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庄司(一)
委員 ただいま議題と相な
つておりまする
國会の
予算の額の
範囲内においてお伺いしておきたいと思いますが、私は今まで前後二回にわた
つて本院の
職員諸君に対する
待遇の
改善に関して所見を述べてまいりました。第一回の
國会においても、その前の
國会においても述べてまい
つたのでございますが、それを要約して申しますと、他の諸
官廳と違いまして、本院の
職員諸君は
公務上他の
府縣等に
出張するようなことがほとんどないように見ております。戰事前は、
外國に
議員團が行くような場合に随伴されたこともありまするが、國内における
出張はほとんど皆無と
言つてもよろしいと
考えております。
これは他の
官廳のように、各都道
府縣に出店がないという
関係もございましようか、また從來の古い習慣によ
つて出張がないためでございましようか、その
関係はわかりませんが、どうも他の
官廳の
政府職員諸君と比較して
出張というものがないために、ただこの
院内において黙々として勤労されておる。それは
速記者の
諸君であろうが、あるいは
委員部の
諸君であろうが、
庶務部の
諸君であろうが、各部を通じて、こういう点は、他の
官廳と比較して、いろんな角度からはなはだお気の毒なことであると
考えておるのであります。それに加うるに、本
会議あるいは各
委員会等が、
相当その日の都合によ
つて遅れまして、場合によ
つては、午後の八時あるいは十時、あるいはおそらく今夜などは
相当遅くまで本
会議が開催せられると思うのでございますが、そういう場合においては、
衆議院すべての
職員諸君とは言いませんけれども、重要なる部面の責任ある
諸君、あるいは
速記者の
諸君たちは、やはり
議員とともに
最後まで
公務をとらなければならない。かような
状態を見せつけられておりまして、ただ單に他の
官廳並み同様な
官吏としての
待遇だけでは、まことにお氣の毒千万万である。何とか特別なる
措置を講じていただいて一特別なる
待遇をしてほしいものであると、私は
考えております。さような観点から、ただいままでに前後二回、
職員諸君の特別なる
待遇の
改善を叫んでまいりましたが、前回の第一回
國会、その前のいわゆる
憲法議会から通して
考えてみますと、第一回の
國会は、御
承知の
通り二百四日と相な
つております。今回の第二
國会もまたおそらく
あと三、四日あるいは五日間の延長になりますと、二見十日くらいに相なると想像するのであります。第一回と第二回と合わぜて四百十五日くらいの長い長い
議会と相なるのであります。かようなために、おそらく本院に勤務されている
諸君、特にその郷里が遠隔の地にある
諸君は、その郷土も訪問することができないという
状態にありはしないか。かようなことを
考えますと、一層お氣の毒な感をもつのであります。また公式には承
つておりませんが、われわれ
議員の
待遇も、一部改正されるようなうわさを聞いております。しかるに、われわれ
議員だけが若干の
待遇の
改善がありましても、われわれとともに苦楽をともにされている、殊に黙々としてこの
院内に奮闘されている
職員諸君に対し、ただ單に他の
官廳並みによる俸給並びに諸
手当、あるいは時間
外勤務の場合における特別な
手当ということだげでは、お氣の毒千万である。われわれ
議員の
待遇が多少
改善される場合においては、われわれとともに苦労をなめておられる
職員の
諸君にも、ただいま具体的に申し上げたように、第一回が二百四日であり、今回は二百十日にも相なりましよう。合わせて四百何日という長い
議会であ
つたのであります。こういう間に、しかもいろいろ
資材が足りない、あるいは
速記の
諸君などはその頭数が足らないので、
委員会に万遍なく配置もできないという場合において、とにもかくにもあく惡戰苦鬪されている
職員諸君に対して、何とか特別なる
措置を講じてほしい。他の
官廳なんかでは、殊に
議会に
政府委員あるいは
連絡委員等で出入されている各
官廳の
諸君は、いわゆる慰労休暇的の
意味を多分に含んで、慰労的な
視察旅行ということを行いまして、多少なりとも精神的の
慰安をか與え、あるいは多少なりとも経済的な支援を與えるような親心をも
つて考えられている
官廳が、
相当あるそうであります。本院におかれては、本院の
諸君等で、それぞれ責任ある
諸君に、そうした
意味を含んで、
地方に
主張命令を出されて、
國会の運営というものは、こういうものである。あるいは請願というものは、こういうふうに取扱われて、
政府に送付されるものであるとか、いわゆる
公民教育的な、そういうことを場合によ
つては
地方の
教育者国体とか、あるいは
町村長の
国体とかいうものに講演をさるることも、一つの
方法であると思うのであります。むろんそういうことは、われわれ
國会議員として当然なすべき義務でもございましよう。また不肖私なども、や
つておりまするが、何とか
職員の
諸君を公然と
出張させ、幾分なりともやはり精神的の
慰安を與えるとともに、他の
官廳並みな方途を講ぜられて、
経済的方面においても、多少なりとも
待遇改善の一端を
実現することができ得るような
措置を講じていただく
方法がないであろうか、ぜひそうしてほしいという信念の上から、同じ
趣旨のことをこれで三回申し上げて、御善処を願いたい、こう思うのでございます。御意見いかがでございましようか。もし御回答を得ることができるならば、まことに幸甚でございます。