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1948-02-06 第2回国会 衆議院 文化委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年二月六日(金曜日) 午前十一時七分
開議
出席委員
委員長
福田
繁芳
君
理事
佐藤觀次郎
君
理事
最上 英子君 猪俣 浩三君 馬場 秀夫君 原 彪之助君 森山 武彦君 高橋 長治君 成島 憲子君 平澤 長吉君 奥村 竹三君
竹尾
弌君 山名
義芳
君 小枝 一雄君 川越 博君 受田 新吉君 木村 榮君
出席政府委員
外務事務官
與謝野
秀君
文部事務官
剱木
亨弘
君
委員外
の
出席者
外務事務官
松井
明君
專門調査員
武藤
智雄君 ————————————— 本日の
会議
に付した事件
ユネスコ
に関する件及び
留日外國学生
の
処遇問
題に関する
説明聽取
—————————————
福田繁芳
1
○
福田委員長
それでは
会議
を開きます。
印刷局
の爭議のために御
承知
の
通り公報
が、
謄写版刷り
となりましたので、その
作成
に手間がかかる都合上、いきおい
掲載記事
が簡略となり、
かたがた常任委員会
の
議題
も
掲載
を省略されることとなりましたので、あらかじめ御通知ができない結果と
なつ
たことは、非常に遺憾と存じております。しかし本日の
議題
は、一昨日
開会
の
理事会
において決定したことでありますので、
同僚諸君
には、おそらく
理事
よりすでにお聽及びのことと存じております。すなわち
議題
は
二つ
あります。
一つ
は
ユネスコ
に関する問題であり、他の
一つ
はわが國に在留する
外國人
、殊に
外國人学生
を
相手
とする
文化対策
の問題であります。 今日の
日程
第一の
ユネスコ
に関しましては、本
委員会
は國内のあらゆる
運動
に率先して、すでに昨年すなはち、
昭和
二十二年七月八日の
開会
の第一
國会
における第三回
打合会
におきまして、
十分研究
を重ね、続いて九月五日には、本
委員会提唱
のもとに、
中華民國ユネスコ代表
程天放氏を
國会
に迎えまして、
衆参同院
の
文化
、文教、
外務
三
委員会
が同氏を囲んで
懇談会
を催したことは、
諸君
御
承知
の
通り
であります。その後
國内各地
に澎湃として興
つて
きた
ユネスコ促進運動
も、
政府
との
連絡
のもとに、よくこれを調整助長して今日までまい
つたの
であります。われわれの
念願
とするところは、一刻も早くわが國が
ユネスコ
に
参加
することに存するのでありまするが、本日は
政府委員
より、
ユネスコ本部
のその後の動向、特に過般
アメリカ
の
メキシコ
・シテイーにおける
大会
の
模樣
を聽き取り、併せて
國内運動
その後の
状況
について御
説明
を願いたい、かように存じてお
つたの
であります。さいわい本日は
外務省情報部長與謝野秀
君の御
出席
を願いましたので、まず
與謝野政府委員
から、一應前申し上げましたところの御
説明
をお願いいたしたい、かように考えます。
外務省情報部長與謝野秀
君、お願いいたします。
與謝野秀
2
○
與謝野政府委員
昨年七月、当
委員会
の
打合会
におきまして、
外務省
の係官より御
説明
申し上げましたその後の
ユネスコ
の
活動
の
状況
につきまして、
簡單
に御
説明
申し上げたいと存じます。
ユネスコ
は、昨年の十一月七日から十二月四日に至るまで、
メキシコ
・シテイーにおいて、第二回
総会
を開催いたしたのでありますが、新しく
加盟
した國を含めまして、三十六
ケ國
の
参加
のもとに、盛大に挙行されたのであります。
ユネスコ
の
事務総長ジユリアン・ハクスレー
氏は、十二月八日の
閉会式
の席上、われわれはここに平和の保障となるべき
世界的協力
の新しい
精神
の
基礎
を築いた。
ユネスコ
はわれわれの期待したすべての実を結び得ないとしても、多くの國の
人々
が親善の
空氣
のもとに互いに知り合う機会を與えたと述べたのでありますが、この
総会
においても、
國際情勢
を反映いたしまして、
ユネスコ
におきましても、いわゆる
二つ
の
世界
というものが反映されたことは、この
言葉
の中にも認められるのでありまするが、同時に
ユネスコ関係者
のこの
精神
の貫徹によ
つて
世界
平和を達成しようとしておる熱意と
