○
松本(七)
委員 先ほど
平川委員より質疑打切りの動議が出ましたが、この問題は最も重要な問題でありまして、私はただいまの久保
委員の御
意見に全面的に賛成であります。この問題はも
つて徹底的に
審議してもらいたいと思います。そこで
委員会を小さい
市町村にまでもつくるということは、なるほど理論としては理想的なものであります。しかし要は、いい
教育を行うための形を整備するのですから、形ばかりできても、その
目的が達せられない危險があるということを十分反省してみる必要がある。先ほど
黒岩さんもおつしやいました
ように、細分した場合に、
地方のボスにこれが歪曲される危險が多分にある。また現在の
地方の、財政状態からい
つて、六・三制でさえも、これを実施するに四苦八苦しているときに、この
委員会の
経費負担ということにな
つてまいりますと、
相当混乱が予想されるのであります。そういうことを
考えますと、なるほど理論から言えば、民主主議の
建前から、これを
地方に委讓していくということが根本原則にもなりまし
ようけれども、
実情から
考えれば、せめて
都道府縣、あるいは五大都市ぐらいに止めたらどうかという
意見が当然常識として、
日本の國情を知
つている者なら出てくるだろうと思います。その点をどの
程度考慮されるか、詳細に承りたか
つたのですが、さいわい今政庁次官の
お話によ
つて、そういうことが全然
考えられなか
つたわけではなく、むしろ
考えたが、いろいろな
事情でこういう原案を出すことにな
つたという
事情がわかりました。また
政府のその間の御苦心のほどは十分察せられます。
日本の
実情というものを納得いくまで
説明することがいかに困難であるかは、よくわかるのであります。しかし、ただここに重要な問題は、現在
國民一般がガラス箱にはい
つたような明るい政治を期待している。そのときにどうも納得のいかない
ような過程で自分たちの強く熱望していることが通らない結果に、いつの間にか終るという
ようなことを続けていると、
將來の
議会政治というものに対する非常な不信の芽生えを現在つくることになるのではないか。これはどうしても
政府の折衝、
政府の努力だけに任せておくわけにまいりません。今後は國会みずからが
國民に対する
責任をと
つて、
相当な努力をしなければなるまいと思います。そういう
意味で久保さんの言われた
ように、今まで
政府の努力してきた
内容を詳細に知
つて、その上でこれから國会が活動しなければならないと
考えるわけであります。それについては
政府のとられた努力の
内容を詳細承
つた上で、こちらも準備してかかる必要があると思います。なおこの
法案はこの問題の主要点として非常に重用でありますし、他の條項とも関連することが非常に多うございますので、党としても十分
審議を重ねなければならぬので、私としては一應
審議を留保して、後にまたや
つていただくということにしていただきたいと思います。