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○
松本証人 主義といたしましては、私は
石炭國管は
石炭の
増産には役立たないであろうと考えてお
つたのであります。しかしながら
新聞の使命がそうした
個人の意見によ
つて動かさるべきものでないことは重々承知いたして、おりますので、紙面の上におきましては、絶えずこの
委員会なりあるいはその他の
動きをそのまま報道に努めてお
つたのであります。ただそれだけまず申し上げておきます。
-
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○
松本証人 確実な
日時は忘れましたが、十月の末ころか、十一月の初めころであ
つたように記憶いたしております。
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○
松本証人 当時
國会新聞は
経営すこぶる不如意でございまして、あるいは
議員の
方々から、あるいはそれ以外の
方々から
廣告の
名義であるとか、あるいは
援助金という
名義において醵金を
願つてお
つたような
状況であります。ときたまたまかねて知
つておりましたところの
原口氏が
議会に見えておりましたので、哀情を訴えまして、社の
援助金として何らかの
寄附を願いたい、こう申し上げたのであります。
原口氏は非常に太つ腹な人でありまして、頼めばまず大体聴いてくれる人であ
つたので、私は
原口氏にこのことをお願いいたしましたところが、今
言つたように二万円を私にくれたのであります。それで私はこれを
工藤社長に提供いたしまして、社員の
給料支拂であるとかその他に充てるように手渡ししたのであります。
-
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-
○
武藤委員長 二人で分けたというようなことはないのですか。
-
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-
○
松本証人 その点はよく御承知願いたいと思います。私も三十年近く
新聞生活をいたしておりまして、そうした
一つの
目的のために金を
受取るというようなことは
新聞道に反するものであることは十分に弁えているのであります。もしまた
國会新聞がそうした
運動をいたす、こういうことを約束して金の請求をいたしまするならば、わずか二万円くらいの金を私は請求いたしていないだろうと思います。少くとも五年、十年
経営に何ら心配のいらないだけの
金額を私は要求していただろうと思います。この点につきましてはその額のわずかであ
つたこと、また
石炭國管についてどうこうしてやるということは正しいことであるか否かについて、われわれが常にいかに考えてお
つたかということについては十分に御了察のほどを願いたいのであります。
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○
松本証人 それはおそらくあ
つただろうと思います。そしてそれは全部
工藤氏の方に
報告いたしてあるので、あるいは私が戴いたのもありますし、
工藤氏自身が動いたのも相当あると思います。そこでその
相手の人間であるとか、あるいは
金額などはここに調べていないのです。申し上げかねます。
-
-
-
-
○
松本証人 ほかの
金額は、あるいは五百円とか、千円とかいう小さな
金額で、
國会新聞は常にそういうことをや
つておるので、それを一々私は覚えていません。
-
○
武藤委員長 ですから全部でなくともいい。覚えているだけを伺うのであ
つて、あなたが一方では
原口さんから二万円受け取られたことは、これは
石炭國管反対のためではないかというような疑いももたれているわけなのでありますから、そうでないと言われるそのためにもいくつかの事例を、それが証拠には
原口だけではない、これからはこういうふうにもら
つたではないか、これからはこういうふうに
受取つておる、こういうことを十ばかり言
つてもらえばたいへん
都合がいいという
意味なんです。
-
○
松本証人 それがどうも今そこでだれからであ
つたかということは頭にないのです。
-
○
武藤委員長 そんなことはないでしよう。少しは覚えているでしよう。
-
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-
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-
-
○
工藤証人 いろいろ
動きは当然職責上ニュースとして知
つておりますが、特にこれに
関係をしたということはありません。
-
-
-
-
○
工藤証人 大体あなた方が
御存じのようなところで、特にその方にタッチしたことはないからわかりません。
一般の
新聞に出ているくらいの常識くらいのものです。
-
-
○
工藤証人 松本君からこの問題が出てきて、一体全体だれから金をもら
つたのだということを聴いたときに、初めて
原口さんから出たということを聴きました。今初めて
証人のあそこで
原口さんと、あなたは
原口さんですか。そうです。私は
工藤です。こう
言つて挨拶をしたくらいの初めてです。
-
-
-
-
-
-
○
工藤証人 その日にちははつきり覚えておりませんが、とにかく
松本君が私のところヘ二万円持
つてきましてそれを
受取りました。
-
○
武藤委員長 それは十月の末か十一月の初めごろですか。
-
○
工藤証人 大体終りころだと思いますから、そうじやないかと思います。
-
-
-
-
○
工藤証人 私は、大体
新聞経営上非常に苦しい。社は欠損でありまして、それを補うために筋のよい
寄附をくれるところは遠慮なくもらえ。それから社が貧乏ですから、月給も多額に拂えませんし、もら
つてきたらば何割かその方のあれに充てろ、こういうことを言
つておりました。そこで
松本君が
國管のときに、
大分費用が出るらしいから、そこで
寄附をあれしたらどうかという話がありましたから、それはよろしかろうというので承認をいたしました。そうしたら
松本君がそれじや
自分に任してくれと言いますから、よろしいと言
つて任した次第です。
-
○
武藤委員長 そうすると、今の
お話の中で、
國管があれしたときに
寄附が大分出るらしいということを、もう少し具体的に言
つていただくとどういうことになるわけですか。
-
-
-
-
-
-
-
○
工藤証人 その金の
性質がだれから出たか私は全然知りませんから、とにかく
寄附り金ならばどこから出ようと、それがために
自分が
運動するとか、
記事をまげるとかいうことの
條件や何かなければ、当然私は
寄附を受けても差支えないと思
つております。
-
-
-
○
武藤委員長 これは別に
業者からは金が出ても、そのために
記事をまげるとかいうことではないというわけで、無
條件の金で貰
つたわけですね。
-
-
-
○
工藤証人 ただ私の方としてはむろんそうい
つたような
目的のもとに撒いたとすれば撒いたのではないかと思いますが、
新聞社としてはいろいろ陳情だとかその他にいろいろそうい
つたような
寄附が來ます。だからそれをただ單に
援助金として、また
廣告料という
名目の下に貰う分には別に差支えないと思
つておりましたから……。
-
○
武藤委員長 それはそれであなたは主観的にはそうであ
つたかもしれませんけれども、とにかく時あたかも
業者が
挙つて石炭國管に
反対をしておる。その
目的成就のために金をバラ撒いておる。それをあなたの方で一口もら
つたということになると、出す方でももらう方でも
反対運動をするという紐がついている形になりはしませんか。
-
○
工藤証人 私はそう考えません。ということは、もら
つてきた金が二方円くらいの金で、何もそのためにこちらも意思をまげるようなことはなし、
日日新聞を発行しているんだから、いわゆる何がなくても
一つ頼むと言えば出してくれる部面もありますから、ただそうい
つたようなスムースな
関係で
受取つて來たたのだと思います。
-
-
○
工藤証人 当時は開会中ですから、
議員にも盆、暮のあれとしてもらい、それから足りなくなれば、ときには
一つ頼むというくらいの程度で
業者からもら
つたというのは、
松本君の持
つて来たそれだけじやないかと思うのです。その当時は‥‥。
-
○
武藤委員長 盆、暮は別でありますけれども、こういうふうな臨時にぽつぽつ
寄附というものがあ
つたのではないですか。
-
○
工藤証人 ぽつぽつというのは盆、暮にはとても集めきれませんからね。それは掴まえたときに盆、暮のあれを請求するくらいのところです。
-
○
武藤委員長 当時、
石炭國管が問題になり始ま
つたころから済むまでの間ですから、大体五、六月ころから十一、二月ころまでの間に、どのくらいだれから出たか、
太口だけでも結構です、おわかりになりますか。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
○
工藤証人 ありません。それで私この問題が出てから何か
——大体私は
編集にタッチしていませんから、そこで特にその
記事をまげるようなことがありはしないかと
思つて新聞を調べてみたんですが、そういうことはありませんから、私も安心しました。
-
-
-
○
武藤委員長 当時
業者からほかにもだいぶばら撒かれたというような
お話でありましたが、どんな
方面にばら撒かれたか、これは確実なことでなくても、あなたが
新聞人として聞き
知つたことがありましたらひとつ話してください。
-
○
工藤証人 最初はとうも私たちの勘では、やはり
反対派の
民自党あたりの方にだいぶあれしているんじやないかという感じがしましたが、途中からどうもそれは効果がないというんで、むしろ
社会党左派だとか民主党も
賛成派の方に重点をおいた方がいいんじやないかというふうに変
つてきた、というふうに聞いております。それは單にうわさの程度ですね。
-
○
武藤委員長 実際相当金が撒かれたようなわけですか。
-
○
工藤証人 それはまアほとんどうわさですね。うわさの程度です。われわれ
新聞記者仲間のうわさの程度です。
-
○
武藤委員長 それはこういう金ですから、もし撒かれたととても、公然と受理することはないと思うのです。いずれ内緒の内緒でしようが、これは相当あなた知
つていませんか。
-
○
工藤証人 どうも私は
松本君にも言
つたんですが、僕は実にうかつ千万だ
つた、むしろこうなるなら、ほんとうにもら
つた方がよか
つたじやないかというような、私も実にぼんやりしておりましたけれど‥‥。
-
-
○
工藤証人 それはわかりません。私は実にぼんやりしておりまして、もら
つてきたときもおこ
つたくらいです。こんなしみ
つたれた金はとにかく返した方がいい、ではないかと言
つたところ、せつかくもら
つてきたのだからというような話でしたのでもら
つておいたわけです。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
○
工藤証人 議会開会中は
経営が不如意でも、どうやら
給料ぐらいのことは、そういう金をまわさないでもできる立場にありました。
-
○
武藤委員長 何かお尋ねになることはありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
-
-
-
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-
-
-
-
-
-
-
-
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-
-
-
-
○
原口証人 最初六月初旬ころだ
つたと考えます。当時
石炭の單價がきまりませんので、どうでも單價をきめてもらわなければならぬというようなことから、九州
石炭鉱業会の役員
会議の議を経て委員として上
つてまいりました。
-
-
-
-
-
-
○
原口証人 方法と申しましても、ちよつと説明に困りますが、大体
國管法が実施せられたならば、
石炭増産にならないということを
議会の各党に陳情すると同時に、各党員の
代議士諸先生に御了解を求めて、これを阻止しよう、こういうような氣持で
運動いたしました。
-
○
武藤委員長 神田の龍名館にお泊りにな
つてお
つたようですけれども、六月十一日から約十日間滞在されて、そのときには主としてどういう
運動をなさいましたか。
-
-
-
-
○
武藤委員長 龍名館にお泊りにな
つた日はそう長くないようでありますけれども、どこへお泊りにな
つたのですか。
-
○
原口証人 龍各館ばかりです。ほかの旅館に泊
つたことはありません。
-
-
○
原口証人 六月に参りまして、六月の末ごろに帰
つたと思います。そうして七月に参りまして、
國管案が通過いたしまして、しばらくお
つて、十二月ごろに帰
つたと思います。
-
-
-
-
-
-
○
原口証人 さようなことはありません。
業者同等の責任において、それぞれ各個々々働いたのであ
つて、私が責任をも
つたとか、幹部であ
つたとか、指導をしたとか、そういう事実はありません。
-
○
武藤委員長 さつき
運動の方法というのは、
議員諸君に会
つて、その通過方を阻止することであるという
お話でありましたけれども、そのほかにはどういうことをなさいましたか。
-
○
原口証人 そのほかのことはした覚えがありません。
-
○
武藤委員長 政界その他の人々と会合したとか、あるいは飲食をしたとかいうことはないのですか。
-
-
-
-
-
○
原口証人 代議士にはそんなことをしたことはございません。
新聞記者にはあります。但しその
新聞記者に與えた金は、
國管阻止の
運動のためという、そうした
性質のものではありません。
-
-
○
原口証人 時期は忘れております。がおそらく九月か十月ごろと考えます。
國会新聞の
松本勇、これに私の金を二万円くれてや
つたことがあります。
-
○
武藤委員長 それはあなたの方から渡したのですか。
松本氏の方からもらいたいという話があ
つたのですか。
-
○
原口証人 松本という者は知りませんでした。従
つて先方から相談がありまして、これに乗
つて渡しました。
-
-
-
-
-
-
○
原口証人 そうです。だれか紹介したかもしれませんけれども、その人間は覚えません。
-
-
-
-
○
原口証人 そうじやありません。数回相談を受けました。
-
-
-
-
-
○
武藤委員長 やはり数回廊下で会
つてそのたびに金を心配してもらいたいという話があ
つて、それで結局あなたがお渡しにな
つた。こういう順序ですか。
-
○
原口証人 新聞社の
経営内容が非常に困
つておるので、何とか同情してほしいという交渉を受けました。これにはちよつと別な話がありますが、釈明さしていただきます。
松本さん、この
名前に私は非常に心をひかれました。何となれば私は兄弟がありません。女の姉妹がありましたが皆死んで現在ではありませんが、三十年この方一人です。父方の姓が
松本と言います。私の從弟がた
つた一人おりました。これが非常な困難に遭
つたために心を取乱して変死しました、現在でもそのことが私の脳裡にいつもこびりついております、これがお
つたならばぼくもあらゆることに相談ができる。また彼もぼくに相談することができるだろうというような、
松本勇という人間がお
つたのです。これが三十二才で死にましたが、これに氣をひかれまして
松本勇という
名前が何となしに
なつかしか
つた。從
つて彼に二万円やる決意をしました。
-
○
武藤委員長 大分その御心情はお察しすることができますけれども、
松本という人で、三十から四十の人はずいぶん多いと思いますし‥‥。
-
-
-
○
原口証人 一回では渡しません。四五回交渉を受けたと思います。
-
-
○
原口証人 いやその当時から何となしに心ひかれておりましたけれども、まあいろいろ考えてお
つたのです。
-
○
武藤委員長 考えた結果遂に意を決して金を出した‥‥。
-
-
-
-
○
武藤委員長 ほかの
諸君からも金を心配してくれないかというような話はありませんでしたか。
-
○
原口証人 それはざらにありました。旅館に小さい四ページの半分くらいの
新聞に
國管反対賛成だというような
記事を書いてたくさんそうした小さい
新聞、あるいはインチキ雑誌の記者等が殺到した事実があります。
-
-
-
-
-
○
武藤委員長 金をもら
つた方では、大分あちこちへばらまいておるという
お話なので、こつちも一口乗
つてもらおうというようなことからもら