希望
を物語
つて
おると思われるのでありまして、ここにこの第二回
総会
の大体の
経過
と、その
事業
につきまして御
説明
申し上げます。 まず十一月八日に、新しい
加盟國
の承認が行われまして、
オーストリア
、
ハンガリー
、
イタリア
、スイス、この四つの國が新たに
加盟
を承認せられたのであります。ただ
アメリカ合衆國
は、
ハンガリー
の
加盟
に対しましては、目下
ハンガリー
が
ソビエト
の
統治下
にある、
從つて國民
の
代表
とは認めがたいとの
理由
で、
投票
を棄権したのであります。続いて
総会
の
議長
の選挙が行われたのでありますが、
メキシコ
の
文部大臣マヌエル・グアル・ヴイダル
氏が
議長
に選ばれました。また副
議長
に関しては、
フランス代表
がこの
会議進行
におけるラテン
アメリカ
の重要な
役割
ということを
理由
といたしまして、
ブラジル
を指命したのであります。
ジユリアン・ハクスレー事務総長
は
開会
の辞におきまして、一九四八
年度
の
事業計画
として、第一に
教育
、
科学
、
文化
の標準を高めること、次に
思想
の
自由交流
の
促進
、次に
國際的理解
のための
教育
、また
國際的緊張
の
研究
及び
現代世界人
に対し環境の及ぼす影響の
研究
、
ユネスコ計画
の
政府
及び
國民
による
計画遂行等
をあげたのでありまするが、ハクスレー氏が特に強調したのは、次の諸項目であります。第一に、戰災國の
荒廃地区
の
復旧再建
、次に
文化
、
科学
、
教育再建
という廣い
範囲
の
計画
の樹立及びその
実施
に要する実質的の
財源格保
のため、
國際連合
と接近し、その
関係
を強化するということ、次に相互の利益幸福のために、
國家
間のいろいろな
サービス
を交換するということの諸点であります。 また
事務総長
は前
年度
の
事業報告
を
行つたの
でありますが、
戰爭
によ
つて
荒廃した諸國に対して、書籍、学用品、
教育設備等総額
一億ドルに上る額を昨年の十一月一日までに供給したと述べて注目をひいたのであります。また
ポーランド
とチエコ・スロヴアキア、
フイリピン等
には、
科学研究
及び
教育施設復興助成
のためこれに必要な一そろえの資材及び
資料
を送
つた
。また
教育
による
平和促進
のためには全
世界
にわた
つて
ほとんど各要所に対して
活動
を開始し、
ユネスコ
の第一
年度
は成功であ
つた
と述べたのであります。 続いて各
國代表
の
演説
が行われたのでありまするが、現在の非常に
機微
な
國際情勢
を反映しまして、いろいろと
興味
のある
言明
が行われたのであります。たとえば、
インド
の
代表
は、その
演説
の中に、
少数者
の手に
政治権力
を集中することは、人類の
奴隸化
を紹くが、これには富の力によ
つて富裕者
の手にも獲得されるものである、
経済的独裁
も
フアシスト的傾向
であろう、こういうことを述べたのであります。また
ポーランド
の
代表
は、非然に強力富裕なる國が、自分の
政治的観点
から
ユネスコ
の
計画
を支配しようとしていると、暗に
アメリカ
を非難する
言葉
をはいたのであります。また
アメリカ
の
ユネスコ代表者ベントン
氏は、
合衆國
は、
世界
の
人々
に対して、いわゆる
二つ
の
世界
の恐怖というものを言われているのに対する回答として、心、良心及び全
世界的市民性
、これに
参加
するよう要請する、
アメリカ
の
國民
は絶対に支配しようと欲しているものではないと述べているのであります。また、できるだけ早くユネスネは眞の全
世界
を
代表
するものになることを
希望
するということを述べまして、
ソビエト
の
参加
ということに呼びかけているわけであります。 各
國代表
の
演説
が終りました後に、
総会
はいよいよ
ユネスコ運動
の実質的の
討議
に移りまして、各
委員会
においていろいろ活溌なる
論議
が行われましたが、この
総会
におけるおもな
決議
及び
提案
の採択されたものは次にあげる
通り
であります。 第一に
教育
に関する問題。
ユネスコ計画委員会
は、
教育的職業
から性、
有色人種等
による
差別待遇
を除去するため、世全界の
教育者
を包含する組織の
設置
に関する
フランス
からの
提案
を採択したのでありますが、これは特に中國及び
フイリピン
の強い支持を受けたのであります。また最も
