○
中村(寅)
委員 大体に
当局の意向をわれわれが付度しますと、なるべく聴きたくないという
考え方の
もとに要求を全然無視もされないから、まあ聴こうというような
考え方から生まれてきた
当局の
意見だと私は解釈するのであります。内々で聴くというようなことでなしに、私は今長官の言われますように、
関係方面の意向もそういうことを嫌
つておるというようなことを、いろいろの方面から漏れ聞いておるのであります。そういう
事情であればあるほど、私は正式の機関をつくる、決議機関というようなものではあるいは支障を來すと思いますので、当然各方面の意向をそこに表示し得るような機関をつくる。その意向を取入れようと入れまいと、それは一應現在の占領治下にある
段階としては、やむを得ぬ面が生まれてくると思うのでありますが、一應生産者の意思をはつきり出させるということは、民主
政治として最も大切なことであると
考えるのであります。そういうことについてひとつ積極的に手を打
つていただきたい。そのために生産者の意思表示機関ができたために、価格が安くなるということが、むしろ逆効果としてあ
つた場合でも、それは当然
農民の面としては感謝すべきである。生産者としては価格が高くきまるとか安くきまるとかということでなく、当然生産者の意向が表示され、汲みとられる行き方、あり方が大事であると思うし、またそうでなければならぬと
考えるのであります。そういう点からつく
つたがいいとか悪いとかでなく、当然そういうものはつくるべきものだという建前に立
つて、
考えてもらいいたいと思うのであります。これは全
農民の要望でありますし、要望であるだけでない。現在のような
段階で生産者の意思を無視してきめておるという行き方は、正しい行き方でないと思うのであります。これをぜひひとつ
考慮していただきたいという希望を強く申し入れまして、この点はそれで打切りたいと思います。
もう
一つ当局にお伺いいたしたいのは、御承知のように
農業協同組合法が施行されまして、現在全国に
農業協同組合の設立が進められておる
実情でありますが、私は今後の
日本の
農業のあり方を
考えますときに、だんだんむずかしくな
つてくる。経済上その他の
関係からだんだん
農業経営というものがむずかしくなるということは、もちろん
考えられると思うのであります。講和様約でもあるいは近く済んで、その後いろいろ南方その他の方面から農産物などがはいりこんでくるというような情勢になれば、いよいよ
日本農業の
経営というものは困難を増してくる、これははつきり言えると思うのであります。
農業経営が困難にな
つてくればくるほど、私はこの
農村における協同組合が完全な機能を発揮し得るかどうかということによ
つて、
農村がいけるかいけないかということにな
つてくる思うのであります。そういうことを
考えるときに、この
農村における
農業協同組合の運営がうまくいくかいかないかということが、かか
つて私は今後の
農村の生活がよくやれるようになるか、あるいは悪くなるかのわかれ目にかると思うのであります。こういう大切な
農業協同組合に対して、
農林当局の
農業協同組合の施行に要する経費を見ますときに、あまりにも僅少過ぎるのではないかと思うのであります。今年の
予算を見ますと、四千万円くらいに
なつたようでありますが、そんな小さい金ではたしてできるか、
農業協同組合の施行に要する経費の内訳を見ますと、私はこれは問題にならぬと思います。この点
当局としてはどう
考えておられるか、聴かしてもらいたいのであります。