つたことを聽いておりますが、あなたの方でばらまいたことはありませんか。
-
○
原口証人 そういうことはありません。またばらまくほど金もありませんでした。
-
-
○
原口証人 運動費は各自自弁ということでありまして、旅費日当だけはくれる。こういうことにな
つておりました。
-
-
-
-
-
○
武藤委員長 旅費というのは汽車賃のことを言うのですか。
-
-
○
武藤委員長 滯在
費用というのは千五百円のうちにはいるのではないですか。
-
-
○
武藤委員長 旅費というのはないのですか。
——旅費というのは別口旅費としてもらうのですか。それはどういうことを標準にしてもらうのですか。
-
-
○
武藤委員長 ずいぶん
石炭業者は一生懸命にな
つてこの
反対のために
運動をしておられたわけですから、そうきちきちに計算をして金をもらうというようなことは
自分のことを
自分でやるのですから、しなくてもよさそうに思われますけれども、やはりきちんとや
つたのですか。
-
-
○
武藤委員長 これも相当莫大になるようですけれども、あなたの場合は百六十八日で二十五万二千円、そういう木曽氏からの明細書が出ておるのでありますけれども、これはこの通りもら
つたわけですか。
-
○
原口証人 もら
つたと思います。
金額ははつきり覚えません。それが二遍に精算してもら
つたのでなくして、五万円先にもら
つたり、三万円もら
つたりいたしましたから、総決算いたしますと、さような数字になると思います。
-
○
武藤委員長 藤吉パンフレツトというのは何ですか。
-
○
原口証人 藤吉という男がパンフレツトを書きまして、出したのであります。
-
-
-
-
-
-
-
○
武藤委員長 藤吉仁太郎という人がこれを書いたのですね。
-
-
-
○
原口証人 私の秘書に間違いありませんが、私はその金を直接扱
つたことも見たこともありません。
-
○
武藤委員長 藤吉仁太郎というのがあなたの秘書にあたるわけですね。
-
-
-
-
-
○
原口証人 名前はまず民主党から言います。民主党は岡部
代議士。それから当時脱党した人がありますから、あるいは所属等が間違うかもしれません。長尾
代議士、淵五
代議士、西田
代議士、平井
代議士、大体覚えておるのはそういう人であります。
-
-
-
-
-
○
武藤委員長 あなたではないけれども武内さんかたれかが
代議士諸君に金を渡したというようなことをお開きにな
つておりませんか。
-
-
-
-
-
○
徳田委員 それはそうですけれども、民主自由党や社会党やへその他の人に会いませんか。
-
○
原口証人 大体会いましたけれども、
名前を覚えておりません。ほとんど陳情で、團体で参りましたから‥‥。
-
-
-
○
徳田委員
運動費は自弁だという
お話ですが、どれくらい使いましたか。
-
○
原口証人 大したことはないと思います。はつきり覚えません。
-
-
○
原口証人 長くいましたので、よくそういうような計算をいたしておりません。
-
○
徳田委員 大まかに大体どのくらいということはわかるでしよう。百万円とか、二百万円とか‥‥。
-
○
原口証人 そんなことはありませんけれども、よく覚えません。
-
○
徳田委員 大体のことはおわかりになると思いますがね。人の金ならわからぬかもしれないが‥‥。
-
○
原口証人 鉱業会から、いただきましたから、むろん足らぬことは事実であります。それにどのくらい足したか、はつきり
自分で計算したことがありませんので、明確にお答えすることはちよつとできません。
-
-
-
○
徳田委員 それからだいぶ自動車を使われたと思いますが、自動車費はたれが負担したのですか。
-
-
○
徳田委員 それから大分宴会をなさ
つたのじやありませんか。
-
○
原口証人 ほかの人は知りません私はや
つたことがありません。
-
○
徳田委員 それから大分龍名館で酒を飲まれたのじやありませんか。
-
-
-
-
○
徳田委員 なるほど、あなた方が買
つてきたわけではありませんね。みな会から‥‥。
-
○
原口証人 そうであります。事務員がおりまして、これが買
つておるのをもら
つて飲んだことがあります。
-
○
徳田委員 だいぶ飲まれたですね。七十万円ばかり飲まれたようですね。
-
-
-
○
原口証人 私も多少飲みました。毎日は飲んでおりません。
-
○
徳田委員 事務員をやられたのですか。あなた方自身が行かれたのじやありませんね。
-
-
○
椎熊委員 ちよつと伺います。あなたはいわゆる
石炭國家管理法案に
反対の
運動に去年の夏以來約半年にわた
つて上京して、
議会で相当活躍しておられたようですが、あなたは上京せられる当時、
石炭國家管理法案というのは與党三派で案ができて、そのまま普通の状態ならば與党の方が多数ですから通る。そこであのままの状態なら通るということはお考えにな
つてお
つたでしようか、
議会の分野から言
つて……。
-
-
○
椎熊委員 そう考えたので、それ以後中年にわたる
運動というものは、その
石炭國家管理法案に
賛成せられておる與党側を切崩す以外には、あれを阻止する方法はないということもお考えでしようね。
-
○
原口証人 與党側というような、特定した党に主力を注ぐというようなことは考えておりません。
-
○
椎熊委員 けれども当時の自由党は初めから
石炭國管反対なので
運動しなくとも
反対、なお
運動すれば一層
反対が強くなるでしよう。あなた方の半年にわたる
運動は、この法案を阻止すること、阻止するためには
賛成側の党派にいる者に
反対させるより、この法案の通過を阻止するという方法はないわけですね。
-
-
-
○
原口証人 そういうことはや
つておりません。ただ
國管を阻止したいという
運動だけで、各党の集散離合にはなんらわれわれは頭を使
つておりません。
-
○
椎熊委員 それでは伺いますが、あなたは半年にわたる長期開
議会に出入せられてお
つて、私などあなたの顏をよく存じ上げておりますが、あなたは常に衆議院副議長室におられて謀議せられてお
つたようですが、
田中副議長とはどういう
関係ですか。
-
○
原口証人 知りません。謀議に参加したような、そんな事実はありません。
-
○
椎熊委員 私は各派交渉の委員をしてお
つて、ときどき副議長室にも参るので、あなた方が
石炭國管案に
反対せられる
議員、並びに
業者と十数名、時としては三十名にわたると思わるる人人が、あの中にたむろしてお
つた状況を、この眼で私は連日にわた
つて見てお
つた状況なのだが、これが謀議でなくて何であ
つたのでしようか。
-
-
-
-
○
椎熊委員 あなたはあそこへは毎日行
つておりましたね。
-
-
○
椎熊委員 副議長の
田中さんが事務をと
つておらるる控室にもお
つたことを私は目撃しておる。
-
○
原口証人 人違いでしよう。おそらく人違いじやないかと思います。
-
○
椎熊委員 あなたの顏を違えるもんですか、私が‥‥。あなた否認なさいますか。
-
-
○
椎熊委員
田中さんの部屋へはい
つたことはないとおつしやるのですね。
-
○
原口証人 田中さんの部屋へはい
つたことはない。ただし副議長の控室の次の間へはい
つたことはあります。
-
○
椎熊委員
田中さんのふだんおられる部屋へはい
つたことはないとあなたはおつしやいますか。
-
-
○
椎熊委員 そこで副議長の次室にはしよつちゆう行
つてお
つたと言うが、
田中副議長とはどういう
関係ですか。
-
-
-
○
原口証人 ほかの
代議士さんに会いたくて、ちようど副議長室に行かれておると聞いて、次の間へはい
つたことはあります。
-
○
椎熊委員 ほかの
代議士さんというのはどういう方ですか。
-
○
原口証人 一年も前のことですから、はつきり覚えません。
-
○
椎熊委員 人に会われようとする
目的をも
つている人、その人を忘れることはないでしよう。
-
○
原口証人 それはずつと各党の
代議士さんに会
つて、
國管をやることは減産になるという陳情をしておりましたので、やはりあらゆる先生に会うたと思います。従
つてその先生を訪ねて行
つたかのごとく考えております。
-
○
椎熊委員 あなたの記憶を喚起する
意味において当時の
状況を申し上げますが、当時
田中副議長の部屋は
石炭國管反対派の参謀本部だといううわさが
議会にありまして、そこに
田中副議長以外にしよつちゆう集
つておる人たちは、主として民主党から脱退した、あるいは後に除名された人、それらの人のみが集
つてお
つたので、その他の
関係の人は何だか特別の用件があ
つて議長と交渉等がある場合には、あの部屋は避けてお
つた状況です。それですからあなたが会われるという
目的をも
つて出入せられた方は、たとえば民主党における後に
國管案に
反対して除名されたり脱退したりした人を尋ねて行かれたのですか。
-
-
○
椎熊委員 主としてどういう方と会われたのでしようか。
-
-
○
椎熊委員 さつき言わんた方は、私の記憶では副議長室にあまり出入りしない人です。あなたは冒頭に岡部君を言われましたが、岡部君は副議長の部屋などにほとんどはいらなか
つた人です。あなたの会われた人は別の方でしよう。
-
-
○
椎熊委員 そうすると私が申し上げますが、あなたが副議長室にお
つて、安樂いすに腰をかけられてお
つた際に、
工藤鐵男さん、幣原喜重郎先生、佐々木秀世氏、本間君、あるいは降旗氏、そういう人々と話をしてお
つた光景を私目撃しておりますが、あなたはそれでも否定なさいますか。
-
○
原口証人 それはおそらく人違いだろうと考えます。
-
○
椎熊委員 人は違いません。それでは否定なさるのですか。そういう覚えはないですか。あすこで
お話なさ
つたことはありませんか。
-
-
○
椎熊委員 きのうこの
委員会で木曽氏の陳述によりますと、
運動に上京せられたあなた方の同志の
諸君が、約一千万円に近い
費用を集めてそれで
運動したのですが、そのうちにあなた方の日当と称する一日千五百円、それを全部ではないが、ある特定の人々には一日千五百円を渡した。あなたはそれをもら
つた口でございますか。
-
-
○
椎熊委員 そうするともら
つた人ともらわなか
つた人と、どつちが多いのです。
-
-
○
椎熊委員 あなたは十二月の末に九州において木曽さんから、この
運動費用の支出の内容について
報告を受けられたはずだが、記憶はございませんか。
-
○
原口証人 報告したという話を聞きましたが、それは鉱業会の総会の席上でしたということです。ところがちようど私そのとき
病氣をしておりまして、欠席しましたので、されたという話は聞きましたが、実際は耳にはしませんでした。
-
○
椎熊委員 その多くの
運動者のうちに、あなただけが特に多額の金を木曽さんから
受取つておるように、私はきのうの陳述を開いておりますが、そういう事実はどうですか。
-
-
○
椎熊委員 そうすると先申された二十数万円というのは、滯在費だけですか。
-
○
原口証人 滯在費として一日千五百円が計算されたものと思います。
-
○
椎熊委員 もう一遍念のため伺
つておきますが、あなたは副議長室に年中お
つたという事実を、私どもは目撃しておるのだが、これをどうしても否定なさいますか。
-
○
原口証人 副議長室の隣りの部屋にはい
つたことはありますが、副議長室にはい
つた記憶はありません。
-
-
-
○
椎熊委員 むりにお隠しにならなくとも、われわれも数回か、もつとそれ以上目撃しておるのたが、そういうことはおつしやらない方がいいのじやないですか。お
つたと思います。
-
-
○
椎熊委員 あなたは國家管理法案が通過後において、民主党を除名されあるいは脱退した人々が、同志クラブというものを結成せられましたが、その同志クラブは結成したにもかかわらず、事務所も議院外にも
つておらぬ。それはまことに氣の毒なことだ。せつかく働いてくれたのだから、事務所の
費用ぐらいは出してやるべきだという御意見であ
つたと聞いておりますが、その通り違いありませんか。
-
-
○
椎熊委員 そのことについて木曽さんと御相談にな
つたことはありませんか。
-
-
○
椎熊委員 あなたと長尾達生氏とはどういう
関係ですか。
-
-
○
椎熊委員 長尾達生氏とあなたとの間には
金銭の授受はどうですか。
-
-
○
椎熊委員 あなたと西田君との間はどういう
関係ですか。
-
-
○
椎熊委員 あなた方は旧來の互助会という会に属してお
つた人でありますか。
-
-
○
椎熊委員 あなたは議院内においてのみ
議会関係の人と面接せられたということでありますが、その他の場所、たとえば料亭あるいは旅館等において面接せられた記憶はございませんか。
-
-
○
椎熊委員 あなたはこの
運動のために、
反対してもらうために
議員を招待せられたことはございませんか。
-
-
○
椎熊委員 記憶がなければやむを得ません。あなたはいよいよ國家管理法案が三派で意見がまとまりそうにな
つたときに、そり前提として民主党が一本建に案を承認するかしないかという段取りになりました際に、單に旧來
議会内に
運動してお
つた者だけではいかぬというので、急遽九州
方面に電報を打たれて、なるべく少壯な、たいへん形容詞としてはまずいが、暴力にも耐え得るというような人を多数狩り集めて、民主党の
議員総会を監視しようというようなことを御指導なさ
つたということだが、そういうことはございませんか。
-
-
○
椎熊委員 あなたは民主党の
議員総会には、多数の同志らしい
方々と
議員総会の席上にはい
つておられた記憶がありますか。
-
-
○
椎熊委員 その際あなたが引具した多くの人々は、あなたの電報によ
つて集ま
つてきた人々じやありませんか。
-
○
原口証人 そういうような不逞なやからは來なか
つたと思います。
-
○
椎熊委員 そんな不逞のやからとかいうわけではないが……。
-
○
原口証人 業者はたいへん心配いたしまして、この問題が通過するかしないかということで、全國からたくさん集ま
つておりました。その事実は知
つておりますが、今
椎熊先生の仰せられたような、私はそうした暴力をも
つておるような者を狩り集めたというようなことは、いやしくも鉱業会の名においていたしません。
-
○
椎熊委員 そこであなたはこの民主党の
代議士会の推移に非常に注意せられて、厖大な同志を議院内に送りこんでお
つたのですが、議院の出入には嚴格なる院内の規則があります。どういう手続で院内に……。
-
-
-
○
原口証人 それは思い思いに、さつき申し上げたようにや
つたのでありまして、人のことは私は知りません。
-
○
椎熊委員 あなた方の
運動は、一千万円に近い金までも相談の上に集めてお
つたにもかかわらず、
議会内に行動するにおいても、思い思いにばらばらで、相談も何もなしにやるというのはあり得ないことだと思うのですが……。
-
○
原口証人 もつともです。ところがこの炭鉱
業者というやつは、特別なる
性質をもつおりまして、なかなか人の言うことに服さない、頭の曲
つたやつが多いのです。從
つてお前はこの仕事をや
つたらどうだ、こう言
つても、なかなかそれをやろうと言わぬのです。そういう團体ですから、思い思いに勝手にや
つたので、だれが大将であ
つて、だれが参謀であるとか、そういうことはありません。ほとんど炭鉱
業者の全部の責任においてや
つたと心得ております。
-
○
椎熊委員 頭が曲つでおる人たちの團体としては、五箇月にわたる長期に、なかなか統一ある行動をと
つておるように思うのだが、それは私の感じです。そこでいよいよ、民主党の方では党議を決定して、三派が一本にな
つて、これが
議会に提出せられることにな
つて、一層
運動を熾烈になされたが、その
運動というのはどうしようというのですか。單に阻止しようというのでは、あなた方は
議会で発言権がなし、もちろん暴力を振うという
方々でなし、どうしてこれを阻止しようというのですか。
-
○
原口証人 それは各党をまわりまして、團体もしくは
個人々々に、國会通過の阻止懇願をしてまわりました。
-
○
椎熊委員 そこで、その阻止懇願は、要するに自由党は初めから
反対なのですから、これは懇願しないでも
反対します。
賛成している民主党、國協党並びに社会党、その人々の当然
賛成すべき人々の意思を飜さねばならぬということだ
つたのですね。
-
-
○
椎熊委員 與党側の三派は、三派の協定の案であ
つて、これを通過せしめるということに各党党議が決定した。その後においての
運動が一層熾烈にな
つたんだが、その
運動は、
國管通過に
賛成の人々の意思を飜させようということだ
つたんでしような。そうでなければあなたの
目的が達しない。
-
○
原口証人 それは最初から私どもは命をかけたのであ
