○成田政府委員 一括して御
説明申し上げます。まず第一に「
山陽民報」に
用紙割当の件でありますけれども、他方の政治、経済、
文化発達のために
地方新聞の健全なる発達が必要であるということは、私もよく存じておる次第であります。「
山陽民報」もその
地方の方々のそういうような要望が凝り個ま
つて本
請願と
なつたものと存ずるのであります。
政府当局といたしましても、できるだけ速やかに本
請願の
趣旨を満たしてあげたいと存ずるのもやまやまなのでございまするけれども、前々御
説明申し上げますように、
新聞出版用紙の方の出廻りがはなはだ窮屈な状態にありますので、いましばらくお待ち願いまして、あるいは今年の夏のうちにでも多少殖えるのではないかと思
つておりますが、新規新聞のための紙が増加配給されるようなことになりますれば、
地方新聞のうちの全部というわけにはまいりませんけれども、多少のものに紙が出るのではないかというふうに考えておる次第であります。ただ用紙が殖えるかどうかという問題は、なかなか予測困難な問題でありまして、もしはつきりと殖えるようなことがありましたら、
地方新聞に多少出まわるという程度のお返事しかできないのを残念に思います。
次に「
防長新聞」の問題でありまするが、「
防長新聞」は現在割当を受けておりますが、その部数が割合に少量であありまして、しかもあの大切な石炭生産地を控えて、大いに生産意欲鼓舞のために活躍しておられる事情もわれわれよく存じておるのでありますが、これもまた一つことを繰返すようでありますけれども、新聞にまわされまする用紙の不足のために、今早急に殖やすというわけにもまいらない状態であります。北海道及び
九州の石炭
関係の新聞に、石炭版のための
用紙割当ということがあるのは事実でありまして、
山口縣の炭田のためには、そういうものがないのであります。しかし石炭生産地の新聞が石炭版用紙の割当の有無にかかわらず、非常に炭鉱のためにいろいろと紙面を割いて石炭増産のために協力しておられるという努力に、われわれは敬意を表するものでありまして、できるだけ増配をして差上げたいと思うのでありますけれども、何分今のような状態でありまして、思うに任せない次第であります。
次に
社会科学習指導書に対する
用紙割当の問題であります。中学校、小学校に最近社会科という科目ができまして、しかもそれに対する適当な指導書がありませんために、授業者の方も生徒の方も非常に当惑しておるという事情は、われわれもよく存じておるのであります。
用紙割当委員会におきましては、
從來とも学習書に対する割当をいうことには特に重きをおいておるのでありまして、たとえば本年第一、四半期の割当の表を見ましても、出版書を二十いくつの部門にわけて見ますと、学習書は第二位にあるのであります。第一は文学でありますが、第二位に学習書がはい
つておるようなありさまなのであります。社会科の学習書が特に必要であるということは、文部省の社会科指導に対する方針もはつきりしてまいりましたし、割当
委員会といたしましても十分認識いたしまして、今後ともできるだけ多くそらちの方にまわすという努力をいたすことと存じます。ただほかの部門と比較して飛躍的に、つまり段階の違うような
わくをつけろという御注文は、できるだけその御
趣旨の方向に向いたいとは存じますけれども、早急に
実現は困難なことだと思
つております。
次に「薬業事報」でございますが、これはいわゆる業界の新聞ということになりまして、過去二年間にわた
つて申請をしておるけれども、未だに割当がないという
お話でございます。まことにお氣の毒な事情なのでありますが、どうも新聞に対する割当の
順位を考えますと、一般
地方新聞の方がまだまだ足りないという実情でございまして、今後多少、紙が殖えましても、どうしても
地方新聞の方にまわるということになるのでございまして、業界新聞がやや不利な
立場にあるということをお答えせざるを得ないのであります。
次に「
貿易タイムス」でありますが、これも現在の
日本の産業上に占めます貿易の重大な意義ということから考えますと、貿易
関係の新聞の必要ということは、十分われわれも認めるわけでございますが、新規の新聞に対して紙を割り当てるということは、今日においてはなはだ困難な事情にありますので、新聞用紙全体の生産量がいま少し殖えませんと、
実現困難ではないかと思
つております。「
河内日日新聞」につきましては、先ほど
山陽民報について申し上げたと同じような事情でありまして、
地方新聞の健全な発達ということにつきましては、われわれも最大の関心をも
つておりますけれども、何分にも紙が不足で思うように任せない状態であります。
最後に
労働組合等の
機関紙に対する紙の割当でございますが、
日本民主主義化に大切なる労働組合の健全な発達、そのために必要な
機関紙の用紙ということでありますので、これは
用紙割当委員会も非常に重大性をおいて考えおるのであります。ただこれは何度も繰返して相済みませんが、何分にも紙が足りませんので、まだ手がまわりかねておりますけれども、用紙の都合がつき次第、労働組合
関係の機関新聞は優先的に考えられるのではないかと存じております。以上をも
つて御
説明を終ります。