○今井
委員 これはおもに宣傳の費用のように伺
つたのでありますが、過日も縣の方に帰りましたら、何か宣傳ビラのようなものをトラツクでどつとまいて歩いてお
つたのでありますが、ああいう経費ではないかと思うのであります。協同組合の問題につきまして、よく看板の塗りかえであるとか、いろいろな非難があるのでありますが、これは農民が役員を選挙いたしまして、役員が全部変
つたから看板の塗りかえじやないかと言うが、ただ役員が変
つたつて、これは
形式が変
つただけでありまして、やはり看板の塗りかえであると思うのであります。結局農林及び役職員にな
つて者が、ほんとうに農業協同組合の性格というもとをはつきり知
つて、眞に農民のものとして盛り上らせるものでなければならない。そういう
心構えが全体にできて、初めてほんとうの民主的の協同組合になるのでありまして、そういう点から
考えますと、ほとんどこういうことができておらない。宣傳ビラをまいたくらいでわかるというようなものではないと思う。この間も見ておりますと、子供がそのビラを拾
つて喜んでおるというようなことで、まことにも
つたいないことをしておるという感じがしたのであります。そういう薄つぺらなことでなしに、もつとしつかりした協同組合教育ということをやらなければならぬ。ほんとうの債の民主的協同組合というものは、協同組合教育ということを根本にしていかなければならないと思うのであります。そこで今後、協同組合が十分わか
つてからつくるというわけにはいきませんから、とりあえず一應つくるのでありますが、今の役員というものも一箇年間にな
つておるのでありますから、この期間におきましてうんと協同組合教育というものをやらなければならぬと思うのであります。それにつきましては、やはり府縣あたりにも大体協同組合の職員が二人ないし三人、私
どもの縣の方でも、この間帰
つて調べてまいりましたら、縣が少さいので二人だけであります。この二人だけでは認可の書類だけでも目が通らないくらい机の上に書類を積んでおいて、認可ができはしないのであります。だからほかに手をまわすことができない。そうして協同組合の問題について旧農業会の職員がやると、いろいろな誤解を受けるから、だれもやる者がない。
責任者は一人もない。それは國がやるのだ、府縣がやるのだというように、以前からおつしや
つておりますが、事実何にもできておらないのであります。こういう点から
考えてみると、ほんとうに協同組合法をつく
つて、眞劍に協同組合をや
つていくということをやるのか、やらぬのか、その誠意が疑われるのであります。四月の
暫定予算にも、何でも百三十万円かそこいらしかみておらぬ。百三十万円というと、一府縣に二万か三万円くらいであります。一府縣に一月に二万円か三万円くらいで協同組合ができると
考えておるのか。これではてんで問題にならぬと思うのでありまして、これはけたが少し、二けたほど違いはしないかと
考えるのであります。一体これに対する誠意があるのかないのか。そうして親身にな
つてほんとうにやるつもりなのかということを非常に疑うのであります。私は根本的に合点がいかぬのであります。今度の百九十万円というものも、多分宣傳ビラみたいなものではないかと思うのでありますが、そういうことでは困ると思います。今農業会が半分なくなりかけており、協同組合もうやむやに過してしまうというようなことは、國としてほんとうに無
責任きわまるものだと思うのでありまして、少くともこれは経常費として月に四、五百万円くらいのものは、何ぼ少くても見なければならない。月に二万円や、三万円というものは、今日の金に換算したらないと同然である。これについてほんとうにおやりになるお
心構えがあるのか。それはあるに違いないけれ
ども、もう少しなるほどと思うようなものができなければ、協同組合法ばかり理屈を言
つてつく
つてもしようがない。これに対する
農林大臣の御所見を承りたいと思います。