つて、これは日本の再建のためにならないという信念で動いたのでありますから、非常に最初緩慢であ
つて、後に一生懸念にな
つた、さらに熾烈にな
つたというようなことはありません。最初から終始熱心にや
つたつもりであります。
-
○
椎熊委員 最初から熱心ならなおさらだが、私の結論は、いよいよ三派が提案した場合になおかつ
運動が続けられておるということは、
議会の政党の分野から言えば当然通過するものである。あなた方はその上に
運動してこれを阻止しようということは、本來
賛成すべかりし人々に
反対させようという、意思の変化をしてもらおうという
運動だ
つたんでしような。
-
○
原口証人 それはこう回答いたしましよう。
國管が、さつきから重ねて申し上げますように、
増産にならない。だから
代議士諸先生の中で、つまり炭鉱をよく御承知にな
つている方はよくおわかりでしようと思いますが、大部分の方は炭鉱の実際を把握してない。従
つて炭鉱はかようなものである、それからこういう状態で仕事をしております、これがこうなれば
増産になりますが、これをいわゆる企業権のたな上げになるようなことにな
つたんでは減産になります、こういうことを歎願してまわ
つたのであります。
-
○
椎熊委員 別なことを聽きます。この問題がまだ各党で党議を決定しない前に、鉱工業の委員が九州の炭鉱を視察に参りましたが、その際、視察の委員の
方々とあなたは会われましたね。
-
○
原口証人 残念ながら会いませんでした。各党から見えたあのときでしよう。
-
-
○
原口証人 見えたという話は聽きましたが、残念ながら何かの用事で、会いませんでした。鉱業会の幹部
あたりは会
つておるものと考えます。
-
○
椎熊委員 その際、鉱業会が非常な豪奢なる響應をしたということだが、そういうことは聽いておりませんか。
-
-
-
-
-
-
-
○
荊木委員 一点たけであります。炭鉱
國管に
反対運動ですね。そのことでなくて、別の
名目でもよいのですが、昨年の七月から十二月までに、政治家に金をお出しにな
つたことはありませんか。
-
-
-
-
○
荊木委員 あなた自身でなくて、出されたことを
御存じありませんか。
-
-
-
-
○石田(一)委員 ちよつとお尋ねしますが、先ほどの
証言の中に、二十数万円もら
つたのは一度にもら
つたのではなくて、先に五万円もら
つて、またあとから三万円もら
つたという。それはどこでどなたの手からおもらいにな
つたのですか。
-
○
原口証人 それは
金額をはつきり覚えませんか、さようなことで一遍でもらわなか
つたということをさつき申し上げたのでありますが、これはさつきも御説明申し上げましたように、大体金は木曽氏が預か
つておりました。しかしながらあの人は名ばかりであ
つて、事務の人か小さい計算をや
つておりました。從
つて事務の者からもら
つたと考えます。しかし一應はさようなことは木曽さんの耳に入れたと考えております。
-
○石田(一)委員 その事務の人というのは何という人ですか。
-
○
原口証人 それは忘れております。だか調べればすぐわかると考えます。
-
○石田(一)委員 五万円もら
つた、三万円もら
つた、額はいくらでもよいのですが、一番終いにあなたがおもらいにな
つたのは、
國管案が通過してから後のいつごろですか。
-
○
原口証人 済んで翌々日、とにかくもう負けた、からあつさりひとつ帰ろうということになりまして、そのときに清算してもら
つたと思います。
-
○石田(一)委員 そのときに出されたのはいくらだ
つたか、御記憶ありませんか。
-
-
○石田(一)委員 そうすると、事務の人はだれに何日にいくら渡したということは、
帳簿や何かにつけていなければほとんどわからないのですか。
-
○
原口証人 メモか何かしてお
つたと思いますが、その場を見たことがありませんので‥‥。
-
○石田(一)委員 そうするとあなたは、つけていたろうと思うけれども、それではつけていないかもしれないのですか。そのいないときに、あなたの方からあと五万円要るという要求をなさ
つたときに、事務の人は覚えているでしようか。
-
○
原口証人 それはむろん出した事実がありますから、覚えていると思います。
-
○石田(一)委員 滯在費として五百万、六百万という金を拂
つている。それを事務の人か一人で紛失するおそれのあるメモやまた記憶や何かでこの金が正確に千五百円ずつの割当で支拂われるということは、常識的に考えてもないと思いますか、これはどういう計算方法によ
つたものですか。
-
-
○石田(一)委員 あなたは最後に
自分から要求したのではありませんか。
-
○
原口証人 清算するから來いということでもら
つたと思います。
-
○石田(一)委員
自分では、これはもらい過きであるとか、あるいはもらい足りないということをお考えにな
つたことはありませんか。
-
-
○石田(一)委員 先ほどからたびたび聽いておりますと、たとえば
椎熊君の質問に対して、料亭や旅館では
議員と会
つたことかないと記憶するという答弁が非常に多いのですが、記憶するというのは、喚ひ起すとあるかもしれないというのですか。
-
-
○石田(一)委員 記憶かないということは、そういう事実がないということですか。忘れたということは、事実あ
つたかもしれないけれども、私の頭が悪いから忘れた、配慮かないというのですか。
-
-
○石田(一)委員 そうすると事実はあ
つたかもしれないということですな。
-
-
○石田(一)委員 今お尋ねしたのは、料亭や旅館で
議員とか、政界の人々と会食をして、
國管反対の
運動のための協議をしたことがあるかと尋ねておるのです。
-
-
○石田(一)委員 では先ほどの記憶がないというのは訂正なさいますか。
-
-
○石田(一)委員 絶対にないですね。
-
-
○石田(一)委員 國会では一緒にお飲みにな
つたことかあるでしよう。
-
-
○石田(一)委員 議長室の控室のテーブルの上でウイスキーのびんやビールびん、一升びんを置いてお飲みにな
つたことはありませんか。
-
○
原口証人 大地神明に誓
つて私はありません。それは人違いでしよう。
-
○石田(一)委員 私は聽いておるのです。人違いでしようということは、私かあなたを知
つていて言うことだ。私は全然あなたを知らないから聽いている。
-
-
○石田(一)委員 今年に入
つてから、鉱業会の
理事会とか役員会が開かれましたか。
-
○
原口証人 それはたびたび九州では開かれたと思います。
-
○石田(一)委員 九州でなく、東京
あたりでは。あなたは
理事にな
つていらつしやいませんか。
-
○
原口証人 私は
石炭鉱業会時代には九州の総代として中央の
会議に参加しております。ところが、これが解散になりまして、協会になりまして、制度が変りましたので、それ以來ありません。
-
○石田(一)委員
國管案の
議会の
反対運動が一應敗北した後に、武内さんとか山川さんとか、あるいは貝島さんとかいう、その
運動当時のわれわれから考えれば主流をなしたと思う
方々とお会いにな
つたことはありませんか。
-
○
原口証人 貝島さんとは会いません。武内さんとは、私のところの九州
石炭鉱業協会の副会長でありますがゆえに、いろいろ事業上のことで会
つたことはたびたびあります。
-
○石田(一)委員 それは主としてどこでお会いにな
つておりますか。
-
-
○石田(一)委員 最も最近お会いにな
つたのはいつですか。
-
○
原口証人 最近と申しましても、二、三箇月前には会
つたと思います。始終先生東京へ出ておりますので、先生帰
つてから会を開き、あるいは今度の炭價改訂であるとか、配分の方法であるとか、そういうことについては会
つたことがあります。おそらく七月の半ばころと思います。
-
○石田(一)委員 たえず武内さんは東京にいらつしやるというただいまのお言葉ですが、あなたが今度この
証人として喚問をされたという通知を受けてから、武内さんにお会いになりませんか。
-
-
○石田(一)委員 あなたが受けなくても武内さんが喚を問されたということの通知を受けてから後にお会いになりませんか。
-
-
-
-
○石田(一)委員 では、七月半ばころお会いにな
つたときに、この
運動に関しての何か問題が出ているらしいという話は出ませんか。、
-
○
原口証人 そういう話は聞いておりません。
石炭の炭価價の配分問題で説明に行きました。それ以來ありません。
-
○石田(一)委員 九州のいわゆる
業者たちが集ま
つたときに、國会のこの
委員会で國営案お
反対運動が問題になるらしいというような話も出たことはありませんね
-
-
○石田(一)委員 では全然そういうことは
会議では話が出ないですか。
-
-
○石田(一)委員 またそういうことについて会
つたことはないですか。
-
-
○石田(一)委員 あなたは武内さんにもその他の方にもその点では会
つたことがないのですか。
-
-
○石田(一)委員 これは私の主観になるのでおこられるかもしれませんが、お会いにならないとしては、各
証人の
証言が一字一句あまりにぴ
つたりと合いすぎている。ま
つたく正しいのであります。
一つお伺いしますが、先ほど龍名館へ引続き長期にわた
つて宿泊していたと……。これは
委員長も念を押して聽いていましたが、全然これは間違いありませんか。
-
-
○石田(一)委員 そうすると、龍名館はたいへんお氣の毒なことになるのですが‥‥。
もう
一つこれは余計なことのようですが、聽いておきます。炭鉱
業者というのは、人の言うことはあまり素直に聽かない人であるとおつしやいましたが、そうすると
証人としておいでにな
つても、委員の質問なんかは素直にはお答えにならない‥‥。
-
-
○鍛冶委員 先ほど
椎熊さんからの質問に、あなた方の
運動は、案が出たのでこれをつぶそうという
運動だけのように聞えたのですが、私はそうではなかろうと思う。第一に聽きたいのは、先ほどのお言葉では、六月に東京へ來てすぐ
運動をしたという
お話でありましたが、この案の
議会へ出たのは七月の末た
つたと思います。約三箇月あ
つたと思いますが、その間も
運動をなさ
つたのでしようか。
-
○
原口証人 そうであります。とにかくさつき申し上げた六月に参りまして、こんなことを予期しておりませんし、炭價を決定してほしいということを政府に陳情に参
つたのであります。たまたまこの問題が起りましたので、これはたいへんなことだというので、
反対運動をやらなければなるまいということにな
つたのですが、六月に猛烈に
反対したということはよく記憶しません。やることはや
つたでしようが‥‥。
-
○鍛冶委員 そこでそうなりますと、出ぬ先の
反対運動ですから、むしろこういう案が出ないような
運動をや
つたように考えますが‥‥。
-
○
原口証人 商工省案とか、安本案とかい
つたようなものが、どこからとなしに
業者の手にはいりましたので、それを見て驚いたわけです。それからこれはたいへんなことだということでや
つたのであります。
-
○鍛冶委員 そうすると、
議会へ出ぬ先になるべくこういうものは
議会に出ぬようにという
運動をやられた‥‥。
-
○
原口証人 そうです。そのときの商工大臣であるとか、安本長官であるとかいう人に陳情したように聞いております。
-
○梶川委員
一つだけお伺いしますが、平井
代議士とはよく
御存じのようですが、どういう御
関係でございますか。
-
○
原口証人 あの人は私は知りませんでした。ところが炭鉱
國管問題で参りまして、たまたま名乗り
合つて、あの人は福岡縣の四区から出ておるということで親しくなりました。
-
○梶川委員 それであなたの
運動中いろいろ御依願されたと思うのですが、主としてどういうことを御依頼されましたか。
-
○
原口証人 炭鉱
國管をやられたならば減産になるから、できるならば多くの人に
國管反対の方に協力してもらうように、
運動願いたいということを申し上げたことがあります。
-
○梶川委員 平井
代議士は龍名館にはちよいちよい出入りされたですね。
-
-
○梶川委員 そんなことはないと思うのですが……。いつごろ一番初めに知り会われたわけですか。
-
○
原口証人 七月に参りまして、それからと思います。たまたま自由党の本部に陳情に行
つたときに名乗り合
つたと思うのです。
-
○梶川委員 自由党の本部というのはどこのことですか。
-
○
原口証人 いや、自由党の控室であります。訂正いたします。
-
○梶川委員 名乗り合
つたと言いますが、私が平井ですと言
つてまわる者はおらぬですからね。だれかが何するとか……、会
つたときのいきさつをもう少し詳しく
お話願いたい。
-
-
○石田(一)委員 ちよつと尋ねることを忘れていたのですが、
國管案の
反対運動をなさるために各党をおもわりにな
つたのはよくわかりましたが、特に鉱工業
委員会というものがこれを主として審議しますので、鉱工業
委員会に
運動したということはありませんか。
-
○
原口証人 鉱工業
委員会に陳情したことはありませんが、さつき申し上げたことく、各党を陳情してまわ
つた事実があります。
-
○石田(一)委員 各党だけで……。鉱工業の常任委員に特別に
運動といいますか、働きかけたことはありませんか。
-
○
原口証人 特別に委員ということに限定してや
つたことはありません
-
○石田(一)委員 限定ではありませんが、各党をまわる中にも、ただ各党をまわるよりかも、事前に
委員会が審議するのですから、その係の委員に会
つたことはありませんか。
-
-
○石田(一)委員 各党でこの人が鉱工業委員だと言
つて紹介されて、特にその人に話したことはありませんか。
-
○
原口証人 それはあります。
國管の是非論を話したことがあります。
-
○石田(一)委員 それはその党のたれから、この人が鉱工業委員だからこの人に話してもらいたい、というので話したのであれば、各党の鉱工業委員に特に会
つたということになるでしよう。
-
○
原口証人 各党ということははつきり覚えませんが、自由党なら自由党に陳情に行きましたとき、これはさつきも申したことですが、おれたちは炭鉱の実情を知らないから専門委員によく徹底するように話してくれ、こういうような注文を受けてや
つたことはあります。
-
○石田(一)委員 それはどこの党とどこの党ですか。
-
-
○石田(一)委員 これはさつきの話にもあ
つたことですが‥‥。
-
-
○石田(一)委員 それでははつきりしないですよ。そう覚えてないのでは困るのですが‥‥。
委員長などにお会いしませんでしたか。
-
-
-
-
○石田(一)委員 どうして伊藤
委員長とはつきり言
つたのですか。
-
○
原口証人 それは鉱工業
委員会の
委員長であることは有名であり、また私の地区の二区から出ておられる社会党の
議員さんでありますから……。
-
○石田(一)委員 特にお会いにな
つたことはありませんか。
-
-
○石田(一)委員 それから修正案か出ましたか、修正案が出たので、たとえば社会党の左派
方面に向
つて原案に
賛成をして修正案そ否決するというような
運動はなさいませんてしたか。
-
-
-
○
原口証人 それは私に関する限り知りません。おそらく社会党の左派の方がこれに
賛成されようとは考えておりませんでした。
-
○石田(一)委員 どれにです。
-
○
原口証人 あなたの言われることは、社会党の左派に特別に働きかけたことはないかということでしよう。
-
○石田(一)委員 そう。
-
○
原口証人 私会党の左派か通過に
反対されようとは考えておりませんでした。
-
○石田(一)委員 それはそうなんです。だから原案の方がより以上
業者あるいは
國管案を支持する方にはいいのですね。しかしそれはあらゆる
機会に、あらゆる協議の結果だんだん手ぬるい修正案にな
つてきた。それならば
社会党左派の人々は原案の方を固孰していくに違いない。だから原案を固孰することによ
つて修正案に
賛成する人の数を少くする、こういう
運動をなされたと私たちは思うのてすが、そういうことは今あなたの仰しやることとは違うのです。社会党の左派の方は原案の方に
賛成なんです。修正案の方かあまり好ましくないという事実もある。その左派の方に原案に
賛成するように、修正案に
反対するようにという
運動がここでは高等戰術としてなさるべきであると私は思うのですがどうですか。
-
-
○石田(一)委員 全然。
-
-
○石田(一)委員 それからもう
一つさつき聽き漏らしたのですが、
椎熊君がお尋ねした副議長室で幣原さんも知らなければ、
田中さんも何もかも全部
名前はわからぬとおつしやるのですが、その前にあなたがおつしや
つたのは、なぜ副議長室へあなたはおはいりな