興味
のある
提案
は、一九四八年
つまり
今
年度
中に、
ユネスコ
の
計画
を
ドイツ
に拡張しようとするものでありまして、
管理
及び
渉外委員会
の勧告に基いて、ユネストはその
事業
を
ドイツ
に拡張する
方法手段
の
確実性
をはかるために、一九四八年内に
ドイツ占領連合軍当局
と協議せよという
提案
を十七対一票で採択したのであります。この一票という唯一の
反対投票
は
ポーランド
の
代表
によ
つて
なされたのでありますが、
ポーランド代表
は、
ドイツ
の再
教育
は必要ではあるが、われわれにはまだ戰争の痛手というものがあまりになまなましい。
ポーランド
と
ドイツ
との直接の接触ということは、時期尚早であると主張したのであります。
米國
の
代表
は、この
決議
を支持いたしまして
ドイツ
及び
日本
の再
教育
は、平和の根源に対する要請であるという見解を声明して、他の
代表
の賛同を得たのであります。 なお
日本
につきましては、中
國代表
から、第一に、
日本
の
教育
の現状及びその
傾向
に関する
情報蒐集
を
事務総長
を通じて
極東委員会
にはかる。第二に
日本
人に
平和教育
を與えるために、
ユネスコ事業予算
で、どの
程度金額
を支出し得るか、
研究
の上
報告
を提出するようとの
提案
がなされたのでありまするが、この
案提
は
起草委員会
にまわされたまま、まだ具体的の結論は見ておらないのであります。 次に一九四八
年度
の
ユネスコ事業
の第一位を占めます
文盲一掃計画
は、
世界人口
の過半数である
文盲
が、
世界
平和の
実現
えの
役割
を果すため、
基礎教育
を受ける必要がある。中國、
インド
、
アフリカ
に特別に学校を
設立
して、男女に対し
國際的理解促進
のための
教育
を施すこととしているのでありますが、これに必要な
調査
、
研究
は
経済的寄附
を仰ぐことにする。十二月二十九日の
総会
の席で、
カナダ
の
代表
は、
戰災地域内
の
教育設備再建費
として、二十万ドルの
寄附
を発表したのであります。また
ユネスコ
として、現在の
教授法
に関する適切なる
情報
の
蒐集
及び配布並びに
加盟国
によ
つて
使用される
教育資料作成
の責任を負
つて
、一九四八年の
ユネスコ事務局
の
事業
とされたのであります。また
ユネスコ
の
教育
及び
再建
の
計画
の
範囲
内において、
亡命スペイン兒童及び生徒
に対して救助するようにというウルグアイの
提案
も、
総会
で採択せられたのであります。以上が
教育
に関する件であります。 次に、言語に関する件につきましては、
スペイン語
も
ユネスコ
の第三の
常用語
としようとする
提案
が、
アメリカ
の
代表ベントン
氏の
反対
によ
つて
否決されたのであります。
ただ中國代表
より、この問題を他の
國際連合会
の諸
機関
と協議するため、
事務局
に送付しようと
提案
しまして、これは二十票対す票で採択されたのであります。 第三に、
戰爭
の宣傳排撃問題でありまするが、十一月二十七日、
特別小委員会
におきまして、
フランス
、
ポーランド
、
オーストラリア等
より、
戰爭挑発
に関する
協議案
と、また
ブラジル
、
カナダ
、中國、
インド
、
メキシコ
、オランダ、
アメリカ等
より、
戰爭挑発
に関する
決議案
というものが、それぞれ提出さられたのでありまするが、九票対二票で、
フランス側
が出しました
決議案
が採択されたのでありますまた「全
世界
の
神学者
、
教育家
、
藝術家
、作家及びジヤーナリストは正義及び
平和持続
を脅かす
思想
及び行動と闘うために全力をあげ、あらゆる
方法
を講ずる。」という点を
決議案
中に修正採択したのであります。 次に、
予算
に関する問題でありまするが、
総会
の
決議事項
の
一つ
として、次の
年度
すなわち一九四八
年度
予算全額
七百六十八万余ドルを、
ユネスコ事業計画
並びに
運営
に
一般サービス実施費
として採択したのであります、この
予算細目
を見ますると、一九四八
年度
ユネスコ事業計画
の全貌は、大体明らかになりまするので、
あらまし
の数字をここに申し述べておきたいと思ひます。
事業計画
の
実行費
は、
総額
四百九十七万三千二百五十七ドルでありまして、
生活費
及び
物價
の高騰を見越しまして、
予備金
三十五万ドルを備えております。また
