率の値上げをしておるのでありますが、こういうような
勤労者の勤労上必需品については、特別の労産加配を全般的に
政策のうちに繰り入れるかどうかという点をも、併せて
関係の方から御
答弁願えれば幸いと考えます。