つたかと
椎熊君がお尋ねしたら、訪ねに行
つた代議士が副議長室にいるといわれたので、副議長室へ行
つたとおつしやるのですが、訪ねに行
つた代議士はどの
代議士ですか。
-
○
原口証人 それがはつきり覚えません。あすこだろうということで行
つたが、おられぬというので帰
つたことは一、二度あ
つたと思います。
-
○石田(一)委員 お訪ねになる以上は、ただ
代議士がどこにいるかじやわからないので、やはり、だれそれはいるかとお尋ねにな
つたはずです。そうすると、その人が副議長室に今いるというふうに考えたわけじやないですか。特にその当時のおも立
つた人の
名前もお忘れにな
つたことはおかしいと思いませんか。
-
○
原口証人 私もおかしいと考えます。しかし一年も経過しておりますので、そんなこまかいことは私は覚えておりません。
-
○石田(一)委員 そうすると、あなたは
代議士の
名前を忘れているということは
自分でもおかしいと思
つていらつしやいますか。
-
○
原口証人 もう少し知
つておるはずだと思いますが、さつき申し上げた通りしか知りません。
-
○前田(種)委員 ちよつと先ほどの
証言の中に、
証人は百六十日近くも東京におられましたが、その間
國管反対運動のためには、料亭、待合、旅館等でいろいろな会合、懇談をしたと言
つておられますが、その通りですか。
-
-
○前田(種)委員 そうしますと、その半期以上の長い間でありますから、
國管に集中されました以外に、
業者として営業上その他のことについての会合はやられたのですか。
-
○
原口証人 ほとんど
國管に終始しておりましたので、
業者としての仕事上の会合はおそらくなか
つたと考えております。
-
○前田(種)委員 あなたの半期間における会合というものは、院内と龍名館で、それ以外ではだれとも会
つて相談したということはないですか。
-
-
○前田(種)委員 絶対にないですか。
-
-
○前田(種)委員 自動車
会社から來て、おります書類によりますと、龍名館から相当頻繁に自動車が出ておるのですが、晩の九時、十時あるいはもつと遅く、朝早くから出て、しかも行先は待合らしい。東京都内あるいは東京近郊の各
方面に往復しておりますが、相当頻繁にや
つている中で、他の
業者はどうか知りませんか、あなたが
中心にな
つて運動をや
つておられながら、相当車に乗
つてそういう場所に行
つて相談をしたことはありませんか。
-
-
○前田(種)委員
中心でなくとも、この
運動の幹部として……。
-
-
○前田(種)委員
業者として半期以上も東京に滯在してお
つて、しかも莫大な自動車を使
つて走りまわ
つてお
つて、その車に乗
つてそういう場所に行かれたことはありませんか。
-
-
○前田(種)委員 絶対にないですか。
-
-
○前田(種)委員 ないとしたら、あなたの
運動されたのは、院内と龍名館の宿舎、しかも宿舎でも
代議士で訪問した人にも一遍も会わない。その他の人にも会わないということでしたら、その間は一体どうしておられたのですか。朝から晩まで……。
-
○
原口証人 院内におらなくても、退屈まぎれに銀座へ行
つてぶらりいたり、活動や芝居にも行きました。
-
○前田(種)委員 そうしたらあの自動車の日割を書いて、主として乗
つておられた人の
名前まで書いて、相当待合その他に自動車が往復しておるのですが、そういう会合に一回も行かれたことはありませんか。
-
-
○
椎熊委員 最後にもう一点聽いておきたい、あなたは幹部でも何でもないとおつしやるが、われわれの目からみて、この
國管案阻止の巨額であり、有力者であり、先ほどあなたがおつしやるところからい
つても、身命を賭してあれだけの
費用を使
つて、あれだけの日数
議会に出入してお
つて、あなたはこの
運動が成功するという確信のもとになされたのですか。
-
○
原口証人 成功するものと思
つておりましたが、残念ながら負けました。
-
○
椎熊委員 成功すると思
つた。そうすると、その成功すると思うということは、本來この案に
賛成すべき立場にあるものが、節を変え、あるいは変心して、何らかあなた方の
運動の影響によ
つて反対側にまわるということの結果、成功すると思われたのですね。
-
○
原口証人 そうじやありません。つまり國会というのは、國民によ
つて選出せられた諸先生のおられるところでありますから、減産になるようなことにはおそらく御
賛成になるまい、実情がおわかりにならぬから、これをよく説明申し上げたならば勝てるものじやないかという希望をも
つて運動いたしました。
-
○
椎熊委員 もう一点、あなたはこの
運動が成功するという確信をも
つてなされたと言うが、ただいまのあなたの言葉通り、國会の
議員は國民の代表であるが、
業者の
運動等によ
つて考え方を違えにいくもののように、あなたはお考えにな
つたのですか。
-
○
原口証人 私はあの案が緊急
石炭増産案であるならば
——眞に
石炭を掘
つているわれわれから考えたならば、さにあらずという解釈をした。従
つてその実情を陳情申し上げたならば、おそらく御了解がいくものなりと考えておりました。
-
○
椎熊委員 あなたは今日の國会というものを少し軽んじておりはしませんか。
運動、請託、誘惑等によ
つて議員が態度を二、三にするなどという確信をも
つたということは、國会に対する重大な侮辱じやないか。
-
-
-
-
○
椎熊委員 そうじやないか。本來当然通るという分野にな
つているものが、
運動をすれば勝つという確信をもつということは何だ。それは誘惑じやないか。
-
○
原口証人 運動すれば了解いただけるかもしれんという確信のもとに
運動をしたと申し上げました。
-
○
椎熊委員 了解されるという確信がもてるということですか。
-
-
○
椎熊委員 いずれにしても、
運動なんかで大事な法案を左右することができるという確信をあなたはも
つたということなんだ。われわれはあなたは重大な國会侮辱をしたものであるという観点からあなたを観測いたします。
-
-
○高橋(英)委員 今の
椎熊君の御発言は重大問題です。
運動と一口に言
つても、正しい
運動もあれば、正しくない
運動もある。陳情とか、
運動というものは國民に許されたものであるし、今の
証人の
証言は、結局
議員が実情にうといから、間違
つた判断をしているのだ、だから……(「それは質問じやない」と呼び、その他発言する者多し)
証人に質問しているのだ、しまいまで聽かないか。
要するに、今
証人の言葉を聽くと、
議員に実情の明らかでない人があるかもしれないから、それを正しく啓蒙するというふうな
意味で、いろいろ実情を訴えられたというふうに聽いたのですが、
椎熊君はそういうふうにと
つていないのです。正しくない
運動であるというふうにとれば、権能君の言うようなことになるかもしれないが、そういうふうな
意味じやないですね。実情を訴えるという正しい
運動をあなた方はぜられたということを今お述べにな
つたのじやないですか。
-
-
○高橋(英)委員
椎熊君が今出したけれども、いわゆる誘惑とか、請託とかいう言葉も、語源を引いてみたらわかると思うが、いろいろ問題がありましよう。要するに、正しい
運動でなか
つた。國民の代表に正しい判断をもたす
運動であ
つたということを言われたのですね。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
○
上田証人 豊州と東洋でありますが、さつきは
一つでいいというから東洋の方を出しました。
-
-
-
-
○
上田証人 池尻炭鉱というのを本年の七月から始めました。
-
-
-
-
-
-
○
上田証人 私
個人でありましようか。われわれ鉱業会でありましようか。
-
-
-
-
○
上田証人 われわれ同
業者が
國管運動に
反対することになりまして、東京に参りまして以來、私は
個人的には何もや
つておりませんが、たとえば院内における各党にわれわれ
業者が訪問いたしまして陳情をやりました。その際はわれわれ
業者で、きようは各党を訪問しての陳情
運動だから、一人残らず参加してもらいたい。こういうことでありましたので、その中に加
つてまいりました。その程度のもので、特別にや
つたような記憶はないのであります。
-
-
-
○
武藤委員長 いつからいつまで幾日くらい滯在なさいましたか。
-
○
上田証人 八月の初めから十二月の初めまでの間に、途中で何回か帰りましたと思いますけれども、ほとんど東京にお
つたと申し上げてもいいと思います。
-
○
武藤委員長 それで八月から十二月までほとんど東京におられた、その期間における宿舎はすベて龍名館でありますか。
-
-
-
○
上田証人 運動費はたしか当時一日千五百円の日当をいただいたと思います。
-
○
武藤委員長 日当千五百円で、上京あるいは帰京の汽車賃は。
-
-
○
武藤委員長 その千五百円というのは、旅館の
費用とか、晝食代とか、そういうものですか。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
○
上田証人 はつきり覚えておりませんが、百五十日ぐらいお
つたと思いますから、二十数万円もら
つておるはずだと思
つております。
-
-
-
-
-
○
武藤委員長 そうして最後に清算をしたわけですか。
-
-
-
○
上田証人 先だ
つて各党に陳情したときに、だれに聽いてもら
つたかということでしたけれども、当時聽いてもら
つた人をよく記憶しておりませんが、それは私一人でなくして、ほかにたくさんお
つたと思いますから、記憶している人もあるかもしれませんが、私はよく記憶してないのです。
-
○
武藤委員長 ほかの人のことはまた別にその人から聽きますけれども、あなたの御記憶なさる
代議士が少しはあるでしよう。、全然覚えていないということはないではないですか。
-
○
上田証人 社会党のときは加藤勘十さんがお
つたと思います。そのほかはあまり覚えてないです。
-
-
-
-
-
-
-
-
○
上田証人 國管についてことさら話はなか
つたのです。当時宿も同じでありましたから、始終会うことは会
つておりましたが、衛藤氏も
國管は時期尚早だという考えであるし、われわれ
業者とは考え方に少し変
つたところはありましたけれども、結局結論としては
反対だというような意見を私は聞いておりました。
-
○
武藤委員長 衛藤君とあなたとは、旅館も同じであれば、
目的も同じであるのだから、もう少し話
合つてはおりませんか。
-
-
○
武藤委員長 あなたから衛藤氏に、
反対運動のための資金というようなことで金を渡されたことがありますか。
-
-
-
-
○
武藤委員長 それでは衛藤君とあなたとは、金の授受ということは昨年五、六月ごろから十一月ごろまでには何もなか
つた。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
○
武藤委員長 いつか龍名館で木曽さん、西田さんとあなたと、何か賭博のようなことをなさ
つたことはないですか。
-
○
上田証人 賭博と言われると困るのですけれども、花札遊びはや
つたことがあります。
-
-
-
-
-
-
-
-
○
上田証人 そうですね。それは酒の好きな人がよけい飲んだでしよう。ほかの人は、西田さんも飲みますし、木曽さんも飲みますからね。
-
-
○
上田証人 遅くまでや
つておりました。警察の人がはい
つてくるまでですから、夜明けまでだ
つたでしよう。
-
-
○石田(一)委員 私ちよつと聽いておきたい。先ほどの
原口さんもあなたも二十数万円ということになります。日にちはちよつとばかり違うのですが……。それで計算は一日千五百円としてはほぼ合うのでが、二十数万円の金は六、月、七月から十二月ころに必要であ
つた運動費としておもらいにな
つたのですか。あなたとしては
業者として他に收入もあるのですが、その金というのは実費弁償という
意味ですか、
運動費として特に会から與えられたのですか。一日一千五百円というのは……。
-
○
上田証人 実費というわけじやないのです。実費なら一日千五百円ときまるわけはないのですから……。実費ではなくて結局一日千五百円ずつ拂おう。そうして足りないものは各自で持つということになるわけです。
-
○石田(一)委員 そうするとあなたはこれで足りなか
つた場合
自分の金をどれくらいお使いになりましたか。
-
○
上田証人 私は
國管当時東京に長居はしましたけれども、
國管よりも私
個人の仕事が東京にあ
つたわけです。それとかね合いでこつちにお
つたものですから、
國管の
費用がなんぼであ
つたか、ちよつとはつきりわからぬのです。
-
○石田(一)委員 そうすると、あなたの
個人の仕事とかね合いで東京にいらつしや
つて、それで一日の
運動日当が千五百円で足りないというのは、どういう
運動をするから足りないのですか。
-
-
○石田(一)委員 今千五百円では実費弁償としては足りない。だから足りないところは
自分で負担をしたのだから日当だろうとおつしやる。あなたはほかの仕事とかね
合つておやりにな
つていて、それで一日千五百円日当をもら
つて國管運動に足りないというのはどういうことをおやりにな
つたのですか。
-
○
上田証人 私はそういうことを申し上げていないのです。千五百円と限定されているから実費じやないというのです。
-
○石田(一)委員 そりすると日当手当ということになれば、これはあなたの
個人收入ですね。
-
○
上田証人 そうです。それはこつちに滯在しておるために千五百円だけは一方からもら
つたということです。
-
○石田(一)委員
個人收入として全部お届けにな
つておりますか。
-
-
○石田(一)委員 税務署にです。
-
-
○石田(一)委員 日当や手当は大概届けることにな
つております。あなたの方は二十五万円や三十万円の金は何でもないでしようが、たいへんな税金をとられておる人がたくさんあるのです。
-
○
上田証人 あなたは脱税をや
つておるとおつしやるのかもしれんけれども、脱税じやないのです。私
個人の経費として東京の出張旅費を税務署に私の收入の中から引いてないです。だからむしろ脱税の面は、税務署の方へは
自分の
費用も完全につけ出していないのです。
-
○石田(一)委員 それはあなたの
会社の
個人関係のものでしよう。千五百円というものが別にはい
つておる。
-
○
上田証人 これははい
つたけれども、宿の拂いとかいうものを支出の方に出してないのです。私
個人としてははい
つた千五百円は收入にせずに、宿の拂いだけを支出にしたら、千五百円は浮いてくることになる。ところがそういうことはや
つてないのです。
-
○石田(一)委員
会社がらは全然出張旅費はと
つてないということになりますか。
-
-
○石田(一)委員
自分の金を使
つていらつしやるのですか。
-
-
○石田(一)委員 あなたが東京にいようがどこにいようが、食うだけのことはかかるのですから、それは引かないのが当り前のことです。
-
○
上田証人 家におる場合と旅館におる場合では経費が違います。
-
○石田(一)委員 日当であろうと手当であろうと、それはとにかく收入に違いない。それはあなたが宿に泊
つて拂おうとどうしようと、そんなことは私がここで聽く問題ではない。脱税とかそんな
意味であなたはこわが
つていらつしやるから……。
-
-
○石田(一)委員 お届にはな
つていないということでしよう。
-
-
○石田(一)委員 それに対する税金は拂
つてはいないということですね。
-
-
○石田(一)委員 わけがないというのは、あなたの勝手な考え方で、それをまた拂わせる方では拂わせる考えかあるのですから、そう聽くだけです。では手当、日当であ
つて、これは
自分の收入としては届けていないということですね。
-
○
上田証人 委員長に申し上げて置きますが、手当、日当は向うが勝手に言うのであ
つて、手当か日当か何か知らぬけれども、とにかく千五百円貰
つたのです。
-
-
-
-
○
上田証人 きめたのです。われわれ
反対運動としてはよし悪しは別として、われわれ
業者の共同の仕事ですから、そこで東京に來る人のみで実費で各個負担ではむりがいくから、この
費用は一應千五百円ということにきめよう。もし足りなくてもこれは足りないということになると限度がないから、一應千五百円ということにきめようということで、われわれ
業者がきめた。
-
○石田(一)委員 もう一辺しつこいようですが、あなたの
会社は
個人経営の
会社で、あなたの仕事ですね。その仕事を傍やらりながら、
國管の
反対運動をするために百五十何日という長い間一日千五百円ずつ日当をもら
