○黒田
委員 ちよつと私は便宜上関連
質問をしてみたいと思うのでございます。お許しを願いたいと思います。
私は総理
大臣に対して一点だけ御
質問申し上げたいと思うのでありますが、関連
質問でありますから、自然
内容が前の
質問者の
質問と重複する点もあるかもわかりませんが、
質問の
内容は軍事公債の利拂停止問題に対する
政府の
方針いかんということであります。これが今まで隨分長い間の議論とな
つておるのでありますが、ただ今までこの問題につきまして、今日
質問されましたのは
民主自由党でありますが、私は
民主自由党より
立場を全然異にしております社会党の
立場から、この問題についての御
質問をいたしたいの思うのであります。この差異があるということをまず
政府において御認識願
つておきたいと思うのであります。
次に私は單に一個の
予算委員として御
質問申し上げるのではなく、この問題に対しましては、社会党が先般開きました第三回大会におきまして、この問題に対するはつきりとした
方針を
決定しておるのであります。
從つて私はこの党大会の
決定の趣旨に基いて御
質問申し上げたい。この点も御理解を得ておきたいと思うのであります。一
予算委員としてでなく、私は社会党全党員に対する
責任を感ずるという
立場から、この点を明瞭にしておかなければならぬ。そういう観点から御
質問を申し上げるのでありますからして、どうかそのつもりで大胆率直に、明瞭にお答え願いたいと思います。私は政治の最も避くべき点は、あいまいなことを言
つたり、ごまかそうとしたりするということが、最も私は民主政治の上の障害になると思う。殊にわれわれは長い間民主的政治運動を続けてまいりましたものの
立場でありますから、これらの点につきましては、人一倍明朗さ、正直さ、率直さ、こういうものを尊ぶ。ごまかして事を過そうということは、断じてわれわれのとらないところであります。私は
民主自由党の
立場でなく、そういう社会党の
立場から、この点を御
質問申し上げたいと思います。
なお
大藏大臣に対する
質問でよろしいという
考えもあるかもしれませんが、実は私自身も御
答弁を昨日より聽いておりまして、いやしくも一國の
大藏大臣が、その結論のいかんは別といたしましても、午前中の述べたことと、午後に述べたこととが、その政策が正に相反する方向において相違している。單なる枝葉末節の点において相違しているのではなくして、根本的な方向において相違している。あとの
答弁が正しいか、前の
答弁が正しいかということは別といたしましても、これをわれわれのような長い間民主的政治運動をしたものの
立場から申しますれば、こういうときに一体こういう
答弁者に対し、その
答弁に対して信用を抱きかねるということは、一種の本能的な感じであります。そこで私はどうしても
責任のある総理
大臣から、はつきりとした
答弁をもう一度繰返して聽かなければ、党に対する私としての
責任が果せない。社会党の
予算委員としての
責任が果せないのであります。私たちが大藏大蔵が午前中と午後のわずかの時間の間に、重要な問題についての意見の相違を同一人が吐かれるというようなその
答弁の頼りなさから、あらためて
政府のもつとしつかりした
答弁を首班である総理
大臣から聽きたいという氣持も、十分他意なく率直に受入れて、御
答弁願いたいと思います。なお私が特に総理
大臣に
質問いたしたいと思いますのは、現
内閣の閣僚の一員にな
つておられる方が、この問題につきまして軍事公債の利拂停止処理の解釈については、これは利拂を停止することにきま
つたのではない、停止をなすべきかどうかを含めて、
委員会で調査する、利拂停止ということには、民主党も國協党も反対である、ということを申された方が、現にこの中にも閣僚とな
つておられるのであります。また先般の今月の二十四日に、利拂停止に関する懇談会を設けるということが発表せられましたときに、やはり現
内閣の
與党でありますところの國協党の意見を見ますと、同党としては、三党政策協会は軍事公債利拂停止を
決定したとは見ておらず、この懇談会で停止措置を講ずるか否かをあらためて協議するという
態度を堅持しておる。こういうことが、國協党の意見として発表されておりますし、民主党も軍事公債利拂については、民主党としては
芦田総裁を初め強い反対意向にあり、党としてはこの問題はあいまいに
態度のうちに押切
つてしまいたいようで、稻垣民主党政調会長の談といたしましても、軍事公債の利拂停止について、さきの三党協定の際に、民主党としては技術的に困難であるとし、社会党は技術的に可能であるとし、見解の相違から、技術的な可否の問題を檢討するために、懇談会を設けることにな
つたのである。だからこの懇談会の民主的
決定には、お互いに服すべきであると思う。ごく最近にこのような意見が、
政府側の有力なる
