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1948-03-19 第2回国会 衆議院 予算委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年三月十九日(金曜日)     午後一時五十四分開議  出席委員    委員長代理 理事 川島 金次君    理事 稻村 順三君 理事 苫米地英俊君    理事 小島 徹三君       加藤シヅエ君    河合 義一君       島田 晋作君    竹谷源太郎君       中崎  敏君    西村 榮一君       山花 秀雄君    青木 孝義君       淺利 三朗君    磯崎 貞序君       植原悦二郎君    上林山榮吉君       鈴木 正文君    西村 久之君       島村 一郎君    押川 定秋君       川崎 秀二君    五坪 茂雄君       佃  良一君   長野右ヱ門君       山崎 岩男君    笹森 順造君       古賀喜太郎君    原 健三郎君       野坂 參三君  出席國務大臣         大 藏 大 臣 北村徳太郎君  出席政府委員         大藏事務官   福田 赳夫君  委員外出席者         專門調査員   芹澤 彪衞君         專門調査員   小竹 豐治君     —————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十二年度一般会計予算補正(第一五号)  昭和二十二年度特別会計予算補正(特第九号)  昭和二十二年度特別会計予算補正(特第一〇  号)     ——————————————
  2. 川島金次

    川島委員長代理 それではこれより会議を開きます。  質疑は昨日をもつて終了いたしましたので、これより昭和二十二年度一般会計予算補正(第十五号)、昭和二十二年度特別会計予算補正(特第九号)、及び同(特第十号)、三案を一括いたしまして討論に付します。磯崎貞序君。
  3. 磯崎貞序

    磯崎委員 私は民主自由党を代表いたしまして、本案に対しまして意見を申し上げます。  まず前提としまして、この最も重大なる予算案の取扱いについて、予算委員の一員としてここで申し上げておきたいことは、前の内閣から現芦田内閣に至りましても、その弊に陥らなんとしておりますのは、私ども予算委員会委員としまして、この案件愼重審議をいたすべき職責でありながら、常に忽々のうちにこうした案件提案されて、その審議に十分なる意見を申し上げ、愼重審議のときを得ないという形におかれておることを、常に遺憾に考えておる次第でございます。ただいま提案されておりまするところの補正予算におきましてもその通りで、すでに前の内閣におきましていわゆる委員会の案をのんでこれを認められましたような形でございますから、從いまして芦田内閣におきましては、何よりも先にこの問題を提案し、私ども審議に任せられるのが当然であるのでありますが、組閣に際しまして、いろいろの方面閣員ポストに日子を費されまして、いたずらにこの予算に対する審議を遅延せしめるような結果をおつくりになりましたことにつきまして、まことに遺憾に思うのであります。しかも御提案になりましたこの緊急なる予算が、去る十六日から本日まで、わずか二日間の質疑應答によつて、ここに討論にはいるような形でございます。まことに遺憾でございます。  しかしこの二日間における質疑應答によつて現われましたる問題を考えますと、いわゆる最も重大なる二千九百二十円の基礎的数字についての各同僚質疑に対しまして、当局のお答えが必ずしも満足ではない。ことに労働大臣の御答弁によりますると、大臣みずからが二千九百二十円では食べていかれないということを完全に肯定せられておる。しかもあえてこれを認めよとおつしやるところに、大きなむりがあると私どもは考えております。かくのごとき形におきましてわれわれがこの審議を進めましたところで、やがて次に起るであろうところの未解決の問題等を考えますると、この問題につきましては、私どもは容易に納得し得ないかどがございます。しかしながらいわゆる各職組の痛切なる要求の問題であり、私ども日本再建に対するところの重大なる問題といたしまして、一歩進めてこの問題の審議を進めたのでございまするが、特に御承知の通り財源に充てられました方面を考察しますると、昨年の末に追加補正として提案されまして、その当時政府当局が声をからし、力を強うして要請されましたる各種の重大なる予算そのものを振替えて、この財源に多くの部分を充てておられる。一言に申しますると、復金の問題、あるいは貿易資金の繰入金の問題、あるいは賠償金の問題、あるいは農業調整法案に伴うところの費用とか、いろいろの方面につきまして、こうしたところに財源の多くの部分を取つておいでになりまするが、まことにこれらの問題につきましては、力を強うして特に要請せられましたその当時を考えますと、まことに遺憾のきわみであります。もしもそのようなことができますならば、あえてわれわれはその当時協賛を與えなかつたであろう。しかもここにどうしても必要なものがあるとするならば、その必要なものをここで振替えますれば、これは一時的なものであつて、やがて次には一般と大きな数字を御要請する必要が、近いうちに起るであろうと考えます。財源におきましてもまたその場あたり財源であるというふうにしか考えられません。しかも私どもはいろいろな方面におきまして遺憾な数々を見出しまするが、本件の重要性に鑑み、しかも政府当局が、必ずやこの問題について重大なる責任をもつてお扱いに相なるであろうというところにくぎを差しまして、これに賛意を表するものでございます。特にその前提として申し上げたいことは、昨年の末、同僚から要請せられましたる水害地に対する予算の提示、あるはは六・三制に伴う追加補正問題等、いずれも未提出でございます。昨日も同僚から痛切声涙下るがごとき形をもつて当局に要請せられておるまするが、これらの水害地に対する更正予算ないし六・三制に伴う予算、こうした問題はすぐこの会期において追加更正として御提出願いたい。この問題が私ども本案を了承しまする前提要件であるということを併せて申し上げておき、さらに二千九百二十円のうちにおきまして、とりあえず二千五百円、残余の分に対しましてはきわめて近いうちに云々という御答弁もございまするが、これはひとつきわめて近いうちにお支拂い方法をとり、しかも本案関係あるまする政府職員給與改正法律案も、財政金融委員会に付議せられているのでございますから、これと不可分関係にある法案審議せられるということを前提としまして、本案賛成を申し上げる次第でございます。
  4. 川島金次