つた。それであなたが何か私の聽いたことについてたいへんお腹立ちのように私は思いますけれども、こんな金が拂われても当然なものでしようか。もら
つても正しいものでしようか。あなたはあなた自身の
個人の
経営の
会社の仕事を東京でしておりながら、百五十何日の長期に、わた
つて二十数万円の金を、
運動をしているのと
自分の仕事とかね合いでや
つている、それをもら
つてなおかつ足りないとか、宿の方の拂いはこつちから届けていないからというようなたいへん御立腹でしたけれども、これは当然なことなのですね。あなたの考えでは……。
-
○
上田証人 そうです。私はこの千五百円なんかもら
つてももらわなくてもどうでもいい。ところがもら
つてくれないと困るというのです。もらう人ともらわぬ人があると困るというのでもら
つた。
-
○石田(一)委員 今あなたはいいことをおつしや
つてくだす
つた。もら
つてくれないと困るというのはほんとうなのだ。あなたは二十数万円ほんとうはわからないと言うが、ほんとうは十万円か五万円かわからないのでしよう。
-
○
上田証人 今ここで、はしたを覚えていないというだけで、なんぼかはつきり知りたいと言われれば、すぐわかります。それは事務局で聽けば当時領收書を出したと言いますから、そつちの方を見ればすぐわかります。
-
○石田(一)委員 それはたびたび
受取りをお出しになりましたか。
-
○
上田証人 それは最後の清算のときに一緒に行
つておるはずです。そのときは記憶してお
つたが、泊
つた日数が百五十何日だということであれば今でも計算かできるが、百五十何日であ
つたのかはつきり覚えていない。
-
○石田(一)委員 最後の清算はいつごろですか。
-
-
○石田(一)委員 すると十二月の……。
-
○
上田証人 十二月のいつでしたかはつきり覚えておりませんか、とにかく
國管が済んで帰るときです。
-
○石田(一)委員 そのときの期日かはつきりすればわかりますか。その請求書をあなたの印か何か捺してお出しになりましたね。
-
○
上田証人 そういうふうに記憶しております。とにかく金は数回にわけて一日千五百円と
つた。
-
○石田(一)委員 先ほど領収書をやらてあるからわかるとおつしや
つたが、領收書はお出しにな
つたか。
-
-
○石田(一)委員 それはあんまりひどい。私が追究すれば逃げようとする。領收書を出したからそのときを調べればわかるとあなたは今言
つたではないか。それが突つこめば、出したか出さぬかわからぬと言う。
-
○
荊木委員 正直にいい給え。ほんとうに出したのか。
-
-
-
○
上田証人 しかしもら
つたのですから‥‥。もらわないというのではないのです。
-
○
椎熊委員 もら
つたことにして、実際はもら
つていないのじやないか。
-
-
○石田(一)委員 領收書をお出しにな
つたというか、はつきり記憶にないのですか。
-
○
上田証人 領收書を出したような記憶がするのです。
-
○石田(一)委員 領收書を出したから、事務の方を調べればはつきりするとおつしや
つたのはうそですね。
-
○
上田証人 うそではない。そう問題にすることはないと思うが‥‥。
-
○石田(一)委員 いや、それは問題になるから問題にします。領收書を出せばたいへんな証拠ですから問題にしますよ。あなたはいいことをおつしや
つてくだす
つたんだ。それをすぐあとで変えるから。あなたは先ほどおつしや
つた宣誓をなす
つて証言しておられるのだから、もう少しはつきりしたことを言
つてもらわなければ掴みどころがない。あなたが今まで言
つたことは全部うそにな
つてしまう。
-
-
○石田(一)委員 それではどれがほんとうです。領收書を出したから、領收書を調べればわかると思うというのと、出した記憶がはつきりせぬというのと、出したと思うというのと、三つの中のどれがほんとうですか。
-
○
上田証人 とにかく一日千五百円もら
つたのです。宿の帳面を調べて、百五十何日であ
つたかということがわかれば、それに掛けただけがはつきりする。領收書を出したような氣持がするが、そこがはつきりしません。
-
○石田(一)委員 宿に何日いたかということをはつきり清算したらわかるとおつしやいますが、宿は千五百円かからないでしよう。
-
○
上田証人 宿屋に泊
つた日数です。その何日かがはつきりすれば、
金額がはつきりする。
-
○石田(一)委員 領收書を出してあるから領收書を事務の方で調べればわかるというのと、出した記憶がはつきりせぬというのと、出したと思う、こう言うのですが、この三つの中のどれがほんとうですか。
-
○
上田証人 領收書を出したような氣持がするというのがほんとうです。
-
○石田(一)委員 それでは出したような氣持がするから、事務の方で領收書を出したのを調べれば
受取つた金がはつきりするというのですね。
-
○
荊木委員 ちよつと
証人の信憑性を聽きたい。先般龍名館の番頭が出てまいりまして、あなた方から頂戴した金は、マル公であると言
つていますが、この点はどうですか。おわかりですか。
-
○
上田証人 それはマル公だ
つたと思いますね。マル公はなんぼだ
つたか、私は知らん。
-
-
○
上田証人 あそこの旅館はやみはやらないということにな
つているから、われわれは信用しているので、はたしてマル公であ
つたかどうか記憶はいたしませんが‥‥。
-
-
○
上田証人 なんぼでしたかね。領收書は向うが出しているんですからね。
-
-
○
上田証人 なんぼでしようね。そんなことを聽かれてもなかなか記憶しませんね。
-
○
荊木委員 ちよつと伺いたいのは、マル公で皆さんを引受けているし、それから車賃は
運動をする会の方でもつ、酒はもつ、そうすると、千五百円はどこに使う。マル公で、酒は全部もつ、車賃は全部もつ、するとあまる。
-
○
上田証人 そんなことはないでしよう。外に出て一食洋食を食べても千円や二千円取りますから‥‥。
-
○
荊木委員 外に出て一人で洋食を食うときの金ですか、残りは。
-
-
-
-
-
-
-
○
上田証人 それはこつちに來て滯在しているのに、やはり飯だけは食わなければならないわけです。
-
○
荊木委員 もつとも千万だが、実に不思議なんです。それで千五百円ずつ
受取つていらつしやる……。
-
○
上田証人 お尋ねの要点は千五百円が多過ぎるというのですか。
-
○
荊木委員 そういうことになれば多過ぎるではないか。去年の春は旅館はマル公とおつしやるからたかが知れたものです。車賃はもつ、酒は全部もつ。するとどうなる、残
つてしまうが、それはあなたの晝飯の洋食代か……。(笑声)
-
-
○
荊木委員 それでは宿屋の値段は一日いくらですか。あなたのおつしやるのは、全部うそだからそうなるのではないか。どうせ千五百円が二千円だ
つて足りるはずはない。それはよくわかる
-
○
上田証人 一人前の宿賃がいくらか聽かれてもよくわかりません。
-
○前田(種)委員
証人は百五十何日東京におられて、院内の
運動、宿屋とそれ以外にいろいろ会合されたと思いますが、記憶をたど
つてもう少し申し述べてもらいたいと思います。
-
-
○前田(種)委員 それ以外にないですか。
-
-
○前田(種)委員
業者ばかりの会合、あるいは
新聞記者、
議会人その他の人もあるかもしれませんがう龍名館、院内、それ以外に、半年からの間ですから会合はあ
つたでしよう。
-
-
○前田(種)委員 鉱業会以外に……。
-
-
○前田(種)委員 しかし龍各館からは、朝早くから晩遅くまで、相当数の自動車が毎日のように出ております。それは目附もちやんと書いてあり、それに乗
つた人も出ておりますが、あなたもずつとおられましたし、
運動を
中心にな
つてや
つておられたのですから、全部あなたが一緒に行かれたとは思いませんが、長い間には何回か一緒に行かれたこともあると思いますがどうですか。
-
○
上田証人 皆さんに一應申し上げておきますが、私の場合、私は追放ですから
個人的の
運動はすべて遠慮してお
つたのです。
-
○前田(種)委員 いや今度の
運動は会としての
運動でしよう。会の一員としての……。
-
○
上田証人 先頭に立
つて働くようなことは一切遠慮しておりました。
-
○前田(種)委員 それならあなたは九州におられてもよか
つたので、東京に半年も忙しい仕事を放
つて來られなくてもよか
つたと思いますが、わざわざあなたが代表として、しかも半年も東京におられて、会の一員として、
業者として
運動されたのは事実ですね。
-
-
○前田(種)委員 それではまた話が違う。
-
-
○前田(種)委員 しかし
運動費として、日当費として、合計百五十何日分もら
つてお
つて、半ばあなた
個人の仕事もや
つておられた。それはわかります。しかしその間一緒に泊
つた他の
業者と相談していろいろ
反対運動をやられたのですから、その間あなたも一緒にな
つて外の会合に行かれたとか、あるいは作戰をねるとか、相談をされたでしようが……。
-
-
○前田(種)委員 しかしやらなければ自動車を使うはずはない。
-
○
上田証人 それは多いときは五、六十人來たこともあります。
-
○前田(種)委員 常時龍各館に泊
つてお
つた人は数人でしよう。あなたもそのうちの一人ですが……。
-
-
○前田(種)委員 しかし百何日もお
つたのはそう数はない。そのうちの一人ですから、毎日自動車があすこから出はいりしておる。しかもその車の行
つた先も大体わか
つておる。それにあなたは全然そういう会合に行
つておられぬか、おられたかということを聽いておるのです。
-
-
○前田(種)委員 もう少しはつきり言
つたらどうですか。
-
-
○前田(種)委員 すると鉱業会と龍各館と院内、それ以外の数人あるいはそれ以上の会合には行
つておりませんか。
-
-
○前田(種)委員 待合その他の場所へ行
つておりませんか。
-
-
○前田(種)委員 しかしおかしいではないか。毎晩九時、十時ごろまで、あるいはもつと遅く自動車が出る場合もありますから……。
-
-
○前田(種)委員 使
つておるのではなくても
——あなたがそれにみな乗
つておるというのではむろんありませんが、百五十何日の間には何回か、あるいは何十回かあ
つたのではありませんか。
-
-
○前田(種)委員 全然ありませんか。
-
○
上田証人 ありません。先ほど申し上げましたように、私は追放だから、とかく先頭に立
つて働くことはや
つてならないと思
つて遠慮しておりました。それと、しからば東京にそんなに長く何ゆえお
つたか、こうおつしやるかもしれませんけれども、私は北九州の中の田川部会の部会長をしておりました。たまたま私が
——先ほど
委員長に申し上げましたように、去年の七月一日から、三井の炭鉱を私の炭鉱にしてもら
つたのです。これは戰時中私が
経営してお
つたのですが、実質は鉱区と設備は全部三井のものです。今度それを三井から譲り受けて、名実ともに私の仕事にしてもらうようにするのに去年半年かか
つた。そういう
自分の用事もあるから、それで一應私が東京にずつといて、皆さんは代る代る、三人で來てお
つたり、十人か十五人で來てお
つたりして、龍名館に入れ替り立ち替り來て泊
つてお
つた。同じ人が何回も來たこともあります。そういうことで私は私用を兼ねて龍名館に泊
つてお
つたということです。
-
○前田(種)委員 それなら逆に聽きますが、あなたの言われる通り、追放にな
つておるから遠慮しなければいかぬという筆法からいきますと、院内へ來てあなたがいろいろ陳情されたりなんかすることこそ、遠慮しなければならぬ身分だと思います。
-
-
○前田(種)委員 いや発言しなくても、院内に出入りしていろいろやることこそ遠慮すべき身分だと思います。今あなたの言葉でいくと……。
-
○
上田証人 院内では、きようは一人残らずついて來てもらいたいということであ
つたからついてい
つたが、私は一言もそのことについて発言しておりません。
-
○前田(種)委員 しかし院内には何回も來られたのでしよう。
-
-
○前田(種)委員 もつと來ておられるでしよう。
-
-
○前田(種)委員 それから晩遅くとか、小人数でいろいろ会合される場合は、遠慮してそういう会合には実際出席されておらなか
つたのですか。
-
-
○前田(種)委員 全然ありませんか。
-
-
○前田(種)委員 それから龍名館には相当多数の
代議士諸君が出入りしておりますが、そういう人々といろいろ話をされたことがあるでしよう。
-
-
○前田(種)委員
國管のことではないが、あなたが去年の七月から十二月までの滯在期間中に、
代議士諸君が相当多数出入りしておりますが、そういう
方々と相当
話合をされたのでしよう。
-
-
○前田(種)委員 どういう人ですか。
-
○
上田証人 長尾さんとも会いました。それから西田さんとも会いましたし、伊藤さんとも会いました。
-
○前田(種)委員 そのほかには……。
-
-
○前田(種)委員 実際に龍名館、鉱業会、院内以外には、そういう会合にはあなたは全然出席しておらぬのですか。
-
-
○前田(種)委員 そんなはずはないですがね。
-
-
○
椎熊委員 千五百円は、あなたの話によると滯在している日当だということですが、実際それ以上かか
つたということを……。
-
-
○
椎熊委員 日当だと言いますが、それは
運動費としてもら
つたのじやないですか。それでは足りないのですけれども、
運動費の一部ですね。
-
-
○
椎熊委員 あなたはパージにかか
つて政治
運動はできないということを自覚してをられたのに、
議会における天下を聳動した大問題たる、この
法律案を通過せしめないという行動は、政治
運動ですね。
-
○
上田証人 だから私はさつきも申しましたように、先頭参に立
つてや
つておりません。
-
○
椎熊委員 先頭であ
つても後方であ
つてもいいのですが、とにかく
議会まで乗り込んできて、多数の人と行動を共にして
運動の中に参加したのですから、あなたは
運動費をもら
つて政治
運動をなさ
つたことだけは間違いありませんね。そして
費用までと
つて政治
運動をしたというわけですね。
-
○
上田証人 いや
議会に私たちが來たわけは、われわれとしては
議員諸公が炭鉱についての認識がなくして決定されたのでは困るというので、われわれとしては一應この
國管案に何ゆえに
反対するかということを各党によく実情を話して、それから先
議会でどうきめられようともそれは別だ、一應話をする必要があるというので
運動したわけです。
-
○
椎熊委員 そういうことは政治
運動と同じわけですね。
-
○
上田証人 いや私がしたのではなくて、全部ついて來いということであ
つたから……。
-
○
椎熊委員 いやそれはたしかに政治
運動と同じですよ。(笑声)
-
○梶川委員 ちよつと
証人に伺いますが、ほかに東京に仕事があ
つたと言われるのは、その三井から山を返してもら
つた問題だけのことですか。ほかにあなたの事業は東京にないのですか。
-
○
上田証人 千葉にある千葉漁業というのに若干株を持
つております。
-
○
武藤委員長 そうすると、あなたは千葉漁業というものの株を持
つておると言われますが、大体どらくれいの割合で持
つておられるわけですか。それはどのくらいの大きさの
会社で、あなたがそのうちどれくらい持
つて、どういう役員をや
つておられるのですか。
-
-
○
武藤委員長 そうすると
会社の仕事のめんどうも見ておられたわけですね。
-
-
○
武藤委員長 そうすると東京に事業を持
つておるというわけではないのですか。
-
-
○
武藤委員長 そうしますと東京の事業については、三井から返してもら
つた山のことを指すのですか。
-
-
-
-
-
-
-
-
○
武藤委員長 そうしますと、それは一体どれくらいの取引なのですか。
-
○
上田証人 それは五箇年拂いの二千五百万円ということに結局な
つております。
-
○
武藤委員長 つまりあなたが鉱区権を持
つておられたから、從
つてその設備に対する三井への弁償なのですか。
-
-
○
武藤委員長 だから設備に対する賠償費として二千五百万円拂う……。
-
○
上田証人 五箇年拂いなら二千五百万円、一時拂いなら二千万円という……。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
○
武藤委員長 あなたが上京されたのは、大体そのころ上京されたのですね。
-
-
○梶川委員 そうしますとあなたが東京におられたのは、二千五百万円の取引をされるからには、あなたが東京におられて、そこで三、四箇月というものはその折衝にかか
つておられたわけですね。あなたのような方は非常に男らしい人であり、特に業界の人は非常にしみ