運営
及び
一般事務費
には、レバノンのベールートで開催される第三回の
総会費
を含みまして、総計百九十八万一千四百四ドルを充てておるのであります。その他おもな
割当
は、
施設再建
のための
費用
六十一万六千ドル、
基礎教育費
二十五万ドル、
大衆機関
、
新聞
、
映画
、
ラジオ
、百万ドル、
アマゾン流域
におきます
科学的計画
に五万五千七百五十ドルを予定しております。また
予算
中の特別の
割当
には、
再建計画
の項に、
ユネスコ自身
のために購入する
設備品
の
費用
として、十七万五千ドルが計上されており、また
マス・メデイヤつまり新聞
、
映画
、
ラジオ
でありますが、これの項の中には、
新聞
、
映画
、
ラジオ製作單位創設費
として三十六万ドルが含まれておるのであります。この
提案
はイギリスの
代表
からなされたのでありまして、当初五十万ドルを要求されたのでありますが、
予算委員会
で三十六万ドルに削除されたのでありまして、ほとんど全部の
代表
がこれをバツくしたのであります。またその他こまかい
割当
は、全
世界
の
著作権会議
の
研究
及び
準備
の
費用
として二万八千ドル、
公共図書館緊急事業継続費
として二万五千ドル、中國、
英領東アフリカ
、ハイチ及びペルーに
設立
が予定されております
啓発教育費
十万ドルであります。 ただいま申し上げましたところが、第二回
総会
の
経過
の
あらまし
でありますが、この議会の席上、
南アフリカ主席代表ロバーツ博士
が、
日本
、
ソ連ドイツ
の
ユネスコ加盟
の早からんことを
希望
したことと、
インド代表
が、
ユネスコ
として前
枢軸系
の國を承認する以上、
イタリア
、
ハンガリア
、
オーストリア
に次いで、
ドイツ
及び
日本
の
加盟
を承認すべきであると述べていることは、わが國の
ユネスコ加入
の前途に光明を與えるものとして、喜ばしい次第であります。もちろんわが國は、なお
連合國
の
管理下
にありまして、
講和條
約が締結せられなければ、
國際連合
に
加入
できないように認められておりますし、
國際連合
非
加盟國
として
ユネスコ
に
加盟
するためには、
ユネスコ執行委員会
を通じて、
総会
の三分の二の承諾を得た上に、さらに
國際連合経済社会理事会
の同意を得るという手続が、必要にな
つて
おるのでありますが、ただいまの
情勢
では、早急に
ユネスコ
に
加入
するということは、
イタリア
や
ハンガリア等
の例を見ましても、なお困難が認められるのであります。ただわが國の
加入
はございませんでも、
ユネスコ
の
事業
がわが國に及んでくることは、第二回
総会討議
の際にも明らかにせられた
通り
でありまして、わが國といたしましては、
ユネスコ加入
前におきましても、
民間
の
協力團体
の
結成
、ひいては
國内委員会
の成立を見ることによ
つて
、
加入
の
準備
を着々と進めなければならないと考えております。 なお、ついでに現在のわが國におきます
ユネスコ協力会
の
状況
について、御
説明
申し上げます。
ユネスコ
の
精神
に共鳴しまして、その
事業
を積極的に展開しようとすることを目的とした、
民間
のわいゆる
ユネスコ
の
協力会
は、昨年の七月、
仙台
の
ユネスコ協力会
の
設立以來
、全
國各地
に
設立
されつつある現況であります。今日までわれわれが
承知
しております
協力会設置
の
状況
を申し上げますと、第一に、
仙台ユネスコ協力会
が昨年七月に創立されたのであります。これは
東北大学総長佐武安太郎
氏を
会長
といたしまして、
東北大学
の
教授
、
終戰連絡事務局
、
縣廳代表者等
を
理事者
として、
活動
を開始しておるのであります。また昨年の九月
京都ユネスコ協力会
が
設立
されまして、
同志社大学総長湯淺八郎
氏を
中心
として、
学界
、
官界
、
文化界等
の
代表者
がこれに加わ
つて活動
を開始しておるのであります。次に、本年の一月二十二日つい
せんだつて
でありまするが、大阪に
ユネスコ協力会
が
設立
せられまして、大丸の社長の
里見三郎
氏を
会長
として、
実業界
、
官界
、
学界
の
有力者
を
中心
に
結成
されたのであります。その他神戸、和歌山、名古屋、
靜岡等
の諸他にも、
ユネスコ協力会
が
結成
されたという報道を得ておるのでありまするが、その
活動
の