関係者から発表せられておるのであります。また同日の苫米地長官の談にも、この点懇談会では利拂の停止を行うかどうかを檢討してもらう、停止することが可能ならするし、それがどうしても財界に摩擦を起すとの結論に達すれば避けねばならぬ、というようなこのを申されておるのであります。われわれがこういう新聞紙その他を通じまして、現閣僚の中に利拂停止に関する消極論があるということを知
つておりまして、社会党はこのことを非常に憂えてお
つた。たとえば社会党は大会において、あくまで利拂停止をするということを
決定しておりましたから、このような意見が出ることに対しまして、非常に党としても意外に
考えてお
つたのであります。三党協定においては、このことはすでに利拂停止ということに
決定されたと思
つているのに、その後こういう意見が出るので、これはどうしても確かめておかなければならぬ。こういうことを
考えておりました矢先、またこの
委員会において、
大藏大臣が昨日午前中、
先ほど問題にな
つているような言動をされたので、どうしても私は
大藏大臣の言明だけではこれは安心ならぬ。もうわれわれがそう
考えるのは常識であります。その点は率直にお認めの上で、
政府としてあらためてはつきりとした
態度を、総理
大臣より言明していただきたいと、私は思うのであります。元來この問題につきまして、私は
大藏大臣がどう言
つた、こう言
つたというような御
答弁でなくて、私がここに堤議いたします
質問に対して、そのどちらであるかということを、はつきりと総理
大臣よりお答えを願いたい。このくらいの親切はぜひも
つていただかなければ、
委員会に対する総理
大臣の親切な
態度として受取ることができないのであります。すなわち軍事公債の利拂の停止、三党協定の言葉で言えば、停止的処理という言葉の
内容は、停止問題についてこれをいかにするか、すなわち、停止すべきか否かということをこの懇談会にかけて、これを
参考として
決定するという
意味であるか。そうでなくて、停止するということは、すでに三党協定の
内容として
決定したものである、ただこの処置をどうするか、これから現われてくる影響をどうするか、どういう方法で停止するかというようなことを
研究するにすぎないのであるか、停止ということはもう三党協定において
決定的な確定した
方針である。このいずれであるか。これは私は常識ある総理
大臣といたしまして、このいずれであるかということを、総理
大臣御自身の口からはつきりと聽かしていただきたいと思うのであります。これは私自身の
質問というだけのものではなく、繰辺して申しますが、全社会党の堂員の、熱心に聽きたいと思う
質問であります。この点をはつきりしないと、社会党の現
内閣に対する
態度に
関係してくる問題であります。御存じのように、現
内閣はその成立の基礎といたしまして、またその存続の條件といたしまして、三党によ
つて協定せられたる政策というものをも
つておるのであります。かような
意味におきまして、三
党政策協定の
内容は、協定者の間におきまして正確な一致を見ていなければならぬ。甲はかように解釈し、乙はこのように解釈するというようなものであ
つてはならないのであります。万一その不一致があるというように思われた場合には、その点をあえておおい隠そうとしないで、はつきりとどこに意見の相違があるかということを明らかにして、しかる後に自分らの
態度を
決定するという率直さをもたなければならぬ。その点があいまいにな
つておりますので、あえて臭いものにはふたをしようというような
態度でなく、率直にお答え願いたいと思います。もしこの問題について不一致があるといたしましたならば、すなわち三党の政策協定が重大なる部分において破綻することになるのでありまして、言いかえれば、
内閣の基礎に影響し、
内閣の重要なる一角が、この面から崩れるということも予想できないことはない。それほど重要な問題である。それわどわれわれは眞劍にこの問題を取扱
つておるのであります。
從つて私はもし
政府の
方針が社会党の
方針と相反する
方針であるということになるますならば、ここに現
内閣に対する社会党の
態度も、根本的な変化を生じなくてはならぬことは必然である。それほど重要な問題であり、眞劍な問題でありますから、私は総理
大臣から、はつきり御
答弁を願いたいと思います。この問題は單に
暫定予算の
審議に
関係しておるのみならず、わが党の
政府に対する根本的
態度に影響しておる問題でありますから、特に総理
大臣の御
答弁を求めたいと思うのであります。
最後に結論として繰返して申しますれば、軍事公債の利拂停止的処理とは、私が今申しましたどちらであるか、このことを、だれがどう言
つたというような言葉でなく、総理
大臣御自身の意見としてはつきりとさせていただきたいと思うのであります。これを私は総理
大臣にお願いしたい。