つたれなことは言わないと思うのですよ。そういう二千五百万円以上のあなたの仕事としては相当影響を及ぼす大きな取引ですね。これは
一つの
——もつとほかにたくさん持
つておられるでしようけれども、そういうあなたの仕事の上において相当プラスになる仕事なのです。從
つてそういう点に対してあなたのような方が鉱業会の方から、
自分の仕事で來ておりながら、しかもパージの
関係にあるというような人が、金をもら
つたということは考えられないし、またあなたとして当然そういう場合に男として
受取らないのじやないかと思うのですが、もらわなか
つた人も相当あるのじやないですか。
-
○
上田証人 そこはだれがもら
つておらぬか知らぬけれども、私はこの
國管專門に來ておるわけでもないし、
自分の仕事たまたま同時にあ
つて、東京におる必要が
自分でもあ
つたのだからというので、一應辞退したのだけれども、もらわぬ人もあるが、あなたがもらわなければ、そういう人がもらいにくいし、これは会できめたことであるからもら
つてほしいということでもら
つたのであります。
-
○梶川委員 きのう木曽さんの話では、もら
つた人もあるし、渡さぬ人もある。本人が要らぬという場合は渡さぬし、
受取るという人にはや
つておると言
つておるのですよ。それは速記にも載
つておる。從
つてほかの貧乏な
運動員か、あるいはブローカー的な
運動員というものなら
自分で要求しますし、あるいは貧乏な
運動員でも、
業者の
運動員は痩せても枯れても
自分の仕事に
関係があるから、くれるならばもらうが、くれなか
つたらしかたがない。ところがあなたの場合は非常に違うと思います。
自分の二千五百万円の取引をやるのに來て、しかもパージによ
つて表面立てない身である。しかもあなたの平素の性格といい、あるいはあなたのみならず、ほかの
業者の方の性格といいそうなのですが、先ほど
原口さんも言
つておられたが、そういう特につむじ曲りの人が多いというのは、要するに他人のせわにならぬという業界の氣風、特に九州
方面の人はそういう氣風が多いのですね。私も九州に三年ほどお
つてよく知
つておりますが、そういう人がこれを
受取るということは考えられない。一日千五百円ぐらいの金をですね。きのうの話では、もらわなか
つた人もあるが渡さなか
つた人もあるということだがうあなたの場合はもら
つたということはうそなのですよ。
-
○
上田証人 もらいましたね。ぼくはもらいましたよ。
-
○梶川委員 その場合にあなたはもら
つたということを、ほんとうに
宣誓して言
つておるのですか。われわれはこれを
調査していきますから、もし間違
つてお
つたら、
御存じの通り偽証罪というのがあるのです。だから初めに
宣誓して言われておるわけです。今まで私ずつと黙
つてお
つたのですが、もし間違いがあ
つたらあなたのような方に非常に氣の毒だと思いますから、それで言
つておるのです。それでもしそれをもらわなか
つたというふうに言いかえられるなら、今のうちに言いかえられた方が非常におためになると思うので、私も口を挟んだわけなのですよ。だからその点もう一遍考え直して話された方がいいじやないかと思います
-
○
上田証人 御親切はありがたいですけれども、もらいました。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
○
武藤委員長 昨年御承知の通り、
國管反対運動を
業者がやりまして、あなたも上京して來られて、龍名館にお泊りにな
つたようでありますけれども、五月九日から二日間、七月十八日から五日間、十一月十九日から十日間というふうに宿帳には記しておりますが……。
-
○
田籠証人 私は七月の初めごろにここに來たと思います。五月には來ておりません。
-
-
○
田籠証人 途中で一、二回用事があ
つて帰りまして、十一月の末方に九州に帰
つたと思います。もう長いことですから、はつきりしたことは覚えませんが、そういうふうに記憶しております。
-
-
-
-
-
○
武藤委員長 それはわか
つておりますけれども、じやあその
運動はどういう
運動をなさいましたか、具体的な例をあげてください。
-
-
○
武藤委員長 そうです。たとえば
代議士のところへ行
つて、これはひとつ通過しないようにや
つてもらいたいというふうに、いろいろのことをやることもそうでしようが、あるいは
諸君に寄
つてもら
つて一席設けて陳情するとか、いろいろあるだろうと思うのでありますが、そういうことはどういうことをなさいましたか。
-
○
田籠証人 私はただいま申し上げますように、七月こちらに参りまして、そのときにはすでにもう
反対運動を起してお
つたときであります。私は何分年をと
つておりますから、ほとんど龍名館に留守居をしまして、みながまああなたは年寄
つておるから家におれというようなことで家におりました。みなが一緒に陳情なんかに行くときは一、二回行
つたこともあります。それから首相官邸で座談会のありましたときに、たしか行
つたと思います。そのほかはあまり出ておりません。それで
運動についてはただ鉱業会の
理事会においてきま
つて、それによ
つてみながや
つてお
つた。こう思います。私はあまりこれには深くはい
つておりません。
-
-
-
-
-
-
○
田籠証人 そういうわけでもありませんけれども、何分炭鉱の先生たちは若い連中がいますから、その若い連中に任せるということで、龍各館にお
つたのであります。
-
○
武藤委員長 ほかの元氣のよい
諸君が行
つてきて、あるいは出かけるときに、きようはどこへ行
つてどういう
運動をするとか、きようはどうだ
つたとかいうような話はお聞きになりませんか。
-
-
-
-
-
○
田籠証人 それから平井
代議士、あれは元の九州山が同じ所でございますから、先生が龍名館に來て紹介しました。
-
-
-
○
武藤委員長 これはいずれも龍各館に訪ねて來られて、あなたがお会いこな
つたのですか。
-
○
田籠証人 そうです。平井
代議士はちようど九州山が一緒に連れてきて紹介しまして、そのとき会いました。
-
○
武藤委員長 ほかの政界の人または官界の人と会食をし、飲食をしたようなことはありませんか。
-
-
-
-
○
武藤委員長 いくらぐらいあなたは全部でもらいましたか。
-
-
-
○
田籠証人 大体はどれくらいもら
つておるか、それは日にちを調べてみればわかりますけれども、何ほどぐらいであ
つたか、よく記憶しません。
-
-
○
田籠証人 はつきりわかりません。調べてみればわかります。
-
○
武藤委員長 十日とか五十日とか、百日とか、百五十日とか‥‥。
-
○
田籠証人 百日以上は來てお
つたと思いますから、十万円以上はもら
つておいたと思います。
-
-
○
田籠証人 それははいるたびにもら
つておりますから、三回ぐらいもら
つているのじやないかと思います。
-
-
-
-
-
-
-
○
武藤委員長 判こを押すのですか、認印か何か……。
-
-
-
○
田籠証人 それはしかし認印そのものも、私どもの方ではそういうことはあまり深くしておりませんので、領收書なんというものはなか
つたと思います。何日來ておるか大体わか
つておるから、それに対して金を‥‥。
-
○
武藤委員長 それでは整理がつかない。大勢だし、一人や二人なら‥‥。
-
○
田籠証人 しかし木曽氏を信頼して事務局がや
つておりましたから、ただ何日來たというようなことでもら
つただけで、別段そういうようなものはつく
つておらぬと思います。
-
○
武藤委員長 一人や二人なら信用するとかしないとかいうことは別ですけれども、延人員にして七千人に近い人間が動いているのですから、ただ金を
受取つたもら
つたというだけでは整理がつかないじやないですか。
受取もなければ判こも押さない……。
-
○
田籠証人 木曽氏を信頼してや
つておるのだがら、そういうものはないと思います。
-
-
-
-
○
田籠証人 あれは私が來ない前に、何か炭價の切替のために、初めのうちは委員が上
つて來ておりました。それでそのときについてきてお
つたと思います。私は七月の初めごろだ
つたと思いますが、私がこちらに参りまして、枠が帰
つたのであります。
-
-
-
-
-
○
武藤委員長 年は四十八。幾日くらい東京へ來ておられましたか。
-
○
田籠証人 三十日か四十日くらいじやないかと思いますが、はつきりしたことは、もう長いことですから私記憶はありません。
-
-
-
-
-
-
○
田籠証人 ええ。そのときの
費用ははつきり出ておると思います。
-
-
○
椎熊委員 ちよつとあなたにお尋ねします。あなたは、北九州の炭坑に長くや
つておられた方を川筋者という俗語があるそうですが、そういう社会で長く鍛えられたのですが。
-
-
-
○
田籠証人 私は炭坑を始めて四十四、五年くらいになります。
-
○
椎熊委員 そこであなたにお伺いしたい。あなたは日本一の炭鉱の親分ばかり揃
つている川筋に四十年も苦労してお
つて、それが私どもの聞き及ぶところによると、義侠に富んだ天下男一匹で賣出した人ばかりだということだ。今度の大
運動に際して、あなた方で一千万円からの身銭を切
つて出しておる。
会社であろうと
個人であろうと合して……。その男一匹費出しておるあなた方が、それほどの金を惜し氣もなくこの
運動に費してや
つたにもかかわらず、殊にあなたは老齢をも
つて上京をして、老齢のゆえをも
つて外部に出ない。今の陳述によれば宴会等もしない。酒もあまり飲まぬというのに、毎日千五百円の
運動資金を
受取るということは、四十年の男を磨いてお
つたあなたの過去の閲歴、心境から、私は信じかねるのですが、あなたはそんなけちくさい金を
受取る人ではないのじやありませんか。
-
○
田籠証人 ごもつともであります。私どもはその千五百円の金を
受取らない。そんな金を
受取る必要はない。またそういう金を
受取るようなことではいかないということは、木曽さんにも再三申しました。しかしながらこれが
業者がみなこぞ
つて來ておるのならば、私どもの言うことは通りますけれども、しかし來ておる者が、かりに一箇月に一万トン以上、一万五千トンも二万トンも出しておる者でも、それは人物によ
つては來ない。あるいは五百トン出してお
つても千トン出してお
つても、人物によ
つては上京して役に立つというような者があります。それだからこれはどうしても金を平等に、上京しておる人にはわけてやらなければいかないというようなことで、金を集めて、皆に公平に、上京しておる人の
費用の一端としてや
つた。それだから私ども甘んじて不本意ながら
受取つたわけであります。
-
○
椎熊委員 そこであなたや木曽さんは、今度
運動なさ
つた方々のうちの長老格の方で、内外ともにそう認められております。
-
-
○
椎熊委員 その木曽さんのここにおける陳述では、平等に一たいにみんなに金をや
つたのではない。
受取らぬという人にはやらなか
つた。こういうことをしかもきのうここで言
つておるのです。それですから、あなたのようにそんな金をもらうべきでないと主張した人には、やるわけがないのですが、どつちがほんとうですか。
-
○
田籠証人 それは意外なことを聞きますが、そういう、ことでしたら私は木曽さんに一應話があります。
-
○
椎熊委員 木曽さんの
お話がほんとうか、あなたの
お話がほんとうかわからないことになる。
-
○
田籠証人 これは上京した人がみなその金を目当てにして
運動に來たわけじやないんですから、みなそれを進んでもらうような者はおらぬわけですけれども、しかしさつき申し上げますように、二万トン月額出しても、家にお
つて動けもしない。また千トンや千五百トン、五百トンくらいの人でも、役に立つ人は上京してもら
つて運動に携
つてもらわねばなちぬというような建前から、その金を徴収して皆にや
つておるわけであります。
-
○
椎熊委員 別なことを聽きますが、私はなぜこういうことをしつこく聽くかと申しますと、あなた方は約九千八百万円ほどの金を集めた。そのうちあなた方のと
つたといいう千五百円の合計が約六割にあたる。あなた方が集めた金の六割が日当でわけたということにな
つておる。そうすると、あなた方の連動のほんとうの
目的のためには、そのほか自動車費の三百万円に近いものもありますが、ほんとうの主たる
運動の
目的のためには、最も大切な宣傳費なんかにはごくわずかの三十七万円しか使
つていない。ことごとくあなた方の滯在費に使われておる。これだけの
運動をするあなた方がそろ
つていて、そんなばかげたことをするわけはなし、あなた方そんな
個人の日当なんか欲しがるような人ではなし、そこでこの金は主たる
目的のために大部分使われておるのだが、ひとまず日当によ
つて五百七十万円ほどの金をわけたということに申し合わせてしたものではないでしようか。ほんとうのことを言
つてください。私はあなたを人格者として尊敬して、あなたのうわさもかげながら聞いておるけれども、あなたはうそを言うような人ではないと思
つておるから、特にこういうことを聽いておるのです。殊にあなたはうちわにあ
つて若い者を治めつつ、総参謀格にすわ
つてお
つた、そういう人が表に出もせずに日当をもら
つているというようなことは、想像もできない。
-
○
田籠証人 それはどうも、そこを衝かれますと恐縮いたします。しかしながらさつき申し上げましたように、やむを得ずもら
つたので、御了承をお願いいたします。
-
○
椎熊委員 了承できないのは、木曽さんはもらわぬという人にはやらなか
つたと言
つておるのです。あなた方はみずから日当をもらう必要はないと言
つて主張しておるのに、木曽さんがやるわけはないじやないですか。
-
○
田籠証人 それは、私がとらなければ、みんなもとりにくいからと木曽氏が言うから、もら
つたのであります。しがし、もらわぬのが多数お
つたならば、私は今からでも返します。強いてそういう金をもちおうとは考えておらなか
つたのです。
-
○
椎熊委員 最近木曽さんとはお会いになりましたか。
-
○
田籠証人 私きのう参りましたから、まだ会いません。
-
○
椎熊委員 もう
一つ別なことを聽きますが、去年の暮ごろ、この
運動費に一千万円ほど集めた金の使い途について、
報告を受けたことがありますか。
-
-
-
○
田籠証人 それはこの
國管問題の解決がつきまして、私どもが帰
つたのが十二月の一日、二日ごろだ
つたと思います。その後皆引揚げてきたのが十日過ぎだ
つたと思いますが、十日から二十日ごろの間に九州
石炭鉱業会で臨時総会をを開いて、そこで
報告がありました。その際私は特に部会長の
関係上、皆に一應の
報告がありまして、その後に私どもだけ呼んで、詳細に
報告を聽きました。私どもは木曽氏のこの
國管に対する非常な骨折に対して大いに感謝しております。
-
○
椎熊委員 その際に日当として五百七十万円かか
つたという詳細な
報告はあ
つたでしような。
-
○
田籠証人 金額ははつきり
——もう一年にもなりますし、私は年もい
つておるから、はつきり記憶いたしませんけれども、たしかそのくらいだ
つたと思います。
-
-
-
○
椎熊委員 この
運動の最高方針は、
理事会できめられたんだと思いますが……。
-
-
○
椎熊委員 この
運動はうんと金を使えば成功すると思われたですか。
-
○
田籠証人 金をそううんと使うと言うて、どうして金を使いますか。
-
○
椎熊委員 どうしてと言
つて、一千万円も集めたのですから、一千万円も集めるについては、よほど金を使うという覚悟で集めたのでしよう。
-
○
田籠証人 あなた方はそんなことを言われますけれども、私どもは
昭和八年の撫順炭増資問題のときには、二箇月くらいで、あの時代の金でやつぱり十万円ぐらい使
つております。だから今度の金は一千万円内外で済んだということは、長い期間において金が要らなか
つたというくらいに、木曽氏に非常に感謝しております。
-
○
椎熊委員 それだけではないのですよ。その他にも何十万円と使
つている。あなた方が集めた金だけで一千万円集めている。だから、この
運動は金をうんと使えば成功するという考え方だ
つたのですか。
-
○
田籠証人 いや、私どもはそういうようなことは初めから絶対考えておりません。
-
○
椎熊委員 それじやこういう考えにどうしてなれなか
つたのでしよう。お互いに金にそんなに汚い人じやないのですから、一トン十円なんて集めないで、熱心な方は上京しろ、お互いにかか
つたときに頭割でいこう、出し
合つていこう、そういうような
運動になぜやらなか
つたのですか。
-
○
田籠証人 それが申し上げますように、参一箇月に二万トンも出していて上京もしないというような人もおるでしよう。そういう人はどちらかと言えば、利益には一番與かります。千トンか五百トンの者は、