構成等
については、われわれはまだ正式に詳しいことを伺
つて
おらないのであります。 次に
地方
に続々
ユネスコ協力会
が
結成
されつつあるのでありまするが、わが國の
中心地
たる
東京
に
協力会
のないことは残念なことであるという説が各方面に起りまして、
東京ユネスコ協力会
の
設置
が提唱されていたのでありまするが、
東京
にはいろいろ
複雜
な事情がありまして、なかなか急には
実現
を見なか
つたの
でありまするが、昨年の十一月の末、
東京
におきまして、
ユネスコ運動
全
國大会
が
地方
の
協力会
と
東京
の有志によ
つて
開催されたのであります。これが機縁となりまして、
東京ユネスコ協力会
を
設置
しようという機運が漸次具体化してまい
つて
おりまして、近く
協力会
が
結成
の運びとなるだろうと見られておるのであります。その他
東京
を初めといたしまして
各地
に、
学生
の間に
ユネスコ運動
が漸次高ま
つて
おるのでありまして、
学生
の間における
ユネスコ協力團体
が那次
結成
されつつあるのであります。われわれといたしましては、わが國の
ユネスコ加盟
がいつの日に
実現
するか、まだはつきりとは断言できないのでありまするが、
ユネスコ加盟
に万全の
準備
を整えるために、適当な時期に
加盟準備委員会
というような
機関
を設けまして、わが國におきまする
ユネスコ運動
の総合的な調整をすることが、必要ではないかというふうに考えているのであります。 はなはだ
簡單
でありまするが、現在のわが國におきまする
状況
を申し上げました。
福田繁芳
3
○
福田委員長
諸君
に申し上げます。
諸君
が非常に御
関心
をも
つて
おられました
ユネスコ
問題の、殊に
メキシコ大会
の
模樣
を、本日
與謝野情報部長
より詳細に知り得たことは非常に御同慶と存じ、私も
委員長
として、
與謝野情報部長
に衷心から敬意を表します。
諸君
も、この
大会
の詳細の
模樣
、あるいはまたわが國内におきます
協力会
の概況を知り得たことと存じまするが、もし御
質問
がありますれば、これを許します。御
質問
ございませんか。
竹尾弌
4
○
竹尾委員
大体三つばかりお尋ねいたします。今、
與謝野
さんの御
説明
によりますと、第一、
藝術家
あるいは昨
家等等
によ
つて
、
戰爭
に
反対
するような
決議
をされた。
戰爭
を挑発するような
思想
に対する
反対
の
決議
をされた。それが具体的にはどういうふうにな
つて
おりましようか。第二は、
ソ連
に対して
ユネスコ参加
の
運動
を起したというような御
説明
でございましたが、それに関連して、
ソ連
で現在行われておりますヴツクスの
運動
、これが
ユネスコ運動
に対してどういう
関係
にな
つて
おりますか。第三は、本
年度
の
計画
といたしまして、
アマゾン河
の
科学的調査
をするという
お話
でございましたが、その
科学的調査
の
機樣
、内容と申しますが、そういう点をおわかりでしたら、御
説明
願います。
福田繁芳
5
○
福田委員長
今の
竹尾
君の御
質問
に対して、
情報部渉外課長
の
松井清
君に御答弁願います。
松井明
6
○
松井説明員
戰爭排撃
の話につきましては、ただいま
與謝野情報部長
から言われた以外に、実はほとんど
情報
がないのであります。
戰爭排撃
に対する
ポーランド
の
決議
というものが否決されることになりましたのは、これは
アメリカ
と
ポーランド
との間に、若干
意見
の
相違
があ
つた
ということで、
アメリカ側
からは、
國連
においてもすでに採択されておりまする
戰爭宣傳排撃
に関する
決議
というものを、いまさら
ユネスコ
がもう一遍やる必要はないじやないかというようなことを言いまして、その点が多少
論議
されたということだけがわか
つて
おりますが、それ以外に、どういう
論議
が繰返されたかということは、実は私の手もとには、まだ一切わか
つて
おりません。 それから
ソ連
の
活動
と
ユネスコ
との
関係
、これは全然不明なのでありまして、むしろ
ポーランド
の
代表
の発言などから見ましても明らかな
通り
に、
ソ連
には、やはり
ソ連
的な
考え方
がありまして、同じ
文化
問題に対しましても、米・英的の
考え方
と根本的な
考え方
の
相違
から、むしろこれにはいらないという立場をと
つて
いるように見受けられるのであります。先ほど
