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小川委員長 それではこれより
会議を開きます。
本日の議題は公報をも
つてお示しいたしました
通り、
祝祭日に関する件であります。
同僚各位におかれてもすでに御
承知のごとく、政府はさきに政令をも
つて早急に
祝祭日を改定しようといたしたのでありますが、われわれは強くこれに
反対し、廣く民意に徴しつつ愼重にこれを議すべきものとし、われわれ
自身の手において、これがための
法律案を作成しようといたしたのであります。さいわいにして
関係筋においては、このわれわれの意のあるところを了とせられ、時間的猶予を與えられましたことは、まことに
感謝感激にたえない次第でありました。かくしてわれわれは、われわれの責任において全力をあげて立案し、これを
関係筋にもたらすことこそ、その厚情に報ゆるゆえんであることを痛感いたしました。しかし当初の二月十一日ごろまでの
成案予想が
延引に
延引を重ねて、今日に至りましたことは、まことに恐縮にたえないところであります。ただわれわれといたしましても、この間において
審議を重ねること二十二回、
うち委員会十回、打
合会八回、
両院合同打合会四回に及び、また正式の会合以外に
同僚委が
お互いにおいて、終始
研究を加えてまいりましたが、特に
国民大衆ないし有識者の意向を知り得たことも非常な收穫でありました。
かくしてわれわれは新
祝祭日選定の標準といたしましては、まず第一には新
憲法に則ること、そして第二には
國民全般が容易に納得し祝福するに値するものたることを
條件といたしました。
從つて國家神道的色彩が拂拭せらるべきはもちろんでありました。これまでの
祝祭日の
概念が一変せらるべきことも当然でありまして、それは、國及び
國民全般が恒例として祝い、記念する日と
なつたわけであります。われわれはこの新しい観点におきまして、新
祝祭日を
研究審議してまい
つたのでありますが、われわれがひそかに誇りといたしますことは、われわれが前後二十二回の
委員会、打
合会ないし
合同打合会を通じまして、終始公開の
建前をとりまして、
傍聽を希望する向きはことごとくこれを許し、
報道方面に対しましても何らの制限を加えなか
つたことであります。
同僚各位の中には、みずから街頭に立
つて大衆とともに新
祝祭日を論議檢討した方も少からずあるのでありますが、これは所詮われわれが当初からこの問題を重要視し、
國民とともに
研究審議を重ねたいとの念願の現われにほかなりません。
次に本
委員会としての
審議の内容をうかがいまするに、まずも
つて論議が近來とみに活発の度を加えてまいりましたことは、まことに欣快にたえませんが、前回までに一應まとめられました案につきましても、
委員各位におかれては未だ必ずしも御満足の行かない点があらうかと存じます。殊にわれわれが
全員一致をも
つて設定に決しておりましたいわゆる
國始節が、去る六月十二日の
合同打合会案以來、一應保留の形とな
つておりますことは
不肖委員長といたしましても、まことに遺憾に存ずる次第であります。
なお
不肖委員長としての希望を申し上げますならば、本件はぜひとも本
会期中に
成案を得て
両院を通過せしめたいものと存じます。
從つて時日の余裕はいくばくもないのであります。
委員各位には
会期切迫の
折柄、何かと御多用とは存じますが、あえて本問題のために寸暇を惜しまれ、よりよき案への到達に向
つて邁進せられんことを念願いたしてやまない次第であります。
御参考までに
現行祝祭日と四月十五日の
合同打合会以後の案を表にまとめてお届けしておきました。御一覽を願いたいと存じます。
大体これまでの
経過の御報告をただいま
委員長の挨拶とともに申し上げたのでありまするが、すでに二十数回も
委員会を重ねられまして、実はでき得るならば、本日中に
試案をまとめたいと
考えておる次第であります。六月十五日案は、われわれ
衆議院側にも二、三の
反対意見も出たりしたのでありますが、結局
表決をと
つたわけではないのでありますが、多数の
方々が大体この十五日案に御
賛成であ
つたので、大体この十五日案が
決定したのであります。