自分の手金まで使
つて東京に來て
運動して、ばかを見るというようなことですから、やはりトン割にすれば、それが一番公平だというようなことで……。
-
○
椎熊委員 それくらい金の出し方について注意深くや
つたのならば、毎日千五百円なんか、あなた方そんなものもらわないのがほんとうでしよう。
-
○
田籠証人 そうですね。それはあなた方からそう言われると、実際穴があ
つたらはいりたいような氣がするのですが……。
-
-
○
田籠証人 いやいや、決してそんな、そういうことなんか申し上げられる場所でありませんから、そんなことは……。
-
-
-
○
椎熊委員 全部もらいましたか、
報告によると……。
-
○
田籠証人 全部もら
つておると思います。それは私がさつき申し上げますように、一人でももらわぬ者があ
つたら、木曽氏に今から反駁しようと思います。私もらわぬと言うものを、無理に強いられたから、私もやむなく甘んじてもら
つておりますけれども、しかし今あなたのお説のように、ほかにもらわぬ者が相当おるとするならば、私今から木曽氏に相当話してみます。
-
○
椎熊委員 木曽さんは明らかにきのうここでそういうことを言
つておられたから、あなたなんかはもらわぬ方の人だろうと思
つてお
つた。意外にも……。
-
○
田籠証人 大体私の気持はそうでありましたけれども、やむなく、皆がもらわぬというので……。
-
○
椎熊委員 少し話が齟齬している点がありますが、この程度で……。
-
○石田(一)委員 ちよつとお尋ねいたしますが、一千五百円の
運動費で、
運動するのに足りると思いましたか、足りないと思いましたか。
-
○
田籠証人 それでは足りませんね。けれども、上
つてきた
業者の皆に十分に與えるということはいかないけれども、とにかく一人において千五百円くらいは、宿泊料くらいなことは出そうということでやられたと思います。
-
○石田(一)委員 宿泊料は龍名館ではマル公以外には何もとらぬ。酒も向うでおもちにな
つたというので、このほかに七十五万円の酒代が出たということもわか
つておるのですが、自動車代も会でもつ。そうなると、マル公で泊
つたので、あの当時は精々百円以下です。そうすると千五百円のうちの百円が宿泊料にな
つて千四百円残
つている。自動車賃も掛れば別ですが、これも会から拂うということにな
つても、千五百円で
運動費が足らぬということになると、どういう
方面の
運動にお使いになるのですか。
-
○
田籠証人 あなた方は九州の炭鉱の者の心理状態がよくおわかりになりませんからそうおつしやるでしよう。これは普通の者でしたら十分に足るだろうと思います。しかし私ども同
業者が東京に來れば飲みもしますし食いもしますし、要らぬことに相当使います。東京に來なければそんな
費用は全然要らないけれども、東京に來ればやはりそういう
費用に使いますから、それでやはり足りない。そういうことを申し上げたのであります。
-
○石田(一)委員 飲み食いすることはよくわかりますが、
業者が東京に來て飲み食いするための金が千五百円……。
-
○
田籠証人 飲み食いした
費用まで会からやるというようなことは考えておりません。やはり十部は負担するというような氣持はあ
つたと思います。
-
○石田(一)委員 飲むと言
つても、飲む方は七十万円の酒をお買いにな
つたのですから相当あると思います。それの
費用まで考えるだつだならば、飲む方は二重に拂われることになる。だから千五百円という日当で足らぬ。要するに
運動するのに、あなたたちの方ではわずかな金でしようが、何千という人が千五百円ずつで全部足らぬということになると、合計した約六百万円ばかりのものでは足りないということになるのです。
-
○
田籠証人 私の申し上げたのが、全部が全部それで足りないというようなことはなか
つたろうと思います。しかし大半足りなか
つたろうと思います。
-
○石田(一)委員 それではお聽きしますが、六百万円の金を借りているということはあなたは
御存じですか。
-
-
○石田(一)委員 それはいつごろお聽きになりましたか。
-
○
田籠証人 それはたしか十二月の十日から二十日ごろの間と思います。
-
○石田(一)委員 その金はいつごろ借りたということを聽きましたか。
-
○
田籠証人 いつごろ借りたという日にちは聽きませんけれども、これだけ借受をしている、これについては皆さんに御迷惑を掛けないで、木曽氏が私の腹案もあるからしばらく任してくれということで、私どもお任せして先生を信頼してお
つたから何もや
つておりません。
-
○石田(一)委員 木曽氏はこの日当はほとんど後拂でや
つたというのですね。そうすると、よそから六百万円も借りたという木曽氏の
報告をお聽きにな
つて、しかも皆さんが一人で少いので十万円とか二十万円、三十万円という金を、借りた金の中から分けてと
つたことになりますね。
-
○
田籠証人 結局そうなります。皆から集めた金は大体の高がわか
つておりますから、結局足りない金は先生が借りてきて……。
-
○石田(一)委員 それではちよつとお聽きしますが、ちようど六百万円というものを借入れておりますね。その借りた金を人数で割ると一人頭千五百円になるから、ちようどこの借入金はどこかへ行
つてしまうような計算になりますね。この六百万円がどこへ行
つているかわからぬということがもしあ
つたならば、この六百万円は上京してい、た人数で割れば千五百円ということにな
つて、ちようど六百万円の借金に合うですね。あなたたちは後拂いにされてあとから六百万円借入れたということをお聽きにな
つて、しかも
椎熊君の話では、非常に潔白な方で、皆がとらないというのに、よそから木曽氏が
個人の責任で借りた金を日当として分けてとるということは私たちにはちよつと考えが及ばない。先にもおつしやるように、
昭和何年かに十万円の金を使
つたので、今の金で一千万円くらい安過ぎると思うほどの太つ腹の方が、木曽君
個人の責任で借りた六百万円の金を日当として皆さんで分けてとるということを了承なさるということは常識的に考えてもおかしいと考えます。
-
○
田籠証人 それは、さつきも申し上げますように、六百万円は借りておるけれども、これは腹案があるからしばらく任してくれということを
報告のときに言われたから、その金については何らか木曽氏が腹案があるものだと信じて別段私どもは何も言わないで先生を信任してお
つたのです。
-
○石田(一)委員 その十二月の二十日ころか十日ころかの
報告というのはどこでなされたのですか。
-
-
○石田(一)委員 私は、この千五百円の日当で足りないとおつしやること、それから、あなたが六百万円の借金をしているということを知
つていつつ、もしもらわなか
つた者がほかにあ
つたれらおれは突返すとおつしや
つておらる方が、木曽氏の
個人の責任で借りた六百万円の金を
運動費としてわけてと
つているということがどうしても納得がいかないのです。しかしこれ以上お尋ねしてもむだなことだと思いますからこれ以上は聽きません。今
椎熊君も聽きましたが最近木曽君にお会いにな
つたことがありますか。
-
-
○石田(一)委員 それでは、一番近くお会いにな
つたのはいつですか。
-
-
○石田(一)委員 いつごろですか。
-
-
○石田(一)委員 そのときにどういう話が出ましたか。
-
-
○石田(一)委員 それは九州のどこでお会いにな
つたのですか。
-
-
○石田(一)委員 そのときに何かこの問題に関しての話が出ませんでしたか。
-
○
田籠証人 東京でこんなことで喚ばれたということは聽きました。しかし別段それに対してどうこうというようなことは聽きません。
-
○石田(一)委員 そのときに、あなた一人でなくて、先ほど出られた
上田さんなんかが一緒じやなか
つたですか。
-
-
○石田(一)委員
上田さんが一緒であ
つて、ただ東京でここの
委員会で喚ばれたというような話だけですか。ほかに何かありませんか。
-
-
○石田(一)委員 何か木曽さんがあなたたちに聽いたはすですがね。
-
-
○石田(一)委員 聽かなければこれはちよつと話が合わなくなるんですがね。何も聽きませんか。十日くらい前に、何かこの問題について聽いているはずです。
-
○
田籠証人 覚えませんね。それは近ごろのことですけれども記憶はありません。
-
○石田(一)委員 何もお聽きになりませんか。わかりませんか。
-
-
○石田(一)委員 これは誘導するわけじやないのですが、たとえば、木曽さんがあなたに、
田籠さんあなたは何日くらい東京に行
つていたかな、というようなことをお聽きになりませんか。
-
-
○石田(一)委員 宿に泊
つた日数なんかもお聽きになりませんか。
-
-
○石田(一)委員 その前に電話とか手紙の連絡で、あなたのところへ木曽さんから、
田籠さんは何月の何日から何日ころまで東京にいたかというようなことを聞合わせたことはありませんか。
-
-
○石田(一)委員 では木曽という人は皆うそをついていたことになる昨日本曽さんがここに出してある
報告書は、前に
報告書を出したものはそれほど正確ではないが、しかしなるべく正確を期そうと思
つて会える人には一人々々皆会
つて聽き質し、会えない人には連絡をとり、どうしても連絡がつかない場合には龍名館の
帳簿によ
つて届け出たとおつしや
つている。ところが十日前に会
つていて、しかもそのことをあなたにちつともお聽きにならない……。
-
○
田籠証人 それは上京した日数なんかおよそわか
つておりますから、
会社の者にあるいは聽いておるのかもしれませんけれども、私は聽いておりません。
-
○石田(一)委員 はつきりと一人々々会
つて、こういうことをおつしや
つているんです。それだと
業者の一人々々に会
つたが、会たない人には連絡したということになるのです。そうすると、これは木曽さんがうそをついているか、それともあなたが何か話があ
つたのだけれども、ここでそれを
お話にならないのか、どつちかがとにかく偽証か
証言を拒否することになるのであります。
-
○
田籠証人 その話は直接聽きませんけれども、これは
会社の者が私の上京しておる日数なんかわか
つておるから、
会社の方へ問い質してい
つたのかもしれません。それならよくわかります。
-
○石田(一)委員 じや、十日前にお会いにな
つたときには、
上田清次郎氏も一緒であ
つたと思う。それから他にその席に同席なす
つた方はありませんか。他の
業者でこの
國管案に
反対のために上京していた人で、ちようど十日ほど前にあなたが木曽さんにお会いにな
つたその席上で、
上田さん以上の人でそういう方はいませんか。
-
○
田籠証人 その他の者はあまりおりませんね。それは
会議やなんかのときなら……。
-
○石田(一)委員 いや、その十日ほど前にお会いにな
つたときです。
-
○
田籠証人 福岡に行
つて会
つたのでありますから、だれかれというようなことは、そう大人数寄
つたわけではありませんから……。
上田君には偶然会
つたわけでありますから……。
-
○石田(一)委員 それで福岡においでにな
つたのは、どういう要件ですか。
個人的のものですか。
-
○
田籠証人 福岡には私のところの出張所もありますし、いろいろ福岡には
関係がありますから……。私は武内副会長が今の
業者がや
つていけないからというので、一時金の借入れをするというようなことであ
つたから、それで皆嘉穂部会から集めて持
つて行きました。そのときのことであります。
-
○石田(一)委員 お会いにな
つたのは鉱業会の事務所ですか。
-
-
○石田(一)委員 鉱業会の事務所は福岡の何というところにあるのですか。
-
-
○石田(一)委員 地行西町の何番地ですか。
-
-
○石田(一)委員 地行西町の何という事務所ですか。
-
-
○石田(一)委員 そこの應接間か何かでお会いにな
つたのですか。
-
-
○石田(一)委員 應接間で、お会いにな
つたとすれば、あなたと三人だけしかお会いにな
つていませんね。
-
-
○石田(一)委員 そうすると、三人だけお会いにな
つたということはどなたか知
つていますね。その三人だけがお会いにな
つた十日ぐらい前というのですから、一日や二日はしかたがありませんが……。
-
○
田籠証人 十日前ということで、十日であ
つたか、十二日であ
つたか、はつきり記憶しませんが……。
-
○石田(一)委員 十日か十一日か十二日にその事務所であなたと木曽さんと
上田さんが会
つたというのは、その前にもその後にもただ三人きりで会
つたということはそうたびたびあることではないと思いますから、その三人がお会いにな
つたことはどなたかが
御存じでしよう。
-
-
-
-
○石田(一)委員 その席にたれか用事で出入りしたことがありますか。
-
○
田籠証人 それは應接間でありますから、三人でお
つただけでほかの者は出入りしておりません。
-
○石田(一)委員 全然。
-
-
○石田(一)委員 しかし給仕がお茶を持
つてくるというようなことはありませんか。
-
-
○石田(一)委員 お茶を持
つてきた給仕というのは、その事務所に勧めて参る何という者か
御存じありませんか。
-
-
○石田(一)委員 そうするとその事務所にはいるにはたれの眼にもつかないようにはいれるのですか。
-
○
田籠証人 そういうわけではありません。表からはいります。そう隠れてはいるわけじやありません。
-
○石田(一)委員 そうすると三人がお集まりにな
つたということは……。
-
○
田籠証人 三人は偶然に会
つただけで、三人が何か
会議のために集ま
つたというような筋合ではない。私はさつき申しましたように私は嘉穂部会から集めて、借入金を皆が要求したものを持
つて行
つたのです。
-
○石田(一)委員 私のお聽きしたいことは、あなたが三人だげ集ま
つてそれ以外にはないと仰しやるので、それを信じ、それを実証するためにはどなたに聽いたら一番あなたの言
つたことが確かになるか、これを私は知りたいのです。
-
○
田籠証人 それはちよつと私も氣がつきませんね。だれが來てお
つたかということは。
-
○石田(一)委員 それでは事務所の人に聽いてもわかりませんか。
-
○
田籠証人 私どもそういうことを氣にかけておりませんでしたから……。
-
○石田(一)委員 そうするとその事務所というのは絶えず多くの人が事務をと
つておる所ではないですか。
-
○
田籠証人 北九州の統制
会社は炭代をそこで一括して受入れて、そこから拂出しております。
-
○石田(一)委員 相当人数いらつしやるのですね。
-
○
田籠証人 大分おりますね。何人くらいおるかはつきり記憶しませんが、四、五十人くらいおるでしようかね。
-
○石田(一)委員 その事務所は戰災で焼けけたのですか。
-
○
田籠証人 たしか戰災後に建てたのではないかと思います。バラックですから。
-
○石田(一)委員 平屋ですか、二階屋ですか。
-
-
○石田(一)委員 應接間というのはどこにあるのですか。
-
-
○石田(一)委員 同じ建物の中の‥…。
-
-
○石田(一)委員 そうすると五十人や六十人の事務員の前を通らなければ應接間に行けないのではないですか。
-
-
○石田(一)委員 そうするとその事務所からは應接間は見えない……。
-
○
田籠証人 事務員の中を通らなくても行けることにな
つております。
-
○石田(一)委員 三人がお会いにな
つておるところへはい
つたのはお茶を持
つてはい
つた給仕くらいのものというのですね。
-
○
田籠証人 そんなものだろうと思います。氣がつきませんね。
-
○石田(一)委員 だろうと思いますということですが、しかし十日か十二日前にあなたたちが偶然にも会
つて話していたというのが
上田さんだけわか
つていて、そこへ何か書類を持
つてくるとか、お茶を持
つてくるとか、何か話のついでに出入りした者が
一つも……。
-
○
田籠証人 あまり氣にかけていないものですから記憶はありません。
-
○石田(一)委員 もうこれ以上お尋ねしても、おそらくあなたもおつしやらないと思います。しかしもしできることならば私は最後に
一つ、木曽さんとあなたと
上田さんが十日か十一日か十二日ぐらい前に福岡の鉱業会の事務所の應接間で会
つたそのときに、
國管案
反対のために上京していたあなた方、三人以外の
業者がそこに同席したのではないかということについて、このことをもう一ぺんよくお考えにな
つて、もし御記憶がございましたらおつしや
つてください。
-
-
○石田(一)委員 記憶はないのですか。
-
-
○石田(一)委員 思いますではおかしいでしよう。應接間でお会いにな
つたのは三人だけであ