  5. 稻村順三

    稻村順三君 日本社会党を代表しまして本案の成立に賛成の意を表するものであります。  しかしながら本案官公吏給與の問題であることに鑑みまして、きわめて愼重なる支拂い方法をとつていただきたいということを、特に注文する次第であります。なぜかと申しまするならば、この給與の問題に関しましては、幾多労働組合側からの意見がありまして、國鉄はすでに妥結をみたのでありますけれども全逓その他においてはまだ妥結をみない点もあり、さらに全逓のうちにおきましても、本案を呑むべしというような意見もあるのでありまして、その内容はきわめて複雜であります。從つて本案が成立しましてこれを取扱う場合には、特に愼重なる態度をとつていただきたい、かように考えているものであります。事実給與の方の改善が行われ、改正がなされましてここに法律が成立いたしました。そこにもつてつてここに予算が成立したのでありますから、法律的な解釈からするならば、爭議行為のあるなしとは別問題で、当然法律ができ予算があるのでありますから、給與支拂うべき性質のものである、かように考えているものであります。從つてこの点法律的に解釈するならば、大きな問題はないかのごとくでありますけれども、しかしながら昨日の政府当局の説明などを聽いてみますと、幾多の疑惑を生ずるがごとき言葉も聽かれるのであります。特にこの際支拂に対しては、愼重に取計らつていただきたいと、かように考えるものであります。そうしてまた妥結をみた点はもちろんのことでありますが、まだ妥結をみないところの組合に対しましては、できるだけ政府は、誠意をもつて妥結点に到達するように、努力すべきが至当であろうと考えておる次第であります。そうしてまたその支拂に関しましても、もちろん政府全力をあげて國鉄以外の残余組合との間に、本案を中心といたしまして妥結するように努力するとともに、その支拂に関しては努めて不公平なことにわたらぬように御努力願いたいと、かように考えております。わけても私たち事務当局人たち、すなわち官吏人たちがこの給與支拂という法律にきめられ、予算が組まれたものに対しまして、一官吏の権限をもつて、あるいは労働問題の対策に、あるいは爭議行為の対策というものに、これを利用するというがごときことがあるならば、これはもつてのほかであると言わざるを得ないのであります。從つて私はそういうことのないように、特に十分に注意を拂われんことを、重ね重ねお願いする次第であります。  なお臨時給與に関する法律に関しましては、その他條文についても、幾多の補正すべき点もあろうかと存ずるのでありますが、特に私たちとして、今度の二千九百二十円のうち、二千五百円を一應皆に拂つて、四百二十円を残すというようなことに対しまして、そうしてこの四百二十円を、職階制を確立するという方向に支拂うというような御答弁のように承りましたけれども、それでは二千九百二十円というところの基本給でも、労働大臣が認めておるように、生活に非常に困つておるときであります。もしも二千五百円を支拂つて、あとの四百二十円を職階制の確立のために用いるということになりますと、生活給としては二千五百円だというようなことになる危險性もありますので、その点も特に留意して、摘当な御措置をとることをお願いするものであります。そうして今官公吏のうちに起つておるところの一切の憤懣をここに一掃いたしまして——一掃ということはできないにいたしましても、特に緩和いたしまして、そうして能率をあげるように全力をあげられんことを望みまして、大体本予算案に対して賛成の意を表するものであります。  なお先ほど磯崎委員から申されましたように、水害対策というものは、これはすでに作付を前にいたしまして、きわめて緊急なものであります。もしこれが遅れるならば、それだけ今年の春の作付に故障を來しまして、本年の食糧問題にも大きな影響があろうと存ぜられますので、この予算になかつたことは、はなはだ遺憾でありますれけども、次の暫定予算なり何なりには、この点を特に附加されんことを希望いたしまして、私の賛成の意を表する次第であります。
  6. 川島金次