機微
な
國際情勢
を反映して、
ユネスコ
の中にも
二つ
の
世界
が看取されたという
お話
を
情報部長
がされましたが、
ポーランド代表
の
演説
の中で、それが非常にはつきりしているのであります。
言葉
をくだいて申せば、
アメリカ
的な
文化宣傳
ということは、やはり隠れたる
アメリカ
の帝國主義的な
政策
を
文化
によ
つて
裏づけるという行き方があるんじやないかという、非常な壊疑的な
思想
をも
つて
、
ポーランド代表
はこれに
反対
をしているのであります。
ポーランド
と申しましても、これはやはり
ソ連
の考えを反映しているのものと見られますので、どうも現在までのところは、
ソ連
が
ユネスコ
に
参加
する
模樣
は全然見えないのであります。
アメリカ
としては、
ペントン
氏の
言明
にもあります
通り
に、
ソ連
を何とかして引入れようという
呼びかけをやつているわけでありますが
、どうも現在のところは、むしろ対立の
関係
になりはせぬか、これがほかの
機関
と同樣に、
ユネスコ
の内部においても、
二つ
の
世界
の悩みがあるんじやないかということが言えると思います。 それから、
アマゾン河
の
計画
にしましても、これも私どもの方には、
情報
が全然はい
つて
おらないのでありますが、むしろこれからどんどんやる
計画
ではないか、現在のところでは、まだ
調査程度
ではないかというふうに判断しております。非常に
簡單
でございますが、一
應御質問
にお答え申し上げます。
福田繁芳
7
○
福田委員長
他には御
質問
ございませんか、御
質問
がないようでありますから、
日程
第二に移る前にこの際ごく
簡單
に一言申し上げます。 先ほども私が申し上げましたように、われわれの
念願
とするところは、一刻も早く
ユネスコ
にわが國が
参加
するということであります。それにつきましては、かねがね
政府側
より、また
民間側
より、
國会
の強い
推進運動
が要望せられておりますが、われわれ
自身
としましても、このことは、つとに痛感してお
つた
次第であります。過般來、わが
委員会
としまして
武藤專門調査員
をもちまして、その方式の
研究
を委嘱いたしておりますので、多分
休会あけ
、すなわち三月末日ごろには
準備
ができると存じております。その上は
委員諸君
の御
協力
を仰ぐとともに、殊に
政府
においては、
民間側
と緊密な
連絡
を十分おとりくださ
つて
、そうしてわが
委員会
に御
協力
あられんことをひとえにお願いいたします。 —————————————
福田繁芳
8
○
福田委員長
次は
日程
第二の、
本邦存留外國人
特に
外國人学生
を
相手
とする
文化政策
の問題でありまするが、これにつきましては、わが
委員会
としても、かねがね
重大関心
を抱いてお
つたの
であります。たまたま去る一月十二日
東京
都主催のもとに、都
知事
の公舎で開きました、いわゆる
留日外國人文化対策懇談会
、そこで
本邦在留外國人学生
の約八割を預か
つて
おりまする
東京
都
当局
より、いろいろ訴えられるところがあ
つたの
であります。当日はあたかも
國会
は
休会
中でありましたが、
國会側
より私と
武藤専門調査員
、
政府側
より岡崎前
外務次官
が
出席
せられまして、
東京
都
安井知事
並びに大木、山田両副
知事
より、ぜひとも
國会
がこれを取上げて輿論を換起してほしいという、ごもつともなる切実な要望があ
つたの
であります。われわれとしては、これを
議題
に
拂つて
お
つた
ところでありますので、本日、
日程
第二として、これを
議題
に供した次第でございます。順序といたしまして、まず
東京
都側から、その
体驗
に即した実情の
報告
と、併せて御
希望
を開陳願いたい。続いて
政府側
の
説明
をお願いいたしたい。そうして
研究
してまいりたい、かように考えます。 ちよつと
諸君
に申し上げます。この問題は相当重大な問題であるから、一應ここで速記を止めて、
委員会
はこれで終了して、
打合会
の形式でもう少し
腹藏
なく
意見
の交換をいたしたい。こう思いまするが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
福田繁芳
9
○
福田委員長
それではさようにいたしまして、一
應委員会
はこれで散会いたします。 午前十一時四十三分散会