つたかどうかわからないというのが私には了承できない。三人だけだとおつしやるか、それともまたたれかお
つたが帰
つたという話ならわかるのですが、僅か十日か十二、三日前のことで、三人だ
つたか何人だ
つたか、そうぼやかされたのでは……。
-
○
田籠証人 あまり氣にかけていなか
つたから、三人だけははつきりしておりますけれども、そのほかの者は來ていなか
つたと思います。どうもあまり氣に留めておらぬものですから、記憶がありません。
-
○石田(一)委員 それではこれはもうしかたがない。あなたがそうおつしやれば、それでは後日私たちはこれを一遍調べてみたいと思いますが、今おつしや
つてくださればまことに結構だと思います。あまりどうもぼやけているので、記憶をひとつ喚び起してもら
つて、あとからでも結構ですからおわかりにな
つたらおつしや
つてください。
-
○梶川委員 ちよつとお伺いしますが、あなたたちが
國管案に
反対されるときに、この
國管案を阻止して、
國管案がつぶれて通らなか
つたら相当もうかるというふうにお考えになりましたか。
-
○
田籠証人 それはもうかるとかもうからないとかいうよりも、これは見解の相違で、私どもはこの
國管をやられれば減産になる。國家の危急の場合に減産になるようなことは絶対に避けてもらいたいという私どもの、主義主張のために
運動したのであります。
-
○梶川委員 それはよくわかるのですが、企業権を脅かす、要するにあなたたちの今まで生活を主としておる企業権を脅かすからぐあいが惡い。それで今まで大してもうかる、もうからぬは別として、より惡くなるということを考えられなか
つたですか。
-
○
田籠証人 それは長い間
自分でや
つておる仕事ですから、全然考えないこともありません。しかし今日ではそういうことを考える時期ではありません。とにかくいかにしても國家再建のためには一塊の
石炭でも出さなければならぬということが主眼でありますから、これが政府の企図されておるところの
國管を実施すれば、相当に
増産になるというような見透しがつけば、私どもは昨年あれだけの猛烈な
反対運動はや
つておらなか
つたと思います。
-
○梶川委員 なかなか御感心なことで、
増産精神に燃えられたということはよくわかるのですが、しかし
増産精神だけではかすみを食
つて生きておられぬから、
石炭國管案が通れば、あなたたちももうからなくなるということもやはり考えられたでしよう。
-
○
田籠証人 これは多年私どもはや
つてきておりますから、
國管案を施行されることになれば、これは
業者が棚上げになるというようなことも
一つの原因にはな
つております。しかしながら今申し上げましたように、われわれは犠牲にな
つて國家こために
増産になるということであれば、私どもは
國管案に
反対しなければならぬ立場におりますが、涙をのんで……。もしかしながら私どもが考えるに、決して
國管を施行されて
増産にはならない。これはお互いの見解の相違でありますけれども、そういう見解のもとに
反対運動を起しておりました。
-
○梶川委員 前に撫順炭を防がれたときも、要するにこれは撫順炭がはい
つてくることによ
つて、結局
業者が倒れて生活が脅かされるということで
反対されたわけでしよう。
-
-
○梶川委員 撫順炭がたくさんまいればはいるほど
石炭が安くな
つて、消費者の方はいいわけですが、今度の場合もやはりそういうようなことがあるのではないですか。あなたたち自体が撫順炭のときに脅威を受ける。要するにもうけが少くなるということと同じように、今度も
國管になればもうけがなくなるということを卒直に認められないですか。
-
○
田籠証人 そういうけちな考えは私どもは絶対にも
つておりません。撫順淡防止問題のときは、利益とか何とかいうよりも、撫順炭がはい
つてきたために炭鉱はほとんど自滅してしまう。だから炭鉱を生かすについては撫順炭を内地に輸入しないようにしてほしいということで私どもは
運動をしたのであります。あれは撫順炭がはい
つてきて中小炭鉱などが全減することになれば何千万という人間が餓死するようなことになりますから、そのために私どもはあのときに
運動を起したのであります。今度においとも私どもは利潤が少くなるとかいうようなけちな考えでや
つたのでありません。先ほども申し上げた通りでありますから、どうぞ御了承願いたいと思います。
-
○梶川委員 それはよくわかるですが、
自分の家で掘
つて自分の家で使うというような自家用炭をや
つておられる人は、たとえば賦課金なんかに対しても非常に
反対していたでしよう、
運動資金を皆に頭割りにして出させるトン
あたり十円とかいう問題です。そういうようなことには自家用炭をや
つておられる人は
反対しておられたわけでしよう。
-
○
田籠証人 それはどうですかね。それまではつきり記憶していません。
-
○梶川委員 自家用炭をや
つている人は結局もうけにならないからというので
反対した。それで掘
つた石炭を賣られる人はもうけにならないから
反対されたじやないですか。賦課金の問題でも自家用炭の人が
反対され、それ以外の人は身銭を切
つてでも
反対しようとしたことは、やはりこれを阻止する
反対運動がもし成功すればもうかるのだということがあ
つたのじやないですか。
-
○
田籠証人 今もちつとわかりませんが、自家用炭とはどんなものでありますか。
-
○梶川委員 たとえば日曹なら日曹というような
会社は
——これは常磐
関係になるかもしれませんが、ああいう総合企業体が
自分のところで掘
つて自分のところで使う、たとえば大手筋なんかでもそういうようなのが多いじやないですか。
-
○
田籠証人 しかしそれは昔のことでしよう。今そんなところがありますか。
-
○梶川委員 今でも、たとえば日曹なら日曹という例を
一つと
つてみてもあるでしよう。
-
○
田籠証人 しかしそれは私どもよくわかりませんが、現在は政府が全部一應買上げて、それを配炭公團が配給しているのだと私どもは考えております。今お説のように、そんなことにな
つているかもしれませんけれども、そういうことは私どもは
業者であ
つて、一向知りません。
-
○前田(種)委員 先ほど武内副会長から復金の融資問題で福岡で会われたという話ですが、武内さんといつ会われたですか。
-
-
○前田(種)委員 いつですか。福岡にこの間出て行かれて、木曽さんに会われたときに、武内さんにも会われたというのですか。
-
-
○前田(種)委員 その木曽さんと会われたときに、同席されてお
つたかどうかしらぬが、同じ日に武内さんも福岡におられて復金その他の問題で会われたでしようか。
-
○
田籠証人 それはずつと前のことです。その復金の問題のことは、復金から四千万円借り入れることに契約しているから、それを各地区であんばいして特に困
つているようなところは申し込むというようなことであります。
-
○前田(種)委員 先ほど木曽さんに会われた日か、その前後に武内さんにも会
つたように記憶するとあなたは言われたのですが、それは間違いありませんか。
-
-
○前田(種)委員 前とは何日くらいですか。十日か半月のことですから、もう少しはつきり言うたらどうですか。武内さんと会われて復金の話をしたということ……。
-
○
田籠証人 こんなことがあるなら、日誌でもつけておけばわかるでしようが……。
-
○前田(種)委員 十日や三十日のことですから、武内さんに会われたことなんかもう少しはつきり言えぬですか。
-
○
田籠証人 別段会うたからとい
つて何もあるわけじやありません。それより偽証罪で、お前はうそを言
つたというようなことにな
つては困りますから……。
-
○前田(種)委員 大体武内さんと会われて、復金の融資の話をされたときのことをもう少しはつきり言われたらどうですか。
-
○
田籠証人 復金の借入金のことで話されたことはよほど前だと思いますね。
-
○前田(種)委員 先ほど石田君の質問に対して、あなたが福岡に出られたことは武内副会長を通じての融資の
関係と……。
-
-
○前田(種)委員 日銀の
関係等で福岡に出てい
つて、たまたま事務所で木曽君や
上田君と一緒に会
つたという話を言
つておられるのだが、そのときにやはり武内氏とも会われたでしよう。
-
○
田籠証人 そのときには同席場じやなか
つたでしようけれども、その前後に会うたかもしれんと思います。はつきり覚えません。
-
○前田(種)委員 そのとき会
つたとすると、武内さんとは復金の融資
関係以外の話が出たのでしよう。
-
-
○前田(種)委員
國管の問題で武内さんも十日以前に
証人として出てきて
証言をしているのですが、やはりその話をしたでしようが。
-
-
○前田(種)委員 そんなことはない。あなたたち半年も東京にお
つて、毎日会
つて運動されたことがこの
委員会で問題にな
つたのに、武内さんも
証人として出てきているのに、その話に触れないはずはない。もう少しその点の内容をざつくばらんに言われたらどうですか。
-
-
○前田(種)委員 記憶しないとい
つて、十日や十五日前に会われたことが言えないはずはないでしよう。言えぬならば武内氏も
証人として來てもらわなければならないし、今までも言
つておられるし、木曽氏の言もありますから、そんな手数をかけずに、こういう話があ
つたということを、先ほど言われたように九州人なら九州人らしゆう言われたらどうですか。
-
-
○前田(種)委員 記憶しないということなら私は質問を続行します。あなたは会われたことを記憶すると言
つておられるのですから、会
つたときの話をもう少しはつきりしてください。武内さんが今度の問題の
中心ですから、全体の
反対運動の
中心だし、鉱業会の副会長だしするから、武内さんと会われて話が出ているですよ。それは
一つ考えて言
つてください。
もう
一つ、あなたは先ほど
椎熊君の質問の中に、九州人の氣持を知らぬからというようなことを言
つておられた。その中に、どうも九州人は荒つぽくて、千五百円や二千円で足らずに相当金も使
つている。酒も飲み、食いもする。女のことに触れておられなんだが、半年も東京におられたから相当金は使
つておられたと思います。宿屋に引籠
つてまじめにしているようにだれしもとれぬのですが、長い間やはり宿屋以外に飲み食いをされだでしよう。
-
○
田籠証人 私は家内が来ましたから外にはあまり出ておりません。
-
○前田(種)委員 ほかの人ほどうですか。
-
-
○前田(種)委員 毎晩のように遅くあそこから何台か自動車が出て、相当待合やその他のところへ往復してお
つたという書類が自動車会枇から出てきておりますが、ほかへ会合をも
つて酒も飲み、食いもしたでしよう。
-
-
○前田(種)委員 各人龍名館に宿
つておられる人皆ここへ來て、一軒も待合に行
つたこともなし、酒も飲んだことはないと言
つている。龍名館に自動車が來て、一体その自動車をだれが乗りまわしたのですか。三百万円近くの交通費を拂
つてお
つて、その自動車の使いようがない。私これ以上しつこく言いませんが、もう少しはつきり言
つてもらいたい。さつきの武内さんとの会見の内容、今の飲み食いの問題、もう少し眞相を言
つたらどうですか。
-
-
○前田(種)委員 武内さんとの話の内容はどうですか。
-
-
○前田(種)委員 十日ばかし前には会
つたような記憶があると言われたが、その会
つたときの話の内容を言
つてください。
-
○
田籠証人 そのときは別段話も聽いておりません。それは復金の金の問題を主として聽いたのであ
つて……。
-
○前田(種)委員 それではよろしい。
-
○
椎熊委員
石炭國管案と言いましてもいろいろ案が変
つているんだが、あなた方最初に
反対せられたのは商工省案あるいは社会党案で、最後に三派が意見が一致して
議会に出された案に対しては、
業者の中にこれは非常によい案だという意見の人があ
つたように聞くが、そこはどうですか。
-
-
-
○
田籠証人 私はさつきも申し上げますように、これを実施されることになれば減産になる。この
國管案というものは
増産にならないということで……。
-
○
椎熊委員 最初の案であ
つて、最後の
議会を通過した案だと、この程度だと
増産にもなるし、がまんができるということであ
つたのではないですか。
-
-
○
椎熊委員
業者の中にあります。西田君などはこの案ならば当然のむべきだと……。
-
○
田籠証人 しかし先生は民主党の党員ですから言うたでしよう。
-
○
椎熊委員 民主党が必ずしも全部が一致したのではなくて、あなた方の
運動の結果か何か知らんが、
反対した人もある。
-
○
田籠証人 私どもは決してそんなことで結構だとか何とか、絶対に言
つていません。
-
○
椎熊委員 あなた方の十二月の会計の
報告の中に、もう少し金があれば成功するという話があ
つたというのではないですか。
-
-
○
椎熊委員 金がなか
つたから失敗したというような話は聞きませんでしたか。
-
-
-
○
田籠証人 金のことは私どもはあまり携
つておりませんから‥‥。
-
-
○
田籠証人 それは旅費としてもら
つただけで、どれくらいで十分であ
つたとか、どれくらい足らなか
つたということは聞きません。
-
○
椎熊委員 大体足らなか
つたから六百万円も借金したのでしよう。
-
-
-
○
田籠証人 それはあなた方からお考えにな
つたらふしぎのように思われるかもしれませんけれども、そういう
方面には全然タツチしておりません。それはあなた方の御意見は一應ごもつともかもしれませんけれども、私はそういう
金銭のことを……。
-
○
椎熊委員 どうもさつきからあなたのおつしやることは、私はあなたの経歴の一端を知
つているのであるから敬意を表しつつ聽いてお
つたのであるが、ふだんのあなたの行動とまるで違
つておどおどして明確なことを言わぬのは、あなたはうそを言
つているように聞えてしようがないのだ。ここは神聖な議場ですよ。もう少してきぱき言わなくちやいけませんな。武内さんに会
つたことだ
つて、会
つたと言いつつ十日前に話した内容もわからぬと言う。
-
-
○
椎熊委員 それなら
運動の
中心にな
つて百五十日もあすこに座
つておられますか。あなたは七十にな
つても八十にな
つてもきちんとしている人だ、川筋組で男の中の男だと威張る普段のあなたとまるで違うじやないか。
-
○
田籠証人 それはさつき川筋の者がどうこうと言うから言
つたのですが、私自身としては七十近くにな
つて、出たくはないが、しかし若い連中ばかりだからもうしばらくというのでようやくや
つておるくらいのことですから……。
-
○
椎熊委員 ほんとうのことを言
つてもらわぬと困る。
-
○
田籠証人 覚えのないことは覚えがないとていうより仕方がない。
-
○
椎熊委員 三人で会
つた時分に不当財産
委員会の話は話題に上
つたでしよう。東京ではこういうことが始ま
つていると……。そのうちの一人がすでに
証人に立
つておる。そしてあなたたちと会
つて、その話が出ないわけはない。
-
-
-
-
○
椎熊委員 信じられない。あなた方は兄弟分以上の間柄じやないか。
-
○石田(一)委員 ちよつとお尋ねします。木曽さん
あたり三人にお会いにな
つた十日か十一日ほど前の福岡の会合であなたは先ほど東京の議院の委と員会に喚ばれたことを聽いたというこは。
-
○
田籠証人 そのことは木曽氏から聽いたように覚えております。
-
○石田(一)委員 それであなたも喚ばれたということはおつしやいませんか。実はわしも喚ばれているのだ……。
-
○
田籠証人 私はまだ喚ばれていないのですから、そんなことは言いません。
-
○石田(一)委員
上田氏からはその話は出ませんか。
-
-
○石田(一)委員 それでは少くとも木曽さんはこの
委員会に
証人として喚ばれたということは言いましたね。
-
○
田籠証人 そのことだけば福岡で確かに聽いたように思います。
-
○石田(一)委員 そうするとおそらく木曽さんから、君たちもあるいは喚ばれるかもしれんぞという話がそのついでに出そうなものですが……。
-
-
○石田(一)委員 あなたは木曽という人が
証人として喚ばれたことをそのときにお知りになりましたね。そうすると今後また
証人として喚ばれるだろうというおそれのある
上田という人と、
証人として喚ばれたという事実をも
つた木曽さんの三人が、たまたま偶然ではあるが福岡でお会いにな
つた、こう解釈して構いませんね。
-
○
田籠証人 しかし私どもは東京に喚ばれようなどとは考えていなか
つたけれども、令状をいただいて初めてわかりました。それは要するに木曽氏に会
つた後のことです。
-
○
武藤委員長 ほかにありませんか。それでは済みました。
本日はこれにて散会いたします
午後七時四十八分散会