  7. 長野重右ヱ門

    長野(重)委員 私は民主党を代表いたしまして、ただいま上程されております昭和二十二年度一般会計予算補正(第十五号)、及び特別会計予算補正(特第九号)並びに同(特第十号)の原案に対して賛意を表するものであります。  本予算の執行にあたりましては、過般來本委員会におきまして、同僚諸君よりの質疑に対し、各大臣より表明せられましたる政府の意図を、十二分に効果をあげるよう、最大の努力を拂われんことを要望してやまないのであります。  なおこの機会に特に政府当局に強調いたしておきたい二つ事柄があります。その一つ災害復旧費、すなわち水害、旱害に対する公共事業費、もう一つは、いわゆる六・三制に関しまするところの予算計上提出であります。われわれはこの二つ事柄が、当然このたびの補正予算計上いたされまして、御提案になるものと深く期待をいたしておつたのであります。しかるにこのことなかりしはまことに遺憾にたえません。これが重要性については、いまさら私が申し上ぐるまでもなく、過般來同僚委員諸員によつて、種々御開陳に相なつておるのであります。また政府当局におかれましても、その必要性を認められておるのであります。願わくは速やかなる機会に、これらの費用計上、御提案にならんことを切に要望してやみません。以上をもつて賛成意見といたします。
  8. 川島金次

    川島委員長代理 これをもつて討論は終局いたしました。  予算三案を一括いたしまして、採決いたします。原案に御賛成諸君は御起立を願います。
  9. 川島金次

    川島委員長代理 起立総員。よつて三案とも原案通り可決いたしました。  この際大藏大臣より発言を求められておりますから、これを許します。北村大藏大臣
  10. 北村徳太郎

    北村國務大臣 磯崎委員より、最初に御発言のございました、政府に各般の事情がありましたとは申しますものの、重大案件をきわめて短い期間に御審議を願わなければならぬことに相なりまして、この点は私どもといたしましても、まことに恐縮に存じておりますが、それにもかかわりませず、事の性質に鑑みまして、きわめて迅速なる御審議を願いまして、ただいまこの事に対して御賛同を得ましたことは、私どものまことに感謝するところでございます。と同時に、きわめて責任の重大なることを感ずる次第でございまして、社会党稻村委員よりおつしやいましたように、この事の処理については、政府全力を盡して遺憾なきを期したいと存じまするし、また現在わが國の内外の情勢に鑑みまして、どうかこの事においてあらゆる労働組合との関係妥結点に達しますようにいたしたい。そのためには誠意をもつて、どこまでもこの妥結を見るように努力を続けたい、かように考えておる次第でございます。  なお特に各委員より共通の問題として強く御主張に相なつておりまする災害復旧の問題、申すまでもなく農地生産の地力を回復することは、これは一地方あるいは一農家の問題でなくして、國としての重大問題でございまして、それがために私ども今日まで微力を盡してまいつたのでございますが、これまたいろいろやむを得ない情勢のために、今回の予算計上することができなかつたということは非常に残念でございます。六・三制にいたしましても、これは文化教育優先性を認めるということは、けだし文化國家一つ條件であるというふうなことを考えますがゆえに、これも何とかしてこの場合に御審議を願いたいと努力をいたしましたが、ついにその事に及ばずして、まことに遺憾にたえませんけれども災害復旧並びに六・三制のこの費用捻出等につきましては、ただしま芦田首相もこの事に関して努力中でございます。私どももできるだけの努力をいたしまして、事非常に重大でございますから、御期待に副うようにいたしたいと存ずる次第であります。本案を御確定願いましてここに感謝の意を表するとともに、私どもの決意を申し上げまして一言御挨拶といたします。
  11. 川島金次

    川島委員長代理 本日はこれにて散会いたします。     午後二時十五分散会