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北村國務大臣 ただいま御指摘の点は、私もきわめて同感の点であります。
お話のごとくに、十五億は復金債券、償還期の來たものを償還する金であります。それから復金そのもののあり方につきましては、これはきわめて重大であると
考えるのでございまするが、御
承知の
通り他の金融機関から出すことのできない、あるいは困難なものにして、しかも日本の産業復興に必要なものを出すという建前でできた復金でございますが、ただいまのところ一般市中金融機関の資金力が非常に疲れておるという際でありますので、どうも産業資金が復金に集中するという傾向が非常に多いのでございます。それらのことと併せて、復金というものは
將來どうすべきかということが、
相当問題になると思います。それは御指摘の
通りであります。それでこれは私見でありますけれ
ども、ただいままでや
つておる復金の
やり方は、御
承知の
通り委員会がありまして、日本銀行総裁その他がはい
つておる。大口のものについては、一々そこで調べるのでありますが、その前に監事会とかその他いろいろ機関がございまして、融資と資材との
関係を勘案する。事農林省に関するものであれば、その農林省のわくがあ
つて、その資材が調達されるのかどうか、安本、商工省等の
関係において資金の融資はするけれ
ども、たとえば設備資金というような場合には、その設備に要する資材があるかないかということを勘案いたしませんと、とんでもない間違いを起すので、それらの点は監事会等を開いてずつと檢討して、最後に
委員会を経て貸し出すというような方式にな
つておりまして、出す場合の出し方は、かなり愼重な機関を通すことにな
つておるのであります。けれ
ども御
承知の
通り、何分産業資金が復金に殺到するということと、これは大きなやつは全國からまいりまして、これを一々檢討するのでありますから、
相当手間取る、時間がかかるということもあるのであります。
從つて産業界の急な要求に應じかねるという点があります。この点から改善しなければならぬ点が
一つあります。それから出してからあと、それが効率的に当初の目的
通りに有効に使われておるかどうかという事後の監督をしなければならぬ。この監督機関等につきましても、これはまだこうやつたらよいというような確定的な案を全然も
つておるわけでありませんけれ
ども、ただいま財政金融
委員会等でこのことを問題として、
相当研究を進められておるようでありますけれ
ども、監査の機関の中に、あるいは独立した
一つの監督機関のようなものをつく
つて、
國会議員の中からそういうことに特に関心の深い、御経驗のある方に出てもら
つて、そうして事後の監査監督等をいわゆる民主的にや
つていくというような
考え方を、
一つの案としても
つておるわけであります。そういうような
方向にいきたい、いま
一つは、事務の監督において、当初出すときはやかましく
言つておるが、あとは存外ルーズではないかというような非難も
相当あるのであります。これについては、一般の金融機関でございますと、御
承知の
通り出すものを出すが、收入するもの、受入れということを全部やる。と同時に、
從つてその金の出入を通じて復金の出しておる企業実態を割合に把握できるのでありますけれ
ども、今の復金、組織というものは、出せば出すだけであ
つて受入れができない。この点が普通一般金融機関と違つた変態的のものであります。そういうような点も
相当考慮しなければならぬのではないかというふうに
考えておるわけであります。復金を通していよいよインフレーシヨンを促進するという結果にな
つては相なりませんので、その点は今後十分あらゆる点から檢討いたしまして、行き過ぎのないようにいたしますけれ
ども、同時にまた産業界の必要な血液としての有効な部分は、なるべく民主的に役立ちができるようにいたしたいということについて、あれこれとただいま
研究いたしております。また財政金融
委員会においても、
相当御
研究願
つておるわけでありまして、多分具体案があまり遠くないうちにできるのではないかというふうに
考えております。ただいま御指摘の点は、われわれも同樣に
考えておる点であります。今後大いに戒心注意を拂わなければならぬ。かように
考えておる次第であります。