○
佐々木(盛)
委員 今回の
放送法案によりますと、
日本放送協会と一般
放送局との二つにわかれているようでありまするが、私は後者の一般
放送局に関連して
質問したいと思います。一般
放送局は、
民間におきまして申請をして、一定の條件さえ具わ
つておりましたならば、自由に
放送局を開設することができることにな
つておるのでありまするが、
日本の現状におきましては、先ほどある
委員から、資材その他の
関係から、すぐに一般
放送局がどんどん設立されるようなことはないじやないかというよな話もありましたが、私はむしろ反対の見解をも
つているものでありまして、おそらく雨後のたけのこのように出てきはせぬかと
考えるのであります。そこでこれを少しく政治の分野において
考えてみましたときにおきましても、現在半官半民でありまする
放送協会におきましてすら、あの
放送の中におきましては、非常に偏頗なプログラムなどが組まれ、そういう
放送をなされておりますることは、これは万人周知のことなのであります。ところがこの一般
放送局というものが、自由に開設できることになりましたならば、早い話が、ここに非常に極端なる
一つの政党や思想
團体が、そういう
放送局をもちたいと計画することは、もとよりであろうと
考えます。そういたしましたときに、思想、言論の自由ということは、
憲法によ
つて保障はされておりまするが、しかしながら、一面またポツダム宣言によりまするところの、
日本の正しい
民主化、あるいは責任政治の確立というような見地から
考えましたときに、非常に極端なる一部の思想などが、
放送局を通じて宣傳されまする結果は、國内に、現在
大臣がお
考えにな
つていないような、非常な不測の恐るべき事態が発生しないとも限らないのであります。とかく
終戰後の今日の
國民、人心の傾向から
考えまして、非常に動搖しておりまするときに、ある特定の一部の極端なる思想が
放送されましたときの結果は、恐るべき事態を招來するということも予見し得るのであります。從いまして、思想、言論、そのものは自由でありましても、それを宣傳いたしまする結果というものが、
社会公共に非常な混乱を來し、不安を來すというようなことも予見しなければならぬと
考えるのであります。從いまして、そういうことが起るということも十分予想された上でこの
法案を御提出にな
つておるか、あるいは
政府当局におきましては、そういう一部の極端なる
社会の公共秩序を破壞するがごとき
放送の計画に対しては、これに手心を加えて、その
許可などに制限を加えるというふうな御
意見はないものかどうか。この辺の点につきまして、卒直に承りたいと思います。